オンライン授業講習会
■昨日は、キャンパス内にある情報処理のための教室で、クラウド型教育サービスの「manaba course」と「Google Hagouts Meet」の講習会が開催されました。大きな部屋とはいえ、人がたくさんなので、窓も扉も全開、ビュービューと風が部屋に入ってくる環境で、席も離して、マスク装着とアルコールで消毒をしての参加です。専任教員だけでなく、非常勤の先生方も参加されていました。今日の講習会でおおよそどうすれば良いか、理解できたかな…という感じです。習熟して慣れるのに、かなり時間がかかりそうですが。まあ、仕方がありませんね。
■私は現在龍大でしか教えていませんが、非常勤の先生方には、たくさんの異なる大学で教えておられる方たちがいます。そのような先生方は、それぞれの大学でやり方が違うので、非常に大変なご苦労をされているのではないかと推察します。
■それから、学生自身が、manaba course とGoogle Hagouts Meetにどこまで習熟できるのか。友達が周りにいませんからね。特に、新入生の皆さんは大変だと思います。わかりやすい動画を作成して、学生向けに配信するとか、方策が必要になると思うのですが…。特に、スマホしか持っていない学生に対しては、配慮が必要だと思います。その心配を担当職員の方にはお願いとしてお伝えしておきました。教員にオンライン授業をしてもらう以上に大変だと思うのです。
Andrea Bocelli: Music For Hope - Live From Duomo di Milano
■イタリア のテノール歌手アンドレア・ボチェッリが歌っています。4月12日(日)にイタリア・ミラノのドゥオーモ大聖堂で無観客のソロ・コンサート「Music For Hope」を行なった時の動画です。様々なジャンルのミュージシャン・音楽家が、新型コロナウイルスの危機の中にいる世界中の皆さんの心を癒すために、あるいは苦しみと悲しみを介して連帯していくために、動画配信をされています。このボチェッリが歌われている3曲目は、マスカーニ作曲「カヴァレリア・ルスティカーナ」です。私は学生時代に所属していたオーケストラで何度も演奏をしました。大変懐かしい。歌うとこんな感じになるのですね。
Panis Angelicus (from “Messe Solennelle” Op. 12, FWV 61) César Franck—-1:35頃
Ave Maria, CG 89a (arr. from Johann Sebastian Bach, “Prelude” no. 1, BWV 846)—-5:30頃
Charles-François GounodSancta Maria (arr. from “Cavalleria Rusticana”, Intermezzo)—-8:55頃
Pietro MascagniDomine Deus (from “Petite Messe Solennelle”)—-13:00頃
Gioachino Antonio RossiniAmazing Grace—-18:40頃
John Newton
「コロナ対応特別なんでも相談室」
■毎日、授業のオンライン化のことで頭を使っています。しかし、今日は、オンライン化授業の「前提条件」に関する新聞記事を読みました。「感染拡大でバイト収入減少 大学生など経済的不安4割に」(日本経済新聞社)です。どれほどの割合かはわかりませんが、スマホやパソコンの通信料金を自分のアルバイトでなんとかしている学生さんの場合は、もうじき通信料金が払えなくなる可能性があります。アルバイト収入が減少しているからです。関西の大学の学生さんの場合はどうなんでしょうね…。大切なことはオンライン授業の技術的な問題だけでなく、個々の学生の経済的基盤(アルバイトだけでなく、保護者からの仕送り減額・停止等も含む)も視野に入れて考える必要があるということなのかなと思います。加えて孤立していることによるメンタルへの負荷についても考え必要があります。テレビニュースを見ていると、家の中にずっといることで精神的に辛い状況になっている方たちのことが報道されています。様々な問題要因が構造化されていように思います。
