「世界農業遺産(GIAHS)と農村地域開発に関する国際シンポジウム」(1)

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▪️今日から台場のホテルで3日間缶詰めになって仕事です。「世界農業遺産(GIAHS)と農村地域開発に関する国際シンポジウム」(主催:国連食糧農業機関FAO)で、ディスカッションをしながら、世界農業遺産(GIAHS)に認定された「琵琶湖システム」の報告を滋賀県庁の職員の方と一緒に行います。同時通訳なので、私でもなんとかなりそうです。ホテルの部屋からは「船の科学館」や南極観測船「宗谷」が見えますが、今回は見学している余裕はありません。まあ、仕事ですから…。

第20回 「おっきん椋川」

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◾️今年も、高島市今津町椋川で、「おっきん!椋川」が開催されます。今年で20回になるようです。ぜひ、今年も参加させていただきたいと思っていましたが、当日は、別の用事が先に入ってしまいました。残念。

【関連投稿】
第18回おっきん!椋川(2021年11月23日)
むらづくりの村人にとっての「意味」(2022年2月5日)

贈与が途切れるとき

▪️いつも拝見ているお寺の掲示板です。投稿主の専念寺さんはいつも奥が深いことを投稿されます。今日の投稿はこちら。

人は、初めは見返りを求めずに好意でやっている事でも、相手が感謝せずに当然のように受け取ると、やはりイラっと感じますよね。

▪️他者への「贈与」。それが善意で行われていることでも、受け取る側はそれをある種の「負債」として感じることになります。自分に「贈与」された善意を、別の形でお返ししなければならない、そう思うわけです。お返しする相手が「贈与」したご本人であるか、別の第三者であるのかでは少し違いがありますが、とにかくお返ししなければならないのです。ところが、そのような「負債」として感じることもなく、ただ「ラッキー儲けたよ」と気楽に受け取られると、当然のことながら、その「贈与」により継続していくはずであった交換の関係は破綻してしまうことになります。「イラっと」感じてしまうのは、相手に無言のうちに感謝を要求しているからというよりも、「贈与」が破綻してしまうことに対する苛立ちなのかなと思います。

世界農業遺産のファイルとお仕事

20231002biwako_system.jpg▪️先週の土曜日、滋賀県庁職員の方たちとの懇親会を持ったことを投稿しました。その懇親会が始まる直前に、「世界農業遺産」を担当されている部署の職員さんから、このファイルをいただきました。素敵なファイルですね。「みんなのカラダはびわこのしくみでできている」。地産地消的な考え方からすれば、当然、こういう主張になりますよね。

▪️ちなみな、このファイルに描かれている手前の赤みの魚ですが、琵琶湖の固有亜種で「琵琶湖のルビー」と呼びれているビワマスだと思います。奥の方のうおの切り身、これはニゴロブナで作った鮒寿司でしょうね。上に飯(いい)がついていますから。それから、右側のご飯、なんだと思いますか。このご飯は「魚のゆりかご水田」で作れられたお米のご飯ですね。ご飯の上にはピンクの揺かごが描かれています。よく見ると揺かごの中は水田でうおが飛び跳ねていますね。捕虫網を持っている青いもの、これは琵琶湖に設置される琵琶湖の伝統漁法「魞漁(えりりょう)」を表しているのでしょう。ということは、これは捕虫網ではなくて、魚を掬いとる綱かな。どうなんでしょう。下のクリスマスツリーのようなものはなんでしょうね。今度、職員さんに聞いておきます。

▪️このファイルの中身なんですが、この世界農業遺産に関連するお仕事の依頼でした。まだお引き受けするかどうかわかりませんが、基本的には前向きに考えていこうと思っています。近いうちに、このブログでもお知らせすることができるのでなはないかと思います。

いつもの「利やん」で懇親会、世界農業遺産/びわ100

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▪️昨日は、博士課程の院生の中間発表会でした。全員が、中国からの留学生。1人は、来年度、学位請求論文を提出するようです。じっくり時間をかけて分厚い博士論文を提出するようです。来年の春は、副査としてそれを読まなくてはいけません。「満州における日本人経営中国語新聞と関東軍との関係に関する研究―『盛京時報』の経営を中心に」という研究です。歴史的な資料が相当量入っているので、気合を入れないと読めません。これから、懇談会(お疲れさん会)。

