炭焼きのこと

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■指導している大学院生とともに、高島市朽木で炭焼きと村づくりに関して、少しずつお話しをお聞きしています。昨日の午前中は朽木の椋川(おっきん椋川交流館)で、是永宙さんからお話を伺いました。ありがとうございました。

■高島市の中山間地域は、高度経済成長期の前半までは、どこの地域でも炭焼きをされていました。いわゆる燃料革命の前までになります。高島市内では、現在確認されているだけで、4つの集落で炭焼きされているか、これから復活させようとされています。いずれの地域も、過疎と高齢化が進行している地域です。かつて炭焼きを生業としてされていたのは、現在の年齢で言えば、80歳代も半ば以上の方達になります。70歳代の方であれば、手伝いはしたけれど、自分が家の中で中心になって炭焼きをしていたわけではありません。ですので、何歳位の方が、いつ頃から炭焼きを復活させようとしたのかにより、微妙に取り組み方や、何のために炭焼きを復活させたのかという理由については違いがあります。

■炭焼きに焦点を当てて聞き取りをしていますが、その背景となる村の暮らしや社会経済の背景、また外部からやっくるIターンの人びとの存在、村づくりの活動、さらには最近の流行りの言葉でいえば、関係人口の拡大といったコンテクストの中で炭焼きの活動を位置付けなければなりません。いつか、もう少し詳しくこのブログでも報告できるかもしれません。

真野浜で理事会

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■昨日は、夕方から真野浜(大津市今堅田)にある民宿「きよみ荘」さんで、NPO法人「琵琶故知新」の理事会&懇親会が開催されました。「きよみ荘」は、理事のお一人が経営されている民宿です。昨日は、ひさしぶりにzoomではなく、理事の皆さんと直接お会いして話し合うとことができました。もちろん、zoomでも意見の交換、言葉のやり取りはできるのですが、実際にお会いすると、もっと深いところでお互いの理解が深まり、素敵な交流ができたように感じました。

■この日の理事会の議題は3つありました。1つめは、某財団へ助成金の申請について。結果ですが、残念ながら次点でした。採択に至りませんでした。私たちのNPOで頑張って運営していこうと思っている「びわぽいんと」、その考え方については共感していただき、評価もいただいたようでしたが、助成する側からすれば、「びわぽいんと」が社会に定着していくために、さらに戦略性を高めてほしいということのようです。そうなんです。そのことは、私たち理事たちもよくわかっているんです。頑張らねば…なのです。ということで、議題の2つめが、某大手通信会社との連携事業についてです。具体的なことはまだ書くことができませんが、良い方向で議論が進んでいます。楽しにしています。そして議題の3つめ。「びわぽいんと」の戦略性を高めるための「勉強会」の開催です。勉強会、誰が勉強するのか。はい、私たちNPOの理事が勉強させていただきます。滋賀県内で、環境保全活動に関連して活躍されている皆さんをお呼びして、「びわぽいんと」を鍛えるためのご意見やアドバイスをいただく開催しようと思っています。すでに4人の方達に参加の了解をいただいています。この「勉強会」も楽しみにしています。

■昨日は、このような議題を中心に理事の皆さんとディスカッションを行いました。良いディスカッションができたと思います。そのあとは、民宿「きよみ荘」さんが用意してくださった鍋料理で懇親会を楽しみました。理事の皆さんの中には、滋賀県以外にもお住まいの方もおられます。神戸からお越しの理事は、大津市堅田の酒蔵の日本酒「波乃音」を堪能されていました。その日は「きよみ荘」に宿泊されルことになっておられたので、かなり召し上がったのではないですかね。別の要件のお疲れもあってか、沈没してしまったようです。良い宴会でした。

■写真のことも少し説明しておきます。トップは、真野浜から見た琵琶湖の北湖です。琵琶湖は琵琶湖大橋から南が南湖、北が北湖に区分されます。南湖と北湖とではスケールが全然違います。北湖はワイルドです。写真の真ん中より少し右側に見えるのは沖島です。左から張り出しているように見えるのは、湖西の比良山系です。天気が良ければ、伊吹山まで眺めることができるのですが、今日は雲に隠れているようです。中段左の写真は、対岸の守山市です。真ん中に見えるのは、湖岸にあるマンションです。右の方には、野洲市にある三上山が見えますね。中段右の写真は、左の写真と同じ方向を拡大したものです。遠くに鈴鹿山脈が見えますね。下段は、理事会の様子です。私は、技術的なことはよくわからないのですが、「びわぽいんと」で用いるアプリがバージョンアップしたのでそれを理事の面々で確認しているところです。