■ゼミのように直接指導している学生の場合は、私でも力になることができますが、そうでない学生たちの場合、「どうしたらよいの…」と不安の中にある困難を抱えた学生に必要な情報(①オンライン授業の技術的なこと、②経済的な問題、③健康の問題(メンタルヘルスを含む)、④その他…)を、学生のケアも兼ねて、トータルに提供できる「コロナ対応特別なんでも相談室」のようなものが必要なのではないのか、作る必要があるように思いました。大学側が個別の問題には対応していても、学生の側から見たらバラバラに窓口があるように見えますので。もちろん「コロナ対応特別なんでも相談室」は、うちの大学の場合であれば、学生部、教学部、情報メディアセンターが緊密に連携しないとできません。問題は職員も在宅勤務している中で、マンパワーをはたして確保できるかどうかということです。もうそのような動きが学内にあるのかもしれませんが、悲しいかな基本在宅勤務と言われている身だと、その辺りの状況もよくわかりません。危機対策について考えている人たちの考えている方向性がよく見えません。
■それはともかく、すでに個別には様々な支援の動きがあるようですので、それらをつないだものが、「コロナ対応特別なんでも相談室」なんだろうと思います。窓口はたくさんあった方が良いと思います。加えて、専門性の違う方たちと連携できた方が良いとも思います。個々の教員もゼミ生の相談には応じることができますが、1人では対応できない案件については、すぐにつなげることのできる専門性をもった人たちがいてくれた方が良いです。そのようなネットワークの総称が「コロナ対応特別なんでも相談室」なのかなと思います。既存のリソースをつないで、そこに看板をかけただけですが、何もないよりもずっと良いと思います。ただ、そういうネットワーク化を進めるためには、学生部、教学部、情報メディアセンターが「協力しあいましょう!」とバックアップしてくれることが重要だと思います。
■このようなことをMicrosft Teamsを使ったやりとりでちょっと乱暴ですが提案してみたところ、学部内に賛成してくれる人が出てきました。うまく行くといいなと思います。Microsft Teamsは、こういう非常事態できちんと連絡を取り合って、社会学部の教員たちが知恵を出し合うためのツールのようなものなのですが、まだきちんと機能しているようには思えません。こういうのは使い方を間違うと、単なる上から下への情報伝達ツールになってしまいますし…。あえて強い言葉を使うと、「秩序維持のツール」(あるいは「組織統治のためのツール」)ではなく、もっと「自治のツール」として機能させないといけないのではないかと、個人的には思っています。
吹奏楽部のミーティング
■昨晩は、20時から龍谷大学吹奏楽部のミーティングをすることになりました。昨晩使ったのは、zoomです。使いやすいけど、リスクがあると聞いています。私はニュースしか読んでいないので、どのようリスクなのか具体的なことはわかりません。そんな感じで評価が定まらないわけなのですが、とりあえず昨晩はzoomのミーティングに参加することになりました。
■もちろん自宅からの参加なのですが、問題は自宅のどこで参加するのかということです。zoomは背景を隠すことができるらしいですね。先日、ある授業でzoomを使ってオンライン授業を実施したところ、複数の学生が知っていたのか、たまたま気がついたのか、背景を隠していました。2人の学生の背景はサンフランシスコになっていました(ゴールデンゲイトブリッジ)。昨晩の吹奏楽部のミーティングの段階で、私はまだ背景隠すやり方をわかっていませんでしたが、そのうちに、そうやって背景を隠すこともできそうです。ただ、周りで家族がテレビをみていたりすると、ミーティングができなくなります。
■ということで、物置のようになってしまっていた自分の部屋を(整理整頓が下手なのです…)、少し整理してミーティングに参加しても恥ずかしいくない雰囲気にしました。自宅からのオンライン会議には、いろいろ気を遣うことが必要になります。女性であれば、お化粧とか、服装とか…気になるのではないでしょうかね。大学の研究室も物置のようになっていたので、客人を迎えることができるほどにはきれいにして整理もしました。でも、コロナで誰もやってこないんですけどね。まあ、そういうわけで、今日からは自分の部屋をさらに整理整頓しなくてはと思っています。まあ、断捨離ですね。もういらない書類が山ほどあります。強力なシュレッダーも欲しいですね。もう、持っていても仕方がないものもたくさんあるので、それらをシュレッダーで粉砕するつもりです。
