「社会学演習IA」で「まわしよみ新聞」(3)
■3年生のゼミ「社会学演習IA」で「まわしよみ」新聞に取り組みました。完成しました〜。来週はできあがった「まわしよみ新聞」をもとに、みんなでディスカッションを行います。そして、次のグループワークに進みます。今年も「まわしよみ新聞」のお世話になりました。この「まわしよみ新聞」の発案者である陸奥賢さん、ありがとうございました。
■この「まわしよみ新聞」のゼミの中での位置づけですが、以下のとおりです。
●ゼミのグループワークで、「まわしよみ新聞」の作成に取り組み、自分は社会
のどのようなことに関心があるのか、自分のなかに眠っている問題関心の傾
向をさぐります。●「まわしよみ新聞」のグループワークの後は、卒業論文にむけて、各自の問題
関心を絞り込んでいきます。●卒業論文に資すると思われる書籍を2冊選び、まずはその書籍の内容や魅
力をゼミの仲間に紹介します。●夏休みの課題として、その2冊の書籍の書評を書いてもらいます。
240,000アクセス感謝!!
■アクセスカウンターが、本日の深夜に「240,000」を超えました。皆様、ありがとうございます。アクセスカウンターが「230,000」を超えたのは2022年1月22日でした。「200,000」から「210,000」までは「154日」、「210,000」から「220,000」までは「97日」、「220,000」から「230,000」までは107日にかかりました。今回、「230,000」から「240,000」までは「123日」です。平均すれば、毎日81人の方にご覧いただきました。春休みの期間を含んでいたので、少し少なめです。
■このブログを開始したのは、2012年の7月25日です。当時、社会学部に勤務されていた笠井賢紀先生(現・慶應大学)にいろいろご指導いただき、このブログ(そしてホームページ)を開設することができました。今年の7月がやってくると10年、この日記のようなブログを続けてきたということになります。何か多くの皆さんの役に立ちそうなことを書いていれば良いのですが、私自身、そのようなことを書くタイプではありません。申し訳ないですが日記のようなことしか書けません。いつも書いているように、一人の大学教員の日記のようなブログですので、ご覧いただけるだけでありがたいと思っています。心より感謝いたします。
農学部・古本強先生の養蜂を見学。
■火曜日の2限は、「社会学入門演習」です。昨日は、農学部の古本 強先生に、瀬田キャンパスに隣接する田上の堂という集落まで連れて行っていただきました。古本先生は、堂で、大学院生と養蜂に取り組んでおられます。その様子を拝見しにいきました。
■たいした距離ではないのですが、オンライン授業のためにパソコンをリュックに入れて担いでいる人もいて、ちょっと大変だったかな。あと、自然がいっぱいが得意でない…せいなのか、ミツバチの巣箱に近づけない人も多数。そのような中、3人の女子学生が刺されないように帽子を被せてもらって、巣箱に近付いてじっくり観察してくれました。
■さて、6月9日に、この堂の養蜂で採取したハチミツのイベントが開催されます。蜂蜜の販売会です。農学部が主催ですが、指導している「社会学入門演習」の有志の学生の皆さんと私も、販売会のお手伝いする予定です。また、ハチミツや身の回りで採れる食べられる植物(たとえばヤマモモやノイチゴとか、庭でも収穫できるジューンベリーとか)を使ったイベントを、古本先生にもご指導いただきながら、秋に開催しようと思っています。いずれのイベントも、瀬田キャンパスにあるSTEAMコモンズ「Global Lounge & Kitchen」で開催することになります。「社会学入門演習」では、秋に開催するイベントの企画をグループに別れて考えてもらおうと思います。
『地図から消えた村 琵琶湖源流七集落の記憶と記録』(吉田一郎)
■最近、この写真集のことを知り、入手しました。『地図から消えた村 琵琶湖源流七集落の記憶と記録』(吉田一郎)。じっくり読もうと自宅に持ち帰りました。朝、まずはパラパラと中身を眺めていてストップしたページがありました。『驚きの介護民俗学』という本のことを思い出しました。96歳の男性が、かつて暮らした村の写真を見ることで、眠っていた記憶が蘇ると共に、元気を取り戻されました。家には土台がありますが、この男性にとってはかつて暮らした村の記憶が人生の土台なのでしょうね。
【参考リンク】
丹生ダム
丹生ダムの経緯と概要
独立行政法人水資源機構 丹生事務所
世界農業遺産申請のその後
■世界農業遺産の認定を目指して、滋賀県が国際連合食糧農業機関(FAO)に申請している「琵琶湖システム」、いよいよ来月、現地調査が行われます。「琵琶湖システム」は、日本農業遺産としてすでに認定されていますが、次は世界を目指します。日本農業遺産申請の検討段階から「世界農業遺産プロジェクト推進会議」のアドバイザーとしてお手伝いをしてきたこともあり、今回も、現地調査の折に引き続きお手伝いをさせていただくことになりました。
