「コロナ対応特別なんでも相談室」
■毎日、授業のオンライン化のことで頭を使っています。しかし、今日は、オンライン化授業の「前提条件」に関する新聞記事を読みました。「感染拡大でバイト収入減少 大学生など経済的不安4割に」(日本経済新聞社)です。どれほどの割合かはわかりませんが、スマホやパソコンの通信料金を自分のアルバイトでなんとかしている学生さんの場合は、もうじき通信料金が払えなくなる可能性があります。アルバイト収入が減少しているからです。関西の大学の学生さんの場合はどうなんでしょうね…。大切なことはオンライン授業の技術的な問題だけでなく、個々の学生の経済的基盤(アルバイトだけでなく、保護者からの仕送り減額・停止等も含む)も視野に入れて考える必要があるということなのかなと思います。加えて孤立していることによるメンタルへの負荷についても考え必要があります。テレビニュースを見ていると、家の中にずっといることで精神的に辛い状況になっている方たちのことが報道されています。様々な問題要因が構造化されていように思います。
■ゼミのように直接指導している学生の場合は、私でも力になることができますが、そうでない学生たちの場合、「どうしたらよいの…」と不安の中にある困難を抱えた学生に必要な情報(①オンライン授業の技術的なこと、②経済的な問題、③健康の問題(メンタルヘルスを含む)、④その他…)を、学生のケアも兼ねて、トータルに提供できる「コロナ対応特別なんでも相談室」のようなものが必要なのではないのか、作る必要があるように思いました。大学側が個別の問題には対応していても、学生の側から見たらバラバラに窓口があるように見えますので。もちろん「コロナ対応特別なんでも相談室」は、うちの大学の場合であれば、学生部、教学部、情報メディアセンターが緊密に連携しないとできません。問題は職員も在宅勤務している中で、マンパワーをはたして確保できるかどうかということです。もうそのような動きが学内にあるのかもしれませんが、悲しいかな基本在宅勤務と言われている身だと、その辺りの状況もよくわかりません。危機対策について考えている人たちの考えている方向性がよく見えません。
■それはともかく、すでに個別には様々な支援の動きがあるようですので、それらをつないだものが、「コロナ対応特別なんでも相談室」なんだろうと思います。窓口はたくさんあった方が良いと思います。加えて、専門性の違う方たちと連携できた方が良いとも思います。個々の教員もゼミ生の相談には応じることができますが、1人では対応できない案件については、すぐにつなげることのできる専門性をもった人たちがいてくれた方が良いです。そのようなネットワークの総称が「コロナ対応特別なんでも相談室」なのかなと思います。既存のリソースをつないで、そこに看板をかけただけですが、何もないよりもずっと良いと思います。ただ、そういうネットワーク化を進めるためには、学生部、教学部、情報メディアセンターが「協力しあいましょう!」とバックアップしてくれることが重要だと思います。
■このようなことをMicrosft Teamsを使ったやりとりでちょっと乱暴ですが提案してみたところ、学部内に賛成してくれる人が出てきました。うまく行くといいなと思います。Microsft Teamsは、こういう非常事態できちんと連絡を取り合って、社会学部の教員たちが知恵を出し合うためのツールのようなものなのですが、まだきちんと機能しているようには思えません。こういうのは使い方を間違うと、単なる上から下への情報伝達ツールになってしまいますし…。あえて強い言葉を使うと、「秩序維持のツール」(あるいは「組織統治のためのツール」)ではなく、もっと「自治のツール」として機能させないといけないのではないかと、個人的には思っています。