大阪駅の「天空の農園」

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▪️ひとつ前の投稿にもあるように、昨日は、龍谷大学吹奏楽部の定期演奏会でした。終演後はホール近くのバルでレセプションが開催されたので、あらかじめホテルを予約して宿泊しました。帰宅する際、大阪駅で上に登るエスカレーターが気になり、行けるところまで登ってみました。すると最後は階段になり、14階に「天空の農園」という場所を発見しました。本当に野菜を植えてありました。
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▪️植えてあったのは、芽キャベツ、ケール、田邉ダイコン、天王寺カブラ、カリフラワー等です。どうして、ビルの屋上にこのような施設を設けたのか、その理由がよくわからないのですが、素敵だと思いました。コンセプトについても知りたいなと思いました。農園なんですが、公園でもあります。

▪️この「天空の農園」からは、豊中、尼崎、伊丹、宝塚、西宮方面がよく見えました。思い出深い、西宮の甲山が見えないかなと思ったのですが、ビルに隠れて見えませんでした。残念。梅田スカイビルの手前、開発工事が行われています。「グラングリーン大阪」というらしいですね。大阪で進んでいることを普段意識することもなくなっているので、この「グラングリーン大阪」のことを全く知りませんでした。梅田界隈を歩いていると、人が多くて…。自宅のある滋賀に戻ると、何かホッとしているような気がします。

第4回滋賀県環境審議会自然環境部会

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▪️昨日、木曜日は授業がありません。学外での仕事が多くなります。今日は滋賀県庁で開催された「令和5年度第4回滋賀県環境審議会自然環境部会」に出席しました。

▪️私は、環境審議会の委員ではありませんが、3月に策定予定の「生物多様性しが戦略2024」に関して、専門委員という立場で出席しています。ですから、昨日の自然部会の複数の議題のうち、一番最初の「(仮称)生物多様性しが戦略2024 の原案について」の時だけ出席させていただきました。先月の16日に第3回の審議会では「素案」だったものが今回は「原案」にバージョンアップしました。素案については、すでにネット上に発表されています。近いうちに原案も発表されるのではないかと思います。あとは、環境審議会への答申やパブリックコメントの段階に進んでいくのかなと思います。「生物多様性しが戦略2024」は、生物多様性関連の条約や国際的な枠組み、国の法律や計画、そして滋賀県の条例や計画とも連動することの中で策定されていきます。職員の皆さんが相当頑張って原案を作成されてきたことがわかりました。ご苦労様でした。

▪️で、こんなことを言うと叱られるのかもしれませんが…。「戦略」が策定されたら、次は「作戦」や「戦術」が必要になり、それを支える「兵站」も必要になってきます。ふざけているわけではありませんよ。「戦略」に書かれていることを実現していくためには、市町や民間の企業や団体と連携していく具体的な仕組みが必要だと思います。それが、「作戦」や「戦術」にあたるのかなと思います。。一番細かなレベルで言えば、プロジェクトのレベルかな。その辺り、「原案」の中にある「行動計画」で少し垣間見えるわけですが、この「原案」をもとに、さらに具体的なそして深い個別的な議論も必要だと思います。また、それを支えていくための資金・情報・技術も必要になります。これが「兵站」。今後の展開に注目したいと思います。

クマ被害に関する記事を読みました。

20231213kumahigai.png▪️朝日新聞社の「AERA dot」の記事がYahooニュースで配信されていました。「クマ被害急増ついに八王子にも出没?『人間がクマのすみかを奪っている』は間違い 専門家が語る本当の理由」という記事です。内容は、森林ジャーナリストである田中淳夫さんへのインタビューをもとにした記事です。

▪️TVニュースをみながら、「どうして、今年はこんなに熊の被害が多いのだろう」と皆さん思っておられると思います。一般には、山に食べ物がなくなったから里に降りてきている…そういうふうに思っている方も多いと思います。私もそう思っていました。しかし、田中夫さんによれば、どうもそうではないようなのです。

