大津エンバワねっと「まち歩き」瀬田編

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■今日は、「大津エンパワねっと」コースの「大学と地域をつなぐ特別講義Ⅱ」の「まち歩き」でした。「大学と地域をつなぐ特別講義Ⅱ」(2014年度までは2年生前期・3セメスター目)では、市内で地域づくり活動をされている方たちお招きしお話しを伺います。それに加えて、「地域エンパワねっとⅠ・Ⅱ」(2014年度までは2年生後期・3年生前期)を履修して現場に入って行く学生たちのために、大津の中心市街地である中央地区と瀬田東学区の2カ所で「まち歩き」を実施しています。今日は、瀬田キャンパス正門10時スタートしました。このエリアの地形や歴史(40万年前〜現代)に関する情報を風景の中に読み取りつつ、地域コミュニティの状況や課題について説明しました。JR瀬田駅まで、約2時間半かけて歩きました。

■写真ですが、右は、旧東海道沿いにある月輪という地域にいったときのものです。立派な石碑がたっています。ここは、「立場」と呼ばれる場所ですです。石碑のむうこには、下月輪池というため池があります。昔々、東海道を行き交う旅人が休んだ茶店があったと地元の方から聞いています。石碑には、月輪の地名の由来が書いてありましたが、もとも月輪禅閣藤原兼實の荘園があったためとも、道中旅人が池に映る月の影に感嘆して名付けたためともいわれているようですが、はっきりしないようです。写真の左は、お手製の「まち歩き」用の資料です。A3の紙を縦横に折り、全部で16ページの仕上がりになっています。内容、以下の通りです。おもに、地元で発行された『昔を今、語りづく、わがまち瀬田東』から引用、ないしは活用をさせていただいています。

・琵琶湖の生い立ちと瀬田丘陵
・大津市南部地域の地質
・瀬田丘陵を中心とした溜池分布(1983年)
・丸尾の池と多鉈開発状況(文久年間1861〜62年)
・明治25年(1892年)測量地図
・瀬田の略年表
・昭和23年(1948年)航空写真
・平成2年(1990年)航空写真
・財産区
・昔の学園通(朝倉通)
・自治会
・瀬田駅開業当時の様子(昭和44年当時)

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■「キョリ測」というサイトを利用して計測したものです。大学の正門から瀬田駅まで、6.4km歩いたことになります。

最近の「地域エンパワねっと」(中央地区)

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20140517empower2.jpg■昨日、16日(金)の1・2限は、「地域エンパワねっとⅡ」の授業です。「地域エンパワねっと」は、大津市の中心市街地にある中央地区(中央学区を中心とした中心市街地)と大学に隣接する瀬田東学区の2つの地域にわかれて活動しています。私が指導しているのは、中央地区で活動している学生です。写真のように5チームにわかれています。具体的に、地域の課題解決(ないしは魅力発信)の小さなプロジェクトをたちあげ、地域の皆さんの協力のもと8月末頃まで頑張ってそれぞれのプロジェクトに取り組みます。

■5チームとも、学生たちの企画、地元の皆様のご指導もあり、少しずつ形になってきました。最初の頃は、具体性がなかったり、抽象的であったりしていたてのですが、しだいに実際の現場の課題に焦点があってきました。地域の皆さんにいろいろご相談をしていくなかで、期待をしていただける程度にまではなってきました。少しずつですが、プロジェクトは進捗しています。おそらくは、自分たちのチームのなかで、そして自分自身のなかで、なにか「気付き」や考え方の「変化」があったのではないでしょうか。ここしばらくの期間で獲得できたことを、大切にしてください。

2014年初めての甲子園

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20140516koshien1.jpg ■ひさしぶりの息抜きです。昨日、金曜日は、今年初めての甲子園。阪神タイガースファンの聖地で、妻と一緒に阪神-DeNA戦を観戦しました。我が家は生協に加入しているのですが、食料品や生活用品だけでなく、今や、プロ野球のチケットも生協で入手できるのです。もっとも、自分が思うような対戦チームの試合…というわけにはいきません。また、席についても限定があります。というわけで、今回は、対DeNA戦でした。また、席も1塁側のアルプススタンドでした。賑やかな、ライトスタンド(阪神の大応援団のいる場所)の真横あたりですね。あいにく、試合は阪神の負け…。なんで??阪神の打線はなんともなさけない状況で、試合結果は残念なものになりましたが、おかげで(?!)生ビールを4杯も呑んでしまいました。試合に集中しとけば、阪神は勝っていたかな…。

■まあ、そんなことはないと思いますけど。次回は、6月27日、こんどは職場の仲間と一緒に応援する予定です。

【追記】■本日(5月17日)は、勝ちました。私が甲子園にいくと、負けるばあいが多いような気がします…。下記の「投稿」をクリックするとfacebook上の動画を見ることができると思います。

