大津エンパワねっとの「めろん」と「こけし」
■一昨日は、大津エンパワねっとコース「地域エンパワねっとⅡ」で頑張っているチーム「めろん」と「こけし」のイベントが、大津市の浜大津を中心とした中心市街地(中央地区)で開催されました。「めろん」は、中心市街地のマンション自治会とのコラボで、中心市街地の素敵な建造物や史跡、そして老舗を訪ねる「歩こう会!」を企画実施しました。このイベントのなかでは、鮒寿司で有名な「阪本屋」さんを訪問しました。明治2年に創業された老舗です。お店では、社長さん自ら丁寧にお店の説明をしてくださいました。
■イベントは無事終了しました。ちょっと一息つきたいところですが、チームのMくんと数人が、「阪本屋」さんにお礼にいきました。そのことに関し、「阪本屋」さんのfacebookの公式ページに以下のように書いていただきました。
実は個人的に一番心に残ったことがあります。内容と関係ありませんが‥
まち歩き終了後、学生さんが数名お礼を言いに来られました。
ツアーやイベントの後、お礼に来られる方は稀です。
最近の若いもんは‥ではないですが、最近の若い人は律儀で礼儀正しい方が非常に多いと感じます。お店に立っていると常にそう感じます。
かなり緊張してらっしゃったようですが、皆さんと私、ほとんど年齢変わりませんよ‥。また、機会があればご一緒したいと思います。
■こういうことを書いていただくと、指導している側としてもとても嬉しいです。ありがとうございました。
■午後からは、チーム「こけし」のイベント「水ナスでおもてナス」でした。チーム「めろん」の企画は、大津に転居されてきたマンションの住民の方たちに、大津の街の魅力を知ってもらおうという企画でしたが、こちらの「こけし」の似たような問題関心からのイベントです。「こけし」の狙いは、100年を超える老舗のすばらしさを、マンション住民の方たちに知っていただきたいというところにあります。今回は、長等漬けで有名な漬物店「八百与」さんで、参加者の方たちが水ナスやキュウリの漬け物体験をするというものです。学生たちの提案を受け止めてくださって「八百与」さんに、心から感謝いたします。
■毎日新聞で告知の記事を出していただいたことから、定員を超える応募がありました。当日は、朝日、京都、産経、毎日といった新聞社の取材がありました。また、地元のケーブルテレビである「Z-TV」の取材もありました。じつは、学生チームを応援・指導してくださっている方の紹介で、市役所の記者会見クラブにイベント開催のチラシを届けていました。そのことが、多数の応募者につながったのかなと思います。
■エンバワねっとに長年取り組んできました。最近思うのですが、学生たちをご指導いただくなかで、学生を媒介として地域のなかにいろんな信頼と協働の「つながり」が生まれているように思うのです。顔は知っているけれど…会釈はするけれど…以上の「つながり」です。いわゆる「社会関係資本」が少しずつ蓄積している…といったらよいのかもしれません。誰かが青写真に描いたとおりには、人「つながり」ません。そして「社会関係資本」は蓄積しません。様々な相互作用の結果として、蓄積していくように思うのです。蓄積には時間がかかります。今回も、学生たちは、いろんな方たちにお世話になっていますが、直接に学生の指導にあたっておられない方でも、「エンパワ」の学生たちがどうしているのかなと…笑顔でイベントをのぞきに来てくださいました。こういう「つながり」も、本当にありがたいと思います。
昨日・今日のできごと
■一昨日は、学部教授会の懇親会でした。そして昨晩は、龍谷大学の兵庫県出身者による「兵庫県人会」でした。私は、奈良在住者としては「奈良県人会」に所属していますが、出身は神戸であることから、知り合いの教職員の皆さんと「兵庫県人会」をつくり、年に数回、飲み会をやっています。今回は、5回目になります。私が勝手につくった規約で、最年長者が会長になるということで、現在は、経営学部の野間学部長に会長をお務めいただいています。昨日は、京都駅ビルのなかにある居酒屋で開催されました。次回は秋、テーマは「松茸」、その次は冬、テーマは「蟹」です。兵庫県は広いですから、食の題材はたくさんあります。県人会で慰安旅行かもしれません。
■長らく「大津エンパワねっと」事務局にお務めいただいた奥田伊代さんが、ご退職されることになりました。今日は、最後の勤務日でした。いろいろご迷惑をおかけしてきましたが、辛抱してくださいました。奥田さんの仕事ぶりは大変緻密で、大雑把な私は、ずいぶん奥田さんに助けていただきました。ありがとうございました。奥田さんには、エンパワねっとを修了した学生たちからメールが送られてきました。また、実際にお別れの挨拶にきた学生もたくさんいたようです。学生たちからも、ずいぶん慕われておられました。
■御礼の気持ちに、ものすごく美味しそうな(私が一番食べたい…と思った)フルーツたっぷりのタルトをプレゼントさせていただきました。喜んでくださいました。私のほうも、奥田さんからプレゼントをいただきました。お手製のキーホルダーです。私の似顔絵が書いてあり、隅には「大津エンパワねっと」のキャラクター(エンパワくんと呼ばれていますが…)が描いてあります。ありがとうございました!!