■さて、龍谷大学吹奏楽部のミーティングですが、音楽監督、コーチ、幹部の部員の皆さん、そして副部長の皆さん、あわせて13名でzoomを使って快適にミーティングをすることができました。13人だと、皆さんの表情がよくわかりません。まだ使い始めたばかりのせいかもしれませんが、zoom等で会議に参加するときは、メリハリのついた発言の方が良いと思うし、人の発言を聞くときは、うなずいたりすることを少し大袈裟にした方が良いかなと思いました。このあたりはどうなんでしょうね。調べてみると、「テレビ会議を劇的に円滑にする簡単なノウハウ」という記事が目に入りました。内容は以下の通りです。いろいろノウハウがありますね。
マイク付きイヤホンを使うこと
特別な機材は不要、カメラ付きノートPCでOK
複数いる会議室と繋ぐTV会議はダメ
全員を同じコンディションにする
全員が顔を出すこと
声に出して相槌をうつこと
話終わったら「以上です」
慌てない、落ち着いて、雑談してもいい
周囲が煩いときは気にせずミュート
テレビ会議が始まるまえにチャットで声かけを
画面共有をしてメモをとること
イメージを共有するときもツールを活用
ラジオ参加するときはフェイスをオフに
ソフトウェアは使い分ける
テレビ会議の背景にも気を配る
■ところで、ふと思いました。龍谷大学は3つのキャンパスに分かれています。本部があるのは、京都市伏見区にある深草キャンパス。私は普段大津市にある瀬田キャンパスに勤務しているのですが、これまでキャンパスを超えた会議は、大学のテレビ会議システムを使って行っていました。私はテレビ会議があまり好きではなかったので、わざわざキャンパスを移動して会議に参加することもありました。しかし、みんながコロナウイルスのせいでこういうパソコンを使ったテレビ会議に慣れてくると、それぞれの研究室や自宅から参加できることになります。おそらく大学の会議は、Microsoft Meetを使うことになると思いますが、Meetだと資料もアップできますしね。あるいは、教育用ではありますが、manaba course の中に会議用のコースを作って、そこに資料をアップすることもできます。実際、教授会の資料は全てmanaba courseで配信されています。まだ、大きな会議室に実際に集まって教授会をしていますが、資料の配布はmanaba courseになりました。このことにより、印刷作業が大幅に軽減されました。そのうちに教授会もテレビ会議になったりして…と思っています。
■そうなると、何か話し合うということでも、人が具体的などこかの場所に集合して行うということが自明でなくなりますね。民間企業にお勤めは、すでにテレビ会議をバンバン使っておられる方たちが多いでしょうから、とっくの昔に同様のことを感じておられると思います。時間が節約できる、仕事の生産性が上がると考えておられるのではないかと思います。社会は大きく変化しています。実際のところは、どこに向かうのでしょうね。少なくとも、私自身の仕事や生活については、大きく変化していく予感があります。ただ、それが良い事なのか良くないことなのか、まだわかりません。社会的にインパクトのあるインパクトのある技術の登場については、プラスの側面とマイナスの側面がありますから。誰もが想像もしていなかった(こんなつもりではなかった…)、長期間に渡ってゆっくり進行して気が付きにくいようなマイナスの側面があるかもしれません。
■ただ、テレビ会議ではできないこともあります。例えば、大学の場合でいえば研究室での実験。それから部活動も。野球部がテレビ会議で野球の練習をすることはできません。指導者からアドバイスをもらうことはできますが…。それは吹奏楽部も同じです。テレビ会議で集まっても、実際の合奏の練習は困難です。うちの吹奏楽部は、コロナウイルスのために全く練習ができていません。おそらく、全国の多くの小中高大の吹奏楽部が同様の状況に置かれているのではないかと思います。うちの吹奏楽部の場合ですが、個人練習をする環境を確保できない部員もいます。特に、下宿している部員の場合です。でも諦めずに頑張っています。困難な状況の中で成長していくために何ができるのか。試練ですね。皆さん応援してください。
