就職活動の早期化と「オワハラ」

■今日の4限は、4回生のゼミの初回でした。就活に卒業論文、なかなか大変だと思いますが、頑張って欲しいです。

■すでに複数社から内定をもらって、卒論に集中できそうな人がいる一方で、就活も卒論もまだまだという人もいます。もう内定が出ているのは、早期選考を受けたからです。一般的に就活情報解禁、エントリー開始となる3月1日以前に実施される選考のことを早期選考といいます。すでに就職活動をめぐるルールは形骸化しているわけですが、落ち着いて勉強や課外活動ができない様子を見ていると、気の毒でなりません。しかも最近は、内々定後に就活終了を強要する「オワハラ」問題もあります。

卒業式(2)

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■一昨日、2月17日(金)、ひとつ前の投稿にも書きましたが、2022年度の卒業式が行われました。その投稿にも書きましたが、私のゼミから卒業した方たちは、2006年の春に1期生が卒業してから現在までの合計で、230人になりました。この230人という人数、長年大学に勤務されている方であれば、たいした人数ではないのかもしれません。また、小中高に勤務されている教員の方であれば、卒業生の人数は軽く超えるのではないか思います。

■このブログというか、ホームページでは、指導してきた学生の皆さんの氏名と卒業論文の題目のリストを公表しています。タイトルを見て、社会学に関心のある方であれば、私のゼミの特徴がご理解できるかと思います。私は、龍谷大学社会学の学部のモットーである「現場主義」を、自分なりにではありますが生真面目に捉えて、その「現場主義」をゼミの学生の皆さんにも徹底するようにしています。そして、どのようなテーマであるにしろ、フィールドワークにもとづく実証的な事例研究(ケーススタディ)により卒業論文を執筆してもらいたいとお願いをしています。ゼミ生を募集する時から、そのことを伝えています。なぜかといえば、その理由は簡単です。社会学部のりカリキュラムでは、社会調査に関連する授業を大切にしてきたからです。さまざまな社会調査関連の授業に加えて社会調査実習という授業もあります。教員の指導の元、実際に調査を経験して報告書を執筆する授業です。ここからは私の個人的な考えですが、そのようなカリキュラムで社会調査を勉強してきたのであれば、自分の大学時代の研究のキャップストーンとして、自分一人で社会調査を実施して卒業論文を執筆してほしい、そのようにずっと思っているのです。もっとも、このようなゼミの教育方針は、学部や学科で共有されているわけではありません。実際の卒業論文は、文献にもとづくものが圧倒的に多いように思います。ですから、個人的な考え…なのです。

■フィールドワークにもとづく実証的な事例研究(ケーススタディ)により卒業論文を執筆してもらいたい…このような教育方針を貫いている背景については、「現場主義」に加えて、もうひとつの理由があります。大学の外に出て、これまで出会ったことのない、「知らない方達」に自らお願いをして、お会いして、お話を伺う…(インタビューのことですが)、そのようなことがゼミ生の成長にとって大変大切なことだと思っているからです。もちろん、「知らない方達」にお会いすることは、勇気がいることかもしれません。人によっては少しストレスになるかもしれまん。ただ、230人をそのような教育方針で指導してきて確信を持っていますが、フィールドワークを行い、これまで書いたことのないような長い文章を社会学の論文として執筆することで、ゼミ生の皆さんは成長され、多くの皆さんが、そこのとを自分でも確信されているように思うのです。繰り返しになりますが、このようなことはあくまで個人的な考えでしかありません。私のゼミ運営の裁量のなかでやっていることです。

■2023年度は、ゼミ生を募集していません。来年度は4回生だけになります。というのも、2024年度は「特別研究員」に就任する予定だからです。次にゼミ生を募集するのは2024年度の秋になります。決定したら2025年度に3回生として私のゼミに所属することになります。また、2025年度はゼミ生(2026年度に3回生)の募集をしません。2026年度(2027年3月)で定年退職するからです。ということからすると、2025年度の3回生が、脇田ゼミ18期生で最後のゼミ生になる予定です。ここまで維持してきた教育方針を最後まで貫くことがなんとかできそうです。