■ところで、この「琵琶湖システム」、2019年2月15日に日本農業遺産に認定されると同時に、世界農業遺産認定のための申請についても承認されました。ところが、コロナ禍、パンデミックのために現地調査がなかなか実施されませんでした。どうなっちゃったんだろうね〜と心配していました。少し前のことになりますが、新年度になって、いよいよ現地調査が実施されることになったとの連絡が滋賀県庁からありました。ということで、昨日は大学の授業を終えた後、滋賀県庁農政水産部に向かい、職員の皆さんと打ち合わせを行いました。
■アドバイザーとしては、世界農業遺産に認定されるに違いないと信じてはいるのですが、世界農業遺産認定がゴールではありません。いよいよスタートと捉えるべきなのかなと思っています。認定されてからが大切だといつも思っています。「琵琶湖システム」の価値を、生産者だけでなく消費者も含めた多くの皆さんと共に深く再認識・再評価して、それぞれの立ち位置から、さまざまな取り組みが始まっていったら素敵だなあと思っています。そういう取り組みに自分も関わってさらにお手伝いできたらとも思っています。とっても楽しみです。NHKの朝の連続テレビ小説風にいえば、「ちむどんどん」(胸がわくわくする気持ち)です。
琵琶湖システムについて
母校訪問
■私のゼミの出身で、滋賀県庁に就職したKさんが訪ねてきてくれました。彼女は社会学部の地域連携型教育プログラム「社会共生実習」の「地域エンパワねっと」も履修していました。2020年の3月に卒業されたので、社会人になって3年目ですかね。滋賀県庁では、若手職員をリクルーターとしてそれぞれの母校に派遣させておられるようで、今日は就活を支援するキャリアセンター へ打ち合わせに行く前に、私のところに少し立ち寄ってくれたのです。短時間ですが、お話を聞かせてもらいました。楽しく仕事をされているようです、安心しました。
Kさんとは関係ない話ですが、Tシャツを着る季節になって、緩んだ締まりのない体形がシャツの裏側から浮かび上がっていて、がっかり。対策を考えないとなあ〜。
■Kさんの勤務している県庁の出先機関が入った合同庁舎の建物のなかで、Kさんの1つ下の学年で、やはり私ゼミの出身のTくんが、滋賀県庁の職員として勤務しているという話を聞きました。でも、2人は、そういう話を聞いているだけで、まだ話をしたことがないのだそうです。私だったら、自分の方から訪ねていって仲良くなるんですけどね。で、同窓会支部を作ります(^^;;。滋賀県庁の中に、龍谷大学の同窓会組織を作ってくださ〜い。すでに、あるのかな??
先輩たちの取り組みに学ぶ。
■金曜日の2限は「社会共生実習」の「地域エンパワねっと大津中央」の授業です。先週は、私が自治会・町内会について講義を行いました。講義の内容ですが、日本の社会学の中には、自治会や町内会といった地域住民組織に関する研究蓄積があるので、その蓄積をもとに、自治会・町内会の仕組み、そして来し方と行末って感じですかね。先々週は、大津という街の歴史について講義を行いました。
■で、今日はグループワークです。エンパワ1期生から13期生までの13冊の報告書を読んで、「これは面白い!」、「これは素敵だ!」、「なるほど〜」と思う先輩たちの取り組み(地域との連携によるまちづくりの取り組み)についてお互いに語り合いつつ、より親しくなるワークショップを開催しています。
履修しているのは、2回生と3回生。学年や3つの学科の壁を超えて、楽しそうに語り合うことができました。
「社会学演習IA」で「まわしよみ新聞」(2)
■火曜日の4限は「社会学演習IA」です。先週に続き「まわしよみ新聞」でグループワークを行いました。それぞれが切り抜いた新聞記事について、説明して、語り合う…ということをやってもらっています。毎年、3年生から始まる「社会学演習」で、この「まわしよみ新聞」を活用させてもらっています。「まわしよみ新聞」の「効能」についてですが、一番思うことは、知り合いがほとんどいない新しいゼミで、お互いに親しくなることができるということです。今年度は、ゼミ生の人数が少ないので、全員がお互いに話をすることができます。コロナ禍でゼミの親睦を深めるコンパや飲み会等ができなくなってから、とうとう3年目に突入することになりました。随分前のことですが、東北の岩手県にグリーンツーリズムの勉強と称してゼミ旅行をしたこともありましたが、そのようなゼミ旅行も、もちろんできません。ですから、ゼミの活動の中に、親睦を深くめるための機会を設ける必要があるわけです。
■もうひとつの「効能」ですが、じっくり読んでみる体験そのものということになります。学生の皆さんは、自宅で新聞をとっていても、普段は全く読むことがない人がほとんどです。以前の投稿にも引用しましたが、「まわしよみ新聞」の発案者である陸奥賢さんは、次のように説明されています。
新聞は「ガチャ」なところがあって。紙面を開くまで、どんな記事が掲載されているのか?よくわからない…という「福袋型メディア」です。
「知りたいことを知る」には非効率的ですが(それは検索型メディアのネットなどで調べたらいい)「ガチャ」「福袋」だからでこそ「予想外の記事」「想定外のニュース」「未知の世界観」に出会う可能性がでてくる。新聞の可能性と面白さはそこでしょう。セレンディップなメディアであるということ。