▪️林業では、間伐という作業が行われます。林野庁の公式サイトでは、次のように説明されています。

間伐とは、森林の成長に応じて樹木の一部を伐採し、過密となった林内密度を調整する作業です。
間伐を行うと、光が地表に届くようになり、下層植生の発達が促進され森林の持つ多面的機能が増進します。
間伐を行わず過密なままにすると、樹木はお互いの成長を阻害し、形質不良になります。
また、残った樹木が健全に成長することにより木材の価値も高まるため、間伐は大変重要な作業となります。

▪️この間伐作業は木材の価値を維持するためにも非常に大切な作業だということになります。ところが、木材の価格が低迷することで状況が変わってきます。「価格で低迷。苦労して木を育てても割に合わないために間伐をやめてしまい、人工林の多くが放置されることになった」というのです。すると、そのような放置された人工林の中に、ヤマブドウやノイチゴなどの熊のエサになる植物が生い茂ることになり、そして針葉樹と広葉樹がまざった林へと変化してきます。そのような林は熊にとって「絶好のすみか」なのだそうです。また、人里に近いところにあった耕作地は、高齢化とともに耕作放棄され、森林に戻ると熊にとっては都合の良いというのです。田中さんは、「クマにとって豊かな森が増え、その結果としてクマが増え、獣害も増えてきている」と推測されています。

▪️私は、この記事の内容について何か言えるような専門性を持っていないので、ぜひ森林の専門家の皆さんにもご意見をお聞きしてみたいと思います。

【関連記事】▪️今年はクマ被害が多かっただけに、「AERA dot」にもいくつかクマ関連の記事がありました。
「犬」に吠えられると一目散に逃げる「クマ」の心理 なぜ「野生のクマ」は「犬」にだけ弱いのか
クマ駆除抗議に研究家が抱く危機感 襲われて死亡した被害者宅に「自業自得だ!」の残酷電話も

住宅地の中のレモン

20231211lemon.jpg▪️自宅近くの土地に植えてあるレモンの樹です。一区画、60数坪から70坪くらいの敷地の住宅が並んでいます。我が家ものような住宅のひとつです。都市近郊の戸建て住宅団地です。そのような中に、住宅を建設せずに、農地にしているところがたくさんあります。あくまで確認ですが、ここに住宅地が造成される前の地主さんの土地ではないかと思います。住宅を建てる予定がないので、それまでは農地として利用されているのではないかと思います。あくまで推測です。住宅地として登記すると税金が高くなりますから。

▪️そのようなことはともかく、このレモンの樹には毎年たくさんの実が成ります。このレモン、収穫された後はどうされているのでしょうね。少し売ってほしいな〜。「無人販売所を作ってくだされば、決められたお金を置いていきますよ〜」と思っているのですが。このレモン以外にも、大きなブンタン(たぶん…)やミカンも植えておられます。自家消費するには量が多いのではなと思うのですが、それともどこかに出荷されているのでしょうか。気になります。

▪️レモンのような果樹に限りませんし、また住宅地の中の農地(住宅地を農地として利用)に限りませんが、散歩していて畑の作物が収穫されないまま残されて腐っているのをあちこちで拝見します。また、畑に漉き込まれていくのかもしれません。おそらく規模も小さいので自家消費のために生産されているのだと思います。自家消費では多すぎるので、そのままになっているのでしょう。なんだか、もったいないですね。そういう野菜を有効利用できる仕組みがあったらよいのに…といつも思います。

▪️私が暮らしているところは、大津市内の中でもかなり大きな戸建て住宅団地になります。そして、農村と隣接しています。言い換えれば、消費者と生産者が隣接して暮らしているのです。このような地理的な条件をひとつの枠組みとして、「地域の食と農」を消費者も自分事として考え、生産者である農家を応援していく仕組みが必要だと思っています。もし、このような仕組みがあれば、畑の作物が収穫されないままになっているのを横目で眺めて通り過ぎることもないのになあ…などと思ってしまうのです。ただ、嬉しいことに、この農村には直売所が設置されています。農家のご家族が自分たちのために生産された野菜をお裾分けしていただくような感じでしょうか。もちろん、お代金はお支払いしますよ。でも、安い価格だし、新鮮で美味しいものですから、お裾分けしていただいているような気持ちになるのです。