大津エンバワねっと「まち歩き」瀬田編
■今日は、「大津エンパワねっと」コースの「大学と地域をつなぐ特別講義Ⅱ」の「まち歩き」でした。「大学と地域をつなぐ特別講義Ⅱ」(2014年度までは2年生前期・3セメスター目)では、市内で地域づくり活動をされている方たちお招きしお話しを伺います。それに加えて、「地域エンパワねっとⅠ・Ⅱ」(2014年度までは2年生後期・3年生前期)を履修して現場に入って行く学生たちのために、大津の中心市街地である中央地区と瀬田東学区の2カ所で「まち歩き」を実施しています。今日は、瀬田キャンパス正門10時スタートしました。このエリアの地形や歴史(40万年前〜現代)に関する情報を風景の中に読み取りつつ、地域コミュニティの状況や課題について説明しました。JR瀬田駅まで、約2時間半かけて歩きました。
■写真ですが、右は、旧東海道沿いにある月輪という地域にいったときのものです。立派な石碑がたっています。ここは、「立場」と呼ばれる場所ですです。石碑のむうこには、下月輪池というため池があります。昔々、東海道を行き交う旅人が休んだ茶店があったと地元の方から聞いています。石碑には、月輪の地名の由来が書いてありましたが、もとも月輪禅閣藤原兼實の荘園があったためとも、道中旅人が池に映る月の影に感嘆して名付けたためともいわれているようですが、はっきりしないようです。写真の左は、お手製の「まち歩き」用の資料です。A3の紙を縦横に折り、全部で16ページの仕上がりになっています。内容、以下の通りです。おもに、地元で発行された『昔を今、語りづく、わがまち瀬田東』から引用、ないしは活用をさせていただいています。
・琵琶湖の生い立ちと瀬田丘陵
・大津市南部地域の地質
・瀬田丘陵を中心とした溜池分布(1983年)
・丸尾の池と多鉈開発状況(文久年間1861〜62年)
・明治25年(1892年)測量地図
・瀬田の略年表
・昭和23年(1948年)航空写真
・平成2年(1990年)航空写真
・財産区
・昔の学園通(朝倉通)
・自治会
・瀬田駅開業当時の様子(昭和44年当時)
最近の「地域エンパワねっと」(中央地区)
■昨日、16日(金)の1・2限は、「地域エンパワねっとⅡ」の授業です。「地域エンパワねっと」は、大津市の中心市街地にある中央地区(中央学区を中心とした中心市街地)と大学に隣接する瀬田東学区の2つの地域にわかれて活動しています。私が指導しているのは、中央地区で活動している学生です。写真のように5チームにわかれています。具体的に、地域の課題解決(ないしは魅力発信)の小さなプロジェクトをたちあげ、地域の皆さんの協力のもと8月末頃まで頑張ってそれぞれのプロジェクトに取り組みます。
■5チームとも、学生たちの企画、地元の皆様のご指導もあり、少しずつ形になってきました。最初の頃は、具体性がなかったり、抽象的であったりしていたてのですが、しだいに実際の現場の課題に焦点があってきました。地域の皆さんにいろいろご相談をしていくなかで、期待をしていただける程度にまではなってきました。少しずつですが、プロジェクトは進捗しています。おそらくは、自分たちのチームのなかで、そして自分自身のなかで、なにか「気付き」や考え方の「変化」があったのではないでしょうか。ここしばらくの期間で獲得できたことを、大切にしてください。
大津エンパワねっと「大学と地域をつなぐ特別講義Ⅰ」
今日の「地域エンパワねっとⅡ」
■今日は、龍谷大学社会学部の地域連携型教育プログラム「大津エンパワねっと」の合同授業が行われました。左の写真。授業のイントロで主担当教員である笠井先生が、書画カメラでひとつの写真記事を提示されました。最近話題になっている「896自治体で若年女性半減=2040年推計」というニュースです。元・岩手県知事で、総務大臣もされた増田寛也さんが座長の「日本創成会議」人口減少問題検討分科会の報告です。
