基礎ゼミナール

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■ひさしぶりに、「基礎ゼミナール」という授業を担当しています。2年生後期の演習です。なかなかユニークで面白い学生たちが集まりました。先週の木曜日が後期2回目の授業だったのですが、その日は、「インパクトのある自己紹介をしよう!!」というテーマでした。面白かったな~。

■次週からは、自分の問題関心を絞り込んでいくグループワークをする予定になっています。後期の最期には、それぞれレポートを提出して、「レポート集」にまとめる予定になっています。

最近のラン-30km走-

20131007kizu.png■今月末、10月27日に「大阪マラソン」を走ります。3月10日の「京都マラソン」が終ったのち、春と初夏をきちんと練習せずに過ごしてきました。まだ、ランニングが生活の一部になっていない…のですね〜。これではいかんと、仕事の合間をみながら、夏から少しずつ練習を積み重ねてきました。この9月5日から昨日までの約1ヶ月では、総距離約195kmを走ることができました。特に昨日は、月末の「本番」にそなえて30km走に取り組みました。しかし、結果は…。残念なことに、19kmほどで終了しました。完走していれば、総距離200kmを超えたんだけどね〜…。iPhoneのアプリ「Runmeter」での記録をGoogle Mapに落としたものが上の地図です。場所は、木津川沿いのサイクリングコースです。ここは、木津川マラソンのコースにも使われているコースです。

■昨日は、真夏日。15kmを超えたあたりから、しんどくなってきました。水分は十分に取りながら走っていましたが、「ここで体調を崩してしまってはいかん」との判断があり、思い切って中断することにしたのです。30km走は、「京都マラソン」のときにも取り組みました。その時も、今回も、コーチ役の原俊和さん(大阪梅田キャンパス課長)が一緒に走ってくださいました。原さんからは、今回の目標(スピードの目標)も提示され、それなりに緊張して走ることになりました(^^;;。1kmごとのラップですが、だいたい6分15秒/km〜6分30秒/kmあたりでした。一昨日は、15kmを5分55秒/mのスピードで走っていたので、無理なスピードではないすばなのですが…。30℃を超える暑さに、まいってしまったようです。

img_4638.png ■こちらの「Runmeter」の記録をご覧ください。真ん中の折れ線グラフ。プルーの折れ線が今回のもの、ピンクのものが前回、「京都マラソン」にそなえて走ったときのものです。前回の30km走では、だいたい7分30秒/km前後のスピードで推移しましたが、20kmあたりから膝が痛みだし、その後、スピードをかなり落とすことになりました。今回は、6分30秒/km前後のペースで推移しているのですが、折り返し地点の15kmあたりで、バテてしまいました。折れ線がグっとあがっているのは、歩いたためスピードが大幅に落ちているのです。気を取り直し、再び走り始めたものの19kmあたりで断念したということで、ブルーの折れ線はここでプツンと切れています。残念だな〜。

■今月の末の「大阪マラソン」。昨日や今日のように夏のような気温だと、かなり辛いレースになるのではないかと思っています。でも、そんなことないよな〜。だって、もう11月ですもの…。コーチの原さんは、「フルは、筋力はもとより、気候、コース、ペース配分、体調、全てがベストで、かつそれぞれがマッチングしないと最高のパフォーマンスは発揮されません。奥が深いデスよね」とおっしゃいます。そんな芸術的な走りは、私なんぞには到底できません。ドタバタと必死になって走るだけなのです…。さて、どうなることでしょう。心配だな〜。残りの期間、故障しないように注意しながら練習を継続していきます。

感謝、14,000アクセス!

■本日、アクセスカウンターが14,000を超えました。夏期休暇中から、更新が滞ってしまっているにもかかわらず、これまでとほぼ同じペースでアクセスカウンターの数字がのびていきました。ありがとうございます。ブログが中心のホームページですし、内容は、日々の身辺雑記風の文章にしかすぎません。あまり役にたつ情報はないとは思いますが、今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

Korea AG-BMP Forum The 4th International Conferenceでの報告(2)

20131007korea1.jpg 20131007korea2.jpg■国際会議という「お仕事」のことは前回のエントリーで報告しました。それ以外の「お楽しみ」についても少し報告しておきます。今回の国際会議のあった全州市は、古い歴史をもつ街です。街の一画には、歴史的景観を保全している地域があり、私たちの宿舎は、そのなかにある「学忍堂」という文化施設のなかにありました。この「学忍堂」は、「日本統治時代に建てられた独特の建築様式をもった邸宅で、画家、音楽家、書家など文化人の交流の場として、戦後は政府要人の宿泊所や迎賓館としても使われた」施設です。「最近修復され、100年ぶりに一般公開されるように」なりました。一部が宿泊できるようにもなっています(解説)。今回の国際会議では、金才賢先生(建国大学環境科学科教授)に大変お世話になりましたが、外国からきたゲストへの金先生のご配慮から、このような素敵な施設を宿泊先として予約してくださったのでした。金先生をはじめ、国際シンポジウム事務局スタッフの皆さんには、心から感謝いたします。