▪️大きな視点から言えば、食料安全保障、農家の高齢化と後継者不足(不在)、農村の過疎化、気候変動の影響、生物多様性の喪失…農業や農村を取り巻く状況は厳しいものがあります。だからこそ、消費者が生産者を応援していくような仕組みが必要だと思うのです。小さな地域社会の範囲の中で、できるだけ自給率を高めていくような仕組みでもあります。それは、最近よく言われる「アグロエコロジー」とも深く関係していると思います。理事長をしている特定非営利活動法人「琵琶故知新」では、このような消費者が生産者を応援していくような仕組みづくりに関わっていくことになるかもしれません。今、相談をし始めたところです。そこでは、おそらく、この「アグロエコロジー」についても生産者や消費者の皆さんと一緒に勉強していくことになるでしょう。

▪️レモンの樹から、話がだいぶ横道に逸れてしまいましたね。

琵琶湖の水位低下 ANNニュース(12月7日)


▪️このニュース動画、「琵琶湖に“幻の道”が出現 カラカラでシジミ漁びっくり(2023年12月7日)」というANNのニュースです。琵琶湖の水位低下、今めちゃくちゃ深刻になっています。最近の報道を見ていると、過去の水位低下の時のことを思い出します。1994年、私は滋賀県職員でした。琵琶湖博物館開設準備室に勤務していました(正確には、滋賀県教育委員会事務局(仮称)琵琶湖博物館開設準)。このニュース動画にある「幻の道」を、その時実際に歩いています。

▪️過去、水位が低下した時、琵琶湖の下流、京都や大阪も含めてどのような状況になったのか、この記事が参考になると思います。長期間雨が降らなかったり、逆に、突然大雨が降り出したり…。これからの時代、気候変動に振り回されます。

伊吹山の茅刈り

▪️伊吹山の麓にお暮らしの高橋滝治郎さんのFacebookへのご投稿です。高橋さんは、鹿の食害と戦いながら伊吹山の草花を守る活動をされています。今年の7月12日の大雨で伊吹山の登山道が大規模に崩落し、現在は麓から登山をすることはできなくなっています。大雨であればこれまでもあったと思いますが、増えすぎた鹿が山に生える草木を食べてしまうことで、山の斜面が裸地化し、土砂流出が深刻化して、このような大規模な崩落が起きてしまったのです。このご投稿の中で、高橋さんは「シカの食害を受けて、茅場が衰退しないよう願うばかり」と書いておられます。伊吹山だけに限ったことではありませんが、この鹿問題、非常に深刻です。ニホンジカが増えた理由等については、環境省の以下のウェブサイトをご覧ください。

いま、獲らなければならない理由ー共に生きるためにー

「くらべてみた 浄土の教え」

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▪️おお!! このイベントの講師のうち、井上さんは社会学部の同僚、岩田さんは念仏に関するちょっとしたワークショップで知り合いになりました。これ、ぜひ参加したいと思います。できれば、神戸まで行きたいのですが、当日は、大学の評議会があります。これ、出席することが義務付けられています。評議会が終わって神戸にいくこともできるかもしれませんが、評議会の終了時間、いつになるのかわかりません。仕方ありません、オンラインで参加します。

▪️この講座に関連していえば、大学でこういった「仏教初心者講座」をやっていただきたいんですよね。学生、教職員、全ての龍大関係者を対象にした講座です。もし実現するとすれば、宗教部にお願いすることになるのでしょうか。

水田からのメタンを抑制する社会的仕組み


▪️先日、東京で開催された「世界農業遺産(GIAHS)と農村地域開発に関する国際シンポジウム」では、開催期間が3日間ということもあり、一緒に参加した滋賀県庁農政水産部・農政課の職員の方達と、晩に、夕食を摂りながら滋賀の農業の諸々についてお話をすることができました。その中ででできたことのひとつが、水田から発生する温暖化ガスであるメタンの問題でした。