大津エンパワねっと「大学と地域をつなぐ特別講義Ⅰ」

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■先週の火曜1限と本日、社会学科の学生を対象とした「2014年度前期「大学と地域をつなぐ特別講義Ⅰ」~大津を学ぶ・大津から学ぶ~」でした。「大津エンパワねっと」を担当している/担当したことのある4人の教員で開発した教材(スライドやビデオ)をもとに、「大津エンパワねっと」のオリエンテーションのような授業を行いました。

ゼミの新歓コンパ

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■月曜日は4限が3年生のゼミです。昨日は、3年ゼミのあと、4年生が「2014年度脇田ゼミ新歓コンパ」を瀬田駅前のとある居酒屋で開催してくれました。私のほうは、3年ゼミのあとは、2コマ続けて博士後期課程の社会人院生の指導をする必要がありました。そのため、残念ながら、今年の新歓コンパには最後のほうにしか参加できませんでした。私が到着したときは、3年、4年とも打ち解けてコンパ会場はずいぶん盛り上がっていました。私は、別会計で、生ビールとちょっとした酒のつまみを注文するだけで終ってしまいました…。ちょっと残念ですね。次回はぜひ最初から参加したいものです。4年生の皆さんには、無事に新歓コンパを開催してくれたことに感謝したいと思います。

■後列・左から、山科、坪井、光定。中列・左から齊藤、鳥居、上田、鶴井、瀬上、小林、三田、川崎。前列、西山翔、渡辺、小西、西山智弘。iPhoneで撮ったこともあり、眼が光ってしまっています。ゾンビのようだな…。

特別展「チベットの仏教世界」

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■今年のゴールデンウイークは、老母の退院や介護であたふたしていたので、1週間遅く休暇をいただき、昨日は、龍谷ミュージアムにいってきました。龍谷ミュージアムでは、現在、特別展「チベットの仏教世界 もうひとつの大谷探検隊」が開催されているからです。大変満足しました。もっとチベットの文化や歴史、またチベット仏教に関して教養があれば、もっともっとワクワクしただろうに…と思いました。「音声ガイド」を借りて、丁寧にひとつずつ展示を観覧しました。

■これまで、海外からのゲストをお連れしたことはありましたが、一個人として来たのは今回が初めてでした。もっと龍大関係者は利用しなくてはね。ところで、この博物館を龍大が計画していたとき、私、学内の委員だったんです。滋賀県立琵琶湖博物館の開設準備の仕事をしていた経験があるからでしょうが。そういうことからすれば、もっとこの博物館を利活用するようにしなくてはいけないと改めて思いました。

NPO法人「百菜劇場」

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■先週の木曜日、近江八幡市にあるNPO法人「百菜劇場」の廣部さんを訪問しました。私は、1年生を対象にした「社会学入門演習」を担当していますが、その入門演習では6月7日(土)・8日(日)に、近江八幡市の西の湖畔にある2つの農村を「現地実習」として訪問し、いろいろ勉強をさせていただくことになっています。廣部さんには、この2つの農村とのあいだをつないでいただき、2日間にわたって「現地実習」でいろいろご指導いただくことになっています。

■この日は、まず「百菜劇場」の圃場を見学させていただきました。畑では、「自主保育」の活動をされているお母さんとお子さんたちが、アーティストを招いてワークショップをされていました。「百菜劇場」は、「農」をメインにおきながらも、様々なユニークな活動をされています。詳しくは、こちらの公式サイトをご覧ください。圃場を見学したあとは、「現地実習」のプログラムの内容について協議させていただきました。以下は、ランチミーティングのときの写真です。ランチは、廣部さんのご案内で、近江八幡の旧市街地にある素敵なカフェ「茶楽」に連れて行っていただきました(「茶楽」のブログです)。元々、材木問屋の蔵だったようですが、素敵な雰囲気のカフェでした。ランチは、なすとじゃがいものひき肉オーブン焼き、ごはん、副菜、スープ、お茶、ミニデザート(山いもと小豆のモチモチケーキ)でした。満足しました〜。
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今日の「地域エンパワねっとⅡ」

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■今日は、龍谷大学社会学部の地域連携型教育プログラム「大津エンパワねっと」の合同授業が行われました。左の写真。授業のイントロで主担当教員である笠井先生が、書画カメラでひとつの写真記事を提示されました。最近話題になっている「896自治体で若年女性半減=2040年推計」というニュースです。元・岩手県知事で、総務大臣もされた増田寛也さんが座長の「日本創成会議」人口減少問題検討分科会の報告です。

