地球研・日比国際ワークショップ(1)

20150327chikyu1.jpg
20150327chikyu2.jpg 20150327chikyu3.jpg
▪︎昨晩は、お世話になった方の盛大な送別会が開かれましたが、昼間は、京都の洛北にある総合地球環境学研究所にいました。昨日から日曜日まで、私がコアメンバーとして参加している総合地球環境学研究所のプロジェクト「生物多様性が駆動する栄養循環と流域圏社会─生態システムの健全性」の国際ワークショップが開催されます。私たちのプロジェクトでは、国際比較のフィールドとして、フィリピンのラグナ湖に流入する流域のある地域に研究調査のサイトを設定しています。今回のワークショップでは、そのフィリピン側の共同研究者の皆さんが来日されました。そして、日本のメインとなる調査値、滋賀県の野洲川流域を、我々日本側の研究者と一緒に視察しながら、ディスカッションを行う予定になっています。

抑制力


▪︎たまたま、京都大学の公式サイトで、総長である山極寿一さんのインタビューを動画で拝見しました。山極さんは、人類の起源をゴリラに遡って研究していることで有名な方です。山極さんと一緒に授業をしたことがある私の友人は、大変、紳士的で丁寧な方だといっていました。そのことが、このインタビューの動画を拝見しても伝わってきました。

▪︎インタビューは、活字にもなっていました。以下は、こちらからのベージの「Q3」からの引用です。

山極壽一にとってのゴリラとは?

A.3大きな力を持つが、それを感じさせない抑制力を持った人間を超える存在

ニホンザルを見ているうちに、もっと人間である自分自身を映し出せる対象に興味が出てきました。そのようなときに動物園でゴリラを見たらすごく圧倒されました。その威厳にこれは人間を超える動物だと思いましたね。そして、やっぱり野生で彼らを見てみたいと思ったので「よしゴリラをやろう」と決めました。ゴリラと接して分かったことは、オスの体重は200キロ以上あって、腕も丸太のように太いし手もグローブみたいです。けれどそれを感じさせないぐらいソフトです。非常に包容力があるし、その力を行使しない、何かを抑える力を持っている。
他方、今の我々が住む社会は、こんなに大勢の人間が集まって静かに共存できるのも、「抑制力」だと思います。この抑制力を持ったからこそ、自分の欲望を抑制しながら他の人のやりたいことをやらせてあげるような、互酬性や社会性に富んだ暮らしができるようになった。ゴリラは、人間にも増してその能力が高いと思っています。それに圧倒された。

▪︎動画では、もう少し詳しく、山極さんは以下のように語っておられます。自分で文字化してみました。

ゴリラの研究者から見て、現代の人間社会はどう映りますか?

勝ち負けをつけすぎるな。ゴリラの基本的な社会性というのは、負けないことなんですよ。負けず嫌い。でもね、負けず嫌いのゴールには何がまっているかというと対等な関係がまっているんですよ。相手より上にでなくっていいわけだから。

でもね、今の人間社会は、負けないでいることと勝つことということを混同しているんですよ。負けないでいることを、勝ちたいことと誤解してしまっているんです。だから、負けたくないという心を、勝ちたいという心に変換させようとするわけです。でも、それはゴールが違うんですね。勝とうとするためには、相手を押しのけなくちゃいけないし、相手を屈服させないといけないわけですよ。その先には、孤独が待っているわけです。相手は、自分に対してへつらってくれるけど尊敬しくれるわけじゃない。常に力を行使していないと自分の権力が守れないわけでしょ。そういう社会というのは、非常にギスギスして生きづらい社会ですよね。格差が非常に高い社会。そこに、今人間社会は向かっているような気がするんですよね。