■2040年時点の全国の市区町村別人口の推計をもとに、全体の約5割を占める896自治体で10年から40年までの間に若年女性(20~39歳)が半分以下に減ると試算し、「将来消滅する可能性がある」と指摘されています。また、40年時点で人口1万人を切る523自治体に関しては「消滅の可能性が高い」と分析しされています。ショッキングなニュースですよね。このニュース、NHKのクローズアップ現代でも「極点社会~新たな人口減少クライシス~」として報道されました。こういう現実が見えてきたからこそ、このような大きな社会の流れに抗う対策を地域のなかから摸索しなければなりません。「大津エンパワねっと」は、そういう現実ともつながっているのです。
■写真の右側は、1957年の「町の政治~べんきょうするお母さん」というドキュメンタリー映画です。「大津エンパワねっと」は、「エンパワメント」と「ネットワーク」の2つの言葉からの造語です。このドキュメンタリーは、高度経済成長が始まった(始まろうとしている)時期の、東京都国立町(現在の国立市)のおかあさんたちの取り組みに関する映画なのですが、「エンパワメント」とはどういうことなのかを考えるうえで、貴重な映画だと思います。ナレーション等には、今からすればいろいろ問題のある表現もありますが、「エンパワメント」と「まちづくり」と「民主主義」はつながっていることを実感できる素敵な映画だと思いました。この映画については、同僚の(お隣の研究室の)畑仲先生がご自身のプログにとりあげておられるので、ぜひその記事をお読みいただければと思います。
今日の「町家キャンパス龍龍」
■今日は、朝4時に起床しました(昨晩は、22時に就寝しました)。そして、すぐにパソコンを立ち上げ大学院関連の書類チェックをやり、6時半に自宅を出ました。大学には8時過ぎに到着。引き続き書類チェックの続きをやりました。9時に教務課にその書類を提出。ちょっと一安心と思っていたら、教務課にいた「大津エンパワねっと」担当職員のNさんが、「せんせー、今日は、町家キャンパス龍龍にいるはずでは…」というのです。「あっ…しまった」です。今日は、午前10時から「町家キャンパス龍龍」で、「大津エンパワねっと」の学生チーム「こけし」の2人の学生が自分たちの活動について、地域の方から助言をいただくことになっていました。大学院の仕事と「大津エンパワねっと」の仕事、仕事的には別系統なので、うっかりしていました。もっとも、仕事とはいっても、「町家キャンパス龍龍」の鍵の開け閉めするだけなんですが、鍵は教職員でないと扱えないことになっているのです。
■気がついたのがまだ早かったので、バスとjRで、9時50分には「町家キャンパス龍龍」には到着することができました。写真は、中央学区自治連合会会長の安孫子さんに、いろいろ相談に乗ってもらいるところです。近年、大津の中心市街地ではたくさんのマンションが建設されています。たくさんの方たちが大津の街中に転入されてきています。チーム「こけし」の学生たちは、そのような「新住民」の皆さんに、大津にある素敵な事柄をもっと知ってもらいたい・体験してもらいたい、大津の街を自分の街として好きになってもらいたい…そのような想いから、活動をしています。まずは、中心市街地にある素敵な老舗の商店について知っていただこうと、先輩たちがやってきた「まちづくりカフェ」を応用したイベントの企画を練っているところです。
■今日は、どうやって「新住民」の皆さんに広報・告知していくのか…ということに関し、安孫子会長から様々なアドバイスをいただくことができました。そして、「君たちは、『今日は3件契約をとってこい』なんてノルマのある厳しい営業活動をやっているわかけないんやから、もっと気楽に、だめもとでええから、どんどん地域の皆さんのところにお願いや相談に行きなさい!!」と励ましの言葉もいただきました。安孫子さん、ありがとうございました!!