▪️世界農業遺産「琵琶湖システム」では、環境こだわり農業が盛んに行われています。全国の中でもその取り組みはトップを走っています。これは、琵琶湖があるからです。琵琶湖に負荷をかけない農業の取り組みが盛んに行われているのです。この環境こだわり農業をさらに高度化していくためには、水田から発生するメタンを削減していくことも重要になってきま。水田から発生するメタン(温室効果は二酸化炭素の25倍…)は、日本の人間活動で発生する全メタンの45%をしめるとのこと。かなりのウエイトを占めています。では、水田のメタンをどのように抑えるのか。その対策のポイントは中干しの期間にあるようです。この辺りのことについて説明しているのが、トップにリンクを貼り付けた「X」のポストにさらに貼り付けられれている「農業で地球温暖化に立ち向かう ~水田からのメタン抑制と高温耐性のイネ育種~」という記事です

▪️ネット上に、こういう滋賀県が発表されている資料を見つけました。どのような目的のために作成された資料なのかはよく分かりませんが、タイトルは「(仮称)CO2ネットゼロ実現と気候変動への適応~みらいを創る しがの農林水産業気候変動対策実行計画~」になっています。資料では「<期間>令和4年度(2022年)~令和8年度(2026年) [5年間]」と書いてあるので、現在も取り組まれているののではないかと思います(どうやろう…)。この中でも、緩和策として「温室効果ガス(メタン)発生量を約3割減少できる、長期中干し(14日以上)の推進」、「長期中干しの推進、有機農業の推進、家畜ふん堆肥の利用促進、緑肥の作付け推進」と明記されています。もうひとつネット上に、滋賀県が発行されている「土の力を最大限活かす! 『水田土づくりマニュアル』~CO2ネットゼロに向けて~」というものを見つけました。このマニュアルについても、現在、どのように扱われているのかよくわかりませんが、「農耕地管理で地球温暖化を緩和する~CO2ネットゼロ実現に向けた取り組み~」というタイトルで解説が行われています。そして「中干し期間延長で水稲作のメタン排出量を減らす!」に加えて、そのほかにも「田畑輪換栽培でメタン排出量を減らす!」という方法等についても解説されています。これは、「水田で水稲作を軸に、麦・大豆作を組み入れた 3年4作の「田畑輪換栽培」(水稲-水稲-麦・大豆の3年4作)が主要な栽培体系」のことです。

▪️このような温暖化ガス削減に向けた取り組み自体について、私には農学的というか栽培技術的な点から何か言えるわけではありませんが、以上と連動するような興味深い取り組みのことが民間で試みておられる記事を見つけました。「ヤンマーとNTT Com、水稲栽培でのメタンガス削減とJ-クレジット創出における新たな取り組みを開始」という記事です。サブタイトルには、「環境負荷の低減と生産者の収益向上を両立するサステナブルな農業モデルを構築」とあります。

▪️タイトルにある「J-クレジット」とは、「省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用によるCO2等の排出削減量や、適切な森林管理によるCO2等の吸収量を『クレジット』として国が認証する制度」のことです。この「クレジット」とカーボンオフセットとを組み合わせて、農業や地域社会に資金を循環させることを目指しておられるようです。カーボン・オフセットとは、「CO2等の温室効果ガスの排出について、まずできるだけ排出量が減るよう削減努力を行い、どうしても排出される温室効果ガスについて、排出量に見合った温室効果ガスの削減活動に投資すること等により、排出される温室効果ガスを埋め合わせるという考え方」のことです。水田の中干し期間を延ばしてメタンの排出量を減らし、そのことをNTTの持つセンサーの技術できちんと測定し、それを「J-クレジット」にして売却し、民間企業がその「J-クレジット」を購入することで、結果として農業や地域社会への資金循環を実現する、またメタン発生を削減して生産された米は地球温暖化に配慮された米、付加価値をもつ米として、環境問題を意識されている方達に販売されることになります。NTT Comと連携しているヤンマーは、契約農家への営農指導と生産された米の販売を促進させる役割を担われるようです。

▪️興味深い取り組みですね。メタンの削減をセンター技術を用いてエビデンスを明らかにして「J-クレジット」にして売却するというところがポイントでしょうか。このような水田からのメタを抑制する社会的仕組みことについて、もう少しきちんと勉強してみます。

【追記】▪️滋賀県では、メタン発生を抑えるための「長期中干しの推進」が実施されており、「J-クレジット」のインセンティブというか効果はあまりないという話を何人かの方達から聞かせていただきました。

