「さくらバーガー」と「プライベート美術館」

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■忙しくなったり、怪我を少ししたりで、また間が空いてしまった。ラン…。ということで、今日は走りました。本当にもう…なさけないよ、自分。
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■自宅の最寄り駅からスタート。最近は、いつも駅を起点にしています。自宅は奈良西部の丘陵地帯にあるので、南にいくとどんどん下っていきます。下ったあとも、ひたすら南下。有名な唐招提寺や薬師寺の横を走ります。このあたり、とっても気持ちの良い風景なのです。いつもはここで引き返すのですが、今日は、さらに佐保川沿いを大和郡山市の方面に走りました。大和郡山市に入ってすぐ、九条公園で東に進路を変えます。そのままひたすらまっすぐ東へ走りました。このあたりは、もともと農村地域です。古い集落と、新しい住宅地がまだらになった風景をながめながらひたすら東に走ります。

■8kmちょっとのところで、突然iPhone5の電源が落ちました。最近、こういうことがよくあるのです。まだまだたっぷり余裕があったはずなのですが、クラッシュです。当然のことながら、ランの記録をrunmeterというアプリで取っていたのですが、それも途中で終わってしまいました。上の地図は、帰宅してから「キョリ測」というサイトで再度距離を計算しなおしたときのものです。

■さてさて、ランはまだまだ続きます。 辰市、東九条、古市のT字の交差点まで東に進み(といっても、奈良を知らない方はなんのことやら…ですね)、そのあとは北に進路を変えました。奈良公園に向かいます。南紀寺、東紀寺、高畑。奈良公園にはいって、最後は若草山のよくみえる奈良県新公会堂まで走りました。合計14kmを約80分、5:45/km程度かな。穏やかな天気でよかったです。

■走ったご褒美…というわけでもないのですが、遅めの昼食は、いつもの「さくらバーガー」にしました。「さくらバーガー」のお店は、東向北町にあります。近鉄奈良駅を降りて地上に出て南にいくと東向商店街。道路を渡って北側にいくと、東向北町になります。このあたりも含めて、最近の奈良の街には、新しい個性的なお店が増えてきているように思います。商店の新陳代謝が高まり、活気が生まれているという感じでしょうか。奈良の商業といえば、よく言われてきたのが「大仏商法」です。これは、「奈良の大仏に参詣する客が立ち寄るのを待つだけで、進んで客を集める努力をしない奈良商人の消極性」(こちらより引用)のことです。私が奈良に暮らし始めたのは30年近く前のことになりますが、そのころは、本当に奈良の中心市街地は、休日でもあまり人が歩いていませんでした。しかし、少しずつではありますが、奈良に活気が戻りつつあるようにも思います。きちんと確認したわけではありませんが、若い人が、商売を始めるというパターンが以前と比べて増えているのではないでしょうか。奈良には派手さはありません。どちらかといえば、奈良の魅力は燻銀のような魅力です。ちょっと田舎臭いがゆえの魅力でもあります。奈良の時間の流れもゆったりしています。まだまだ奈良には潜在的な魅力があるように思います。そのような奈良の魅力を再評価しつつ、少しずつ奈良の街が変化していけばよいなと思います。

■さてさて、ランのあとは汗で身体が冷えてしまいます。背負ったトレイルラン用のリュックにタオルを入れていたので、それで簡単に汗をふいて、「さくらバーガー」に突入しました(本当は、銭湯にいきたかったのですが…まだ、やっていない)。「さくらバーガー」さんは、私が奈良で一押しの美味しいハンバーガー店です。サイトには、こんな説明が。

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パテは歯ごたえ・食べ応えをしっかり残すために、包丁でミンチし手捏ね。溶岩を敷き詰めたグリルで香ばしく焼いています。自家製ベーコンは力強いバーガーに合わせ濃い目の塩味で、「さくらのチップ」で少し強めに燻製。薫りと食べ応えを楽しんでいただけるよう、ざくっと厚切りにして焼き上げています。そして、フレッシュなレタスやトマト、ほど良い酸味のピクルス。それらを「風いろ小麦」さんの協力で作り上げたバンズで挟んでいます。(初代バンズ「ボーノ」さんとは異なる個性がお楽しみいただけます。)味付けは、塩・こしょう・オリジナルのタルタルソース。卓上のケチャップやマスタードでお好みの味に仕上げ「カブッ!」とかぶりついてください。

■ばっちり燻製された自家製ベーコンをはさんだハンバーガー、今日は「チーズバーガー」にしました。そして、マスターの山戸旬人さんとのおしゃべりを楽しみました。今日、山戸さんから教えていただいたのは、奈良県障害者芸術祭「プライベート美術館」のことでした。奈良県障害者芸術祭「HAPPY SPOT NARA」の企画のひとつのようです。じつに素敵な企画なのです。公募により集まったな県内の障害のある人の作品約150点を、まちのなかで楽しむプロジェクトです。まちなかの店舗によびかけ、オーナーが自分の感じるままに作品を選び、お店に展示することになっています。

■「さくらバーガー」さんの店内にも、3点の作品が展示されていました。お店にはいってすぐに、すごく力強いラインが印象的な、カラフルに何かの動物を描いた作品が展示されていました。最初は、「おお、エエ感じや~」と思って、マスターの山戸さんにうかがったところ、それが「プライベート美術館」の作品だったのです。昨年の10月、作品と店舗の「お見合い」があり、山戸さんもご自身が「これがいい!!」というものを3点選ばれたのですが、作品の下には、作品名と選んだマスターの説明が書かれた小さなプレートも貼り付けてありました。障害者のアートを媒介に、お店とお客のコミュニケーションを通して「物語」が生まれるのでしょうね。

■ところで、マスターの山戸さんも走っていることが判明。であれば、「さくらバーガー」を基地にランニングクラブをつくってほしいな~。終わったら、走ったカロリーだけ、超美味しいハンバーガーをいただくのです。どうでしょう、みなさん!! 良い企画でしょう。

【追記】■昔からいわれる「大仏商法」。まだ、どこかにそのような傾向が残っているのでしょうか。「大仏商法」は、基本的に、やって来る観光客にしか目が向いていないということになります。しかも、かつての修学旅行の生徒たちのように、次から次へとやってくるような観光客です。まだ、そのようなかつてのビジネスモデルの残滓がどこかに残っているのであれば、それは捨ててしまったほうがよいと思います。また、観光客だけに目をむけるのではなく、近くに住んでいる市民、たとえば奈良府民とよばれる奈良市西部地域に居住している市民(奈良に居住して大阪に通勤している人たち。大阪の方に眼と意識が向いている)が、まずは行きたくなる街にしていったほうがよいのではないかとも思います。住んでいる市民が(それとはなく)自慢できる・誇りにするそのような街の営みのなかに、外部の観光客を惹きつける「本物」の奈良の新しい魅力が生まれてくるのではないかと思います。そして、そのような新しい魅力と、燻銀のような奈良の魅力、田舎臭いがゆえの奈良の魅力、ゆったりと時間が流れる奈良の魅力とがうまく調和していく…そのような奈良になってほしいなと思います。

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