集中講義「びわ湖・滋賀学」5日目・最終日

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20250831biwahaku9.jpg▪️昨日は、集中講義「びわ湖・滋賀学」の最終日でした。午前中は、歴史担当の学芸員である島本多敬先生に展示を使って講義をしていただきました。普通の講義とは違って、展示物やパネルがテキストになります。まずはB展示室での講義の後、現在開催されている企画展示「川を描く、川を作る—古地図で昔の堤(つつみ)をさぐる—」で、この企画展の担当者である島本先生ご本人に解説をしていただきました。なんという贅沢でしょう。どのような企画展なのか、以下をご覧ください。概要は以下のとおりです。私、この企画展に「はまり」ました。大変丁寧な研究蓄積もとにした素晴らしい企画展でした。素晴らしいです。

滋賀県(近江国)は日本国内でも有数の「天井川」が多い地域で、「はげ山」などと呼ばれる草木の少ない山々が広がっていた歴史があります。そして、人々は水害・土砂災害から地域をまもるため、「堤」(川の堤防や山の土砂流出をとめる堰堤など)をつくってきました。
 この企画展示では、17~19世紀の琵琶湖集水域・淀川流域を中心に、災害の状況や土木工事の計画を描いた地図、治水の歴史に関わる道具や文書などを展示します。また、古い地図から歴史を研究する方法を紹介します。川をつくる人々のそばにあった地図を眺めて、歴史に埋もれた堤を見つけにいきましょう。

▪️右上の写真は、「膳所藩領絵図」です。この企画展の図録には、「膳所藩が担当した範囲の土砂留め普請箇所と工種が描かれている」と説明されています。これも図録での説明ですが、江戸時代、燃料や肥料を求めて山の木を採り草を刈ってきた結果、木が少ない「草山や、土壌が流れ出て草も生えない「はげ山」が現れ、土砂の流出が生じてしまいました。滋賀県内の「はげ山」としては、田上山地と比良山地が有名です。この絵図には、龍谷大学瀬田キャンパスのある瀬田丘陵や田上山地が描かれています。丘陵や山地の谷筋には、現在でいえば砂防ダムの役割を果たす工事が行われましたが、ものすごくたくさんの場所で工事が行われていることが確認できます。絵図の中には、よく知る、瀬田付近の地名や川の名前が出てきます。この授業のコーディネーターを務めていただいている先端理工学部の横田岳人先生によれば、龍谷大学瀬田キャンパスに隣接する「龍谷の森」には、この土砂留め普請のあとがあるとのこと。そういえば、石垣を見かけた記憶があります。あれが、土砂留めだったんですか。なるほど。

▪️これほどの普請(工事)が行われたということは、土砂が琵琶湖の南湖の南側や瀬田川に土砂が堆積していくということでもありますね。そのような土砂の堆積は、水害の発生の確率を高めてしまうことになりますね。国土交通省の公式サイトの中に、「瀬田川の歴史」という記事がありました。この記事を読むと、この企画展で展示されている「膳所藩領絵図」の地域での資源採取、草山やはげ山の出現、土砂流出、洪水が発生する確率を高め、水害による生活困難による海外への移住…さまざまなことが歴史軸の中で繋がっていきます。ちなみに、水害による生活困難による海外への移住に関しては、「滋賀県立公文書館」のこの記事が参考になると思います

明治初期の浚渫と明治29年の大洪水

明治元年(1868)の大洪水を契機として、大津県による大規模な瀬田川浚渫が実施されました。明治22年(1889)5月から9月にかけては、琵琶湖水位が2mにもおよぶ高水位が続いたことと、国鉄東海道線の瀬田川橋梁の架橋開始が重なったため、住民が橋梁撤去の請願運動を行い、滋賀県知事や住民有志による直轄工事の陳情が重ねられました。一方、下流住民が瀬田川浚渫反対を訴え大きな問題となりましたが、内務省は、明治26年(1893)下流淀川に影響のない範囲の浚渫を実施しました。

明治29年(1896年)は雨の多い年で、7月から水位が高い状態となっていました。9月には10日間で1,008mmを記録する豪雨があり、琵琶湖の水位はB.S.L.+3.76mに上昇し、湖周辺に未曾有の大災害が発生しました。

明治29年(1896年)の大洪水により、琵琶湖周辺にあるほとんどの市町村が浸水による被害を被り、無害水位に低下するまでに237日を要しました。特に彦根市の80%、大津市の中心部は全て浸水したとされています。当時の洪水位を記録した石標等が各地に残されていますが、生活再建を諦め、多くの人が海外への移住を余儀なくされました。

▪️この記事では、明治政府の治水対策の説明もあります。

瀬田川洗堰設置と瀬田川浚渫

【日本初、上下流一貫の改修工事「淀川改良工事」】
明治18年(1885)の大阪市内の大洪水を契機に治水対策の気運が高まり、明治29年(1896)に河川法が制定され、これに基づき内務省が本格的な河川改修計画「淀川改良工事」が決定されました。淀川放水路、瀬田川洗堰設置など、上下流一貫の抜本的な治水対策が着手されました。
 
【瀬田川洗堰設置と瀬田川浚渫 明治38年(1905年)】
瀬田川に関連する工事は、琵琶湖からの流出量を増大させる瀬田川河道掘削および大日山の掘削、淀川の洪水調節のため琵琶湖からの流出量を制御する角落とし式の瀬田川洗堰を明治38年(1905)に設置でした。

32門の堰で、角材を抜き差しすることにより流量調節を行いました。

瀬田川洗堰は、琵琶湖沿岸の浸水被害軽減のため平常時の水位を低下させる河道掘削を可能としました。

また、洪水時の琵琶湖の水位上昇は、下流淀川の水位上昇に比べて緩慢であるという自然の地形、水利上の特性を活かし、下流淀川の洪水時には放流量を制限する目的をもっています。

