君たちがいて、僕が僕がいる。

■龍谷大学宗教部が、Twitterで興味深いツイートをされていました。以下のものです。

■ツイートの中では、喜劇俳優チャーリー浜さんの有名なギャグ「君たちが居て、僕が居る」を、仏教の「縁起の思想」と重ね合わせて解釈されています。なるほど、確かに「縁起」ですね。いろんな苦しみは、「自己」というものが確固たるものとして存在しているという考えや感覚を相対化します。ですから、有名なデカルトの「我思う、ゆえに我あり」(コギト・エルゴ・スム/Cogito ergo sum)とは逆ですね。こちらは、自己と他者との間に確固たる境界があることを前提とするような考え方でしょうか。仏教を研究したわけではないので、素人考えでしかないかもしれませんが、縁起の考え方に基づくと、いつも自己と他者(そして出来事や物事)との境界は揺らいでいる、関係がまずあって、その関係がその時々の人を形作っていく…ということになります。イメージとしては、社会心理学者で社会構成主義を唱えたケネス・J・ガーゲンの発想に近いようにも思います。

■この前の金曜日のことになります。2限は「地域エンパワねっと中央」(社会共生実習)でした。最初に話したのは、この宗教部のツイートでした。さすがにガーゲンのことまでは話しませんでしたが、地域連携型・課題解決型のプロジェクトである「地域エンパワねっと中央」では、地域の皆さん(他者)との関係の中で、活動が進んでいきます。他者との関係の中で、自分たちの活動が意味を持ち、自分たちが潜在的に持っていた力が引き出され、活かされることになるのです。現段階では、まだ、確かな実感を伴って理解することは難しいかもしれませんが、活動をする中で少しずつ「君たちが居て、僕がいる」を実感できるようになるのではないかと思います。そうあって欲しいと思います。

レベル2からレベル3へ引き上げ

■龍谷大学では、コロナウイルスが再び感染拡大していることから、活動制限レベルを「レベル2」から「レベル3」に引き上げました。活動制限レベルを「レベル2」から「レベル3」に引き上げると、授業については、ゼミ科目、実験・実習・実技科目は対面授業での実施を継続しますが、その他の授業科目についてはオンライン授業に実施形態を変更することになります。もちろん、さまざまな事情を抱えた学生の皆さんから申し出があれば、その学生さんに配慮して、対面授業においてもオンラインで配信するハイブリッドになります。

■うちの学長は、Twitterでよく情報発信していますが、今回のことについては「コロナ対応で神経の先端からチリチリ火花が出ている感じがします」とツイートしています。おそらく、各大学ともに、同様の苦労をされているのだと思います。私は、授業に加えて課外活動である吹奏楽部のことも心配しています。課外活動を支援する学生部や、吹奏楽部の指導者の皆さんともよく相談をしていきたいと思っています。他大学の状況をお聞きするに、龍谷大学は課外活動に対して大変理解がありるように思います。しかし、レベル3になるとこれまでのような練習はできなくなります。さらに、いろいろ工夫をしていかねばなりません。

『流域ガバナンス:地域の「しあわせ」と流域の「健全性」』の書評


■京都大学学術出版会によるTwitterのツイートです。総合地球環境学研究所で取り組んだ文理融合型プロジェクトの成果本『流域ガバナンス 地域の「しあわせ」と流域の「健全性」』(京都大学学術出版会)の広報を、今年の1月にツイートしていただきました。

■最近ですが、この本の書評を、中村幹広さんという方が書いてくださったことを知りました。森林関係の某学術雑誌にその書評が掲載されることになっているそうです。中村さんご自身のfacebookに書評のことを投稿されているのですが、その写真を拝見すると、ものすごくたくさんの付箋が貼り付けてあります。とても丁寧にお読みくださったのだと思います。心より感謝いたします。というわけで、中村さんからお申し出があり、fb友達になっていただきました。

■文理融合型のプロジェクトの成果なので、特定のディシプリンには収まり切らない本になっています。そのようなこともあり、どういう方達にお読みいただけるのかなあと漠然とした不安があったのですが、中村さんのような現場で公務員として林業の仕事をされている方から書評をいただくことができて本当に有難いと思っています(このような文理融合型の研究は、社会学関係の学術雑誌ではまず取り上げられないですから)。