それはじつはね、ニホンザルの社会に近い社会なんですよ。なにかトラブルがあったときに、そのトラブルを解消しようとしたら、勝ち負けをつけるのが一番簡単な方法なんですよ。だけど、ゴリラは、勝ち負けをつけずに、それを解消しようとする。だから抑制力が必要になるんです。つまり、自分の取れるものを取らないわけでしょ。自分の欲望を抑制しながら、相手に取らせる。ということで、平和をもたらそうとするわけですね。そこには、力の強いものが抑制するっていう精神がなければ成り立たない社会なんですね。それをゴリラは作ってきたし、もともと人間もそういう社会をはじめに作ったはずなんです。

だから、人間は非常に互酬性の強いね、何かしてもらったら相手に何かしてあげたいという心を伸ばしてきたし、何もしてもらえないでも、自分が取れるにもかかわらず相手に譲ったり、関係をとりもってきたと思うんですよ。でもね、今はね、取るほうがえらい、先に何かをするほうがえらい、ていうふうに勝つ事が求められる社会になってしまった。これは、ゴリラからみると方向性が間違っているんじゃないかという気がする。

▪︎非常に大切な指摘をされていると思います。新聞で様々なニュースを読んでいると、この地球上でおきている様々な問題は、勝ち負けをつけて、相手を屈服させて、「常に力を行使していないと自分の権力が守れない」ことに怯えることに起因している…そのように思えてきます。山極さんの説明からすれば、私たち人間は、力の強いものが抑制する精神を基盤にした社会であったはずが、いつのまにか勝ち負けをつけるニホンザルの世界に戻ってしまっている…かのようにも思えます。

▪︎私自身は、グローバリゼーションや市場原理、そして様々な社会の変化に翻弄される地域社会を再生していくための仕組みはどのようなものなのか、できるだけ翻弄されずに済むための仕組みはどのようなものなのか、自分なりにいろいろ考え、ささやかな実践を積み重ねているのですが、山極さんの「抑制力」という言葉は、ひとつの大切なヒントを与えてくださったように思います。インタビューの動画では、「研究者と社会との距離感とは?」という質問に対しても、大切なことを語っておられます。ご覧いただければと思います。

【追記】▪︎別の面白い動画もありました。「家族の由来と未来 ~ゴリラの社会から考える~ 」という、山極さんの講演の動画です。類人猿の社会では、「弱いものから強いものに食べ物を要求する」ことや、ミラーニューロン、共感と同情、言語に関する説明なども非常に興味深いですね。進化の過程で人間が獲得してきたことが、現代社会でどうなろうとしているのか。最後のところは、社会学とも結びついてくるように思います(もちろん、このような山極さんのような視点から現代社会を批判的に捉えることに対して、逆に批判的な人もいると思います)。こちらの講演もご覧ください。

海外からのメール

20150309ushuaia6a.jpg
(http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Ushuaia6a_(js).jpg)
▪︎長年の研究仲間である畏友・谷内茂雄さんからe-mailが届きました。谷内さんの勤務先は京都大学生態学研究センターで、彼とは、職場も近く(生態学研究センターも龍大社会学部も最寄駅瀬田…)日常的にいろいろやり取りをしているわけですが、今回は地球の裏側、南米の最南端、フエゴ島にあるウシュアイアという都市からe-mailが届いたのです。フエゴ島といえばマゼラン海峡で有名ですね。しかし、谷内さんがいるウシュアイアは、フエゴ島でもビーグル水道に面しています。世界最南端の都市です。ビーグル水道とは、進化論のチャールズ・ダーウィンが、ビーグル号による地球一周航海(1831〜1836年)の時に通過した水路のことです。

▪︎そのようなことはともかく、ウシュアイアってどんな街なのかなと思い、Wikipediaで調べてみました。トップの写真は、ウィキメディア・コモンズから拝借したものです。とても美しい街じゃないですか。背景のそそり立つ山がすごいですね〜。このウシュアイアは、フエゴ島国立公園観光の基地となっています。観光用の南フエゴ鉄道もあるらしく、「おもわず、いいな〜…」とつぶやいてしまいそうですが、谷内さんは仕事で来ているのです。