水辺の小さな自然再生

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機関誌「RIVER FRONT」
「RIVER FRONT」Vol.93(2021年9月発行) 特集:水辺の小さな自然再生〜自治体と協働する〜

卒論指導、卒寿の祝い、民間企業とNPOの協議

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20210928ohtsuko4.jpg■このブログでは、あまり役に立つことを書いていません。といいますか、1人の大学教員の日々の出来事を書いているものですから…。まあ、公開日記のようなものですね。教員としての私に関する情報は、ブログタイトル下にあるブルーの文字のメニューバーをクリックしてご覧ください。というわけでして、今回も、そういう役に立たない「日々の出来事」を書いています。ご容赦ください。

■月曜日の午前中、自宅で、zoomで2人の学生の卒論指導を行いました。夏期休暇中から、いろいろzoomで面談を積み重ねながら研究を進捗させている人もいますが、そうでない人もいます。こちらのお2人は、後者のそうでない人…になります。とはいえ、不真面目というわけではありません。いろいろ、自分なりには努力をされてきたのですが、次の一歩を踏み出せずにいます。もちろん、緊急事態宣言で大学の危機管理レベルが「2」から「3」になり、学外に調査に出かけていくことができなくなったことも大きいかなと思います。本当は夏期休暇中に調査をして欲しかったのですが、仕方がありません。再び危機管理レベルが10月から「2」に戻ります。時間はもうないわけですが、頑張って調査に出かけて欲しいと思います。

■午後からは引き続き自宅で学部の事務仕事等を行い、それらを済ませて後、大津の街中にある萬治元年創業の酒蔵・平井商店さんに向かいました。日本酒好きの義父の卒寿のお祝い(90歳)を贈るためです。平井商店さんは、私が贔屓にしている大津の中心市街地にある酒蔵です。

■大津は、大きい津、すなわち「大きな港」という意味の地名で、江戸幕府直轄の宿場町として江戸時代初期に誕生しました。「平井商店」さんは、その宿場町に1658年(万治元年)に創業された長い歴史を持つ酒蔵なのです。代表的な銘柄の「浅茅生」(あさぢお)は、後水尾天皇の皇子 聖護院宮道寛法親王(しょうごいんのみや どうかんほうしんのう)から賜られた和歌「浅茅生の 志げき野中の真清水は いく千世ふとも くみはつきせじ」に因んで命名されています。意味は、茅(あし=葦よしのことです)の生い茂っている湖(琵琶湖)の美しく清らかな清水は、どれだけ汲もうが何年経っても尽きることはないだろう」という意味なんだそうです。もちろん、琵琶湖の水で酒を醸しているわけではないのですが…。結局、岐阜には平井商店の「浅茅生 大吟醸」、「浅茅生 特別純米滋賀渡船六号 ひやおろし」、「浅茅生 大吟醸 曳山」、「北船路 純米吟醸」の4本を贈ることにしました。贈る側が言うことではないのですが、結構、豪華なラインナップだと思っています。ちなみに、最後の「北船路 純米吟醸」は、かつて私が指導していた学生たちによる研究グループ「北船路米づくり研究会」がプロデュースした日本酒です。

■「平井商店」さんの後は、浜大津にある通信会社を訪問しました。社員の皆さん方と、琵琶湖の環境保全活動に関わるステークホルダー間の「連帯」や「連携」を生み出す新しいプラットフォームづくりについて協議を行いました。今回で2回目の協議になります。まだ、具体的にブログに書けるレベルには至っていませんが、お互いの夢が共振しあったように思いました。お互いというのは、私が理事長をしている特定非営利活動法人「琵琶故知新」が提案している「びわぽいんと」のアイデアや仕組みに寄り添っていただいくことができたからです。ありがたいことです。はやく、この取り組みが公表できるようになったらと思います。

■協議の後は、近くにある浜大津の公園を散策しました。時間は17時半頃でしたでしょうか。とても綺麗な空でした。少し暗くなるまで過ごしました。良いことがあったので、美しい空と心が共振し合ったのではないかと思います。もちろん、緊急事態宣言が解除されていれば、大津駅前のいつもの居酒屋「利やん」に社員さん達と一緒に行って、さらに夢を語りあうことができるのでしょうが。解除までは、もう少しですね。引き続き感染に気をつけながら、大切なお店を常連客の1人として守って行きたいと思います。
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(停泊している船ですが、左から、琵琶湖汽船の「ミシガン」、「ビアンカ」、一番右側は滋賀県庁の環境教育船「うみのこ」です。)