▪️そのあとは、大津駅前のいつもの居酒屋「利やん」で滋賀県庁で世界農業遺産に関わった職員の皆さんと懇親会でした。写真は、最後の集合写真。この日、県庁の皆さんは、南湖一周40kmを歩かれました。本当は、皆さんと一緒に歩きたかったのですが、博士課程の中間発表会があったものですから、その代わりに私は1週間前、南郷洗堰で折り返す南湖1周55kmを1人で歩きました。私も含めて、この写真の中の5人が「びわ100」(びわ湖チャリティー100km歩行大会)に挑戦します。私は、今回5回目の挑戦になります。過去4回、なんとか完歩しているので、今回もうまく行くように、努力します。最後は、痛みや苦しみに耐える精神力の問題になってきます。

世界農業遺産
世界農業遺産(GIAHS:Globally Important Agricultural Heritage Systems)とは、社会や環境に適応しながら何世代にもわたり継承されてきた独自性のある伝統的な農林水産業と、それに密接に関わって育まれた文化、ランドスケープ及びシースケープ、農業生物多様性などが相互に関連して一体となった、世界的に重要な伝統的農林水産業を営む地域(農林水産業システム)であり、国際連合食糧農業機関(FAO)により認定されます。

▪️そもそものことの始まりは、私がこの写真の中のメンバー2人、藤江学さんと伊崎直人さんに声をかけて、「『びわ湖システム』が『日本農業遺産』そして『世界農業遺産』に認定されるように、『びわ100』では横断幕を持って歩こう、アピールしよう‼︎」と提案したことに始まります。そのような提案をしたのは、facebookの友達である永田咲雄さんが、ご自身で経営されている会社の社員さんたちとの団結を高めるために、会社で「びわ100」に出場されることをfacebookの投稿で知ったからです。世界農業遺産を目指すチームも、「頭を捏ね繰り返してばかりではなく、まずは琵琶湖を体感しつつ、チームとしての団結力を高めよう」と昭和のおじさんのノリで提案したのです。ひとつ失敗したのは、チームのリーダーであった青田 朋恵さんにも「歩こう!!」と声をかけなかったことですか。我々と一緒に歩かれるとは思っていなかったもので…。

▪️さて、このことを知った、当時農政水産部長であった高橋滝治郎さんは、部の職員全体に声をかけて参加者を募るようにと指示を出されました。その結果、大勢の方々が参加されることになったのです。さすがに、今は「世界農業遺産」に認定されたので、あの苦しみに耐える「びわ100」に出場される方は私も含めて5人に減りましたが、「びわ100」に出場しなくても、当時のことを懐かしみ、今もこうやって南湖1周に挑戦される方たちが集まられたわけです。素晴らしいです‼︎

▪️「びわ100」、10月の14日・15日です。14日10時過ぎに長浜をスタートして、彦根、東近江、近江八幡、野洲、守山、栗東、草津、瀬田、南郷洗堰と歩き、最後はゴールの雄琴を目指します。徹夜で歩きます。制限時間は28時間です。15日の14時までにゴールする必要があります。

山の中の小学校の運動会


▪️高島市朽木にある朽木西小学校の運動会に関するFacebookへの投稿です。投稿されたのは、高島市朽木針畑の小入谷でゲストハウスを経営されている藤村さんです。藤村さんには、4人のお子さんがいらっしゃいますが、最後のお子さんが6年生で、来春卒業されます。このご投稿を拝見すると、豊かな自然の中で、少ない人数だからこそ、ここならではの「育ち」があるように思います。素晴らしいでする。ご投稿にある写真ごとのキャプションを拝見すると、この運動会の中心部分を藤村さんのお子さんや児童の皆さんが中心になって運営されていることがわかります。また、この小学校を卒業された若者(藤村さんのお子さん)たちも、やはり運動会の運営に関わっておられます。今年生まれた赤ちゃんから90歳近い人たちまで、地域の皆さんが心の底から楽しめた運動会のようです。藤村さんのご投稿をぜひお読みください。そして、この小学校のある針畑に移住してみようかな思う方が現れてくださるととっても嬉しいです。

