春の瀬田キャンパス
■入学式も終わり、新入生の皆さんと、サークルへの勧誘に励む2回生以上の皆さんで、瀬田キャンパスは大変賑わっています。春期休暇中も、ずっと大学に来て仕事をしている(せざるをえない…)からわかるのですが、先月までの閑散とした雰囲気は消え去り、やっと大学らしくなってきたな…という感じです。
■瀬田キャンパスの噴水の前には、毎年、航空部の皆さんがグライダーを展示して新入生の勧誘をおこなっておられます。私は教員で、新入生ではないのですが、それでも部員の皆さんは、グライダーについて、いろいろ親切にお話しを聞かせてくださいました。このグライダーは1人乗りです。しかし、最初から1人で空を滑空できるわけではなありません。70回程、2人乗りで経験を積んでから(後ろの方には、ベテランのコーチ役の人が座るらしいです…)、やっと1人で滑空できるようになるのだそうです。右側の写真はグライダーのコクピット(操縦席)です。操縦桿とペダルがあります。グライダーは補助翼、昇降舵、方向舵という三つの舵で操作するようです。操縦桿の左右で補助翼の操作、操縦桿の前後で昇降舵の操作、足下のペダルで方向舵を操作するのだそうです。
■龍大に勤務して10年目。毎年、新歓の頃、噴水の横にいつもグライダーが展示されているのですが、こうやってきちんと説明をしてもらったのは今回が初めてでした。部員の皆さん、ありがとうございました。
2013 新年会
■学部生時代、学生オーケストラ(関西学院交響楽団)に入っていました。昨晩は、その当時の仲間と、大阪・梅田で新年会をもちました。毎年年末に、フランスでコントラバス奏者&俳優をしている同期のSくんが一時帰国するのにあわせて、私の学年と、ひとつ下の学年の有志と一緒に開催しているのです。Sくんは、プロのアーティストですが、その他にも3名の仲間が、今でも市民オーケストラに参加し、楽器を続けています。立派だな~。
■新年会は、大阪・梅田の鶏料理の店で開かれました。話題はどうしても、糖尿病、高血圧、遠近両用眼鏡、歯の具合…といった健康問題に、そして親の介護問題になってきます。私たちのような年代になってくる、それぞれにいろいろ抱えているわけです。とはいえ、学生時代の仲間ですから、もちろんのことなのですが、昔の思い出話しにも花を咲かせました。毎年、新年会を開いていますが、そのたびに知らなかった事実が明らかになっていきます。面白いものですね。
■こうやってすぐに集まることのできる昔の仲間がいること、とても幸せなことだと思います。
藤井哲也・大津市議会議員の行政視察
■本日、午後から、大津市議会議員である藤井哲也さんが、行政視察のため龍谷大学瀬田キャンパスにいらっしゃいました。今回、藤井議員は、龍谷大学エクステンションセンター(REC)棟のレンタルラボやラボに入居されている企業さんの視察、学生のインターンシップに関する取り組みについてのヒアリングをされました。
■私も、そのヒアリングのなかで、社会学部が取り組んでいる「大津エンパワねっと」についてご説明させていただきました。短い時間ではありましたが、「大津エンパワねっと」の趣旨や成果等について、ご理解いただけたのではないかと思います。ヒアリングではは、社会学部の「大津エンパワねっと」だけではなく、理工学部が取り組んでおられる「学外実習」や、龍谷大学のインターンシップについても説明が行われました。また、それぞれから地元企業との連携の強化に向けて、大学側からの要望についてお話しさせていただきました。龍谷大学の瀬田キャンパスは、これまで地域社会との共生を大切にしてきました。これまでの蓄積を土台に、さらに様々な地域社会との共生・連携が展開していけばと思っています。
「龍大米」をお届けしました。
■10月31日(火)の午前中、赤松学長をゼミ生と一緒にお訪ねしました。そして、ゼミ活動の一環としておこなっている「北船路米づくり研究会」の活動報告を行いました。昨年の夏から定期的に大津市・丸屋町商店街で行っている「北船路野菜市」のこと、夏に開催した農村と都市の交流イベント「かかし祭」のこと、また今後の活動の展開やその方向性についても、ゼミ生の方から説明をさせていただきました。赤松学長には、大変気さくに応じていただました。また、そのさい、今年、北船路の棚田で収穫した「龍大米」(学生たちが天日干しをしたコシヒカリ米)をお渡ししました。
■ゼミ生たち、少し緊張しているところが、かわいかったな〜。学長とは、龍谷大学の教職員の親睦会である「奈良県人会」で年に数度ご一緒させていただき、いろいろお話しをさせていただいていますが、一般の学生だと、学長と直接お話しをするチャンスなんて、なかなか無いですからね~。入学式や卒業式のさいに、遠くから拝見する…だけでしょうね。そういう意味でも、ゼミ生には良い経験だったのではないかと思います。
