自宅で仕事のあと「利やん」へ

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▪️昨日は夕方まで自宅でしっかり仕事をしていました。やり残している仕事もありますが、とりあえず頑張ったので、夕方から大津駅前のいつもの居酒屋「利やん」へでかけました。今日は社会共生実習「地域エンパワねっと」でお世話になっている雨森鼎さんと安孫子邦夫さんと、お2人との呑み会を約束していたからです。

▪️雨森さん安孫子さんとは、年に何回か「利やん」でご一緒しています。だいたい、雨森さんが声をかけてくださいます。昨晩も、いつものように、いろいろお話ができましたが、昨日は、それぞれのライフヒストリーを語り合うような感じでした。私も、それなりにライフヒストリーを語れる年齢になりました。私は67歳ですが、一昔前(平均寿命が短い頃)だと、民俗学での聞き取り調査でいう「古老」の類に突入しているのかもしれません。それはともかく、ご縁のある方達のライフヒストリーをお互いに聞き合えるような集まりがあったらいいね〜という話にもなりました。お2人は私よりも一回り以上年上、後期高齢者です。そして、人生の大先輩です。よく存じあげているお2人のお話でも、昨晩は、びっくりするようなことがたくさんありました。やはり、戦争という出来事が、大きく影響を及ぼしているように思いました。

「仰木地域共生協議会」の臨時総会

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▪️ 昨日は、急遽、午前中は「安曇川の河辺林 2024年夏~2025年春 小動物と生きもの調査報告会」に参加することになりました。2年前、1回生の授業「社会学入門演習」でお世話になった、NPo法人コミュニティねっとわーく高島の坂下 靖子さん、そして高島市今津町椋川の是永 宙さんも参加されていました(ちなみに坂下さんは、このイベントの主催者です)。そして滋賀県琵琶湖環境科学研究センターや滋賀県立大学の知り合いの皆さんが専門家として参加されていました。強力な応援団だと思います。専門家の力と市民の力を合わせて川鵜のコロニーになってしまった安曇川の河辺林を再生していきます。湧水や水辺環境を生かした形になればと思っています。報告会の後は、JR安曇川駅そばのカフェで是永さんと昼食を摂りながら、ひさしぶりにお話をすることができました。お仕事のこと、地域のこと、ご家族のこと、いろいろ聞かせてくださいました。

▪️安曇川の後は、いったん自宅まで戻り、15時前に仰木市民センターに向かいました。昨日は、ここで「仰木地域共生協議会」の臨時総会が開催されました。農水省から中山間地域農業ルネッサンス推進交付金をいただけることになり、これから農村型地域運営組織形成推進事業(農村RMO)として、この「仰木地域共生協議会」の活動に本格的に取り組んでいくことになったからです。10/10の交付金です。ありがたいですね。ところで、この「仰木地域共生協議会」を構成している団体ですが、①一般社団法人 仰木活性化委員会わさいな仰木、②仰木学区まちづくり協議会、③仰木の里学区まちづくり協議会、④特定非営利活動法人 琵琶故知新、⑤仰木い~とこの会、それから地元の協力企業として⑥西日本電信電話(NTT西日本滋賀支店)の6団体になります。

▪️ ①②⑤が仰木の団体、③が仰木に隣接し、約40年前に開発された住宅地である仰木の里の団体です。以前の投稿にも書きましたが、仰木は農家の高齢化や後継者不足のため、荒廃農地(耕作放棄地)が増えています。一方、仰木の里には約13,000人の方達が暮らしていますが、その中には時間的な余裕があり農業を楽しみたいという方たちがたくさんおられるように思います。この両者が交流していく中で、「農用地保全」、「地域資源の活用」、「住民の生活支援」等の活動に取り組んでいきます。まずは、無農薬・有機栽培による「グループ農園」での野菜づくりができたらいいなと思っています。昨日の臨時総会での議論をお聞きしていて、すごいなと感心したことがあります。企業に勤務されたり、会社を経営されたりしたご経験に基づく、組織経営の知識やノウハウをみなさんお持ちであることがよくわかりました。大学で教えている私とは、そのあたりが違うところです。理事長をしている④の琵琶故知新では、このような事業を、SNSを使って広報を行うこと、デジタル技術を活用した鳥獣害対策や農地監視、同じく、デジタル技術を活用した共助を促す仕組みの導入などを通してサポートしていきます。