山の中のコミュニティで子育てを(滋賀県高島市朽木針畑)


▪️滋賀県高島市朽木針畑。学生さんたちと今年の6月に訪問しました。私は引率の関係で2回。1回目は針畑郷の生杉、2回目は小入谷を訪問しました。山の中の細い道を進んでいくと、突然、山の中に桃源郷が現れる、そんな感じがしました。不思議な、そしてとても素敵なところです。40年ほどにわたって、移住者の皆さんがここで暮らしてきました。ただ、お子さんが高校に行く段階になると、ここを離れることもあるようです。今は小学生が5人おられますが(先生も5人)。6年生が卒業すると3人になってしまうとのこと。少し心配ですね。小学校、どうなるのかな。地域にとって学校がなくなるってとても大きな出来事なんです。トップは、ゲストハウスを経営されている藤村さんのFacebookへの投稿です。

▪️京都市内で医師として働きながら、この針畑の小入谷で暮らしておられるTさんも、藤村さんのfacebookをシェアしながら、以下のように投稿されていました。

僕が暮らす山の中の小学校です。児童5人の本当に小規模の学校。先生も5人笑。先生に支えられ、集落の方々に支えられ、森や川、自然に守られて子どもたちは濃密で大切な経験をして日々自分のペースで成長しています。こんなに豊かな子ども時代が過ごせる場所は他にない!と思うくらい。田舎での子育てに興味のある方いらっしゃったら是非お声かけ下さいm(_ _)m

▪️これは、個人的な思いつきにしかすぎませんが…。ここでのびのびと育った方達が、またこの場所に同窓会のような形で集まってくださったらいいなと、ふと思いました。ここで暮らした経験が、山を降りた後もどのような形で生きているのか(活きているのか)、そのことが多くの方達に伝わると良いのかなと思いました。かつてこの針畑で暮らした時の思い出も含めて、きちんと記録にとっておくと、将来きっとこの山の中のコミュニティ作りに役立つのではないかと思いました。なんといっても、40年間、移住者の方たちがやって来られる場所って、すごいと思います。

▪️都会を離れて自然が豊かなところに移住したいと考えておられる若いご家族がおられましたら、ぜひ藤村さんにご連絡をとってみてください。もちろん、私に連絡をくださっても結構です。藤村さんの御一家や、Tさんにおつなぎします。

父の日に贈りたいギフト

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▪️かつてゼミで取り組んでいた「北船路米づくり研究会」で、ゼミ生の皆さんが、北船路の生産組合と平井商店さんをつないでプロデュースした「純米吟醸 北船路」。たまたま気がつきました、鮒寿司の老舗の阪本屋さんの鮒寿司や佃煮とのコラボ商品が、阪本屋さんの通販サイト(オンラインショップ)で「父の日に贈りたいギフト」として販売されていたんですね。嬉しいです。鮒寿司と日本酒。ともに発酵食です。それぞれの老舗の若い後継者の皆さんの連携によって生まれた商品だと思います。

【追記】▪️この投稿とほぼ同じ内容の投稿をfacebookにしたところ、阪本屋さんの若旦那からコメントが入りました。常連のお客さんもおられるようで、良かったと思っています。

こちら…3年前からコラボしてます笑
ちょっとずつお客さんが定着してきて、今は毎年買ってくれるお客さんもいますよ!他に出来ない、滋賀らしさ、大津らしさのある組み合わせの商品やと思ってますね

▪️こういう跡取りさんたちのコラボに刺激を受けて頭に浮かんでくるのは、「世界農業遺産」に関しても、このようなコラボできないかなということなんですよね。滋賀の世界農業遺産、「森里湖に育まれる 漁業と農業が織りなす 琵琶湖システム」ですから。「森里湖に育まれている」ことが理解できるコラボ商品、「漁業と農業が織りなしている」ことが理解できるコラボ商品が、「世界農業遺産」や「琵琶湖システム」に関する情報とともに、購入することができると素敵だと思うんですけどね。阪本屋さんの商品は、すでに「森里湖」のうち「里湖」はクリアされていますよね。もちろん、そのようなコラボ商品のコンセプトが違いますけど。

