2023年度 MLGsみんなのBIWAKO会議/COP2 MLGsワークショップ

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▪️ 9月17日の午後は、オンラインですがすでに予定が入っていました。ずっと参加している「地域コミュニティ・観光・地域資源管理研究集会(第11回)」が開催されるからです。私は、残念ながらオンラインでの参加です。ということで、こちらのBIWAKO会議には残念ながら参加できません。でも、皆さんは、ぜひご参加ください。

高時川の濁水問題について・村上悟さんのnote

▪️滋賀県で環境問題に取り組まれている村上悟さんのnoteです。先日(8月9日)に開催された「高時川濁水問題に関する報告会」の報告です。
▪️滋賀県で環境問題に取り組まれている村上悟さんのnoteです。先日(8月9日)に開催された「高時川濁水問題に関する報告会」の報告です。
あの豪雨から一年。滋賀県主催「高時川濁水問題に関する報告会」に参加して(解説・レポート・感想)

昨年(2022年)の8月4日から5日にかけて高時川源流域で豪雨があった後、高時川では濁水がながらく続いている。この問題について昨日(2023年8月9日)、滋賀県庁主催の「高時川濁水問題に関する報告会」が長浜市高月市所で開催され、出席してきた。
 この報告会に至る経緯の整理と、この日の記録、そして今、感じていることを記しておく。

▪️この高時川に関しては、このブログの以下の投稿も併せてご覧いただけると嬉しいです。濁水の問題だけではないと思っています。

流域治水の真空地帯
「被害引き受けた農地の苦悩」という記事
高時川の氾濫に関してご教示いただきました。
流域治水に関連して
高時川氾濫の動画
高時川の氾濫に関連して-「遊水池」の受苦-

『流域ガバナンス』の中村幹宏さんの書評(『林業経済』74-5)

流域ガバナンス_装丁_1203入稿ol ▪️以前、総合地球環境学研究所で取り組んだ研究プロジェクトの成果を、『流域ガバナンス』(京都大学学術出版会)という本にまとめました。そして、この本の書評のことについても、「『流域ガバナンス-地域の「しあわせ」と流域の「健全性」-』の書評」というタイトルで投稿しています。『林業経済』74-5に掲載された中村幹宏さんによる書評、この投稿の時点では、まだネット上では読むことができませんでしたが、今はお読みいただけます。

▪️また、この書評が掲載された『林業経済』74-5の編集後記に、一般社団法人林業経済研究所の所長である土屋俊幸さんが、この書評のことについて書いておられます。こちらも、ぜひ併せてお読みいただきたいと思います。

▪️自分の仕事を振り返りつつ、先ほど、改めてこの書評を拝読しました。中村さん、土屋さん、ありがとうございました。

『ワイルドライフマネジメント』(梶光一 著)

20230531kajikoichi.png■著者の梶光一先生に送っていただきました。ありがとうございました。『ワイルドライフマネジメント』。このような本です。

課題解決型研究の方法論を示す
野生動物とともに生きるために――シカ、クマ、イノシシなどの野生動物と人間との関係が保護から管理へと変化してきた歴史をたどりながら、科学と政策の視点から、これからの野生動物管理システム、野生動物管理教育、野生動物管理の日本モデルについて提言する。
【主要目次】
はじめに
第1章 有蹄類の爆発的増加――個体群動態をめぐる議論
第2章 個体群動態――洞爺湖中島のシカ
第3章 シカ管理――知床・イエローストーン・ノルウェー
第4章 定点観測と長期モニタリング――個体群変動のプロセスとメカニズム
第5章 フィードバック管理――順応的管理へ向けて
第6章 世界の野生動物管理の歴史――自然を管理するということ
第7章 日本の野生動物管理の歴史――保護から管理へ
第8章 個体群管理から生態系管理研究へ――ランドスケープの視点
第9章 野生動物管理システム研究――研究経営論
第10章 人口縮小時代の野生動物管理――持続可能な地域のために
第11章 野生動物はだれのものか――野生動物管理とステークホルダー
第12章 大学の野生動物管理専門教育――実現に向けた取り組み
第13章 野生動物管理の日本モデル
おわりに
さらに学びたい人のために

■梶先生ご自身の研究を総括するようなご著書だと思います。梶先生は、野生動物の管理のための文理融合型研究を進める際に、私たちが琵琶湖の流域管理で提案した「階層化された流域管理」(『流域環境学 流域ガバナンスの理論と実践』,2009,京都大学学術出版会)の考え方を積極的に取り入れてくださっていました。そのことを、このご著書の中でも丁寧に説明してくださっています。ありがとうございました。具体的には、第9章「野生動物管理システム研究―研究経営論」の中で取り上げていただきました。また「さらに学びたい人へ」では、文献紹介の筆頭に、私たちの『流域環境学-流域ガバナンスの理論と実践』を挙げてくださっています。「空間スケールに注目した『階層化された流域管理』といてう概念は、私たちの野生動物管理システム研究の道標となった」とご紹介いただきました。大変光栄に思います。