▪️デジタル技術を活用した共助を促す仕組みとは、私どもで開発した「びわぽいんと」のことです。この「びわぽいんと」を「仰木地域共生協議会」にあう形にカスタマイズして、活用していければと考えています。私自身は、組織経営の知識やノウハウ、それからデジタル技術の知識も持ち合わせていませんが、仰木に近い住宅地に暮らしているので、これから始まる「グループ農園」の活動に参加することの中で頑張って行きたいと思っています。あとは、自分の役割はどのあたりにあるのかなと手探りしていくことになります。それから、今回、農村型地域運営組織形成推進事業(農村RMO)に採択にあたっては、⑥NTT西日本滋賀支店さんが、採択までの準備段階で、側面から強力にサポートしてくださっていました。ありがとうざいました。これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
【追記】▪️Xへの投稿です。

「安曇川の河辺林 2024年夏~2025年春 小動物と生きもの調査報告会」

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▪️今日の午前中、「安曇川の河辺林 2024年夏~2025年春 小動物と生きもの調査報告会」というイベントに参加してきました。この安曇川の河辺林は、綾羽工業さんの敷地内にあります。ただ、人の手が入らず、この河辺林には、ものすごい数の鵜が巣を作っています。巨大なコロニーが生まれているのです。鵜の数が多すぎて、その糞が河辺林の植物に大きなダメージを与えているようです。また、近隣の住宅の皆さんも困っておられるとのことでした。

▪️今日は、このような河辺林の状況を調査をされてきた滋賀県琵琶湖環境科学研究センターの研究員の方達を中心にプロの方達から、植物や生き物に関しての報告が行われました。糞害でダメージを受けながらも、たくさんの動植物が確認されていました。動植物の報告の後は、河辺林の航空写真を眺めながら、これからどんなふうに整備していくのか、夢を語り合いました。楽しかったです。水辺環境を活かして、木道を設置してはどうかとか、枯れた竹を竹チップにして再利用してみてはどうかとか、いろいろアイデアが出てきました。この河辺林を復活させる活動は、鵜が飛び立った秋からのようです。

3回生ゼミの「コンパ」

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▪️昨日は3回生ゼミの、「コンパ」の日でした。夕方から、キャンパス内のとある建物の3階で「0次会」を開催しました。資金提供をして、買い出しにいってもらいました。そして、深草キャンパスの近くにある居酒屋で、晩の8時から「1次会」」を行いました。ゼミは週1回です。3回生になると、通常の講義科目では、なかなか出会うことも少なくなります。ということで、今日はゼミの「団結」を高めるためにも良い機会になったと思います。今日は、ここまでの段取りをしていただいたゼミ生がおられます。「0次会」を盛り上げようと、トランプやカードゲームを持参してくれました。実際、めちゃくちゃ盛り上がりました。ありがとうございまし!! トランプでは、ババ抜きとか、ダウトとか懐かしいゲームができました。まあ、そんなこんなで、私のような昭和のおじ(い)さんも「ええな〜」と思える飲み会、いやいや「コンパ」になりました。また、こういう機会を設けて欲しいと思います。

▪️ところで、最近は「コンパ」という言葉は使いません。学生の皆さんは「飲み会」といっています。「コンパ」はいつ頃から「死語の世界」に行ってしまったのでしょうね。でも、「合コン」というのは生き残っているような気がします。「合同コンパ」や「新歓コンパ」はかろうじて生き残っているのでしょうかね。どうなんだろう。

ひさしぶりの『流域ガバナンス』

20250627ryuiki_governance.jpg▪️一昨日、社会学部のFD活動の一環として、自分の仕事の話をしました。ということもあり、ひさしぶりに、この『流域ガバナンス』を取り出してみました。大変な思いをして執筆と編集作業に取り組んだので、いろいろ記憶しているはずと思っていましたが、本の帯や目次をながめて、そして少しページをめくって読んでみると、改めて自分が書いた文章ではありますが、なにか新鮮な気持ちになってしまいました。究極の問題意識は、「流域にどうやって公共圏を生み出していくのか」ということになりますし、そのような問題意識はずっと変わっていないのですが、執筆と編集作業に取り組んでいたときの緊張感とともにやや記憶も薄らいでしまっていたのでしょうね。というわけで新鮮だったのかなと思います。

▪️流域のなかで、ちょっと見えてきた他人の課題を、「他人ごと」ではなくてもう少し引き寄せて「自分ごと」として感じられるようになったらいいな。できたら感じられるだけでなくて、お互いにちょっと協力しあえたらいいな。そして、いつか流域全体のことを一緒に考える時がやってきたらいいな。そのためにはどうしたらいいのかな…。まあ、そんなことを考えながら取り組んだプロジェクトの成果です。

