市場と文化

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■facebookで東海大学政治経済学部で教員をされている三宅秀道さんの講演会の記事がアップされていました。この記事を興味深く読みました。たとえば、「資本や技術力がなくても、新たな暮らし方や文化を提案することで市場をつくれる」、「『問題だ』『改善する必要がある』と思う心がモノに価値を生み出す」、「暮らしや文化をデザインする重要性」、「問題開発」「認識開発」…とても興味深いですね。これは「地域づくり」「まちづくり」とも重なりあう指摘です。もちろん、そのばあいは必ずしもモノ…ではないとは思いますが。

■以下は、三宅さんのインタビュー記事から抜き出したものです。「『新しい市場のつくりかた』を書いた三宅秀道氏(東海大学政治経済学部専任講師)に聞く」

「製品としても生産技術としても抜きんでたところはないが、その製品によって、以前は需要さえなかったところで需要が作られ、そのマーケットでトップを占めるようになるというような、技術の優位性では説明がつかない成功例」。

「社会につねにある生活文化の変化に作り手が追いついていない。生活者の変化を先取りして、たとえばトイレでは尻は洗うものという習慣が生まれたように、主導権をもって生活文化の「家元」になることが大事だ」。

「この自分の中で創案した価値観にいつも照らす。問いの設定と解決手段の開発の両方をやってしまうのだから、これは発明といえる」。

「自分のわがままな考えをわがままと思わずに、こんなことがあっていいと考えついたら、できそうにないという無意識の自己規制を外せばいい」。

「コストパフォーマンスの比率をよくする方向ばかりに意識が偏る。それを使ってこんな楽しみもあるといった別の暮らし方を提案するようなことは弱い。(中略)それを組み合わせて暮らしの中で喜ばれるサービスに結び付ける提案はお留守になっている。今まで文化を開発することをなめてきた。暮らしの幸せは米国製を借りてきて、それを軽薄短小、省エネで実現しようとした」。

「技術でのソリューションの開発の前に、文化として世の中を受け入れることが重要だと全社的に認識させることだ。その役を誰かに振らなくてはいけない。そういうチーフ・カルチャー・オフィサー(CCO)がいていい。MOT(技術経営)があるのだから、MOC(文化経営)もあってしかるべきだ」。

■さきほど、これは「地域づくり」「まちづくり」とも重なりあう指摘だと述べましたが、いかがでしょうか。みなさんも、そうお思いになりませんか?三宅さんが出版された『新しい市場のつくりかた』、実は、すでに購入済みでした。ただ、まだ手にとって読み始めていないのです。これは急がねばなりませんね。

【追記】■参考ブログ記事。「新しい市場のつくりかた」(「新しい市場のつくりかた」)

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