■町家の入り口を開け、縁側のガラス戸も開けると、町家のなかにも気持ちよい風がそよいでいました。良い季節になりましたね。
最近の「地域エンパワねっとⅡ」
■龍谷大学社会学部の地域連携型教育プログラム「大津エンパワねっと」コースの「地域エンパワねっと」は、いったい誰のためにやっているのか?…と聞くと、素直に「自分自身のため」と答える学生が多いと思います。大学のカリキュラムのなかに位置づけられた授業ですからね。大学の勉強は自分のためにやっているのだ…というのは、その通りだと思います。しかし、「エンパワ」は普通の授業とは違います。「地域の皆さん」と一緒に取り組むことで初めて成立する授業です。
■ですから、エンパワの活動は、まず第一に、「地域の皆さん」の「地域」をもっと良くしたいという「想い」に寄り添うような形であるべきだと思うのです。そのような意味で、「地域」のためにやっているのです。しかし、地域の皆さんと交流し、一緒に汗をかき、今までになかった「何か」を喜びとともに共有できたとき、学生の皆さんは、自分自身の人間力を成長させているはずです。ただし、ここが大切なのですが、自分の人間力を成長させるのは目的ではなく、あくまで結果として…ということです。
■このことに関連してもうひとつ。「地域の皆さん」の「地域」をもっと良くしたいという「想い」に寄り添うためには、地域の皆さんとの密接な交渉・調整が必要です。また、「地域の皆さん」の立場を想像する力が必要です。こういう考え方は、地域からみたときに、どう映るのか、どう理解されるのか、自分たちの独りよがりな企画になっていにないか…そういう想像力が必要になります。なにも、びくびくしながら「地域の皆さん」と接しなさいといっているわけではありません。社会的な経験が少ないのですから、少々の失敗は仕方がありません。地域の皆さんも、暖かく受け止めてくださっています。そのときは、怒られてください。そして、そこで挫けず、再度チャレンジしてください。うたれ強い人間になってください。
■たとえば、チラシの作成を例にしましょう。私は、グラフィックデザインの専門家ではありませんが、素人なり思うに、誰に読んでもらおうとしているのか、その方達の心を掴むにはどういう情報(言葉と図・写真等)を、どのようにレイアウトするのか、そのあたりのことを真剣に考える必要があると思います。知り合いのデザインを教える先生と雑談をしていたとき、「脇田さん、私たちがやっているデザインとはね、じつは人と人との関係のデザインでもあるのですよ」とおっしゃいました。一枚のチラシが、人と人とのポジティブな関係を生み出していく…。大切な考え方だと思いました(エンバワ等に関連して、きちんとした外部講師のデザイナーの先生に講義をしてもらいたい…と常々思っています)。
■このあたりがしっかりしてくると、取り組みにブレが出にくくなります。頑張れ、「エンパワ」6期生!!