■写真ですが、一昨日卒業されたゼミ生の皆さんとの集合写真です。龍谷大学に在籍していた4年間でさまざまな経験をされたことと思います。凡庸な言い方でしかありませんが、そのような経験が、社会人になってからもなんらかの形で役立ってほしい、そのように願っています。そのような経験の中に、私のゼミでのフィールドワークの経験が、もし大切な位置を占めているのであれば、大学教員としては大変幸せなことだと思っています。ゼミ生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

脇田ゼミ16期生との「コンパ」

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■昨晩は、4回生ゼミのコンパでした。今時の学生の皆さんは「飲み会」というのでしょうが、ここはあえて「コンパ」とさせていただきます。4回生は、2回生になった頃から、新型コロナ感染拡大の状況の中で大学生として過ごしてきました。大変だったと思います。ここには書けませんが、個々人にお話を伺うと、辛い思いをしながら過ごしてこられた人もおられます。本当は、こういった「コンパ」や食事会等で、関係を深めていくことが必要だと思っているのですが、コロナ禍ではそのようなことはできませんでした。昨日は、卒業論文の口述試問も終わり、ちょうど良いタイミングということで、脇田ゼミ16期生の最初で最後の「コンパ」を行うことにしました。

■お店は、もちろん、大津駅前のいつもの居酒屋「利やん」です。卒論の口述試問も終わり、リラックスした時間を共有できました。事前に次のことを伝えました。学生の皆さんからは、修学旅行みたい…と言われましたが。「この店はね、サラリーマンの皆さんが、仕事で疲れた後にやってくるお店なんだから、全国チェーンの居酒屋のように、はしゃいだらダメだよ。大人の呑みに努めてね〜」。とはいえ、「なんや、こいつら」と思うようなことも、やはり少しありました。まあ、仕方がないです。時間をかけて大人になってください。「コンパ」がお開きになり、お店を出たところで、「先生、二次会行かないんですか‼︎」と言われましたが、「次は卒業式かな」と言って帰路につきました。だって、翌日(今日)は朝から仕事がありますから。「深草キャンパスに行かんとあかんねん」。

■写真は、お店の奥さんに撮ってもらったものです。良い写真が撮れました。ありがとうございます。次は「同窓会」ですね。社会人になって、ゼミの同窓会を開催することができるかな。指導教員としては、ぜひ開催していただきたいです。社会学部同窓会からも少し助成をいただくことができます。

大詰めの卒業論文

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■ 金曜日4限は「社会学演習IIB」4回生のゼミです。いよいよ卒業論文の提出期限が来月の12日(最終は15時)に迫ってきました。コロナ禍により、卒論の提出もすでにオンラインになっています。学生の皆さんも大変ですが、指導する教員の側も大変なんです。卒論の構成もできて、書くべき内容もはっきりしているのに、文章を書くことが大変…という人もいます。頑張ってもらうしかありません。まずは自分で書かなければ添削もできません。

■添削といえば…昔は、赤ペンを持って正月返上で必死のパッチになって添削していました。でも、ある時ふと、「なんで自分は正月休みを返上して、学生さんたちの『下請け』やってるねん」と気がつきました。アホですね。今は期限を決めて指導をしています。必死のパッチにならないといけないのは、教師ではなく学生さんたちですから。

■この4回生ゼミ、基本は対面式なのですが、いろんな事情を抱えたゼミ生のためにオンラインも取り入れたハイブリッド形式で行っています。自分のiPadを教室に備え付けのプロジェクターに繋いで投影して、zoomを使って参加できない学生さんたちをつないでます。レジュメや資料等もペーパレス。スマホやパソコンを通して配信されます。