新大宮川で、アユが産卵できるように河床を耕耘しました。

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(アユが産卵していないかどうか確認をして、耕耘作業を行いました。)
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(記念写真)
■河川愛護活動をされている「新大宮川を美しくする会」の山本 克也さんにお誘い頂き、比叡山の麓を流れる新大宮川(大津市)に行ってきました。これまでこの新大宮川の活動には一度だけ参加したことがあります。その時は、土砂で埋まった魚道を掘り出し、水が流れるようにすることができました。ところが、その後は授業や仕事のためになかなか参加できていませんでした。今回ひさしぶりに参加することになりました。

■現地では、山本さんと、滋賀県立大学で河川工学を専攻されている学生さん、釣り愛好団体の男性、琵琶湖環境科学研究センターの佐藤 祐一さんと水野敏明さんが集まっておられました。加えて私も含めたこの6名で、アユが産卵しやすいように河床をシャベルやレイキで耕耘しました。また、魚道の下に溜まった礫を取り除く作業を行いました。

■「森-川-湖の水系のつながりを考えた魚介類のにぎわい再生」をテーマに研究されている水野さんには、いろいろ教えていただきました。アユが産卵するさい、どのような河床が好きなのか、アユの「好み」がわかってきました。おかげさまで、歩いただけでアユ好みの河床かどうか足裏の感覚でわかるようになりました。オンラインの作業が続いていたので、野外でとても楽しく作業をすることができました。今回は、作業をしながら、いろいろ勉強することができました。以下は、素人理解なので、ちょっと間違いがあるかもしれません。

・アユが産卵したい場所は、コケや水アカが小石や礫についていない場所(忌避する…匂いなのかな)。流れがあって酸素が供給される場所。水が溜まって澱んでいるような場所はだめ。1cmほどの小さな石の間に砂(といってもザラザラした砂)があること。
・比叡山延暦寺が森林をきちんと管理され下草が生えているから、土砂が一気に流出せず、アユが産卵しやすい河床になっていること。
・とはいえ、この夏の豪雨で、新大宮川にも土砂や礫が流れ込んで河床が浅くなっていること。河川の中に樹が生えてそこに土砂や礫が溜まっていること。越水が心配。
・また、琵琶湖からの湖水の流れも河口部では大きな影響を持っており、河川の流れと琵琶湖の流れがぶつかりあっていること。治水工事では、あまりこの辺りを考えてきていないこと。
・人が河床を耕耘すると、コケや水赤が流れて河床が明るくなり、アユが集まってくる。あとは水温が23℃を下回るようになると産卵を始めること。アユに対しての取り組みの成果が短時間でわかる。見えやすい。理解しやすい。楽しい。
・人が耕耘することでアユが産卵しやすい環境が生まれるのならば、これっていわゆる「半栽培」(semi-domestication)みたいなものかな…。他の地域では、鮭が散乱しやすいように河床を耕耘することがある。県内でも、家棟川ではビワマスの産卵のために河床を耕しているな…。

■いろいろ勉強できて楽しかった!! これから、こういう活動が県内のあちこちで生まれてくると良いなと思います。これまでであれば、見えない制度的な壁に阻まれ、お互いにコミュニケーションすることがなかった方達が具体的な河川という「場所」に集い、一緒に汗をかきながら意見交換をすることで、これまでとは異なる見方、考え方をするようになる。そこから、予想もしない新しい協働が生まれてくる。私は、そのあたりのことに強い関心があります。滋賀県って、すごいな〜と思います。

【追記】「比叡森林継承プロジェクト」について
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(大きな柳が生えています。ここに土砂が堆積しています。こうなると人力では除去できません。魚道は4段あるはずなのですが、確認できるのは2段のみです。土砂が堆積して河床が浅くなっているのです。想定外の集中豪雨等があったときに越水しないか心配です。)
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(河口に近い場所です。正しい説明かどうかわかりませんが、琵琶湖からの水の圧力と、上流からの川の圧力が、ここでぶつかってできあがった洲。住宅地の中にある短い河川(人工的な放水路)ですが、いろいろ勉強することがあります。)
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(河口近くから、ゴミを拾いながら、以前掘り起こした魚道まで戻ってきました。拾ったゴミの中には、蛍光灯がありました。これは特にあかんやろ…という不法投棄。山本さんたちが活動をされる中で、この新大宮川のゴミは相当量減ってきました。素晴らしいです。それでも、まだ捨てられる方がいらっしゃるのですね。残念です。以前、掘り起こした魚動、それは「俺の魚道」になっています。自分とのつながりのある「魚道」になっています。だから、この魚道の状況が心配になります。こういう関わることで「自分化」していくことって、大切ですよね。最後は、魚動の下に溜まった礫を取り除き、アユが遡上しやすくしました。)