■以前、梶先生がご所属されていた東京農工大学でお話をさせていただいたこともありました。梶先生は生態学者で、私とは専門とする分野が違いますが、こうやって文理融合型プロジェクトの研究を通して交流できたこと、そしてプロジェクトの参考にしていただいたこと、とても幸せに思っています。

■以下の投稿もご参照ください。

『野生動物管理システム』(梶光一/土屋俊幸 編
京都大学生態学研究センターでのセミナー

シリーズ環境社会学講座第1巻『なぜ公害は続くのか」(新泉社)

20230411kogai.jpg ■時々、献本ということで本いただきます。やはり環境社会学関係が多いです。今回は、シリーズ環境社会学講座第1巻の『なぜ公害は続くのか 潜在・散財・長期化する被害』(新泉社 )を編者から送っていただきました。ありがとうございました。この第1巻から、シリーズ環境社会学講座全6巻の刊行が始まりました。私も、第6巻「複雑な問題をどう解決すればよいのか」でひとつの章を執筆いたしました。

この第1巻の内容をご紹介しておきましょう

公害は「過去」のものではない。
問題を引き起こす構造は社会に根深く横たわり、差別と無関心が被害を見えなくしている。
公害の歴史と経験に学び、被害の声に耳を澄まし、犠牲の偏在が進む現代の課題を考える。
公害を生み続ける社会をどう変えていくか——。
〈公害の歴史が教えるのは、見えていたはずのものが不可視化されていく過程である。その背後には、環境侵害の影響を背負わされるのが社会的に弱い立場の人びとに偏るという、公害の最初期から続く社会構造もある。
公害の「解決」を強調する動きが、実は公害発生の経緯を引きずるものであり、現在の環境問題にも影響を与えているのであれば、不可視化の仕組みに注意し、それに対抗する方法を考える必要がある。——編者〉

【目次から主な内容】
序章 不可視化される被害と加害……藤川 賢・友澤悠季
I 公害とは何か
第1章 足尾銅山鉱煙毒事件にみる公害の原型……友澤悠季
第2章 新潟水俣病にみる公害被害の現在……関 礼子
第3章 日米の産業廃棄物問題と草の根環境運動……藤川 賢
コラムA 複合公害としてのアスベスト問題……堀畑まなみ
II 環境的不公正の潜在と拡大
第4章 なぜカネミ油症被害者は被害を訴え続けなければならないのか……宇田和子
第5章 熱帯材と日本人——足下に熱帯雨林を踏み続けて……金沢謙太郎
第6章 マーシャル諸島発「核の正義」を求めて……竹峰誠一郎
第7章 環境正義運動は何を問いかけ、何を変えてきたのか……原口弥生
コラムB 環境過敏症という名の「公害」……堀田恭子
III 公害は終わっていない
第8章 NIMBYと「公共性」……土屋雄一郎
第9章 水俣病にとっての六五歳問題——「先天性(胎児性)という問い」から……野澤淳史
第10章 「記憶」の時代における公害経験継承と歴史実践……清水万由子
第11章 環境リスク社会における公正と連携への道……寺田良一
コラムC 公害地域再生が目指すもの……林 美帆
終章 不可視化に抗うために……藤川 賢・友澤悠季

『環境社会学事典』が刊行されました。

『わたしのコミュニティスペースのつくりかた』

20230307community_space.jpg ■届きました。素敵な本だな〜。本のタイトルを見て、心の中にモワモワとイメージが湧いてきて、ちょっとワクワクしてくる人は、ぜひ手に取って読んでみてください。なにより、タイトル通り「わたしのコミュニティスペースのつくりかた」が具体的に書いてあります。構成が素敵だな〜と思います。

■以下は、amazonに掲載されていた紹介文です。

イメージづくりからオープン準備、運営までの困りごとにQ&Aで答えるほか、民営図書館「みんなの図書館さんかく」、地域の文化複合拠点「ARUNŌ」の完成までのストーリー、全国のコミュニテイスペース運営者の体験談、企画や予算、契約、宣伝、取材対応、事業の継続性までのハウツウなど盛りだくさんの内容です。
場づくり・運営のかなり具体的な実践手法を紹介しておりますので、地域に溶け込むような場づくりに興味を持っていらっしゃる方にぜひ手に取っていただきた1冊です。

目次については、こちらをご覧ください。

■こちらは、この本の著者のお一人である土肥潤也さんが運営する私設図書館「みんなの図書館さんかく」に関する記事です。Twitter経由で、このブログにも貼り付けてみました。この記事もぜひ読んでみてください。