石原式によるオンライン授業の方法
■オンライン授業の方法に関して、龍谷大学農学部の石原健吾先生の研究室を訪問しました。もちろん、窓は開けて、社会的距離を確保した上で、いろいろ教えていただきました。
■パソコンを自宅で使えず、通信容量に限界のあるスマホしか使えない学生さんでも、きちんとオンライン授業を受けることができるようにするには、どうすれば良いのか…、私の課題でした。以前にも、このことについて投稿しましたが、共感してくださったのが、農学部の石原先生でした。仲良しです。先生が既に取り組まれていた方法を教えてもらいました。Macを使ったやり方です。おそらくWindowsを使っておられる方の場合でも、同様の機能で似た感じで作業ができるのではないかと思います。どなたか、石原方式(Windows版)を考えていただけませんでしょうか。以下は、Mac版です。
「龍大農学部・石原式(Mac版)」
(1)パワーポイントで、講義用のファイルを作成します。
(2)そのファイルを編集しているパソコンに、ペンタブレット(板タブ)をUSBでつなぎます。安くて良いようです。
(3)板タブを使って、パワーポイントのきちっとした活字に、手書き風のタッチでアンダーラインを引いたり、書き込みをしたりします。
(4)できあがったら、そのスライドをみながら、説明をします。録音するのは、iPhoneに入っているボイスレコーダーです。iPhoneにマイク付きのイヤフォンをつけて、パワーポイントのファイルを説明して録音します。1枚のパワーポイントの説明が終わったら、録音も途中でストップします。
(5)パワーポイントのスライドを、Macの場合だとスクリーンショットして画像にしてデスクトップにおきます。これが基本です。これを繰り返して、講義に必要なパワーポイントのスライド全てについて同じ作業をします。
(6)デスクトップには、講義に使う複数のスライドのスクリーンショットしたものを、全てマウスで確定してクリックします。すると、プレビューで見ることができます。このあとパワーポイントのスクリーンショットをPDF化します。
(7)PDFにする方法です。プレビューのファイルをクリックして「プリント」を選択します。そして「詳細を表示」にします。「プレビュー」をクリックして「レイアウト」を選択します。石原先生は、パワーポイントの4つのスライドを1ページにまとめておられました。「境界線」を入れることもできます。
(8)このプレビューの左下隅にある「PDF」で「PDFとして保存」を選択し、デスクトップにファィル名をつけて保存します。こうすることで、パワーポイントをPDFファイルにすることができます。
(9)最後です。ここで、録音した音源とPDFファイルができたことになります。これを「manaba course」にアップします。
(10)学生は、このPDFファイルを見て、音源を聞いて、自分の都合のつく時間に自学自習することになります。オンディマンド方式です。
(11)このファイルを、どの期間manaba courseにアップしておくのか、これは授業の運用の仕方によって違ってくるでしょうね。私の場合ですが、事前にしっかり学習をしてもらった上で、manaba courseで小テストを実施しようかと思っています。また、それぞれの学生からの質疑応答や感想やコメントもmanaba courseにアップしてもらおうかなと思います。この質疑応答や感想やコメントをもとに、短時間ですが、学生の皆さんと「Meet」を使ってライブでやりとりしようかなと思っています。ちょっと、反転授業っぽいですね。
■石原先生、ありがとうございました。
【追記1】■立命館大学では、オンライン授業開始日にトラブルがおきました。「大学サイトでトラブル 新型コロナ対策のオンライン授業で学生アクセス殺到 立命館大」。これは大変ですね。龍谷大学は、5月11日から全面的にオンライン授業が始まりますが、同様のことが起きてしまうと困ったことになります。このようなこともあり、できるだけネットやサーバーに負荷がかからないような方法を考えたいと思っています。
【追記2】■以下、オンライン授業を実施するにあたり有益な情報が多々書かれています。
オンライン授業に初めて関わる教員のための教授法(ティップス)
オンライン授業のための新しいアプリ