▪️ネガティブケイパビリティ(帚木蓬生)とか、エンパシー(プレイディ・みかこ)とか、ポイエーシス(レヴィ=ストロース)とか。いろいろ書きました。これは、対話を継続させていくための作法。公共圏が創出されていくために必要な条件でもあると思います。対話を継続していくことの重要性、若い頃の私は、「状況の定義の多様性」を維持するというふうに論文に書きました。若い時は、この「状況の定義の多様性」を維持することを、環境保全のための方策が次々と生み出されてくるような「社会的可能性」を担保するためと考えていました。だけど、今は少し考え方が違ってきていると思います。

▪️そのことはともかく、この本のタイトルにある「流域ガバナンス」という考え方は、かなりの部分で、世界農業遺産「琵琶湖システム」と重なりあっているのです。こんなことを書くと不思議に思われるかもしれません。少し前の投稿になりますが、「滋賀経済同友会で講演をさせていただきました。」という投稿をしました。世界農業遺産「琵琶湖システム」に関して講演をさせていただいた時の話です。その投稿のなかで、こんなことを書きました。「それぞれの地域で、流域の様々な場所で様々な生業や事業に取り組み、結果として、この琵琶湖システムを支えることに貢献されている方々に光を当てて感謝すること、そういう方達が緩やかにつながって、日々の生業や事業の中で琵琶湖システムことを想ってくださることが大切なのかなと思っています。そのような緩やかなつながりの中から、様々なアイデアが生まれ、そのアイデアを実現させていく取り組みが展開され…ということにも期待したいと思います」。この部分は、まさに流域ガバナンスのことなんです。

たかしま市民協働交流センターの坂下さんからご連絡いただきました。

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▪️たかしま市民協働交流センターの坂下靖子さんから、ご連絡をいただきました。人の手が入らず、荒れてしまった安曇川の河畔林を、市民の力で素敵な河畔林にしていく取り組みについて、以前、お話しを少し伺っていました。その活動の報告会が、28日(土)に開催されるとのことです。午後からは、うちの特定非営利活動法人「琵琶故知新」も参加する大きなプロジェクトの集まりがあります。自宅の車が使えれば、午前中なので行けそうな気もしています。検討します。

▪️こちらも、たかしま市民協働交流センターの 坂下 靖子さんから教えていただいた情報です。「生きものが豊かな山づくり 生物多様性×林業」というテーマで開催される「びわ湖源流の里山づくりフォーラム」です。主催は、「高島市の森-未来につなぐ山守を考える会」です。一昨年、1回生の「社会学入門演習」で学生の皆さんや私がお世話になった廣清乙葉さんが副代表をされています。朽木の移住者と地元の山主さんがタッグを組んで自伐型林業を推進しようと活動しておられます。こちらも、気になりますね。

▪️このような活動、実は「世界農業遺産」である「琵琶湖システム」とも関係しています。だって、「森・里・湖に育まれる 漁業と農業が織りなす琵琶湖システム」ですからね。森を支えるこのような活動があっての「琵琶湖システム」です。「琵琶湖システム」はいろんな活動をつないでいくはずです。世界農業遺産の関係者の皆さんには、こういった山の活動についても、もっと応援していただきたいです。
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『風来坊 01<創刊号> 宮本常一 × X ジェネレーターのためのシン・ミヤモト学』

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▪️週1回、埼玉県から日帰りで2コマの授業をするために深草キャンバスまで通っておられる 原尻 淳一さんが、一昨日の夕方、研究室までお越しくださいました。原尻さんはとてもユニークな教育をされていて、自分も学生だったら教わりたいな~と思うような授業をされます。時々、授業の様子(板書書)をfacebookにもアップされていますが、とてもシステマティックで、学生さんたちもよく理解できるのではないかと思います。

▪️今回、原尻さんは、わざわざ研究室までお越しくださり、写真のような冊子を届けてくださいました。ありがとうございました。『風来坊 01創刊号』です。創刊号の特集は「宮本常一 × X」です。あの民俗学者の宮本常一。なぜ「× X」(かけるX)は後段のところで説明します。サブタイトルには「ジェネレーターのためのシン・ミヤモト学」とあります。原尻さんは、私が宮本常一に強い関心をもっていることをご存知だからでしょう、お届けくださったのではないかと思います。少し説明します。

▪️創刊号のあとがきを、執筆者のお一人である市川力さんが執筆されています。そこには、こういうことが書いてありました。
宮本常一の研究者でも、民俗学者や郷土史家でもないけれど、宮本常一の著作に強く惹かれた仲間の皆さんが、お互いに「宮本常一のどこに惹かれるるのか」という話になり、それぞれが著作集の1冊を選んで語り合ったそうです。そうするとそれぞれの「常一性」が浮かび上がってきて面白いので、冊子にまとめることにされたのだそうです。