地域が閉店したスーパーを再生させた

■今朝、facebookをみていると、東近江市役所の職員で、公益財団法人東近江三方よし基金の常務理事をされている山口美知子さんの投稿が目に飛び込んできました。本当に、そんな感じでした。

■閉店した地区唯一のスーパーを、地域有志の方達が寄付を集め合同会社を設立して再生させたというお話しです。地区唯一のスーパー、こういうスーパーって、ある意味、地域の重要なインフラだと思います。都会に暮らしていると、この辺りのこと、よくわからないかも知れませんが、地方で車の運転が難しくなってきた高齢者にとっては、特に身近なスーパーの存在は生活していく上で不可欠の存在です。山口さんの投稿を読んで、そういう地域のインフラを「自分たちの力で守らなくちゃ」と思われた方達が複数居られたというところがとても重要だなと思うのです。なんというか、希望を感じます。人口減少・高齢化の中でも、「共助の知恵と力」で地域社会を守っていくこうとする大変素晴らしい取り組みだと思います。以下は、京都新聞と中日新聞の記事です。
閉店した地区唯一のスーパー再生の試み 寄付集め合同会社を設立した住民らの思い
スーパー再生、住民の力で 東近江・哀東に「i・mart」開店

■両方の記事の中に、地域おこし協力隊の中村泰己さんという方のお名前が出てきます。京都新聞では、「東京都内の高齢化が進む団地でまちづくりに関わり、6月から地域おこし協力隊として愛東地区に着任した中村泰己さん(25)も運営に携わる」とあります。私自身は、まだ、中村さんにはお会いしたことがありませんが、私のゼミの卒業生も、この都内の団地でまちづくりに関わっていて、中村さんとも知り合いでした。中村さんが滋賀に赴任される前に「こういう人が滋賀に行きますよ」と教えてもらっていたのでした。だから、記事を見てちょっとびっくりです。

■さて、facebookのコメント欄で、山口さんに以下のようなコメントを書きました。

このような事例が、他の地域の皆さんにも元気を与えてくれると良いですね。「やれば、できる」って有効性感覚を醸成することになれば。出来上がった仕組みだけではなくて、プロセスが大切ですね。志を持ったキーパーソンとなる人たちによるネットワークがどのように生まれて、そのネットワークを基盤に、どのような組織を作り、資金を調達するためのアイデアがどこから生まれ…そういうプロセスを知りたいなと思いました。

■すると、山口さんからは以下のような返信をいただきました。

脇田 健一 さま、ありがとうございます。愛東の場合は、既にその成功体験を持つ方々が複数おられ、その方々が中心になって、すぐに行動に移されました。当初から資金が必要なことはわかっていたので、ずっと相談に乗っておりました。また、店として成功させるには「みんなの店」にすることを提案しました(当初よりそのつもりをされていました)。当基金以外の助成申請は通らず、三度目の正直が当基金への申請でした。ただ、それだけでは足りないこともわかっていたので、融資や寄付、社会的投資(今回はまだ投資はないですが)の組み合わせも提案してきました。湖東信金さんが協力してくださったのは大きいです。ほんとにプロセス大事ですし、強い動機を持った人が複数いることとつながっていることが地域づくりでは最も重要ですね。

■さまざまなまちづくり活動で成功体験を持つ複数のキーパーソン(まちづくり活動への強い動機、知識やノウハウを持っている人びと)が、「スーパーの再生」という地域課題を共有し、団体を作るとともに、寄付、融資、助成金、社会的投資等の様々な手段で事業費を捻出し、スーパーの再生という事業を成功させる…、そういうプロセスから私たちは多くのことを学ぶことができるように思うのです。成功したと言われる事例の「完成図」からではなく、そこに至るまでのプロセスにこそ大切なポイントがたくさん埋まっているはずです。山口さんが常務理事として関わっておられる公益財団法人東近江三方よし基金は、活動へ助成金を出すだけでなく、そのプロセスをサポートしようとされていました。このような、より専門的な立場からの支援も含めて、事業が展開していくプロセスをきちんと学ぶべきなのかなと思います。