20131007korea10.jpg■全州に滞在中は、美味しくかつ上品な韓国式の料理をたくさんいただきました。韓国の料理は、野菜もふんだんに使ってあり、大変健康的ですね〜。そのような韓国の料理のなかでも、日本人にも良く知っている料理を紹介をしておきましょう。ビビンバ(ピビンパップ)です。全州はビビンバの本場です(左の写真)。どうですか、ものすごく豪華でしょう。これを、かき混ぜていただきます。ビビンバの「ビビン」とは、「ピビンダ」=かき混ぜるという動詞からきています。残りの「バ」ですが、あえてカタカナでよりハングルの発音に近く書けば「パップ」ということになります。日本人には、子音が聞こえにくいので「バ」に聞こえるのですね。で、この「パップ」はご飯という意味。ですから、「かき混ぜご飯」という意味になります。説明すれば、な〜んだ…ということになりますが。

20131007korea11.jpg ■写真右は、何かわかりますか。何やら虫の幼虫のように見えますが…。これは、海の生物であるエイです。日本でも、エイ鰭を干物にしたものを酒の肴にして食べますが、これは生です。しかも、発酵しています。発酵すると、エイは独特の匂いを出すようになります。アンモニアの匂いです。口のなかに入れて噛むと、鼻にアンモニア臭が抜け、飲み込むときには肺のなかにアンモニア臭が入り込んできます。これは強烈です。しかし、慣れてくると病み付きになるのだそうです。残念ながら、今回、病み付きの境地にまでは達することができませんでした。次回チャレンジですね。通常は、キムチと蒸した豚バラ肉とを一緒していただくのだそうです。そうすると、ずいぶんアンモニア臭も緩和されます。


■国際会議の事務局では、私たち海外からのゲストのために、夕食のあと韓国文化に触れる機会も作ってくださいました。パンソリです。パンソリとは、伝統的民俗芸能であり、2003年11月7日、ユネスコ第2次「人類口伝および無形遺産傑作」に選定されています。私には詳しいことを説明できません。ぜひ、韓国の文化財庁の説明をご覧になってみてください。動画は、お許しを得て私がiPhoneで撮ったものです。ハスキーな歌声に深い情念が込められているような独特の歌い方。民衆の歓喜や鬱憤、悲哀を反映してているといわれますが、よく理解できます。
○パンソリ(韓国文化財庁)

20131007korea3.jpg ■全州での国際会議は、27日の夕方に終了。さきほどのビビンバをいただあいたあと、高速道路を使い、ソウルまで車で移動しました。今回の国際会議には、海外からのゲストとしてアイルランドの Cathal BUCKLEY さんと、アメリカの Conrad D HEATWOLE さんが招待されていました。日本からは、宗村広昭さん(島根大学農学部)と私が招待されました。ということで、27日の晩に宿泊するホテルも一緒でした。せっかくだからということで、ソウルの街にビールを呑みにでかけました。ソウルのビアバーで夜22時頃から夜中の2時頃まで、ビールを呑みながら楽しい時間を過ごすことができました。私は英語が得意でないのですが、アメリカに留学していた宗村さんはユーモアたっぷりに英語を話されます。宗村さんのおかげで、ずいぶん酒盛りの場が盛り上がりました。すでに国際会議での報告をすませたこともあり、調子にのって500mlのビールを5杯ものんでしまいました。

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■翌日28日は帰国の日です。余裕をもって夕方17時前の便にしていたので、朝、ソウルの街を走ることにしました。じつは、全州でも朝早く起きて街のなかを走りました。距離としては、8km程だと思いますが、川沿いの朝市の賑わいや、街の様子を眺めながら走るって、なかかな楽しいものです。市民ランナーの皆さんは、海外に行かれたさいに、よく観光と練習をかねて街の中を走られますが、私も真似てみたというわけです。ソウルの街では、ソウルのまんなかを流れる漢江沿いの道を、ランニングやサインクリングを楽しむ多くの市民の皆さんと一緒に走りました。ソウルでは、1時間半ほど。おそらく15km程走ったと思います。あいにくの曇り空ではありましたが、じつに気持ち良かった。少し二日酔気味ではありましたが、体調もランニングで回復しました。

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■ランニングが終了したあとは、昼食です。ホテルの近くにある、街の食堂のなかから良さげな店を探すことにしました。一軒のキムチチゲのお店をみつけました。お店の中は、満席。次から次へとお客さんがやってきます。メニューもキムチチゲの定食とキムチラーメンの2種類です。これは、わかりやすい。おそらく界隈では評判のお店なのだと思います。ということで、私も店のなかに。店員さんに言われるままに席につくと、すぐに写真のようなキムチチゲの定食が出てきました。こちらのキムチチゲ、すべて乾麺が入ります(いわゆるブテチゲ=部隊チゲの影響か?)。いや〜、これも美味しくいただきました。ただし問題は、滝のような汗が出てくること。そんな人は、この店のなかではもちろん私だけでした。