▪︎谷内さんは、推薦を受けてIPBES(生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム)の統合報告書の執筆者をされています。昨年のオランダに続き今回は2回目になりますが、国際的な会議やワークショップになるので移動がとても大変そうです。このウシュアイアには、日本から2日かかったそうです。また、せっかく風景の良いところなのですが、報告書を執筆するためのワークショップや会議が続き、ホテルで合宿をするように仕事をするらしいのです。私などは「なんだかな〜、せっかく景色の良いところに来たのに」と思ってしまうのですが。谷内さんには帰国後、この合宿での生物多様性に関する議論に関して、とくに生物多様性と、空間スケールや環境ガバナンス等々との関係について、どのような議論が行われているのか、いろいろ教えてもらう予定です。というのも、そのような議論は、谷内さんや私も参加している総合地球環境学研究所の流域管理に関するプロジェクトとも関連しているからです。
20150309ushuaia2.jpg

第35回「北船路野菜市」

20150228yasaiichi1.jpg
▪︎昨日は、第35回「北船路野菜市」でした。今回は少なめの出荷でしたが、野菜市、賑わいました。この賑わいですが、その日の天候によって左右されます。なかなか難しいものです。この日は、ネギ、ジャガイモ、ブロッコリー、ホウレンソウ、コマツナ、大根、白菜、ミズナ、聖護院大根、タマネギ、サトイモ、ネギ、餅等が出荷されました。爆発的な人気というわけではありませんが、いつも来てくださる常連のお客さんが増えてきました。そういう方には、「今日は、せんせー、きてはるのやな」とからかわれたりします。時々、仕事の関係で野菜市に来られないときがありますのでね…。皆さん、よく見ておられます。

▪︎大津市の中心市街地は高齢化率の高いところです。老夫婦お2人、あるいはお1人住まいの方も多く、スーパーマーケットのように小分けにしていないので、そういう方たちには量が多すぎるかもしれません。それでも、お買い求めくださいます。野菜の質に期待していただけているようです。ありがとうございます。また、毎回、少しだけでもお買い求めいただいている方もいらっしゃいます。なにか、学生たちをいつも気にかけてくださっているようで、ありがたいです。実際、学生たちを励ましてくれる方たちがたくさんおられます。

20150228yasaiichi2.jpg20150228yasaiichi3.jpg
20150228yasaiichi4.jpg20150228yasaiichi5.jpg
▪︎少しずつではありますが、代々の学年の学生たちは、この野菜市の開催の仕方を工夫してきました。その積み重ねのなかで、現在のシステムができあがりました。現在は、協力農家ごとにカゴを用意し、そのカゴに生産された野菜を入れて出荷していただいています。またカゴには、生産者である農家の方の簡単なプロフィールが書いてあります。少しでも、生産者の気持ちが消費者の皆さんに伝わるようにと努力しています。

「北船路米づくり研究会」の研修

20150205komeken1.jpg
20150205komeken2.jpg20150205komeken3.jpg
20150205komeken4.jpg▪︎2月1日に、「北船路米づくり研究会」の研修会が開催されました。場所は、私たちの活動している集落・北船路のお隣り、南船路にある「BSCウォータースポーツセンセター」です。研修会では、「BSCウォータースポーツセンター」の 井上校長から、今年の夏に開設される和邇の道の駅「妹子の郷」についてご説明いただくとともに、この道の駅を拠点として、この地域を活性化していくための課題について、いろいろご教示いただきました。井上校長は、「妹子の郷」の指定管理者である志賀観光協会の会員で、夏の開業に向けて準備にあたっておられるのです。井上校長の講義のあとは、研究会の顧問である吹野藤代次さんからも、丁寧にご説明いただきました。

▪︎お2人からの講義と説明のあとは、「妹子の郷」をどう盛り上げていくのか…ということをテーマにワークショップを開催しました。また、ワークショップのあとは、それぞれのグループの議論の成果を発表しました。井上校長からは、講評をいただきました。研修にあとは、お世話になっている「農事組合法人北船路福谷の郷」の組合長にもご参加いただき、交流会を行いました。この研修会を境に、4年生は「北船路米づくり研究会」から引退することになります。3年生の皆さん、4月から新しく配属になる後輩のゼミ生をうまく指導して、研究会の活動を盛り上げていってください。
20150205komeken5.jpg