■この日はゼミの後に、残った1人の学生さんの指導を行いました。若い頃だと、カンカンになって指導をしていましたが、カンカンになっても卒論のレベルが上がるわけではないので、今はタンタンと(淡々と)諭すようにしています。頑張って追加の聞き取り調査をしてもらうことにしました。頑張ってもらうしかありません。過去に優秀論文に選ばれた人の場合ですが、卒論を執筆しつつも、ギリギリのところまで諦めずに追加の調査をしてデータを補強していました。そういう人もいるのです。コスト・ベネフイットで卒論に取り組むと、あかんと思います。卒業論文は、大学4年間の自分の学びの総決算ですから。

■写真は、淡々と諭している私です。タンタン。

大学には「きっかけ」がたくさん埋め込まれている。

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■ 担当している「社会学演習IB」(3回生ゼミ)のKくんが、このチラシを私に渡してくれました。

■Kくんは、社会学部の学生なので普段は瀬田キャンパスで勉強しているのですが、ボランティア活動の関連で本部のある深草キャンパスで活動をしてきました。このボランティア活動が、Kくんの社会との関わり方、社会のイメージや感じ方に大きく影響を与えたようです。ちょっとした「きっかけ」で、若い方達は大きく成長されますね。本当は、大学には、そのような「きっかけ」がたくさん埋め込まれています。偶然、理由はよくわからないけれど心にピンとくるものがあれば、一歩踏み出してみることが大切だと思います。

■で、このチラシ。ボランティアで親しくなった京都市役所深草支所の職員さんから知り合いに紹介してほしいと頼まれたのだそうです。お近くにお住まいの皆さん、詳しくは、以下をご覧いただければと思います。

https://fukakusafureai.com/culture_news/

【追記】■既に定員が埋まったという情報も伝え聞きました。すみませんが、上記URLに記載されている電話番号から募集状況をご確認ください。

基礎ゼミナール

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■龍谷大学社会学部社会学科では、大学に入学したての1回生・1セメスターのときに「社会学入門演習」を全員が履修します。しかし、その後、2回生後期・4セメスターで必修となっている「基礎ゼミナール」まで、演習はありません。大学4年間の1年間、演習がないのです。これは個人的な意見ですが、継続して演習が行われるなかで、学生の皆さんがそれぞれの問題意識を持つことができるようにしていくべきだと思っています。もっと言えば、高大連携のプログラム、そして1回生・2回生の演習が続く中で、学生の皆さん(高大連携では高校生の皆さん)が、自分自身で「大学で自分は何を学びたいのか」を明確にしていけるように支援していくべきだと思うのです。

■私が担当する「基礎ゼミナール」も、もちろん学科で定めたシラバスに従って進めていくわけですが、その上で、以下の点に重点を置いて進めています。

①自分自身としっかり向き合い、自分は何を学びたいのかを考えてもらいました。残りの2年間で取り組みたい自分自身の研究テーマを明確にするということです。これは、3回生以降のゼミの選択とも深く関係しています。自分の学びを支えてくれる教員は誰なのかを考えなければなりません。ゼミ選択をいい加減に行わないということでもあります。本当は、この①の部分については、時間をかけて1回生の時から丁寧に継続的に支援を行なっていく必要があると思うのですが、前述の通り、1年間の空白があります。その結果、自分なりに研究テーマを見つけられた人と、そうでない人がいます。そのようなこともあり、各自の今後のキャリア形成とも関連づけながら、この①の段階を丁寧に進めていきました。

②自分の研究テーマを、ゼミの仲間とのグループワークの中で言葉にして話しあってもらいました。まずは、研究テーマをキーワードレベルにして話しあってもらいました。その次は、研究テーマを文章にしてもらいました。自分の研究テーマが少し具体化しているはずです。その文章をもとに再びグループワークを行い、仲間から質問やコメントをもらって、自分自身の研究テーマをより明確にしていきました。現在、この段階まで進んでいます。