■また、中村さんに書評を書いていただくようにお願いしてくださった某学術雑誌の関係者の皆様にも心よりお礼を申し上げます。私自身、もう年齢的に大きなプロジェクトはできませんが、個人としてはコツコツと環境ガバナンスの勉強を続けていきたいと思っています。中村さんの書評でのご指摘を大切にしていきたいと思っています。というわけで、とても苦労して編集した本ですし、ちょっと嬉しかったので、嬉しがりのようで顰蹙かもしれませんが、facebookで中村さんの投稿をシェアさせていただきました。

■実際に書評が掲載された時、またご紹介させていただきます。

卒業生からのメール

■この春卒業したゼミ生からメールが届きました。銀行員になりました。メールでは、しっかりした決意を述べていました。あまり肩に力が入らないようにして、頑張って欲しいと思います。こういうメールは嬉しいですね。

大津の酒蔵「平井商店」さんの動画


■この動画では、1658年(万治元年)創業の大津の酒蔵「平井商店」さんが紹介されています。登場するのは、この酒蔵の社長であり杜氏である平井弘子さんです。私自身わかっていなかったのですが、弘子さんは社長さんに就任されていたんですね。18代目だそうです。どうして酒蔵を継がれたのか、動画の中でも紹介されます。

■平井商店さんには、私のゼミが大変お世話になりました。ゼミの学生たちが、湖西の農村・北船路と平井商店さんを繋ぎ、「北船路」という銘柄をプロデュースさせてもらったからです。今でも、平井商店さんでは「北船路」を作り続けていただいています。ありがとうございます。

「2021年度夏原グラント」の助成金贈呈式

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■今週に日曜日、草津市のクサツエストピアホテルで、公益財団法人平和堂財団「2021年度夏原グラント」の助成金贈呈式が行われました。夏原グラントでは、NPO法人、市民活動団体、学生団体等が行う琵琶湖およびその流域の自然環境の保全活動に対して2012年度から助成を行っていますが、今年で第10回になります。私は、2014年から審査員としてお手伝いをさせていただいています。結構、初期の頃からお手伝いしているので、申請される環境保全活動の内容が全体として年々レベルアップされているように思います。審査させていただくことで、「現場の知」が生み出されるプロセスに関して、私自身もいろいろ勉強することになります。感謝です。

吹奏楽部への仮入部


■たくさんの新入生が吹奏楽部を訪ねてきてくれているようですね。何人入部してくださるのかな。吹奏楽部の部長としてとても楽しみにしています。

【追記】■吹奏楽部の部員からの連絡によりますと、仮入部したのは70名、19日現在本入部は57名で、あともう少し増えるのではないか…とのことです。ただ、張り切っておられるとは思いますが、コロナ感染拡大で思うように練習ができないかもしれません。でも、力を合わせて頑張って集中して練習をして参りましょう。

コロナ禍の中の誕生日

20210415mybirthday.png ■今日は、私の63回目の誕生日です。朝起きて、嬉しくもなんともなかったのですが、facebookのお友達が、お祝いのメッセージを次々と送ってくださっています。ひとつひとつに短いですがお礼のお返事を書いていると、少しずつですが、嬉しくなってきました。ありがたいことですね。facebookのお友達も、職場、卒業生、まちづくり・環境保全活動の関係者、高校の同窓生、趣味の鉄道のお友達、大学時代のサークルの先輩・後輩、吹奏楽関係…いろんな分野の皆さんです。こうやってみていると、いろんな世界の皆さんにお付き合いいただいていることがわかります。子どもたちからは、プレゼントが届きました。美味しい魚の味噌漬けの詰め合わせ、そして美味しいウイスキー。お友達や家族にに祝っていただき、本当に幸せです。

■写真は、facebookでいただいたメッセージに付けられていたものです。もちろん、過去に撮った写真で、この中には私も写っています。大津駅前のいつもの居酒屋「利やん」のランニングチームの皆さんとの写真です。一応、チームのお世話と飲み会の段取りをするということでキャプテンを拝命しておりますが、アスリートの皆さんとは違って、今は全く走ることのできない63歳のおじいさんです。困りました。また、走られたらいいんだけど…。それはともかく、この写真とともに次のようなメッセージをいただきました。「脇田キャプテン お誕生日おめでとうございます!近い将来、このような集いが心置きなく楽しめる日が来てほしいです!!」。本当に、本当に、そう思います。私は、宴会のない人生なんてと思っている人なので、このコロナ禍の1年間はとても辛いものがありました。おそらくは、今年度もコロナ禍感染拡大は続くのではないでしょうか(素人の推測でしかありませんが)。ワクチンの接種もなかなか進みませんしね。