■新型コロナウイルスに対応するために…というか、オンライン授業を始めるために、新しいアプリをインストールする必要が生まれてきました。「zoom」、「Google Hangouts Meet」、「Microsoft Teams」です。加えてこれまでほとんど使っていなかった、龍谷大学の関係者のみアクセスできるポータルサイトの中にあるのですが、LMS(ラーニング・マネジメント・システム)「manaba course」も重要になってきました。大学がオンライン授業で推奨しているのは、「Google Hangouts Meet」と「manaba course」なんですが、これに加えて「zoom」も使わないといけません。大変な時代になってきました…。
■私がまだ20代で、大学院の最後の時代は、ワープロ専用機が使える時代になっていました。私の一番最初の査読論文、『ソシオロジ』に掲載された論文は、Canonのワープロ専用機で書いたものです。プリンターのついた、初期のApple社のMacintoshみたいな、四角いサイコロのようなものでした。ワープロ専用機以外で必要なこと、あとは郵便と電話でした。Faxとコピーもありましたね。しかし、ワープロ専用機は時代は終わり、すぐにパソコンの時代に移りました。そしてパソコン通信が入ってきた。ただし、パソコン通信の時代も短かったなあ。すぐにインターネットが当たり前になったからです。パソコンの性能はどんどん良くなり、個人でもホームページを運営できるようになりました。その頃は電子掲示板も使っていましたね。そうやって、多くの皆さんとネット上で交流していました。そのあとは、web2.0というやつかな、ブログが広まりました。私も、見様見真似でやってみました。そして今度はSNSです。Twitterやfacebookが日常のこミュニケーションツールになりました。いったい何台のパソコンを買ったのでしょうね…。初めてパソコンを購入した頃とは違い、パソコンも消耗品のようになってきました。命が短いです。価格も安くなりました。そして今回の新型コロナウイルスで、「zoom」、「Google Hangouts Meet」、「Microsoft Teams」といったものを使わなければいけなくなりました。
■ポストコロナの時代、社会は大きく変化するでしょうね。7年後に大学を退職しますが、その頃はどうなっているでしょう。退職後は、もうついていけないだろうと思います。
学生側からみたオンライン授業
■1人の学生さんからメールを受け取りました。兵庫県にお住まいで、瀬田キャンパスに通っておられますが、今は「緊急事態宣言」により自宅から出ることができません。また、うちの大学では学生はキャンパスに入ることができません。さて、メールをくれた学生さんのお宅には、パソコンが1台あります。しかし、ご両親が在宅のテレワークで日中は使っておられるので、時間割と同じ時間帯にオンライン授業をすることになると、ご両親と相談をしなければならないのだそうです。しかもWi-Fiの通信量も制限があるとのことでした。ですから、その学生さんとしては、スマホで受講できたらありがたい…ということを訴えておられました。ただ、スマホだって通信量に制限がありますよね。家のすぐ近くに、無料で使えるWi-Fi環境があれば良いのですが…。画像をたくさん流すような教材だとスマホでは無理があるかなと思います。
■龍谷大学の学内関係者だけが閲覧できるポータルサイト内に、「龍谷大学 オンライン授業まとめ 2020春」というページがあります。そこには、推奨環境として、以下のことが説明してあります。ただ、これだけの環境をどれだけの学生が準備できるのでしょうね。そのあたりが、よくわかりません。教員の側は、「今時の学生だから、自分用のパソコンを持っているだろう」と思っていると、大変なことになります。自宅で、たくさん家族の皆さんと1台のパソコンを共用しているため、自由に使うことができない学生さんもおられます。そういう学生さんからは、スマホのフリック入力でレポートを書いて、それを大学のパソコンで打ち出して提出するという話を聞きました。また、「学費は出してあげるけど、生活費は奨学金とバイトでなんとかやってね」と言われている学生さんであれば、「コロナでオンライン授業になるので、この際、思い切ってパソコンを買っておこう」ということはできません。コロナでますますバイトが減って収入が減少している状況では無理です。光インターネット、下宿先に備えられていれば良いですが、自分で契約してということになると、その料金も払わなければなりません。そのため、大学では、オンライン授業を受けられない学生は、大学にきて端末を利用しても良いということになっています。ただ、この感染拡大のなか、大阪の街中を通って通学している自宅生だと、かなりのリスクを覚悟しなければなりません。