中央学区夏祭

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20230807summer_festival3.jpg▪️昨日は、「地域エンパワねっと・大津中央」(龍谷大学社会学部・社会共生実習)で学生さんたちと一緒に、中央学区(大津市)で開催された「中央学区夏祭」に参加しました。場所は、中央小学校の校庭です。以前にも夏祭に参加した経験がありますが、以前にも増して、若いご家族の皆さんの参加が多いことに驚きました。素晴らしいですね。マンションがどんどん建設されて、マンションに転居されてくる家族が増えたからです。今は、教室が足らないくらい。知らない間に建物が増築されていました。

▪️たくさんの屋台というかテントが並んでいました。子ども向けのテントには、長蛇の列ができていました。私はというと、生ビールや缶のハイボールを購入して、校庭の真ん中のテントの下で、地元の古老の皆さんといろいろお話をさせていただきました。たくさんのテントでゲームや飲食のサービスを提供しているのは、体育振興会の皆さんです。頑張っておられます。素晴らしいですね。でも、こういう地域活動の担い手不足には困っておられるようです。もっと正確にいうと、これまで頑張ってこられた方達が高齢化しているのに、後継者が現れない…ということのようです。

▪️私が校庭の真ん中にある休憩用のテントで地元の古老の皆さんと地域の現場についていろいろお考えをお聞きしている時、学生さんたちは会場で子ども会育成連絡協議会で開催している「キッズクラブ」の活動について、アンケート形式でお話を伺っているようでした。この活動も後継者の問題を抱えています。で、ようでしたというのは、人が多すぎて学生さんたちを見つけられなかったからです。見つける前に、知り合いの方と話を始めてしまったのです(飲み始めてしまったのです)。

▪️すると、後ろから2名の学生さんに声をかけてもらいました。思っていたのと違って、大変そうでしたが、「自分たちが思っていた仮説みたいなんが違ってたとわかって、修正をかけることができて、むしろ良かったや〜ん、君らもビール飲んでええよ〜」と気分が良くなっていたおじいさん(私は)は言ったのですが、飲んでいるような余裕はなかったようです。

▪️夏祭が終わったあと、テントでお世話をされていた若いお父さんにも少しお話を伺うことができました。やはりマンションに転居されてきた方でした。こういった地域活動に参加されて、大変だけど充実感があるとお話ししてくださいました。「大変さ」と「充実感」を天秤にかけてみると若いお父さんの心の中では、「充実感」の方が重かったのかなと思います。いろいろな考えがあるのでしょうが、個人的には、大変だけど充実感がある…と感じる方が増えていけばと思いますし、そのような気づきが生まれる何か仕組みや仕掛けって、どのようなものなのかなと思っています。

2023夏原グラント 市民環境講座第2回目「活動を楽しく継続していくために」(1)

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20230730natsuhara6.jpg▪️2012年から環境保全活動への支援を続けている、平和堂財団環境保全活動助成事業 2023夏原グラントの、市民環境講座第2回目です。「活動を楽しく継続していくために」というテーマで、ダンボールでできた円形のボード[rul=https://mk-shiko.net/products/detail/59]「えんたくん」[/url]を使って、ワイワイガヤガヤ、時には爆笑しながら、話し合いのグループワーク(ワールドカフェ)をしていただきました。多くの皆さんが、夏原グラントから助成を受けている団体の方達です。

▪️私、今日のこの講座の講師なんですが、私の話は20分程度で、あとは「えんたくん」を使ったワールドカフェの進行役に徹しました。有意義な時間になりました。「活動を楽しく継続していくために」は、何に困っているのか、どう乗り越えようとしてきたのか、その辺りを自由に話してもらいました。団体間同士がつながっていく、良い機会になったのではないかと思います。このようなつながりからは、うまくいけば、アメリカの社会学者M・グラノヴェッターのいう「弱い紐帯の強さ」が生まれることにもなるんだろうなと思います。

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