2014年度脇田ゼミ「卒論発表会」

20150204soturon.jpg
▪︎恒例の「卒論発表会」、2月3日に無事終了しました。今年は、例年と比較して、卒論指導に苦労しました。例年も苦労していますが、さらに大変だったという気がします。信じていただけるかどうかわかりませんが、卒論指導は体力勝負のところがあります。

▪︎私のゼミは、一人一人がフィールドワークをする約束になっています。ところが、就職活動が長引いたり、知らない人に会いにいくことがかなりブレッシャーになるのか、なかなかフィールドワークにいけないのです。困りました。フィールドワークの結果を、一人一人面談をして報告してもらうことも丁寧にやってきました。そこで、いろいろ質問をしたり、アドバイスをしたりするのです。そして、またフィールドワークにむかわせるわけです。しかし、私自身が歳をとってきたこともあり、大学のいわゆる学内行政の仕事も多く、以前のように学生の指導にたくさんの時間を割くこともできません。面談の設定にも、とても苦労しました。

▪︎さらに、書き上げた原稿を添削することにも、かなり体力を使いました。もっと早く提出してくれれば、私も余裕をもって添削することができますが、年末から正月にかけて集中されると…非常に辛いものがありました(これは、例年のことではありますが…)。本当は、11月末に第一次草稿を提出する約束になっていたのに…。学外の方からは、「どうしてそんなに甘やかすのですか。そういう学生は自分が悪いのだから、留年させるべきです」というご意見もいただきますが、11月末に第一次草稿提出というのはゼミ内の約束事であり、学部で決められた締め切りには間に合っているわけですから、そういうわけにもいきません。私自身はきちんと卒業させることが、私の仕事ですから。まあ、とにかく、次のゼミ生からは、またやり方を変えなければなりません。

▪︎以下が、脇田ゼミ10期生の卒業論文の題目です。

磯部大輔:「『株式会社黒壁』のまちづくりにみるネットワーク構築-『長浜人の地の酒プロジェクト』の事例をもとに-」
上田麻央:「地域活性化事業におけるネットワーク課題-京都府向日市の『京都激辛商店街』を事例に-」
梅村実:「地方鉄道と沿線コミュニティの相互アプローチ-京阪大津線の事例をもとに-」
河野佑城:「体験型観光における地域住民の役割-『南紀州ほんまもん体験』の事例をもとに-」
齊藤翔太:「高齢者を支える地域コミュニティの取組見-滋賀県-東近江市永源寺地区『生活支援サポート絆』の事例をもとに」
坂上寛至:「総合地域スポーツクラブが果たす役割-『くさつ健・交クラブ』をもとに-」
坪井佑馬:「企業による地域貢献のあり方」
竹内健治:「平成の大合併と地域スポーツイベント-『琵琶湖ジョギングコンサート』の事例をもとに-」
靍井志帆:「大阪市旭区千林商店街『1000ピースプロジェクト』にみる商店街活性化-まちのファンを増やし、商店街の賑わいづくりへつなげる取組み-」
寺瀬誠晃:「世界農業遺産が地域の将来にもたらす可能性-世界農業遺産『能登の里山里海』を事例に-」
冨田祥代:「生活改善グループ・直売所での活動に見る農家女性のエンバワーメント-大阪府茨木市見山地区の事例をもとに-」
鳥居俊克:「草津市中心市街地における活性化への取組み」
光定大輔:「『北之庄沢を守る会』による環境保全活動について-滋賀県近江八幡市北之庄町の活動を事例に-」
柳原亮一:「農産物直売所のコミュニケーションについて」
山科成矢:「阪神尼崎駅前商店街の振興と新たな事業戦略-「株式会社TMO尼崎」の活動をもとに-」
吉永涼:「子どもの活動団体がもたらす地域への効果-滋賀県高島市の事例をもとに-」