③自分の研究テーマに関して、文献やインターネットで簡単な調査を行ない、それらを整理して、パワーポイントで発表してもらいます(8分程度)。来週から、この発表を行います。1回の演習で4人か5人に発表してもらう予定ですが、全員で質問やコメントをして、それぞれの研究テーマがさらに深まっていくようにできればと思っています。

■左の写真は、上記の②のグループワークに取り組んでいるところです。全員に、クラウド型教育支援サービスの「manaba」に自分自身の研究テーマに関する短いレポートを投稿してもらっています。スマートフォンを通して、manabaに投稿された短いレポートを確認し、お互いにコメントや質問をしています。グループに分かれた方が盛り上がります。今は、各自のスマートフォには必ずLINEが入っているので、このLINEの「あみだくじ」の機能を使って、4つのグループに分かれてグループワークを行いました。この時は、「あみだくじ」を使ってさらにもう1回グループをシャッフルしました。

■いよいよ秋が深まってきました。今月末には、ゼミ選択の説明会があり、どのゼミを志望するのか決めなければなりません。「履修志望ゼミ申込」書を提出することになります。そこには、第一志望と第二志望のゼミに関して、志望理由を書かねばなりません。「基礎ゼミナール」での経験が役立ってほしいと思っています。しっかりした志望理由を書いてほしいと思っています。

後期3回生ゼミ「社会学演習IB」

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■火曜日の4限は、「社会学演習IB」・3年生ゼミです。このゼミの夏期休暇中の宿題は、卒論の研究に資する書籍を2冊選んで、書評を書くということでした。書き上げた書評は、manabaというクラウド型教育支援システムに提出してもらっています。学生の皆さんがスマホを手にしていますが、スマホでmanabaにアップされた書評を見ているところです(老眼の私にはスマホは厳しいので、iPadを使っていますが…)。

■3グループに分かれて、それぞれの書評を題材にディスカッションしてもらいました。こうやって、自分の中にあるボヤッとした考えを書評という形で言語化して、そのことをゼミの仲間に語り、意見をもらって…ということを行うことで、自分の研究のテーマや課題がしだいに明確になっていきます。もちろん、個別にもオンラインを使って面談をしていきます。写真からはわかりませんが、皆さん、けっこう熱く語っています。早く、自分の調査のフィールドが決まって、調査を始められるように、頑張ってほしいと思います。
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2022年度基礎ゼミナール

■火曜日の1講時は、「基礎ゼミナール」です。2年生全員が4セメスター目に受講することになつています。シラバスに掲載されているこの授業の概要は以下の通りです。担当教員が誰であるかにかかわらず、全ての「基礎ゼミナール」ではこの概要に従って演習が実施されます。

 大学における授業には、大きく分けると、講義・演習(ゼミナール)・実習という3つの形式がある。このうち演習は、大学での学修・研究にとって最も重要な授業形式だといえる。この形式においては、受講学生の1人(場合によっては数人)が研究発表をし、それをめぐって学生および教員が質疑応答や議論を展開する。このような形式の活動は、専門的な学問研究の世界においてのみならず、就職試験や、社会人になってからの会議・企画・運営などさまざまな場においても行われる。
 このような演習形式の議論空間において、参加者は2つの能力を求められる。ひとつは、研究発表者として、資料や情報の探索を通して自分の関心のある研究テーマを育成し、そのテーマについての知識を深め、その成果を分かりやすく伝えることである。またもうひとつは、議論空間への参加者として、研究発表されたテーマを軸とした議論(質疑応答)を活発に行い、それを通して互いの知的関心を高め合うことである。
 この授業では、担当教員のもとに、個々人の研究テーマを探索する方法や、それに関する文献などを調べた成果を研究発表する方法、研究発表に対する質疑応答の仕方を実践的に体験することによって、3年次以降の演習受講に必要な基礎的素養を培う。