中央学区自治連合会の総会
■今日は、社会学部の地域連携型教育ブログラム「大津エンパワねっと」でお世話になっている、大津市中央学区自治連合会の総会にお邪魔しました。2007年から始まった「大津エンパワねっと」、現在は6期生が地域の皆さんにご指導をうけながら活動に取り組んでいます。年度初めの総会のときは、いつもお邪魔して、総会の始まる前にご挨拶をさせていただいています。これまでは、私がご挨拶をさせていただいてきましたが、今回は、一緒に「エンパワ」に取り組んでいる若い同僚の教員、笠井先生(コミュニテイマネジメント学科)に挨拶をしていただきました。
■今回の総会の議事次第のなかでは、年間事業として「大津エンパワねっと」との協働についても取り上げていただいています。長年の連携のなかで、少しずつですが、地域と大学との関係が成熟してきたように思います。これはひとえに、地域の皆さんが、「大津エンパワねっと」の趣旨を深くご理解いただき、学生たちを成長させようと丁寧にご指導いただいていることのおかげです。ありがとうございます。この地域の皆さんの期待に、もっと学生は応えないといけません。頑張りましょう。
■総会のあとは、笠井先生のお誘いで、浜大津アーカスにあるレストランへ。笠井先生は、イチゴパフェとコーヒー。私の方はイチゴパフェというわけはにいかないので、…結局…生ビールということになりました。スイーツは嫌いなわけじゃないのですが…。似合いませんよね。
「地域エンパワねっとⅡ」の授業が始まりました。
■今日から龍谷大学社会学部の地域連携型教育プログラム「大津エンパワねっと」の「地域エンパワねっとⅡ」の授業が始まりました。今日は、事務的な連絡と、学生たちのディスカッションが中心になりました。全部で9チームあるのですが、チームをシャッフルして、異なるチームのメンバーからなるテーブルをつくり、お互い、春期休暇中にどんな取組をしてきたのかをまずは報告し確認しあいました。そのあとは、チームのミーティングを行い、「地域エンパワねっとⅡ」の今後の予定について報告してもらいました。
■気がかりなというか、イライラしてしまうことは、私からみるとあまりにものんびりしすぎていること…でしょうか。限られた時間、限られたチャンス、限られた資源(地域資源、関係資源…)を頭のなかに入れながら、プロジェクトをどのように進捗させていくことができるのか、「本気になって」考える必要があります。「学生だから…」という甘えがどこかにあると、うまくいきません。しっかり責任感をもって取り組んでほしいと思います。私からは、学生の皆さんにいろいろ伝えたいことがあるのですが、たまたま少し前のことになりますが、「大津エンパワねっと」の報告書の原稿を執筆したので、それをここにアップしておきます
「地域エンパワねっとⅠ・Ⅱ」に取り組んでいる、ほとんどの学生の皆さんが、戸惑っているに違いない。チームの仲間との調整、教員との調整、そして地域の皆さんとの調整に戸惑うのだ。単なる相談や協議のための日程や時間の調整ということだけでない。チームの他のメンバーとの考え方のズレ、地域の方たちのニーズと自分たちの思いとのズレ、そのようなズレにどう対処していくのかということも、その調整に含まれる。担当している教員は4人いるが、それぞれに固有の考え方がある。当然のことなだが、同じことを質問しても、教員のアドバイスの仕方にはズレがあるだろう。「地域づくり」に正解はないのだから。
簡単にいかない。自分の思い通りにはいかないのだ。しかし、「自分はこれだけ頑張っているのに…」と思っても状況は変わらない。そんな、ある意味「自分勝手」な思いは通じない。実際、卒業してみればすぐにわかることなのだが、これが「社会の現実」なのだ。履修している学生の皆さんは、そのような将来の体験を先取りしているのだ。そのことも含めての「大津エンパワねっと」なんだ…ということを忘れないで欲しい。これまでは、学校という制度や組織のなかで、個人の努力がストレートに評価されてきた。しかし、「地域エンパワねっと」は違う。チームの力、地域との調整力、他者との関係をうまく調整できることが重要なのだ。
異なる考え方の人たちとの調整はとても大変なことだ。しかし、そのような経験は、きっと将来、学生の皆さんにとって役立つ経験になるはずだ。頑張ってほしい。というのも、地域づくりの「幸せ」は、人との関係のなかにあるからだ。「俺が俺が…」、「私が私が…」といった主張は、地域づくりの現場では役にたたない(むしろ害がある…)。人の話しに耳を傾ける、人を評価する、人と協力して汗を流す…そういった過程を人びとと共有できるところにこそ、地域づくりの「幸せ」はあるのだ。