■写真は、「龍大米」を赤松学長にお届けしたところのものです。左から、赤松学長、3年生のリーダーMくん、4年生のサブリーダーSくん、そして私です。北船路の棚田で生産した米は、寒暖の差の大きい環境、そして冷たい山水で生育することもあり、平地の水田に比べて反収は7割程、また米粒も小さいものになりますが、炊飯しているときから米が持つとても良い香りがします。また、味も濃いため、オカズがなくても美味しく食べられます。米本来の味がします。冷めても美味しいのも、特徴です。学長には、昨年も「龍大米」をお届けしたので、その味については良くご存知でした。あとで、秘書をされている職員の方から、学長が大変喜んでおられたと、メールもいただきました。
■この「龍大米」、先にほど書いた「北船路野菜市」でも販売させていただきました。その他にも、京都の飲食店2軒、大津の飲食店1軒でも使っていただいています。京都の1軒のお店では、昼間のランチに、豚汁やおばんざいの小鉢とともに、オニギリとしてオフィス街のサラリーマンやOLの皆さんに召し上がっていただきました。あまりに美味しいので、オニギリのおかわりをされるOLもおられるとお聞きしています。また、評判になり、お店のなかでも「龍大米」を販売させていただくことになりました。もう1軒では、やはりランチに「龍大米」を提供させていただくのですが、店頭でゼミ生たちがチラシを配布するなどしてアピールさせていただくことになっています。
■右側の写真。これは、10月20日に開催した「北船路野菜市」のものです。中央にしゃがんでいるのは、今年の3月に卒業したゼミのOBのYaくんとYoくんです。後輩たちの活動を応援しに、京都と福井からやって来ててくれました。「北船路米づくり研究会」の活動は、2012年に始まりました。最初は、野菜市等の事業展開の可能性を探る段階でした。指導する私の方も、暗中模索の状況でした。そのようなときに、頑張って研究会の取り組みに参加してくれたのが、研究会1期生のYaくんとYoくんでした。
■OBの2人は、「自分たちは、後輩のみんなのような活動はできなかった。農業の体験…でしかなかった。それに比べて、後輩たちは、きちんと事業を展開しているのですごいな~」と感心していました。しかし、彼らの1期生の活動があったからこそ、またその活動が基盤となったからこそ、現在の活動があるのです。私としては、むしろ何ないところから研究会の活動を立ち上げた彼らの存在を高く評価したいと思いますし、後輩の諸君も先輩に感謝してもらいたいとも思っています。
■野菜市のあと、OBの2人とともに北船路の指導農家のご自宅を訪問しました。指導農家も、彼らの訪問を大歓迎してくださいました。卒業後もこのような関係が続くことを、私としても大変嬉しく思っています。夕方からは、いつもの店、大津駅前の居酒屋「利やん」で、現役生4年生のリーダーI君も交えてプチ同窓会を行いました。「おれたちO Bも、これから後輩の研究会の活動を応援せんといかんよな~」ということで、来年の「龍大米」の田植えのときには、忙しい仕事の合間をぬって駆けつけてくれることを約束してれくれました。このような先輩-後輩のつながりを大切にしながら、研究会の活動を成長・発展させていきたいと思います。
【追記】■龍谷大学のホームページにも、「北船路米づくり研究会(社会学部・脇田ゼミ)が「龍大米」を赤松学長に届け、活動報告をしました」がアップされました。ご覧頂ければと思います。
生涯学習課の来学
■今朝も、朝のジョギング=朝ランで5km走ってきました。体は(特に、下半身の筋肉は)、どことなく疲れているわけですが、朝ランは脳を活性化します。朝から気持ちが高揚し、今日も元気に仕事に取り組んでいます。さて、今日は、滋賀県教育委員会生涯学習課の職員の方が3名、社会学部の「大津エンパワねっと」のヒアリングのために来学されました。「大津エンパワねっと」は、別のエントリーにも書きましたが、社会学部がある瀬田キャンバスに隣接する「瀬田東学区(小学校区)」と大津市の中心市街地にある中央学区を中心とした「中央地区」の2カ所で、学生たちが地域の皆さんと協働しながら地域の課題解決や魅力を伸ばしていく活動に取り組んでいます。活動が大津市であるということもあり、これまでは大津市役所さん(特に、都市計画部都市再生課)には、大変お世話になってきました。