ネットにはネットの良さ(ダメなとこ)があり、新聞には新聞の良さ(ダメなとこ)がある。そういうメディア特性を知ることは情報化社会、情報文明の時代には非常に重要かつ必須のスキルではないかと思います。
■「セレンディップ」とは、素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見することと言われています。「ガチャ」なメディアである新聞を読むと、予想もしない素敵な出会いや発見があるわけです。スマホやパソコンを使った検索型メディアでは、そのような出会いはあまりありません。自分の関心のある情報についてはそれでも良いのですが、それはたまたまその時の自分が関心を持っているだけで、もっと意識の深いところでは、別のところに関心を持っているのかもしれません。でも、それは自分自身ではわかりません。でも、「まわしよみ新聞」では、「これは面白い(興味深い)記事だな」と思って記事を切り抜き、ゼミの仲間に「この記事のどこが面白いのか(興味深いのか)」ということをしっかり説明します。言語化することで、自分の中に眠っていた問題関心の傾向を自覚することができるのではないかということです。「自分はいったいどういう事柄に関心があるのか」、「自分はどういう問題や現象がとても気になるのか」、あらためてじっくり自分自身と向き合うきっかけを「まわしよみ新聞」が与えてくれるように思うのです。
■このような「まわしよみ新聞」での体験の後に、私のゼミでは自分の問題関心をさらに絞り込んでいく作業をしてもらいます。「まわしよみ新聞」で切り抜いた記事に関係しても関係しなくても良いのですが、自ら調査をしていくためにテーマの絞り込みをしていきます。卒業論文の執筆に資する書籍を2冊選んでもらい、その本をお互いに紹介し合うグループワーク、そして書評を執筆することに取り組んでもらいます。ただし、ゼミの時間は限られています。現在のカリキュラムでは、卒業までに2年間しかありません。本当は、大学に入学した初年次の段階から、学生が自らの学びを構築していくために、「まわしよみ新聞」のようなやり方も含めて、「自分の心の井戸を深く掘り下げていく」ような作業をしなくてはいけないと思うのです。
興味深いTVCM
■私のように還暦を超えた人たちには、懐かしいというか、ああこういう時代を生きてきたな…と、ちょっと感慨深くなるCMです。
■CMの冒頭は、学生アパートの黒電話から始まります。いやいや、画面がわざと白黒にしてあるので(昔の時代だと連想させるためにかな…)、本当は黒電話ではないかもしれません。私の記憶だと、コインを入れるピンクの電話なんですけどね。まあ、それはよしとしましょう。学生アパートの男子学生らしき人が、女子学生らしき人に電話で「お付き合いいただけませんか」と告白しています。女子学生の向こうには、怖そうなお父さん。女子学生は白いソックスを履いています。うーん、1970年代ですかね。
■その次は、デートするお店の情報をFAXで送るシーン。次のデートはイタリアンのレストランにしようという提案を付き合っている女性に送っているようです。でも、結局、デートにはいけなくなります。そのことを伝えるのがポケベル。ポケットベルですね。ポケットベルは、1980年代後半から1990年代前半にかけて使われていました。当時は、もちろん携帯電話はなく、固定電話しかありません。でも、ポケットベルを持つことで固定電話のないところでも受信だけはできたのです。ちなみに、CMでは「いけなくなった」という男性からのメッセージを女性がポケベルで受け取っています。もちろん、機嫌は最悪。おそらくバブル経済の時代かな。
■その次は、デートの約束をしていた若手社員が仕事に追いまくられて残業をしているところから。会社のコンピュータから付き合っている女性にメールを送っています。メールには「ごめん・・・仕事バタバタで」タイプされています。その男性からのメールを、女性はかなり古い携帯電話、今でいうガラ携で受け止めています。バカっと半分に折るタイプ。アンテナもついています。そして「わかった。頑張ってね」と返信します。そして「全然会えないね…」とつぶやきます。
■そして、最後はLINE電話のような感じかな。男性の方から「赴任が決まったんだ」と辛そうに話しています。おそらく、海外でしょう。すると相手の女性は、「なんでいつも勝手に決めるの」と。自分に相談なく、遠くに行ってしまうことに怒っています。
■そして、最後は未来のようです。男性は地球の外にいるようです。地球にいる女性に向かって話しています。「ほんと、ごめん」。またまた男性が女性に謝っているところは変化がありません。しかし、女性は「大丈夫」と言います。何が大丈夫かというと、テクノロジーが進歩して実際には遠く離れていても、すぐ横にいて、まるで手を握り合っているかのようにもなれる…ということのようです。
■東京エレクトロンという会社の「LOVEクロニクル」というタイトルの60秒のCMです。この動画には、以下のような説明がついています。
過去から現代、そして未来へと動き続ける時代の中で、
人と人を結びつけてきたテクノロジーの変遷を辿りながら、
それでも変わらない人の想いを描きました。
楽曲はkojikojiさんの書下ろしです。#kojikoji