朽木の炭焼き

20210708kutsuki.jpg■今日は、朝早くから大雨の中レンタカーを借りて高島市の朽木へ行ってきました。高島市の中山間地域で炭焼きを復活させた、あるいはこれから復活させようとされている集落の活動に関して、聞き取り調査を行ってきました。朽木の市場、麻生、雲洞谷(うとだに)、それから今津にある「たかしま市民協働交流センター」に行き、この交流センターの運営を受託されている特定非営利活動法人コミュニティねっとわーく高島の職員の方たちにお話を伺いました。その時、こんな本があることを教えてくださいました。早速、市内の書店で購入しました。

■朽木の小川(こがわ)にお住まいの榊ご夫妻が出版された『聞き書き 朽木小川 しこぶちさんと奥山暮らし歳時記』です。文章は榊治子さんが、写真は榊始さんが担当されています。朽木の小川は、朽木の中でも一番南にある針畑川沿いにある集落です。榊さんご夫妻は、集落外から移住されてきました。朽木には、このような移住された方たちが、それぞれの集落や地域の中でいろいろ活躍されている、大切な役割を果たしておられるようです。

動画「2分(とすこし)で解説 びわ湖の日とMLGs」


■本日、琵琶湖保全再生課水政策係から以下のようなメールが届きました。

石けん運動、そしてマザーレイクフォーラムが担ってきた、自分たちの環境は自分たちで守ろうとする“自治”と、県民と行政が協力しながらそれを達成しようとする“連携”の精神を受け継ぐべく、きたる令和3年7月1日「びわ湖の日」40周年に、新たな取組がはじまります。それが『マザーレイクゴールズ(MLGs)』です。

令和3年(2021年)7月1日は「びわ湖の日」40周年。
びわ湖の日と、その精神を受け継ぐ新たな取り組みマザーレイクゴールズ(MLGs)について解説します。

MLGsへの賛同はこちらから簡単にできます!
https://s-kantan.jp/pref-shiga-u/offer/userLoginDispNon.action?tempSeq=9485

MLGsについての詳細は、「マザーレイクゴールズ(MLGs)アジェンダ(素案)」をご覧ください。
https://www.pref.shiga.lg.jp/kensei/koho/e-shinbun/bosyuu/317517.html

#琵琶湖
#滋賀県
#SDGs
#MLGs
#マザーレイク
#マザーレイクゴールズ
#びわ湖の日

■ということで、私もMLGsへ賛同いたしました。

真野浜での袋詰め作業

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20210607manohama3.jpg■真野浜(大津市今堅田)に漂着したヨシ屑を、この浜で民宿を経営する山田英二さんが集めて乾かしておられます。大雨が降ると、しばらくした後、浜に大量に漂着するのです。昨日は、それを山田さんと一緒に袋詰めしました。全部で31袋になりました。山田さんが集めた量の3/5ほどは袋詰めできたかな。こうやって、地道に浜の清掃をされている山田さんのおかげで、この浜は美しく保たれているのです。内田樹さんは「誰もやりたがらないけれど、誰かがやらないとみんなが困るタイプの仕事」のことを「雪かき仕事」と言っていたけれど、山田さんのやっている浜の清掃は、この「雪かき仕事」なのだと思います。

■この真野浜の清掃には、山田さんの経験的な知恵やノウハウがあちこちに活かされています。浜に漂着するヨシ屑は、濡れたままだとどうしても砂がついてしまいます。そこで、水に浸からないところまで熊手で引き上げて、まずは乾燥させるのです。そうすると余分砂が落ちます。引き上げた際には、プラスチックゴミなども分別しておきます。熊手のちょっとした使い方のようです。もっとも、以前と比較してプラスチックゴミは随分減ったようです。マナーが向上したのか、その辺りの理由ははっきりはわかりません。ただ、事実として、真野浜に打ち上げられるプラゴミはかなり減っているのです。それから、以前はルアーだとか釣り糸だとかも結構打ち上げられていたようですが、最近は、そのような釣り関係のゴミも少なくなったそうです。だから、今は分別もやりやすい。釣り針のついたルアーは危険ですしね。
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■ヨシ屑をゴミ袋に詰める際にもいろいろ工夫されています。引越し作業の際、養生に使われるプラスチック段ボールを、ゴミ袋の中に2枚入れて丸く立てると、ゴミ袋が自立します。どんどんヨシ屑を入れることができます。また、ヨシ屑は先が尖っているのでゴミ袋にそのまま入れると穴があいてしまいます。しかし、この方法だと上からぎゅっと押しても穴が開きません。ヨシ屑でいっぱいになったら、プラスチック段ボールをスポッと袋から抜き取るのです。これはとても優れたアイデアだと思います。フランスの人類学者、レヴィ=ストロースがいうところの「ブリコラージュ」的な、現場という文脈に根ざした知恵や工夫のように思うのです。