■ところで、今朝、龍谷大学の入澤学長が、次のようなツイートをされていました。「今日(4月15日)の夕刻、大学の感染症対策について重要なお知らせをHPでいたします。学生諸君は注意しておいてください」。教員には、その前に連絡が入るのかもしれませんが、ドキドキしています。やっと対面式で授業が始まりましたが、これからどうなるのでしょうか。大阪の大学は、知事の要請でまたオンライン講義に戻るようです。

「学生の学びを教師が支える」への構造転換

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■龍谷大学のホームページが春からちょっと新しくなりました。

あなただけの世界から、私たちを想う世界へ。

問題に対してアクションを起こし、ポジティブな循環を生み出す。

感応力を持って理解し、平等を生み出す。

境界を無くし、地域や社会との掛橋になる。

■私はけっこう気に入っています。これは、いわゆるブランディング事業に関連することなのでしょうか。龍谷大学では、「2013年から域学連携事業を実施し深い関係にあり、2014年から「地域人材育成及び地域活性化に係る相互協力に関する協定」を締結する洲本市において、2021年3月26日に「龍谷大学ユヌスソーシャルビジネスリサーチセンター洲本ブランチ」の開所式を挙行しました(詳しくはこちらから。また、龍谷大学では仏教SDG’sに取り組んでいます(詳しくはこちらから。そのような取り組みと、上記のメッセージは連動していると思います。

■でも、ここに主張されていることが、きちんとカリキュラムの中にも反映されていないと意味がありません。このメッセージを信じて入学してくる学生たちに真正面から向き合うことが必要でしょう。カリキュラムの骨格を、「教師が学生を教える」から「学生の学びを教師が支える」へと構造転換する時が来ていると思います。また、カリキュラムの中での学びや経験が、上記の4つの大学のメッセージとどのようにびついているのか、学生の皆さん自身が理解し実感できる必要があります。


■このことと関係するのではないか…と思う番組をみました。NHKの早朝に放送している「目撃!にっぽん」という番組です。今週の日曜日の放送は、「苦手なことは、可能性だ〜“教えない授業” 半年間の記録〜」でした。良い番組でした。刺激になりました。番組で紹介されたのは中学校の話なんですが、こういうのって、中学校だけじゃないはずですよね。「『好き』を極めると『苦手』への意識が変わる!?ある中学校で始まった、先生が教えず、生徒が好きなことを探求する『教えない授業』」。「好き」を極める。素敵じゃないですか。もし、大学で「好き」を極めることとができないのは、そして「自分が大学で学びたいこと」が明確にならないのは、「教師が学生を教える」を「教師が学生の学びを支える」に構造転換できていないからだと思います。社会の先行きが見えない時代だからこそ、このような転換が必要だと思います。

映画『きみが死んだあとで』


■1967年、私は9歳でした。あのころ大学生だった人たちは、私よりも9歳以上年上の人たちになります。その10年後、私たちが大学生になった頃は、大学のキャンパスでこのような学生運動の存在をリアルに感じることはほとんどできませんでした。学生運動は急速に衰退していったからです。キャンパスは、スキーやテニスの同好会に夢中になる学生たちで溢れていました。だからこそ、時間があればこの映画「きみが死んだあとで」をみてみたいと思うのですが。私の近くでは、「京都シネマ」で2021年5月29日(土)からになります。コロナがどうなるかな。行けるかな…。以下は、この映画の公式サイトからの転載です。

すべては「第一次羽田闘争=きみの死」からはじまった
青春だけが武器だった、あの“異常に発熱した時代”は何だったのか
1967年10月8日。佐藤栄作内閣総理大臣(当時)の南ベトナム訪問阻止を図った「三派全学連」を主体とする第一次羽田闘争は、その後過激化する学生運動の端緒となる事件だった。はじめてヘルメットやゲバ棒で武装した学生は羽田空港に通ずる弁天橋で機動隊と激突。そのなかで一人の若者が殺された。山﨑博昭、18歳。機動隊に頭部を乱打されたためか、装甲車に轢かれたためか、死因は諸説あるが、彼の死は同世代の若者に大きな衝撃を与えた。 あれから約半世紀。亡くなった山﨑博昭の高校の同級生たちや当時の運動の中心だった者たちは齢を重ね、山﨑だけが18歳のままだ。生き残った総勢14人が語り継ぐのは美しく輝く青春とその後の悔恨。闘争の勢いとその衰退も振り返りながら、さまざまな記憶と感情が交錯する。青春だけが武器だった、あの“異常に発熱した時代”は何だったのか。「きみの死」はまだ終わっていない。半世紀を経てもなお、その宿題は続いているのだ。

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