■この概要からもわかるように、3年生からの社会学演習に先立って、演習にスムースに移行できるように、「事前の準備(経験)をしておこう」というのが、この基礎ゼミナールのねらいになります。社会学部社会学科の学生さんたちの場合は、入学したての1 セメスターには「社会学入門演習」という演習があります。その後は、2年生後期の4セメスター目にあるこの「基礎ゼミナール」まで演習がありません。この「基礎ゼミナール」が終わる頃には、どのゼミを選択するのかを選択しなくてはならなくなります。決められた書類に、希望するゼミを第一希望から第七希望まで書かなければなりません。特に、第一希望と第二希望のゼミについては、志望理由を書くことになっています。これは個人的な意見ですが、「自分は何を研究したいのか」がはっきりしないままに、ゼミの選択をしなくてはいけなくなっています。

■今日の「基礎ゼミナール」で、「すでに自分が研究したいテーマは決まっていますか」と尋ねてみました。すると、手を挙げた人は1人だけでした。ほとんどの方達は、自分はどのようなことに関心があるのか、どのようなことを研究したいのか、何故そのような研究をしたいのか…、その辺りのことが曖昧なまま、あるいは空白だというのです。1セメスターの「社会学入門演習」から4セメスターの「基礎ゼミナールまで、講義を受講して単位は取得してきたけれど、自分の研究テーマについて考えたり、友人と議論したり、教員に相談をしたりと、そういった経験をしないまま現在に至っているからです。

■もっといえば、単位を取得すること自体が目的となってしまい、研究を行う上での核となる動機付けのようなものが、自分自身の中に築けていないからなのではないかとも思います。これは、とても困ったことだと思います。しかし、だからといって、学生の皆さんの自己責任だというわけにもいきません。問題は、そういった実態に寄り添うような形で、今の若者に必要なカリキュラムが作られていないということにあるのだと思います。これは、個人的な意見です。「基礎ゼミナール」の概要に書かれている、「個々人の研究テーマを探索する方法や、それに関する文献などを調べた成果を研究発表する方法、研究発表に対する質疑応答の仕方を実践的に体験する」ことももちろん大切なわけですが、そういったテクニック以前に、「自分はいったい大学で何を学びたいのか」ということについて、自分自身との対話を行うこと、そして友人や教員と対話を行うことが必要なのではないかと思うのです。社会学部は2025年に瀬田キャンパスから深草キャンパスに移転することから、改組と新たなカリキュラムの構築に取り組んでいる最中ですが、「学生に教える」ことをベースにした旧来型のカリキュラムではなく、「学生が自らの学びを築く」ことを支援するカリキュラムであってほしいと思います。

■というわけで、私が担当する「基礎ゼミナール」では、シラバスの概要に書かれていることを大切にしながらも、「自分はいったい大学で何を学びたいのか」ということについて「自分自身と対話を行う」ことに重点を置いた授業にしていこうと思っています。

作田祥介くんとの再会

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20220803sakuata3.jpg ■ずいぶん昔に、私の大学院のゼミにモグリ院生で来ていた作田祥介くんが、徳島県の神山町から会いに来てくれました。京都に来る予定があったらしく、そのついでに会いたいと大津までやってきてくれたのでした。一昨日の晩、作田くんと一緒に、大津駅前のいつもの居酒屋「利やん」で夕食をとりました。作田くんとの出会いについては、このブログの記事をお読みいただければと思います。

■作田くん、以前は、東京の「青山ブックセンター」に勤務されていましたが、その後は徳島に移って「一般社団法人神山つなぐ公社」に勤務されていました。現在は、フリーランスの立場で地域づくりの活動に取り組まれています。「大切なことだな〜」と共感する素敵なお話しをたくさん聞かせていただきました。ありがとう。頑張っていますね。話を聞いていて楽しかったな。作田くんの活動の拠点になっている神山町に、ますます行ってみたくなりました。また、作田くんと会ったことを、共通の知り合い(長谷川くん、遠藤くん、末松くん)にfacebookのメッセンジャーで知らせてみました。作田くんと同級生の皆さんです。彼らが、作田くんとの出会いを作ってくれたのでした。彼らともずっと会っていませんね。ということで、今度は彼らも一緒に「呑もう」ということになりました。楽しみです。