オンライン授業のための推奨環境
光インターネット等の安定したブロードバンドインターネット環境(携帯電話回線は推奨しません)
最新のOS(Windows10・MacOS Mojave,Catalina)を搭載したパソコン
Webブラウザ:Google Chrome 最新版
Microsoft Office(学部生・大学院生はOffice365がダウンロード・インストールできます)
双方向ビデオ通話のためのWebカメラ・マイク・ヘッドフォン・ヘッドセット等
■「持続可能なと開発目標 SDG’s」のスローガンである「誰一人取り残さない」ということを考えるのであれば、てんこ盛りの動画等をオンライン授業で流すよりも、実質性だけを担保する、通信容量のあまりかからない方法が良いかなと思っています。「携帯3社、通信料一部無料に」という報道もあります。仮にそのような無料サービスを受けても、できるだく「重くない」オンライン授業をしなくてはいけないように思います。ということで、授業を履修する学生の人数にもよりますが、こんなのはどうかと考えました。
(1)これまでだと授業でプリントを配布してきました。文献や資料を切り貼りしたプリントです。それからパワーポイントのスライドを印刷したもの。全て印刷してテキストを作成して、それを学生の自宅に郵送するのです。これだと著作権の問題に抵触しないかなと思います。4月6日の毎日新聞で「オンライン授業でも著作物利用可能に 文化庁、新型コロナで改正著作権法前倒しへ」との記事があります。このことの詳細について、もっと知りたいとところです。もし、前倒しになるのならば、履修学生限定ではありますが、「manaba course」というクラウド型教育支援サービスを使って、資料をオンラインで配布することができます。それが間に合わなければ、印刷をして郵送したらどうかと思うのです(ただし、郵送料は大学の費用で負担してもらう必要があります)。講義用のパワーポイントは、オンラインで配布することができます。
(2)そのテキスト(資料とパワーポイント)を元に、講義を録音する。それを「manaba course」において都合がつく時間に聞いて、テキストをみながら自習してもらう。オンディマンド方式です。これだと、もし自宅にパソコンが1台しかなくても、自分の都合がつく時間帯に事前学習してもらえます。
(3)そのような事前学習をしたことを前提に、学生との質疑応答は、授業時間中に「manaba course」を使って小テストをしたり、あるいは使えるのならば「Google Hangouts Meet」も使って対応することができます。こうなると、いわゆる「反転授業」になりますね。
■私の経験からすれば、若い時に聞いていた「旺文社のラジオ講座」のような感じなんですが。今だと、ポッドキャストっていうんですかね、そんなふうにできないかなと思うわけです。それとは別に、放送大学のノウハウからも学ばせていただこうと思っています。どの学生も通信量の制限のないWi-Fi環境にいるわけでなく、自由に使えるカメラとマイクのついたパソコンを使えるわけでもありません。ということで、全ての学生に授業を受けられることを保証しようと思うと、こんなやり方もあるんじゃないかなと思いました。まあ、まだ思いつきのようなレベルですけど。
■話は変わりますが、新入生の学生の皆さんはどうされているのか気になっています。特に自宅から離れて初めて1人で下宿している学生の皆さんです。どうされていますかね。新しい友だちもできない。1人で下宿でポツンと過ごしているわけでしょうか。コロナで地元に帰省することも難しくなっています。精神的にきついでしょうね。大学教員としては、学習面だけでなく、学生の皆さんのメンタルのことも心配しています。