■環境問題に関連して、問題解決のための緻密な仕組みを考えて地域に押し付けてるのはやめよう、むしろ「スカスカ設計」の方がいいんだよと常々言ってきました。こんなので大丈夫なのかなという「スカスカ設計」からスタートしながらも、いろんな人が関わりながら現場の中から「こうした方がおもしろいよ」とか、「私はこんなふうに展開してみたい」とか、そう行った動きが創発的に出てくる、新しいアイデアが出てくる、そういうことの方がずっと大切なんだとも言ってきました。そういう自分の「スカスカ設計」の考え方は、土肥さんの「余白」ということと、どこがつながるような気がします。気がするだけかもしれませんが。この私設図書館「みんなの図書館さんかく」に行ってみようと思います。

韓国の建国大学に出張しました。

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20230209konkuku2.jpg ■韓国ソウルにある建国大学で開催されている”Forum on the Tertiary Social Economy Education Operating System Development in Forestry”に参加して「大津エンパワねっと」の報告を行いました。反応も良く、気持ちよく報告ができました。午前中の報告は、私がトップバッターで、その後は慶尚大学校社会的経済事業団のイ・ウンソン先生から「専門人材養成事業教育運営体系」について、建国大学の金才賢先生からは「山林造園分野の社会的経済人材の養成」について報告が行われました。それぞれの地域連携型教育プログラムについて、いろいろ勉強になりました。加えて、お互いが「悩んでいること」についての意見交換できたことが良かったな〜と思っています。

■午後からは、プログラムの成果と効果について、事例発表が行われました。昨年、私が指導してた学生さんも報告を行いました。こちらにいると、日本で年度末に向けて抱えている仕事のことを、一時的にしろ、忘れることができます。メールは追いかけてきますけど。今回のフォーラムでは、私と学生のために、同時通訳が行われました。ご招待いただいた金才賢先生(Jaehyun Kim先生)からの様々なご配慮に心より感謝したいと思います。ありがとうございました。
20230209konkuku5.jpg ■日本と相対的にではありますが、私の印象では、韓国社会ではいろんなところでトップダウン的に物事を動いていく傾向が強く、ガバナンスという概念が講演の中に度々出てきましたが、私とは少し考え方が違うなあと思いました。特に、以前取り組んだ研究プロジェクトの成果『流域ガバナンス』の中で書いた、「鳥の目と虫の目の対話」という話が聴衆の皆さんの印象に強く残ったようでした。地域連携型教育プログラムにいて講演をしたわけですが、結果として、このような話題にまで話は展開しました。

■今回のことをfacebookに投稿しているのですが、それを読まれた事務職員の方からは、地域連携型教育プログラムに関連した今回の講演をもとに、学部内で簡単なFDをやってくれないかというお話をいただきました。できれば、学部内に閉じずに、他学部の教員の皆さんにも協力、ご出席いただき、他学部で取り組まれている地域連携型教育プログラム、あるいは地域連携型教育プロジェクトについても意見交換できればと思います。まあ、これからの相談になりますが。良い方向に展開していったら良いなと思います。社会学部が深草キャンパスに移転することを前提に、そのような他学部との共催するFDが開催できたらと思います。

ビワマスフォーラム

■琵琶湖環境科学研究センターの佐藤祐一さんのfacebookへの投稿をシェアいたします。私が関心を持つ「流域ガバナンス」にも関連する実践のお話をお聞きできそうです。なのですが、残念ながら、2月4日は岐阜県に出張です。うーん、残念だ。でも、皆さんはご都合がつくようであればご参加ください。

【追記】■佐藤祐一さんによるfacebookへの投稿のリンクが切れてしまったようです。以下をご覧ください。

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滋賀県琵琶湖地域「世界農業遺産」認定記念祝賀会

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■本日、滋賀県庁農政水産部農政課企画で世界農業遺産を担当されている職員さんから、写真が届きました。先日、このブログに「『世界農業遺産』認定シンポジウム」を投稿しましたが、このシンポジウムの後に開催された小さな祝賀会の時の写真です。この祝賀会が開催される前には、野洲市で「魚のゆりかご水田」に取り組んでおられる農家の堀彰男さんに、「世界農業遺産の認定を今後の地域での活動にどのように活かしていくのか」、まだちょっと抽象的な言い方になりますが、そのようなことについて相談をさせていただきました。また、世界農業遺産に認定された「琵琶湖システム」においては、湖岸地域とともに、その湖岸地域を含む流域の上流地域との交流が大切になってくると考えています。夢は広がります。そのようなことも、祝賀会では堀さんにお話させていただきました。共感もしていただきました。今後の展開が非常に楽しみです。

【関連エントリー】「『世界農業遺産』認定のお祝い」

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