関西吹奏楽コンクールを終えて

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■トップの写真は、昨年の関西吹奏楽コンクールで金賞を受賞した時のものです。昨年のコンクールは22日だったようです。会場は、奈良文化会館でした。いろいろ思い出します…。

■私は、2019年に吹奏楽部の部長に就任しました。私が就任時に監督にお願いをしたのは、「絶対に全国で金を取ってくださいね」ということでした。失礼というか、なんというか、今から思えばひどいこと言っていますね。でも、その時過去2年間(2017年、2018年)、関西代表は近畿大学でした。どういうことかというと、2019年の段階で、全国大会に出場した経験のある学年は4年生だけ…ということだったのです。

■同い年で、高校・大学とも同窓の吹奏楽の世界をよく知っている知人からは、「全国大会を経験した部員がいなくなると、演奏のレベルを維持するのはなかなか大変だ」という話を聞いていました。もし、2019年に全国大会に行けないと、全国大会に行くためには、どれだけ練習を積み重ねて、どれだけ組織をまとめて、どれだけ最後まで神経を研ぎ澄ませて演奏を磨き上げなければならないのか…そういうことを経験した部員がいなくなってしまう…ということなのです。そういう経験をした部員がいなくなると、後輩にとっては、全国大会に挑戦していくためのモデルとなる先輩がいなくなってしまうということになります。知らない間に、無意識のうちに先輩から後輩へと伝えられていく習慣や知恵や技術…、それはそれぞれの吹奏楽部の伝統といえるものと思いますが、その中には、「コンクールの壁を乗り越えるための習慣や知恵や技術」も含まれていると思っています。

■部長に就任した2019年の翌年、2020年は新型コロナ感染拡大によりコンクールは中止になりました。そして昨年、2021年、コンクールは再び開催され、この時も全国大会に出場することができました。2019年と2021年、両年とも全国大会で金賞・全ての審査員がAという高い評価をいただくことができました。私は、過去3回(2022年も入れて)、そのような全国大会に行くまでの過程を拝見してきました。最後の集中力は、ものすごいものがあるなと本当に驚きました。

■では関西は龍谷大学吹奏楽部の独壇場かといえば、そうではありません。特に、今年は、関西大会で同じく金賞を受賞された近畿大学と立命館大学が、相当頑張っておられるというお話を伝え聞いていました。実際、関西大会では金賞を受賞されました。「打倒、龍大」と実際に言われたかどうかはわかりませんが、自分たちこそが全国大会に行くのだと思って仕上げてこられたのではないかと思います。そのような意味で、龍大は追われる立場でした。部員の皆さんも、そのことをよく理解しておられたのではないかと思います。その上で、本番に向けて仕上げてこられました。よく頑張って練習に取り組まれてきたと思っています。

■普通、部長はこんなことは書かないと思います。常識的には、なんだか自慢話みたいで、嫌な感じ…そう思われたかもしれませんね。でも、多くの皆さんに、金賞という結果だけではなくて、そこに至るまでの普段の部員の皆さんの努力の過程を、部長としては理解していただきたいという思いもあるのです。

■最後に、もうひとつ。この季節、感謝、喜び、反省、吹奏楽コンクール関連のいろんなツイートをTwitterで拝読しています。素敵だなあと思います。どの団体の皆さんも、金賞が良いでしょう。しかし、どんな色の賞かと同時に、誰かのためや組織のためではなく(指導者のためでも悪しき成果主義でもなく)、コロナ禍が続く中で大切な仲間と共に音楽の楽しさや素晴らしさを共有できたことが大切なんだと思います。

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