■最後に。写真は、自分が世話をしている自宅の庭です。コロナやオンライン授業とは全く関係がありません。春らしい、とても気持ちの良い雰囲気になっています。しかし、世の中は新型コロナウイルスの感染で大変なことになっています。春の雰囲気とコロナ感染との大きなギャップ、大変辛いものがあります。
オンラインで教授会
■緊急事態宣言が出て、龍谷大学も教育職員(教員)は、役職者を除いて、原則在宅勤務になりました。ただ、「オンライン授業対応等やむを得ず出勤しなければならない業務」があれば勤務できることになっています。ということで、今日は出勤させていただきました。
■まずは情報関係の事務職員の方達にご指導を受けました。学外(自宅)でもなんとかオンライン授業にも対応できるようになりつつある…という感じになってきました。その後、勤務している社会学部では初めてのオンライン会議が会議されました。学科会議と学部教授会です。特に違和感もなく、なんとかなりそうな感じでした。教授会は司会をする学部長のカメラとマイクがオンになり、他の人たちは、発言の時だけカメラとマイクをオンにする…そのような感じで進みました。使ったツールは「Microsoft Teams」です。少しずつ慣れてきたかな。
■今日の教授会では、オンライン授業化に向けて大学の具体的な方針とスケジュールが提示され、少し安心しました。これから特訓を受けながら、オンライン授業の準備をしてまいります。加えて、教員だけでなく、学生の皆さんには、オンライン授業を受講できるように、条件のサポートとわかりやすい情報提供が必要になります。オンライン授業に向けて、教員と学生の双方がきちんと勉強していく必要があります。今日の教授会では、学生の皆さんがオンライン授業を受けられるように、丁寧な情報提供を学部執行部にお願いをしておきました。オンライン授業が全面的に開始するのは、5月11日からです。
オンライン授業の修行
■龍谷大学、前期は全てオンライン授業になりました。あわてています。
■今日も、モバイルとスマホで、大学が契約している会議用のツール「Microsoft Teams」をインストールしてなんとか使えるようになりました。情報メディアセンターの職員さんに、ご指導いただきました。若い方達にはわからないでしょうが、年寄りは、ちょっとした道の凸凹に足をとられて転けてしまいます。それと同じで、つまらない事で躓き、なかなか前に進めませんでした。そういえば、亡くなった母親は、FAXも送ることができませんでした。機械の類を嫌がり、避けていました。今の私も、若い方達からすれば、そのような母親の状況に近いのかなあと思いました。しかし、職員さんたちはさすがですね。ご指導いただき、やはり「餅は餅屋だな〜」と関心しました。昨日の晩、長い時間をかけて苦労していたことが、アホらしくなるほどです。
■それが終わったら、長らく使っていなかった学内のメール、「 Gmail【SSO】」を使えるようにして、この「 Gmail【SSO】」から今度は「Google Hangouts Meet」に辿りつきました。これを使ってゼミや講義を行うのです。使い方にはついては、「Microsoft Teams」の「社会学部オンライン化タスクフォース」内にあるPDFファイル「Google Hangouts Meetを利用したオンライン授業について」を読んで俄か勉強しました。
■今晩は、ゼミの4回生と練習をするつもりです。「LINE」でゼミ生たちにその旨連絡をして、龍谷大学のLMS(ラーニング・マネジメント・システム)「manaba course」>「ゼミのコース」>スレッドに「Google Hangouts Meet」の使い方をアップしました。はたして、どれだけの方がゼミ生が参加してくれるかな。「Microsoft Teams」、「 Gmail【SSO】」、「Google Hangouts Meet」、「manaba course」…もうついていくのに必死です。通常であれば、心理的な抵抗感が相当強いわけですが、今回はそのようなわけにいきません。明日の教授会も「Microsoft Teams」を使って実施する予定のようです。昼間と夕方に練習がありました。私は、夕方の練習に参加しましたが、全員が画像を写して(自分の顔を写して)発言することは、ちょっと難しいようです。まあ、当たり前か…。