■2040年時点の全国の市区町村別人口の推計をもとに、全体の約5割を占める896自治体で10年から40年までの間に若年女性(20~39歳)が半分以下に減ると試算し、「将来消滅する可能性がある」と指摘されています。また、40年時点で人口1万人を切る523自治体に関しては「消滅の可能性が高い」と分析しされています。ショッキングなニュースですよね。このニュース、NHKのクローズアップ現代でも「極点社会~新たな人口減少クライシス~」として報道されました。こういう現実が見えてきたからこそ、このような大きな社会の流れに抗う対策を地域のなかから摸索しなければなりません。「大津エンパワねっと」は、そういう現実ともつながっているのです。

■写真の右側は、1957年の「町の政治~べんきょうするお母さん」というドキュメンタリー映画です。「大津エンパワねっと」は、「エンパワメント」と「ネットワーク」の2つの言葉からの造語です。このドキュメンタリーは、高度経済成長が始まった(始まろうとしている)時期の、東京都国立町(現在の国立市)のおかあさんたちの取り組みに関する映画なのですが、「エンパワメント」とはどういうことなのかを考えるうえで、貴重な映画だと思います。ナレーション等には、今からすればいろいろ問題のある表現もありますが、「エンパワメント」と「まちづくり」と「民主主義」はつながっていることを実感できる素敵な映画だと思いました。この映画については、同僚の(お隣の研究室の)畑仲先生がご自身のプログにとりあげておられるので、ぜひその記事をお読みいただければと思います。

傑作!『町の政治~べんきょうするお母さん』

驚きました…

■昨日は、このホームページのアクセスカウンターが「234」になりました。ふだんは、多くても「80」程度なのですが…。何があったんでしょうね。

国際家族農業年(IYFF2014)がスタート

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■上記は、FAO日本事務所のサイトの記事です。FAOとは、「国際連合食料農業機関」のことです。この記事のなかで、そのFAOのグラジアノ・ダ・シルバ事務局長は、「我々は、2014年を国際家族農業年と制定することにより、ポスト2015開発アジェンダとゼロ・ハンガー・チャレンジに関する議論と共にミレニアム開発目標に沿った食料安全保障の改善そして天然資源を保全するといった、世界が今日直面している二重の緊急性に対応する上で、家族農家が中心的な存在であることを認識する」と述べています。

以下は、この記事からの引用です。

本国際年を推進する中心的な機関であるFAOを代表して、グラジアノ・ダ・シルバFAO事務局長は、「家族農業以外に持続可能な食料生産のパラダイムに近い存在はない。通常、家族農家とは、特化しない多様な農業活動によって環境と生物多様性を持続的に保全する上で中心的な役割となっている農業を意味する。」と述べた。

彼は、この国際年が対象とするものは、家族農家だけでなく、漁民や牧畜民、先住民の伝統的なコミュニティといった、世界で最も脆弱な人々であることを述べた。

「我々は、国や地域の開発において、家族農業を中心とした計画を実行する必要がある。また、各国政府が支援においてリーダーシップを果たすことで、家族農業の可能性を引き出すことができる。

これには、家族農家の生産性向上を支援する技術支援と方針を提供すること、適切な技術に農民達がアクセスできるようにすること、農民達が土地や水、クレジットや市場へのアクセスできるように改善すること、そして、更なる投資を可能にする環境の構築が含まれる」と付言した。

家族農家団体やネットワーク、国際及び地域機関、民間部門、市民社会、学界を含む誰もが家族農業の可能性を満たす中で果たすべき役割を有していると述べた。

■このようなFAOの主張が、どこまで実現するのかはわかりませんが、とても大切な主張だと思いました。私が参加している研究プロジェクトでは、流域ガバナンス、生物多様性、健全な栄養循環…といったことをキーワードにしていますが、「家族農家とは、特化しない多様な農業活動によって環境と生物多様性を持続的に保全する上で中心的な役割となっている農業を意味する」という部分は大いに共感します。人間と自然環境とを媒介する農業。人と自然環境との関係のあり方、農業を媒介として人と人の関係のあり方。その両者の関係のあり方が交叉するところに、注目する必要があります。そして、社会・文化と生態系からなる複合的なシステムのレジリエンスを維持・強化するという意味においてもとても重要だと思います。

■現代社会では、地球規模で、農業が貨幣経済的な利益をあげることに特化していく強い傾向があるように思います。また、生産された農産物は投資の対象にもなっています。そういった「金儲け」の手段に特化していく農業を、人びとの生活を維持していくために必要な基盤として取り戻すためには、ローカルな家族農家、そしてその家族農家の比較的近くに居住し、様々な意味で生産者である家族農家をサポートできる消費者。両者の相補的なネットワークの構築。そういったこれまでも地道に取り組まれてきた実践が、もっともっと注目されてよいのではないかと思います。「産業の論理」に支配された<大きな農>を政策的強化していくのではなく、「生活の論理」に基礎付けられた<小さな農>をネットワークのなかで育んでいくことに、未来の可能性は存在していると思います。

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