▪︎昨年の卒論発表会のエントリーに、こういうことを書きました。

私はゼミ運営の最終的な目標を、「ここまでやったぞ!」と自分で納得のいく卒業論文を執筆し、自信をもって卒業していくことにおいています。ですから、卒論指導は時間をかけて丁寧におこないます。個別面談を重視します。また、どのようなテーマであるにしろ、フィールドワークにもとづく実証的な事例研究(ケーススタディ)により卒業論文を執筆してもらうことにしています。もちろん、個別面談を通して指導・支援しますが、基本的には、自分自身の力で調査をしなくてはいけません。必然的に、ゼミ生にとっては、卒論は「大きな壁」になります。この「大きな壁」を乗り越えてもらうことで、各自に成長してもらうことが私の卒論指導のねらいのひとつでもあります。

▪︎今年の4年生は、卒論の調査と執筆で、どこまで頑張ることができたかな…と一人一人の顔を思い浮かべています。卒論の評価は、あらかじめ提示してある基準にもとづき粛々と行いますが、成長のプロセスは人それぞれです。そつなく要領よく卒論を書き上げたとしても、本気になって取り組み「ここまでやったぞ!」という確信をもつことができていないのであれば、私としてはとても残念としか言いようがありません。学生の指導って難しいですね。

▪︎卒論の題目の多くが、地域再生、地域活性化に関するものです。全員、フィールドワークのさいには、何人もの方達に丁寧にお話しを伺わせていただています。卒論のためにやってくる学生を一人一人に対して、地域の皆さんは、どうしてそこまで丁寧に話しをしてくださるのか。丁寧に対応してくださるのか。もう一度、しっかり考えてみてほしいと思います。卒論発表会の最初と最後には、このようなことも含めて、私からの「最後の話し」をしました。次に4年生と会うのは、卒業室の日になります。卒業式の日には、ほとんど話しをしている時間がないからです。はたして、教員である私の思いが伝わったでしょうか。

第34回「北船路野菜市」

20150127yasaiichi1.jpg ▪︎先週の土曜日、第34回「北船路野菜市」を開催しました。厳しい寒さのなかで、お客さんの出足はイマイチの状況のなか、学生たちは頑張って野菜市に励みました。ご苦労様でした。

▪︎この日は、配達もありました。安納芋と柚子の配達です。野菜市を開催している商店街の、そのお隣の商店街にある果物店の奥様から、「安納薯と柚子が欲しいのだけど、村で残しておられないでしょうか」とのご相談がありました。学生に伝えたところ、いつも協力してくださっいる農家と連絡をとり、まだ倉庫に保管してある安納芋や、木にまだ成ったままになっていた柚子を譲ってくださることになりました。後者の柚子については、ジャムやスイーツの材料に使うのだそうです。「滋賀県大津市北船路産」という情報をつけて商品にしてくださることになりました。ありがとうございます。

20150127yasaiichi3.jpg▪︎野菜市は土曜日ですが、月曜日には北船路の集落で、海老芋の勉強会が開催されました。以下は、この勉強会に参加したリーダーの学生が、facebookにアップしたレポートです。

本日は、北船路公民館で協力農家の方を含む数名の北船路の農家さん対象にえび芋の栽培方法の勉強会が行われ、参加させていただきました。講師として、滋賀県の農産普及課 普及指導担当の駒井さんが来てくださり、様々な地域の事例をもとにお話してくださいました。皆さんとても熱心に話を聞いておられ、農家さん同士の情報交換も盛んに行われていました。自分自身も大変勉強になりました。次回のえび芋の収穫(冬頃)がとても楽しみです!