■2枚目の写真ですけど、作田くんが私のゼミにやってきていた頃のものです。2007年に、社会人院生の皆さんと一緒に「利やん」で宴会をした時のものです。おそらく、作田くんが京都大学大学院で修士号の学位を取得したお祝いかな。この時も、焼酎の一升瓶をキープしたので、記念に写真を撮ったわけなんです。写真を見ると、作田くんはあまり変わっていませんが、私は、15年間でずいぶん変化して完全に老人になってしまいました。ちなみに、一昨日の晩も、新しい一升瓶をキープすることができました。良いタイミングでした。ということで、1枚目の写真が一升瓶にぶら下がることになります。

「総合的な探究の時間」と卒論の研究テーマの絞り込み

■7月28・29日、8月1日の3日間で、3回生ゼミの夏期集中面談を行います。対面式は難しいので、zoomを使った面談にします。今年は、ゼミ生の人数がすなくなめで12人です。1人30程度、面談を行なってもらいます。面談の目的ですが、卒業論文のテーマを明確にしていくことにあります。まだ焦点化…というレベルにまではいかないと思いますが、少なくとも今よりもう少し絞り込んでいきます。

■本当は、3回生になってゼミに所属する以前に、一定程度、自分が関心のあるテーマに絞り込みをかけて、その関心をもとにどのゼミに所属するのかを考えて欲しいと思っています。しかし、私見では、現在の社会学部社会学科のカリキュラムは、そのような問題関心の絞り込みに相応しい形にはなっていないように思います。問題意識が曖昧なまま、ゼミの所属を決めて、ゼミに入ってから、自分は何を研究するのかを考える…そういうパターンの人が多いのではないかと思います。しかも、1回生の入門ゼミ(「社会学入門演習」)は1セメスター(1年次前期)に開講されますが、その次の演習(「基礎演習」)は4セメスターに開講されることになります。ほぼ1年間、演習形式の授業を受けないことになります。本当は、この1年間で自分自身の問題関心を絞り込んでいって欲しいのですが、それは各自に任させることになります。各自で履修登録をした授業を受けながら、そのような問題意識の絞り込みをやっていける人は良いのですが、そうでない人は(こちらが圧倒的に多数派)、状況に流されるままにゼミに所属してしまうことなります。これは、個人的な見解ですが。これは大変困ったことだと思うのです。

■さらに、個人的な見解を付け加えれば、大学に入学する以前から、つまり高大連携事業の段階から、実質的なカリキュラムは始まっているべきかとも思います。高校では、2022年度より「総合的な探究の時間」に取り組むことになっています。この「総合的な探究の時間」という授業では、これまでの知識習得型ではなく、生徒の皆さん自身が疑問や関心を持ったテーマについて探究すべき具体的な課題を設定し、調査や実験、プレゼンテーションを行っていくことが求められているといいます。大学のカリキュラムも、このような新たな「総合的な探究の時間」を経験した人たちは、大学の授業において何を期待するのでしょうか。本当は、その辺りのことを、高大連携事業の中で考え、新たな事業に取り組んでいくべきなのでしょうね。もし、このような「総合的な探求の時間」と大学の高大連携事業がうまくつながるようになると、その後に続くカリキュラムはどうしていくべきなのでしょうか。その辺りの見通しも、きちんと立てておく必要があります。

■社会学部は、2025年度に深草キャンパスに移転します。組織も改組して、新たなカリキュラムで出発します。現在、そのカリキュラムを具体化していく作業に(私よりも)若い教員の皆さんを中心に取り組んでいただいているわけですが、ここに書いたようなことについてもしっかりご認識いただきたいと思っています。時間をかけて、入学前から(0年次から)、少しずつ無理なく自分の問題意識を絞り込んでいくことができると思うのです。

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