琵琶湖のヒウオ

▪️滋賀県農政水産部水産課のFacebookへの投稿をシェアします。琵琶湖は、ヒウオのシーズンに突入しました。これも、「琵琶湖システム」の恵みです。ありがとう、「琵琶湖システム」。

小佐治(甲賀市甲賀町)でお話を伺いました。

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▪️今日は、午前中、ゼミ生のTくんと一緒に、甲賀市甲賀町小佐治に聞き取り調査に出かけました。Tくんは小佐治から車で10数分のところに暮らしているのですが、私は自宅からだと車で名神と新名神を走って1時間ほど走ることになりました。普段、車にあまり乗らない私からすると、ちょっとしたドライブのような感じでした。

▪️小佐治がどこにあるのかを確認していただくために、Googleの画像を貼り付けてみました。上段左の画像の白い四角の線で囲ったあたりが、小佐治です。上段右の画像は、その白い線で囲ったあたりを拡大したものです。

▪️この画像からもわかるように小佐治は、野洲川とJR草津線の間にある丘陵地の中にあります。丘陵地に降った雨水が大地を削ったことにより生まれたたくさんの谷筋が確認できると思います。この谷に順番に水田が並んでいます(関東や東北地方では、谷津田と呼ばれています)。それから、もうひとつ。小佐治のあたりには、今から約230万年前、古い時代の琵琶湖がありました。古琵琶湖といいます。小佐治は、古琵琶湖の底に溜まった大変きめの細かな粘土が隆起してできた丘陵地なのです。ですから、貝の化石などが見つかります。

▪️大変きめの細かな粘土のことを重粘土といいますが、この小佐治のあたりではズリンコと呼んでいます。重粘土の水田での農作業は非常に大変になります。水捌けが悪いからです。この地域は、稲刈りをするときも、水田に水が残っているので小さな船に刈り取った稲を乗せて運んでいました。小佐治は、丘陵地にある条件不利地域ということになります。しかし、小佐治では、そのような通常であれば不利な条件を逆手にとって特産品を生産してきました。餅米です。

▪️ズリンコにはたくさんのマグネシウムが含まれており、食味をよくするのだそうです。しかも、栽培しているのは、滋賀羽二重糯(しがはぶたえもち)。戦前の昭和14年に滋賀県で開発された品種で、最高級ブランド糯米といわれています。そのような糯米で作った糯が、美味しくないわけがありません。ただし、その栽培には苦労が伴いなす。背丈が高いので台風などで倒れやすいのです。穂もこぼれやすく、収穫量も他の品種に比べて少ないようです。苦労が多い割には、それに見合うだけの収益がない…。ということで、一般には栽培が敬遠されがちなようですが、小佐治の皆さんは、頑張って糯米による6次産業に取り組み、集落内に「甲賀もちふる里館」を設立し、コミュニティビジネスを展開されてきたのです。

▪️私は、以前、京都にある総合地球環境学研究所の「生物多様性が駆動する栄養循環と流域圏社会-生態システムの健全性」というプロジェクトに参加していました。私たちのプロジェクでは、この小佐治の皆さんと一緒にアクションリサーチのような取り組み行ったのですが、その時、大変お世話になりました。プロジェクトの成果をまとめた『流域ガバナンス - 地域の「しあわせ」と流域の「健全性」』(京都大学学術出版会)の第2章の中で、小佐治のことを報告しているのですが、今日は、そのプロジェクトとは別の問題関心から訪問させていただき、お話を伺いました。

▪️今日は、「甲賀もちふる里館」を設立してコミュニティビジネスを展開されてきた、これまでのプロセスを丁寧にお聞きしました。Tくんの卒業論文とも関係しています。とても勉強になりました。Tくんと共に(あるいは個人でも)、少しずつお話を伺い続けようと思います。写真は、今日お話くださった皆さんです。上段左の写真、前列は小佐治環境保全部会代表の橋下勉さんとゼミ生のTくん。後列右は甲賀もち工房代表の河合春信さん。右は環境保全部会広報の増山義博さん。お世話になりました。ありがとうございました。引き続き、よろしくお願いいたします

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