■今日は、滋賀県教育委員会の生涯学習課の皆さんです。じつは、今年の春、広い意味での「地域づくり」に関連する滋賀県庁の部署に、「大津エンパワねっと」の活動報告書や関連資料をお送りしたのですが、それらの報告書や資料をお読みいただき、「大津エンパワねっと」にご関心をお持ちいただいたことが、今回の来学につながったようです。ヒアリングということもあり、基本的には、「大津エンパワねっと」の概要や取り組みのポイント、また地域との連携のあり方等についてお話しをさせていだいたのですが、生涯学習課が、今後どのような事業展開をしていきたいのかという点についてもお話しを聞かせていただきました。
■生涯学習というと、公民館のような施設での「座学」というイメージが強いわけですが、私自身は、それだけではないと思っています。少し、説明させてください。現在、企業を退職された方、あるいはこれから退職されようとしている方たち(男性が多いわけですが)が、地域社会のなかに再度、自分と社会との「つながり」をもてるような仕組みが地域社会のなかに必要とされています(中高年男性の地域デビュー)。また、地域社会のなかには、大学も含めた様々な学校、広い意味で地域づくりに関わる様々な団体、それから地域にねづいて活動をしている自治会関連の団体、これらが有機的な「つながり」を構築していくことも必要だと考えています。そのような様々な「つながり」、地域社会のなかで孤立した個人、そして「島状」になって分散する小さなネットワークをつなぎながら、さらに社会関係資本(Social Capital)を蓄積しネットワークを重層的に築いていくこと、そのためにはコーディネートする「人材」や「社会的な仕組み」が必要です。
■私は、前者の「人材」を、「呼びかけ屋さん」「つなぎ屋さん」と読んでいます。そのような「呼びかけ屋さん」や「つなぎ屋さん」は地域づくりの表舞台に出るというよりも、舞台裏で活躍する人びとです。「呼びかけ屋さん」や「つなぎ屋さん」は、自分が表舞台に立って、自分が思い描いた「青写真」を、周りの人びとをリードしながら実現していく…そのようなタイプの人ではありません。また、なんらかのカリスマ性のもとで、人びとを魅了し、人びとをまとめるようなタイプの人でもありません(一昔前のリーダーシップ像とは、そのようなものでしたが)。むしろ、様々な潜在的な力や資源をお持ちの個人や団体が、それぞれの「持ち味」を活かしあう「相補的な関係」が生まれる「場」や「チャンス」をつくっていくような人こそが求められているのかなと思っています。そのような意味で、ディレクターではなく、表舞台には出ない影のプロデューサーである必要があります。「影の」という点が重要です。
■そのような「場」や「チャンス」が一定程度、ゆるやかに制度化されていったときに、さきほどの(後者の)「社会的な仕組み」が生まれていくことになります。そのような「社会的仕組み」のなかでは、特定の個人や団体が、他の個人や団体=「他者」を自らの目的のために「手段」として使うような状況(あるいは、そのように見えてしまう状況)に陥らないことが必要です。お互いの「持ち味」を活かしあえる関係が必要なのです。「他者」を「承認」し「評価」しあうこと、と言い換えてもよいかもしれません。これまでも、よく「win-winの関係」ということが言われてきました。しかし、そのような「win-winの関係」が、単に功利主義的(自分にとって都合がよい、自分が得をする…)な関係のままでは、「社会的仕組み」には持続性が生まれません。「他者」を「承認」し「評価」しあうこと、「私(あるいは、私たちの団体)は、あなたの(あるいは、あなたたちのような団体)の存在があって、さらに光輝くことができる」という、他者への「リスペクト」が伴う関係であってほしいと思います。さらには、「他者」の様子をそれとなく伺いながら、お互いに、さりげなく「支援」を申し出ることができる関係であってほしいとも思います。少し難しい言葉になりますが、他者を自らの「エージェント」にしない、他者に自らの「ミッション」を押し付けない関係(「エージェント」化と「ミッション」化の回避)、そして他者を「包摂」しながらも同時に「排除」するような抑圧性を孕まない工夫が必要なのです。
■影のプロデューサーである「呼びかけ屋さん」や「つなぎ屋さん」が生まれるような土壌づくり、そして「他者」を「承認」し「評価」しあうことのできる「社会的仕組みづくり」、この両方をどのように地域社会のなかに根付かせていくのか、そのあたりのことが現在の地域社会の課題になっているように思います。そして、そのような取り組みこそが、これからの時代の、広い意味での「生涯学習」ではないかとも思うのです。生涯学習課の皆さんとは、「大津エンパワねっと」の事以外にも、このようなお話しをさせていただきました。せっかく「ご縁」が生まれたのですから、これからは生涯学習課の皆さんとも、なにか新しい取り組みができればと考えています。