阪神三宮駅

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■現在、私が住んでいる奈良と、私の故郷である神戸は、意外に近い関係にあります。といっても、それは鉄道を通してです。2009年、阪神なんば線が開通しました。そのことにより、近鉄と阪神が相互乗り入れできるようになったのです。私の奈良自宅の最寄り駅からだと1時間15分前後で阪神三宮駅までいくことができます。便利になったものです。トップの写真は、昨日の夕方に撮ったものです。新しいけれど、どこか少しレトロな雰囲気が漂っています。ただ、神戸を離れてからもう30年ほどたつのですが、一般的な意味でレトロというだけでなく、私の記憶とどこかで結びついているのです。そこで調べてみました。
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■wikipediaの「三宮駅」を調べてみると、「3011形が特急運用を開始した1954年の阪神三宮駅プラットホーム全景」という写真が掲載されていました。ウィキメディア・コモンズの写真です。おお、見事に重なりあいます。昔の阪神・三宮駅の記憶が、私の脳みそのどこかに残っていたのですね。その一方で、淡路大震災の被害のために、阪急三宮駅のあった「神戸阪急ビル東館」は解体されました。「ビルの1フロアに駅と軌道が貫通している」とってもユニークな建築でした。三宮といえば、この阪急駅だったのですが…。今や、鉄道を通して私の記憶にある三宮をたどるには、この阪神三宮駅しかないのかもしれません。

■神戸だけでなく、すべての街には、集合的な意味での「街の記憶や履歴」を担保するスポットがあちこちにあるのだと思います。外部の人にもわかるものもあれば、その土地の人にしかわからいものもある…。それらの多様なスポットが、相互に関係をもっているばあいもあるかもしれません。もちろん、街自体は新陳代謝していくわけですが(変化していく…)…。しかし、そのような新陳代謝のなかでも、街のアイデンティティを保持していくためには、多様なスポットをなんらかの方法で担保していくことが必要です。また、そのことに多くの市民が自覚的であることも必要だと思います。阪神三宮駅も、少なくとも私にとっては、そのようなスポットのひとつなのかなと思っています。

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