■今回の韓国出張、3泊4日と短いものでしたが、良い経験になりました。また、日本不在中は、同僚の先生方に「大津エンパワネット」等でサポートをいただくことができました。おかげさまで、無事に、報告を終えて帰国することができました。ありがとうございました。

Korea AG-BMP Forum The 4th International Conferenceでの報告(1)

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■先月末、9月27日に、韓国の全州市で開催された「Korea AG-BMP Forum The 4th International Conference」に参加し、第1セッション「流域管理のパラダイムシフト」においてキーノートスピーチを行いました。今回は、総合地球環境学研究所で取り組んだプロジェクトの成果(『流域環境学 流域ガバナンスの理論と実践』京都大学学術出版会)をもとに、琵琶湖の農業濁水問題を事例とした「階層化された流域管理」についてお話しをさせていただきました。私がなぜ、この国際会議に呼ばれたのか。遠回りになりますが、以下で説明させてください。

■全州市に隣接するセマングムには広大な干潟がひろがっていました。錦江と東津江という2つの大きな河川の河口一帯に広がる広大な干潟です。様々な環境団体の反対、漁民の反対がありましたが、韓国政府は、1991年から大規模な干拓事業を開始ししました。そして、2006年に防潮堤が完成し、現在は陸化が進んでいるのです。

■当初、ここから生まれる新しい土地は農業用地だったのですが、現在の韓国社会はそのような農地を必要としなくなっています。ちょうど、戦後の滋賀県で、食料増産のために、琵琶湖の周囲の内湖が干拓されていったのと似ています。干拓事業が終了したときは、すでに米があまり減反政策が始まったからです。現在、このセマングムの干拓地では、農地のかわりに、工業団地の建設やリゾート観光地を建設することが計画されています。ところが、ある問題が危惧されています。後背地域から流入する農業関連の排水が、陸化された干拓地とともに生み出される人工湖の水質を悪化させるというのです。

■大きな2つの河川から干潟に流入する河川水には、自然由来に加えて農業排水も含まれていたと考えられます。そこには広大な干潟に生息する多様な生物の生存にとって必要な栄養が含まれていたのではないかと思います。2つの河川と海が育む豊かな干潟が広がっていたのです。しかし、干拓により干潟が消滅し、生物もいなくなってしまうと、こんどはその栄養塩が水質を悪化させると問題視されるようになってきたのです。もちろん、かつての農業(稲作、畑作、畜産)とは異なり、農業の近代化ととも環境に負荷を与える農業(土地改良、化学肥料、畜産廃棄物…)に変化していることも無視できませんが、日本の諫早湾干拓事業などと同様の環境破壊を招くものだと非難されているのです(この干拓事業に対しては工事差止請求を行われましたが、韓国の最高裁では退けられています)。

■Korea AG-BMP Forumでは、韓国の様々な大学の研究者、韓国の関係省庁や関係機関が参加し、このようなセマングムが抱える問題に取り組んでいます。もちろん、この干拓事業の「そもそも論」的な根本のところで、大きな矛盾を抱えていることは間違いありません。しかし、すでに防潮堤が完成してしまった状況において、「現実問題」としてどうすれば水質悪化を防ぐことができるのか。その点について、たくさんの農業土木や工学の研究者、そして農業政策の研究者が、様々な研究や事業に取り組んでおられるのです。皆さんの報告を聞かせていただきましたが、それらの学問分野からのアプローチは、どちらかといえば、トップダウン的なものになります。農家による農業排水の負荷を低減させる技術を開発する、環境負荷削減に農家の営農を誘導していく…そのようなアプローチです。しかし、そのようなアプローチでは、限界があります。農家自身が、流域管理のステークホルダーとして参加・参画するなかで、自分たちのコミュニティの「幸せ」と流域の環境改善とを両立させていく必要があるのです。

■今回のKorea AG-BMP Forumのタイトルは、「Local community development through agricultural NPS pollution control」です。非点源(農地のような広がりをもち、特定の点に還元できない汚濁減)汚染のコントロールを通した地域農業コミュニティの発展なのです。水質改善をすること、そのものが目的ではなく、水質改善を通して農村を発展させていこう、それも内発的な発展を支援していこうというのが、今回のフォーラムの目的となっているのです。私が参加したのは第1セッション「流域管理のパラダイムシフト」ですが、このパラダイムシフトとは、従来のトップダウン的な流域管理のアプローチを大きく転換し、もっとボトムアップのアプローチを展開していく必要があるとの問題意識にもとづいています。このような問題意識が存在したからこそ、日本やアイルランド、そしてアメリカからゲストスピーカーが招かれたのです。(続きます)

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【上段左】「階層化された流域管理」について報告する私です。【上段右】フォーラム開催前の記念写真。
【下団左】フォーラム終了後には、韓国MBCテレビの取材を受けました。夕方のニュースで放映されました。【下団右】フォーラムの前日には、セマングム地域を視察しました。視察のさいに、地元ローカルテレビ局の取材を受けました

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