▪︎海老芋は、里芋のひとつの品種ですが、里芋よりも長めですこし曲がっており、その表面に横縞がありることから、まるでエビのようだということで海老芋と呼ばれてきたようです。普通の里芋と比較して、味やねばりも里芋よりも上等で、また煮崩れしにくいことから、高級食材として扱われています。北船路の農家の皆さんは、この海老芋を北船路の特産品にしようと勉強会を始められたのです。これまでも、個人的には、個別にいろいろ努力をされてきましたが、今回は複数の農家の皆さんが一緒になって連携として取り組んでいかれるようです。「北船路米づくり研究会」としても、海老芋のプランド化に少しでも貢献できればよいなと思っています。研究会では、大津や京都の飲食店や料亭と連携をしていますので、そのルートで北船路産の海老芋をアピールするお手伝いができればと思っています。

月と鉄道

20150107moon.jpg ■冬休みが、卒業論文の怒濤のような添削作業が、同窓会・忘年会・新年会とともに終わり、新年の仕事が始まりました。昨日は、今年初めての講義でした。残すは、あと1回。後期の授業のまとめをするだけです。4年生のゼミも、今日、全員で卒業論文を提出します(1人だけ都合がつかず、昨日、早めに提出しました)。

■年末に「脇田ゼミ」1期生、そして2期生の同窓会に呼んでいただきました。みなさん、立派になっておられました。同窓会ですから、「あの時、どうだった、こうだった…」というような昔話に花が咲きました。どういう昔話か、私のゼミのばあいは、やはり卒業論文ということになります。優れた卒論が書けた人のことだけでなく、ギリギリセーフだった人のことも。頑張った人からは、「卒論は大変だったけども、ちゃんと取り組んでよかった…と、今すごく思っています。本当に心の底から良かったと思っています。そういうことは、卒業してやっとわかるんでしょうかね。適当に過ごす大学生活よりも、勉強したって後になって自信持っていえますし」と卒業論文に関しての経験を語ってくれました。

■4年生は、あと、みんなで協力して卒業論文集を印刷・作成するだけです。そして2月の口述試問ですね。それで、4年間の大学生活が終了します。あとは、3月の卒業式を待つだけです。3年生は、現在、「北船路米づくり研究会」の活動を4年生から受け継ぎ、頑張って活動に取り組んでいます。もうじき、農事組合法人「福谷の郷」さんと平井商店さんのコラボによる今年の「純米吟醸 無ろ過生原酒 北船路」が販売されます。その予約確保に懸命になっています。頑張ってください。3年生の後輩、つまり4月から新3年生(現在2年生)は、19名に決定しました。後輩をきちんと指導する準備をしてほしいと思います。

■私の方はといいますと、昨年の秋から続いている忙しさが、年度末に向けて続きそうです。ちょっと健康管理にも気をつけないといけませんね。春休みの予定については、そのうちに「脇田の予定」でアップしようと思います。学生の皆さんは、それを見て、私に連絡をとってください。

■写真は、この文章とは特に関係ありません。昨日、帰宅時に、自宅の近くで撮った写真です。ちなみに、線路内に立ち入っているのではなく、踏切で撮影しました。iPhone6plusで撮りました。月の輝きが美しい晩でした。

「北船路米づくり研究会」です。2014年、ありがとうございました。

20140201komeken1.jpg
■2014年、お世話になった皆様に、心より御礼申し上げます。

■今年の12月で、大津市・丸屋町商店街でひらいている「北船路野菜市」も第33回になりました。いつも野菜市の場所を提供してくださっている「大津百町館」の皆様、そして「丸屋町商店街」の皆様、ありがとうございました。そして安心・安全・新鮮で美味しい北船路の農産物をお買い求めいただいている、中心市街地にお住まいの皆様、ありがとうございました。