■さてさて、なぜこういう環境ボランティア活動を行なったのかというと、一番は山田さんのお手伝いということなのですが、同時に、市民団体「水草は宝の山(水宝山)」やNPO法人「琵琶故知新」で取り組もうと思っている活動「マイビーチプロジェクト」の基盤を作りたいからでもあります。もちろん山田さんも、仲間です。山田さんは「水宝山」の代表であり、「琵琶故知新」の理事でもあります。

■コロナ禍でいろいろ予定していた活動ができなくなっているのですが、それでもできる範囲で、そのような活動の基盤をできるだけ固めておきたいと思っています。この真野浜のことを、マイビーチと捉えて世話をする人たちのネットワークができたらと思っているのです。今のところ、「水宝山」や「琵琶故知新」の関係者ということになりますが、もう少し地域にネットワークが拡大できたらなあと思っています。実は、最近、山田さんの清掃活動に刺激を受けたのか、自主的に清掃をする人が現れているようなのです。そういう方達と一緒に活動できたらいいなと思います。

■ところで、回収したヨシ屑はどうなるのか。一般家庭ゴミとして回収され焼却されます。これは、山田さん個人が出しているゴミということで一般家庭ゴミになるのです。もし、市民団体やNPO法人としての活動ということになると、別の申請をしなくてはなりません。ちょっとハードルが高くなります。昔は、こういう木や竹、そしてヨシ屑は燃料として使えたはずなのですが、今はゴミとして処分することになります。でも、もし、このヨシ屑を再利用することが出来たら、何かアイデアはないでしょうか。こういうとをfacebookで書いていたら、早速、ある実践的な研究者から「ありますよ」とお返事をいただきました。相談をしてみようと思います。ヨシ屑をさらに細かくチップにして再利用するのです。

■山田さんが清掃活動をされているので、真野浜は水泳シーズン以外でも、とても気持ちの良い場所になっています。今日は中学生や家族連れがピクニックに来ていました。みんな美しい風景を満喫されていました。近くにこういうビーチがあることの幸せを、みんなで大切に守っていきたいね…と思います。ところで、蝶の絵、これはうちの庭の世話をしてくださっている庭師さんのお兄様、画家をされているのですが、そのお兄様が描かれたものです。昨日、山田さんに教えてもらいました。これは「はらぺこあおむし」に出てくる蝶々かな。
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Chamtine Wanicafe高島ワニカフェ


■滋賀県の高島市にすてきなカフェがあります。「高島わにカフェ」という名前です。素敵な岡野将広さん・純子さんご夫婦が経営されています。これまでも何度か、この「高島わにカフェ」のことを投稿しました。今回は、「高島わにカフェ」と高島市の有機農家との「つながり」に関する動画を紹介したいと思います。「【干し野菜で本格スパイスカレーづくり】レシピドキュメンタリー!つくると食べるを繋ぐ「高島ワニカフェ」」というタイトルの動画です。

■前編と後編にわかれています。前編は、材料の干し野菜をつくっておられる水口淳さん・水口良子さんご夫妻が経営されている「みなくちファーム」さんが、どのような考え(思想)をもっておられるのか、どのような農地や環境で農業をされているのか…、ドライカレーの材料である干し野菜の背景がわかるようになっています。とても面白いです。「みなくちファーム」さんと「高島わにカフェ」さんが、強い絆をもっておられることも伝わってきます。後編は、「みなくちファーム」さんの干し野菜を使ったドライカレーの作り方がわかります。個性豊かな、こだわりを持って仕事をしている人たちのつながり。そのつながり(信頼関係)が醸されてできてくる物語のようなものも一緒に味わえると思います。

■「高島わにカフェ」の岡野さんご夫妻は、生産者と消費者の2つの輪をつなぐカフェを目指しておられます。店名にある「わに」の本当の意味は、こういうカフェの経営理念を表現したものなのです。これから、どのような動画をYouTubeにアップされていくのか、楽しみにしています。このスパイスカレー以外にも、お味噌の動画もあります。有機農業に取り組む堀田金一郎が生産される大豆を使った味噌に関する動画です。大豆の収穫って、とても繊細であることがわかります。

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