中之島香雪美術館・企画展「来迎 たいせつな人との別れのために」

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■5月22日まで。企画展「来迎―たいせつな人との別れのために―」中之島香雪美術館企画展「来迎 たいせつな人との別れのために」。これはぜひ行かないといけません。以下は概要。

「死後、人はどこに行くのだろうか?」
人間誰しもが抱く根源的な問いです。それに出された仏教的な答えの一つが、阿弥陀如来のいる極楽ごくらく浄土に往生おうじょうする、というものでした。遥か西方のきらびやかな極楽世界に生まれる自分、あるいはたいせつな人を思い描くことは、死という恐怖に向き合う人々に晴れやかな希望を与えたことでしょう。こうした心情に基づく浄土信仰の高まりの中で、阿弥陀如来が多くの聖衆しょうじゅを率いてお迎えに来るのを描いた「来迎図」も、死後に向かう極楽のありさまを描く「浄土図」も、数多の作品が生み出されてきました。抗いがたい別れの痛みは、今も昔も変わりません。その心情に寄り添いつつ、浄土信仰の美術を眺めてみましょう。

■この概要を読むと、この世に残された側の方達が、亡くなった方のことを偲んで…という前提になっているような気がします。これは残された人たちの立場と言い換えることができるかもしれません。ただ、私が知りたいなと思うことは、亡くなる人の立場…になるのでしょうか。死んでしまったら、立場も何も無いじゃないか…とのご意見もあるでしょうね。でも、自分が死んだらどうなるのかを、生きている間に先取りして強いイメージを抱き、何かの実感を持つこと。死を先取りして生きるための作法。うまくいえませんが、この企画展で展示される絵画を通して、人びとは何を考え行動したのか、その辺りのことなのかな。

ヨーヨー・マとスティング


■世界的なチェリストであるヨーヨー・マさんが、ワシントンDCのソビエト大使館前でウクライナ侵攻に抗議するためでしょうか、チェロの演奏しています。おそらくお手製でしょう、道路標識も立てています。そこには、「Zelensky Way」ゼレンスキー通りと書いてあります。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の名前かな。音楽家としてできることを、静かに実践されているのです。


■こちらもヨーヨー・マさん。ピアノトリオの演奏会のようです。ウクライナの国家を演奏されています。聴衆は全員起立して、国家を聴きながら、ウクライナの人々に想いを寄せて居られているようです。


■こちらはミュージシャンのスティングさん。ポーランドとの国境にある倉庫に、人道的支援として医薬品を送る運動「ヘルプ・ウクライナ」のために、長らく歌っていなかった“Russians”を歌っています。元々は、1985年の初ソロ・アルバム『The Dream of the Blue Turtles』の中に収められている曲のようです。米ソの冷戦を批判する歌詞になっています。長らく歌っていたなかったのは、その後ソ連は崩壊し、東西の冷戦が終李、歌う必要が無くなったからです。この歌を、今、もう一度歌わねばならない、スティングさんはそう思われたのでしょう。

映像詩 里山 命をめぐる水辺」


■高島市の針江にお住まいのfacebookのお友達から情報をいただきました。ありがとうございました。有名なHHKスペシャル「映像誌 里山 命をめぐる水辺」が放映されました。もちろん録画いたしました。たしか、写真家・今森光彦さんがハイビジョンカメラで撮影された作品です。放映されたのは、2004年ですかね。私が龍谷大学に赴任した年です。懐かしいです。

■人間の視点からだけでなく、水中に生息する生き物の視点からも撮影されています。様々な生き物がこの水辺環境でどのように命を育んでいるのか、生き物の側から人間の世界がどう捉えられているのか、そのようなこともわかるように工夫されています。来年度の後期には、留学生対象の授業を担当することになっています。その授業の中で、この作品を鑑賞してみようかなと思っています。この作品、DVDやBlu-rayにもなっていることも知りました。

ヘルシンキのロシア大使館の前で歌われている「フィンランディア」

 

■フィンランドにお住まいの日本人の方と、SNSでちょっとやりとりをしました。フィンランドもロシアの隣国で、ロシアに脅かされています。フィンランドの状況を知ろうとツイッターを見ていたら、以下のツイートがありました。

■フィンランドの首都ヘルシンキにあるロシア大使館の前で歌われているシベリウスの「フィンランディア」。歌詞の冒頭の「Oi, Suomi」(おお、フィンランド国民)のところと、最後の「synnyinmaa」(祖国)のところが、「ウクライナ」に替えて歌われているようです。意味は、こんな感じになるのかな。ウクライナに早く夜明けが来ますように。歌っているのは、ヘルシンキ大学男性合唱団(YL Male Voice Choir)。

ウクライナの皆さん
あなたの日は近づいている
夜の脅威は既に消え去り
そして輝いた朝にヒバリは歌う
それはまるで天空の音楽のよう
夜の支配に朝の光が既に勝ち
あなたの夜明けが来る ウクライナよ

「シスコ・パラダイス〜塔本シスコの人生“絵日記”〜」


■よくNHKの日曜美術館を視聴しています。毎週というわけではないのですが、この番組を楽しんでいます。昨日取り上げられていたのは塔本シスコさん(1913年〜2005年)でした。「シスコ・パラダイス〜塔本シスコの人生“絵日記”〜」。私はシスコさんのことを存じ上げませんでしたが、昨日はテレビで紹介される作品には釘付けになりました。現在、熊本市現代美術館で展覧会が開催されていますが、今年の夏には滋賀県立美術館でも開催されるそうです。楽しみです。リンク先の日曜美術館の司会をされている小野正嗣さんのコラム、シスコさんのことがよくわかります。で、なんでシスコなの?ということなんですが、サンフランシスコのシスコなんだそうです。お父さんが、サンフランシスコに憧れておられたからのようです。
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【追記】■以下の日程で岐阜と滋賀を巡回すします。
岐阜県美術館  4月23日〜6月26日
滋賀県立美術館  7月9日〜9月4日