■ところで、Twitterで慶應大学の環境情報学部のメッセージが話題になっているそうです。こんなメッセージ。同じ苗字ですが、もちろん親戚ではありません。私も脇田先生のメッセージを読んで、実際にSFCの先生に教わりたいよと思いました。まあ、そういうわけにはいかないので、周りの方達に助けていただきながら、俄か勉強を続けます。
新入生・在学生のみなさんへのメッセージ
環境情報学部長 脇田 玲
家にいろ。
自分と大切な人の命を守れ。
SFCの教員はオンラインで最高の授業をする。
以上。
■写真は、研究室の窓から見える湖南アルプスです。研究室内が、数名であればお客様を迎えられるほどの感じになりました。相変わらず、ごちゃごちゃしていますけど。
社会学部オンライン化タスクワーク
◼︎今日は、大学に出勤しました。キャンパスでは、履修相談を受けにきたマスクをした新入生たちが、2mほど距離を置いて並んでいました。もちろん、私もマスクです。さて、昨日、社会学部の中に「社会学部オンライン化タスクワーク」というグループが立ち上がりました。そこに参加するためには、大学が契約している「Microsoft Office365 Teams」というサービスを利用しなければならなりません。ということで、右も左もわからないまま、とりあえず「慣れる」ためにいろいろいじってみました。とりあえず、投稿や連絡、チャット、テレビ電話等ができるようになりました。
■テレビ電話以外は、「LINEのようだけど、ああ、昔やっていた掲示板みたいだよ」というのが最初の印象でした。まあ、なんとか慣れたかな。情報弱者のジジイにならないように、必死のパッチでついていかねば…なのです。「Microsoft Office365 Teams」で最初にやったことは、社会学部のことではありませんでした。Teamsを使い始めると、すぐに課外活動の事で副部長のお一人から連絡が入りました。副部長さんとテレビ電話もやってみました。私は、研究室でMacとSafariを使っているので、アプリをダウンロードするとやっとテレビ電話が使えるようになりました。イヤフォンとマイクがセットになった「ヘッドセット」はありませんが、まあ、なんとか普通に使えました。あと、ゼミをするのに「Google Hangout Meet」を使えるようにならないといけないし、「PowerPointでスライドショーで録音・録画する方法」も勉強しなくてはいけないし…。新しいゼミの皆さんとのコンパは、「Google Hangout Meet」を使ったオンライン飲みになるかもしれません。
■「しかし、うまくいくのだろうか」…と心細いところに、緊急事態宣言発令です。近畿だと、大阪と兵庫です。多くの学生が、大阪府や兵庫県から龍谷大学に通学しています。特に、大阪。さあて、どうなるか。まあ、対応するしかありませんが。まだ、大学の方針が発表されません。じっと待っています。
私が困っているのは、フィルードワークや屋外での学習が伴う実習系の授業、これらの授業は果たして実施することができるのかどうか…ということです。
■キャンパスは静まり返っていますが、周りの里山は春真っ盛りです。新学期ということで、研究室に来る学生の皆さん気持ちよく迎えられるようにと、荒んだ気持ちがそのまま現れたような乱雑な研究室を少しだけですが整理しました。とはいえ、学生の皆さんがやって来られるのはいつになるでしょうね〜。緊急事態宣言が発令されるわけですから。
【追記】■本日の夕刻、龍谷大学から、前期はすべてオンライン授業になるとの発表がありましたた。こういうことは、誰も経験したことがありません。学内外の多くの知恵を集めて、みんなで踏ん張っていくしかありません。
「教室での授業開始を、4月21日(火)からとご案内していましたが、現在の状況に鑑み、今学期においては、教室での授業を実施することは難しいと考え、全ての授業をオンライン授業として実施することとしました。
4月7日(火)から、順次、manabaを通じて課題提示等をおこなっていくこととしています。さらに、様々な形式によるオンライン授業を準備し、5月11日(月)からは全学的に実施していきます。」
■前期はすべてオンライン授業になるということは、「学生が大学に来てはいけない、来させないようにする」ということでしょう。学外で取り組む社会調査実習、社会共生実習等は、どうなるのか。これは大きな問題です。また、課外活動もできなくなります。これも、学業とともに課外活動に熱心に取り組んでこられた皆さんにとってはショックだと思います。