■8月31日には、「街」(中心市街地)と「農村」(北船路)をつなぐ農村-都市交流イベント「かかし祭」を開催しました。今年で3年目になりました。お越しくださった中心市街地の皆様、「みつばち保育園」の皆様、ご協力ださった「北船路自治会」の皆様、ありがとうございました。
今年は、北船路の農事組合法人「福谷の郷」様と、万治元年(1658年)創業の大津の酒蔵「平井商店」様のご協力をいただき、純米吟醸無ろ過生原酒「北船路」、純米吟醸酒「北船路」をプロデュースすることができました。醸された日本酒は、北船路がある旧志賀町木戸地区の皆様にも、地元の特産品として喜んでいただきました。また、龍谷大学の教職員の皆さんにも、たくさんお買い求めいただきご賞味いただきました。ありがとうございました。来年も、ぜひよろしくお願いいたします。

■「北船路米づくり研究会」で生産した「龍大米」(コシヒカリ・天日干し)、「龍大芋」、そして協力農家に出荷していただいた農産物につきましては、大津駅前の居酒屋「利やん」様、京都四条の「串かつ おばんざい とんとん」様、料亭「大津 魚忠」様にもご購入いただいております。今後とも、どうかよろしくお願いいたします。

■鮒寿司の「阪本屋」様、石釜ピザの「ishigama」様には、「龍大米」の稲刈りにご参加いただきました。来年は、北船路の環境こだわり米を使用した鮒寿司や、北船路の野菜を使った石釜ピザが販売されることを期待しております。どうぞ、よろしくお願いいたします。「農村-都市交流」「農・商・学連携」、これからも積極的に進めてまいります。

■大学のゼミで取り組んでいる小さな活動ではありますが、今後とも、ご支援をいただきますよう、どうかよろしくお願い申し上げます。
(写真は、今年の2月におこなった「追い出しコンパ」の時のものです。)

第33回「北船路野菜市」

20141228yasaiichi1.jpg
■昨日は、「北船路野菜市」でした。2011年に始まったこの「北船路野菜市」、4月と9月の野菜生産の端境期や、致し方ない事情が生じたときを除いて、ほぼ毎月1回開催してきました。昨日で33回目になりました。関係者の皆様に心より感謝したいと思います。学生たちが「生産者・農村」と「消費者・街」をつなぐ架け橋となるこの「北船路野菜市」の取り組み、飲食店への出荷や地酒のプロデュース等の「農・商・学連携」も含めて、先輩から後輩へと引き継きながら、よくここまで継承・発展させてきたものだ…と、自分のゼミの活動ではありますが、改めて感心しています。ひとつのゼミの小さな活動でしかありません。しかも、あくまでやる気のあるゼミ生が、自主性と責任感をもって取り組んでいる事業です(時には、指導農家や私に叱られながら…ではありますが)。多くの皆様にご協力をいただきながら、活動資金の獲得から運営の進捗管理までのすべて自分たちの力で運営しています。そのような活動は、結果として、学生たちを鍛え成長させていっているように思います。
20141228yasaiichi2.jpg20141228yasaiichi3.jpg
20141228yasaiichi4.jpg20141228yasaiichi5.jpg
20141228yasaiichi6.jpg20141228yasaiichi7.jpg

■昨日は、龍谷大学の入試広報に関連して取材がありました。私のゼミの学生たちは、「大津エンパワねっと」、「NPOボランティアセンター」、「アドサポ」(龍谷大学アドミッションサポーター)、「龍谷祭実行委員会」等にも参加しながら、「北船路米づくり研究会」の活動にも取り組んでいます。広い意味での社会参加に取り組む学生の割合が多いように思います。今回の取材対象は、3年ゼミのKさんでした。彼女は、「北船路米づくり研究会」の活動以外にも、「大津エンパワねっと」と「アドサポ」の活動に取り組んできました。取材をされている会社の方からは、「龍谷大学の社会学部は、皆さん、入学されてからの『のびしろ』が大きいですね〜」と感心されていました。そうなのかもしれません。龍谷大学社会学部の多くの教員が、それぞれのポジションで学部のモットーである「現場主義」を大切にしながら教育実践に取り組んでいるからです。Kさんの記事は、見開き2ページに構成されるとのことです。出来上がりが楽しみです。

20141228yasaiichi8.jpg

管理者用