▪️このあたりが、「× X」の部分です。宮本常一を、それぞれがなぜ惹かれるという自分の問題関心とクロスさせておられるわけです。素敵じゃないですか。原尻さんが選ばれた著作集は第50巻の「渋沢敬三」です。「渋沢敬三のチームワークと学問」。文章のなかには、渋沢がアチックミュージアムをどのように運営していたのか、どのように人と接していたのか、そして彼の学問観はどのようなものだったのか、原尻さんの思いをクロスさせながら丁寧に解説されていました。そうか、渋沢敬三は「サーバントリーダーシップ」の人だったのか。宮本常一はそのような渋沢のもとで成長したんですね。今回、拝読させていただき、渋沢敬三が昭和38年、1963年に68歳で東京虎ノ門共済病院で亡くなられたことを知りました。死因は、糖尿病・萎縮腎なのだそうです。ちょっとドキッとします、はい。私は、67歳できちんとコントロールしてはいますが糖尿病だからです。

▪️発行者は、原尻さんも参加されている一般社団法人「みつかる・わかる」。発行書は、横浜にある「珈琲と図書室」さん。みなさん、楽しんでおられますね。すばらしいというか、羨ましいというか。いいな~と思います。こうやって同じ問題関心の方達が集まって交流するって、素敵なことだと思うんですよね。

三浦しをんさんの『舟を編む』

▪️三浦しをんさんの『舟を編む』、知ってはいましたが、手にとって読んだことがありませんでした。今日は、大学でいつもよりも少し遅くまで仕事をして帰宅し、夕食を摂った後、NHKでこの「舟を編む」のドラマが放映されていることを知りました。途中から視て、いいな〜と思いました。原作を読んでみたくなりました。まあ、物理的な時間と心の余裕が生まれてからですけど。

▪️常に生きて変化していく「言葉」と、それを記述する「辞書」との関係。それは、社会と言葉の関係でもありますね。面白いと思います。社会学者は、辞書ってどう捉えているのかな。私の指導教授だった領家穰先生は、よく辞書のことを話していました。広辞苑の言葉の変遷について。そういうことに地味に取り組む人が現れるのを期待されていたのかもしれません。まあ、なかなか学会誌に掲載される論文にはなりそうにない気がしますが。そんなことはどうでも良いと、辞書の研究に没頭される人の登場を領家先生は期待されていたのでしょうね。今から40年前後前のことです。でも、当時の私はわかっていませんでしたね。ちなみに、当時、私はそういう人では全くありませんでした。そういえば、領家先生は、『するとなるの言語学』(池上嘉彦)とか『翻訳語成立事情』(柳父章)についていろいろお話しくださいました。学部生の授業でも話しておられました。でも、受講していた学生にはよく伝わっていなかっただろうなと思います。

世話ができていない庭

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▪️訳あって、先日の日曜日、休日ですが出勤しました。静かな環境のなかで、集中して仕事に取り組むことができました。本当は、ワークライフバランスをきちんと考えて、自宅で休養するべきだと思うのですが、仕事の処理能力が高くないせいでしょう、仕事が溜まってしまいます。仕方なく、こういうことになってしまいました。とはいえ、事務職員の方達とは違って、教員は自己裁量でやる仕事になるので、休日の勤務が問題視されることはありません。本当は、自宅の庭の世話をしたかったのですが、朝、庭を見回って癒してもらいました。

▪️白い花は、アナベルです。アメリカのアジサイです。美しいですね。その左になりますが、キョウカノコです。盛りの頃は、ピンクの小さな小さな可愛らし花がたくさん咲いていたのですが、花はもう終わってしまいました。本当は、枯れた花を刈り取ってやらないといけないのですが、最近は庭に向き合う時間がありません。ピンクの花はユリです。一昨年に植えた球根なんですが、今年も花を咲かせてくれました。害虫にやられたせいか、葉が枯れてしまっています。世話をきちんとしてあげたら…と申し訳ない気持ちになります。長いのは、アカンサスです。今が満開です。そのうしろは、アジサイです。剪定の問題だと思いますが、今年は花が少ないです。ちょっと残念です。とはいえ、今、我が家の狭い庭は元気の良い植物たちでモリモリの状態になっています。繁りすぎですかね。もう少し鋏を入れて梳いてあげたらいいんですけどね、なかなか、時間が取れません。野菜も育ってきました。クリーム色の花はオクラです。小さな黄色の花はキュウリです。キュウリはこれからですね。ちなみに、シシトウとプチトマトは収穫しはじめました。