「岸田劉生と森村・松方コレクション」(京都国立近代美術館)

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2021年3月、京都国立近代美術館は画家・岸田劉生(1891―1929)の作品42点を一括収蔵しました。
これにより、初期から晩年までの劉生の創作活動全体を展望できる展覧会が、実現しました。
あたらしい劉生とともに、ご覧いただけます✨
チケットは日時指定制ではありません。

■行かないと…、行けるかな。

澤田真一《お面》のレプリカ


■目だけでなく触感でも鑑賞する。手のひらで味わう。気持ちいいだろうな〜。

上野リチ展

■お世話になっている庭師さんの投稿です。この投稿の中にうる上野リチさんのことを、先日のNHKの「日曜美術館」で知りました。その上野リチさんと、お世話になっている庭師さんは、出会っておられたのですね。なんとかこの展覧会に行ってみたいです。「上野リチ展」、京都国立近代美術館で1月16日までだそうです。

【追記】■リンクをした庭師さんのfacebookへの投稿、パソコンでは見ることができますが、スマホやタブレットでは見ることができません。どうしてでしょうね〜。

https://lizzi.exhibit.jp

反田恭平凱旋コンサート

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20211228sorid3.jpg■25(土)は大阪のザ・シンフォニーホールで「龍谷大学第48回定期演奏会」、26日(日)大阪のいづみホールで「奇跡のチェロアンサンブル」、そして昨日、27日(月)は奈良県文化会館国際ホールで「反田恭平凱旋コンサート」でした。3日連続で演奏会を楽しむことができました。

■反田恭平さんは、皆さんご存知の通り「2021年第18回ショパン国際ピアノコンクールで」2位を受賞されました。日本では半世紀ぶりの2位なのだそうです。ショパンコンクールは5年ごとに開催されます。半世紀ぶり、つまり50年前はどなただったかと調べると、第8回で2位を内田光子さんが受賞されていました。ちなみに、第7回の1位はマルタ・アルゲリッチさん、第6回の2位はウラディーミル・アシュケナージさんです。世界中が注目する国際コンクールなのです。そのようなこともあってか、反田恭平さんは、最近頻繁にマスコミに登場されます。まるで、アメリカ大リーグの大谷翔平選手と同じような感じです。反田さんも、太田に選手と同じく、ひとつの「社会現象」になっているのだなと思います。ちなみに、反田さん大谷選手も共に27歳です。そうそう、アイススケートの羽生結弦選手も27歳ですね。

■私ごときが反田さんの演奏について感想を述べることはできませんが、反田さんの演奏にびっくりするだけでなく、昨日は、ファンの皆さんの熱狂ぶりにもびっくりしました。プロ野球の応援のように、名前を書いたタオル(おそらくSORIDAと染められていると思いますが)を最前列で掲げる人もいました。アンコールも6曲と、ファンサービスにも熱心な方です。どのコンサートでも、同じようにアンコールをたくさん演奏されるのかどうか…その辺りのことはよくわかりません。最後は、ご自身でピアノの蓋を閉められました。もちろん、反田さんのユーモアです。ホールのなかは大爆笑でした。ちなみに、アンコールの中では、グリークの「抒情小品集 第8集 トロールハウゲンの婚礼の日」が印象に強く残りました。

■反田さんは、日本の管弦楽団史上初となる、ジャパン・ナショナル・オーケストラを株式会社化するなど、起業家でもあります。今日もコンサートの最後のスピーチで、奈良の鹿と同じくらい、街中を楽器を持った子どもたちが歩くようにしたいと語っておられました。日本のクラシック音楽シーンをボトムアップに変えていきたいのでしょうね。

■今回のコンサート、チケットは奈良県に住んでいる知人が用意してくレました。奈良県在住者先行の枠で、チケットを確保してくださったのです。非常にラッキーでした。なかなか手に入るチケットではありませんからね。以下の動画は、「第18回ショパン国際ピアノコンクール受賞者リサイタル」での演奏です。

「奇跡のチェロアンサンプル」

20211228magnificent_cello_ensemble.jpg■昨日は、大阪の「いずみホール」で開催された「奇跡のチェロアンサンブル2021」に出かけました。NHK交響楽団の首席チェロ奏者である辻本玲さんが一番年上で39歳。まだお若いわけですが、他の皆さんはもっとお若いのです。様々なコンクールで入賞されている若手名手がずらりと揃っておられますが、まだヨーロッパの大学で研鑽を積んでおられる方もおられます。

■今回は、1曲を除き、全て小林幸太郎さんが編曲した作品が演奏されました。小林さんの編曲は、通常の弦楽四重奏や室内弦楽合奏のように楽器ごとに音楽的役割が決まっているわけではなく、例えば、主旋律についても6人で順番に「回しながら」演奏を行うような編曲になっていました。ときには、チェロを手でパーカションのように手で叩くようなこともされていました。特に印象に強く残ったのは、超絶技巧を必要とするバイオリンの名曲、サン=サーンス「序奏とロンドカプリチオーソ」、そしてピアソラの「ブエノスアイレスの四季」でした。

奇跡のチェロアンサンブル

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