「団地ブーム」に関するオンライン記事

▪️私の記憶は団地での暮らしから始まります。日本住宅公団の団地です。3歳から5歳までは、神戸市の御影の六甲山の麓にある5階建の団地でした。その次は、5歳の時は山口県下関市にある2階建てのテラスハウスと呼ばれる団地でした。そして6歳から10歳までは福岡県北九州市小倉にある5階建ての団地でした。あわせて8年程にしか過ぎないのですが、67歳のおじいさんの人生にとって、とても大切な記憶になっています。ということで、リンク先は、読売新聞の「団地ブーム」に関するオンライン記事です。たまたまこの記事が目に留まりました。

▪️記事にもあるように、小泉今日子さんと小林聡美さんが出演されたNHKの『団地のふたり』、話題になりましたよね。記事では、団地が登場する作品を紹介しながら、団地の歴史を辿っています。小津安二郎監督による映画『秋刀魚の味』(1962年)。森田芳光監督による映画『家族ゲーム』(1983年)は松田優作さんが主演されていました。TBSのドラマ『天までとどけ』(1991~1999年)。岡江久美子さんが出演されていたそうです。そうです、というのは私の記憶にはないからです。ドラマを視ていないのだと思います。ジブリのアニメ「耳をすませば」のモデルは、多摩ニュータウンの愛宕団地がモデルとのこと。ファンの皆さんが「聖地巡礼」で訪れるのだそうです。その気持ち、わかります。2016年公開の映画『海よりもまだ深く』は、是枝裕和監督の作品です。阿部寛さんが主演のようですが、この映画を私は拝見していません。これも舞台は団地なのだそうです。それぞれの時代の舞台として団地が登場しています。おそらくですが、作品ごとに、団地の位置付け方も異なっているのかなと推測しています。そういう眼で作品を考えたことがないのですが。

▪️記事の最後には、次のような指摘が。「昭和の生活の縮図ともいえる『団地』。その団地が形成するコミュニティは、いまや珍しい濃密な人間関係の残っている貴重な場所でもあります。これほどまでに団地に惹かれてしまうのは、現代を生きる我々が、心のどこかでそれを求めているからなのかもしれません」。昔は、煩わしい人間関係とは距離を置き、鉄の扉の向こうにはプライベートな生活空間がしっかり確保されている…。団地は、そのように捉えられていたのではないかと思います。それ以前の住宅事情は、相当ひどいものだったのです。

▪️個人的な記憶を振り返ってのことですが。団地には、豊なコモンスペースが広がっていました。子どもたちの遊び場でした。団地の真ん中にあるグランドでは、団地の運動会、夏祭り、盆踊り、ラジオ体操、そうそう映写会もおこわれました。大きな白いスクリーンに映写機で投影するのです。フィルム映画ですね。団地の集会所では、習字教室、絵の教室、そろばん教室、バレエ教室が開かれていました。プライベートな空間が確保されつつも、そういう友達や他の家族と「交流する場」がたくさんありました。親世代(昭和一桁生まれ)は、自分たちが育ったコミュニティの地域文化を、団地という空間の中で再現していたのかもしれません。もっとも当時はコミュニティという言葉は使われていませんでしたが。

▪️ところが、時代が現代に近づくに従い、地域から「交流する場」は消えていきました。都心に建設されるタワーマンションなどは、人のことを気にせず、自由に自分らしい暮らしを送ることができます。でも、そのような社会の状況に「しんどさ」や「さびしさ」を感じる方も増えてきているのでしょうか。記事には、「濃密な人間関係」とあります。たしかに、ドラマの中で描かれるのは「濃密な人間関係」なのかもしれませんが、私などからすると「適度な人間関係」、言い換えれば、プライベートな空間がしっかりありながらも、知り合いのことをちょっと気遣う、お互いちょっとだけおせっかいな関係なのではないかと思います。そうそう、広くない団地に上手に暮らすためには、生活の中に溢れるモノを断捨離しないといけませんね。これ、大事なポイントだ。

【追記1】▪️「団地ブーム」の記事を読んでいるとだけではよくわかりませんが、現実には、多くの団地では入居されている方達の高齢化が進んでいるように思います。気になるのは、一人暮らしの高齢者、独居老人のケアという課題です。以下は、以前の投稿です。
「【ルポ】生と死を見つめて 大都市・東京で高齢化進むマンモス団地」
「大崎博子さんのこと」

【追記2】▪️このブログ、検索機能が壊れてしまっています。過去の投稿を検索するのに難儀しています。「脇田健一」と「団地」でGoogle検索すると、以下の投稿が見つかりました。
城野団地
小倉時代

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