▪️下の写真は、企画展のチラシ、図録、関連するニューズレターです。素晴らしい図録でした。一番右のニューズレターですが、愛知川の下辺林の中にあるかつての堤防、猿尾の調査に関するレポートです。歴史学、河川工学、生態学といった複数の分野の研究者の連携により猿尾のことがわかってきたことを報告されています。琵琶湖博物館らしい、ならではの共同研究だと思います。
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▪️琵琶湖博物館は、1996年10月20日に開館しました。12年の準備期間を経て(1984年~)、1996年4月1日に設置され、その後、同年10月20日に一般公開されました。私は、1991年から開設準備室に勤務しました。5年間、琵琶湖博物館に開館に向けて仕事をしてきました。開館後は2年間、学芸員として勤務しました。在籍期間は開設準備室時代も合わせて7年、博物館に関わって仕事をさせてもらったことになります。この時の経験が、その後の私の人生に非常に大きな影響を与えるきっかけになっています。博物館を退職した後も、ずっと琵琶湖や滋賀県に関わって仕事をしてきました。今は、10年前からは滋賀県の大津市、自宅から琵琶湖の南湖が見える家に暮らしています。

▪️琵琶湖博物館は、開館後、6年間のリニューアル工事を経て、2020年10月10日にグランドオープンしました。開館からリニューアルまで25年、現在までだと30年、個々の学芸員の皆さんが、あるいは博物館という組織として琵琶湖や滋賀県をフィールドに関する研究を蓄積されてきたことが、常設展示はもちろん、今回の企画展にも非常によくあらわれていると思います。

▪️5日間の集中講義では、琵琶湖博物館の学芸員の先生方には大変お世話になりました。特に、全体を取りまとめてくださった、学芸員の林竜馬先生には、心より感謝したいと思います。ありがとうございました。履修された学生の皆さんのレポートが非常に楽しみです。

集中講義「びわ湖・滋賀学」3・4日目

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▪️26日から28日まで「びわ湖・滋賀学」の集中講義で瀬田キャンパスにいました。昨日は3日目でした。私はコーディネーター役の1人で講義はしません。学生さんたちと一緒に、琵琶湖博物館の学芸員の先生方のお話を興味深く拝聴しています。午前中は、水産試験場の水産技師で、今は琵琶湖博物館に出向されている県の職員さんが、琵琶湖の水産業について講義をしてくださいました。午後からは、旧知の学芸員である金尾滋史さんから「琵琶湖の魚と人の関わり」というタイトルで2コマ講義をしていただきました。昨日は終日、琵琶湖の魚に関連するお話でした。金尾さんも含めて、旧知の学芸員の皆さん、みなさん立派なおじさんになっておられます。まあ、私もおじいさんですからね。それは当然ですか。ひさしぶりにあった金尾さんからは「めっちゃ痩せてますやん、大丈夫ですか?」と言われてしまいました。めっちゃ痩せて頬が痩けた貧相なお爺さんです。

▪️1日3コマの3日め。集中講義は、学生さん達はかなり疲れている人が出てきていました。後ろから見ていると、そのことが良くわかりました。無言のうちに「疲れた〜」という気持ちが態度に表れていて、講義をされている先生方に伝わってるかもしれないなと心配しました。すみません。心折れませんように。とはいえ、前の方でしっかりとノートを取っている方たちもおられたので救われます。ところで、瀬田キャンパスは暑いですが、深草キャンパスとは違って自然を感じられます。良いキャンパスですね。

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20250829biwahaku15.jpg▪️ 「びわ湖・滋賀学」の集中講義、今日は4日目です。今日から最終日の明日までの授業は、滋賀県立琵琶湖博物館で行われます。琵琶湖博物館は、今から27年前まで勤務していた職場です。学生さんたちは、瀬田キャンパスでの座学でかなり疲れていたと思いますが、今日は、結構な距離を歩いて「博物館疲れ」が出ているかもしれまん。でも、展示を前に、学芸員の方から直接解説をしていただきながら、勉強できるんですからね、かなり贅沢です。私も、C展示室でひとつだけ解説を担当させていただきました。この博物館の開設準備室の頃から開館した後数年後まで勤務していましたので。

▪️写真についても、少し説明しますね。2段目左。A展示室での講義風景です。履修者を半分ずつのグループに分けて講義を受けました。学生の皆さんが乗っているガラスの下にあるのは、ゾウの足跡化石です。2段目右。つい最近、ビワマスが、琵琶湖の固有種として認められました。琵琶湖博物館に関係する方達が論文を発表して認められました。これまでは、固有種ではなく固有亜種となっていたと思いますが、独立した種として認められたわけですね。そのお祝いの展示の前で語り合っている方達。左は学芸員の林竜馬さん。この授業の中心になってお世話いただきました。ありがとうございました。右は先端理工学部の横田岳人さんです。私と同じく、この授業のコーディネーターをお勤めいただいています。

▪️ 3段目。この魚屋の大将、学芸員の金尾滋歴史さんです。若いですね〜。そして金尾さんの横にあるのは、鮒寿司のタルの断面を見せたレプリカ。開館時の展示の一部です。私が担当しました。自分たちで鮒寿司をつけて、その鮒寿司を凍らせて、半分に切断して、その断面を型取りしました。その作業は、業者さんがされるので、私は指示するだけですけど。展示が新しくリニューアルされたため、開館時に私が担当した展示で生き残っているのは、これだけです。

▪️琵琶湖博物館での授業が終了した後は、月1回のクリニック。今月も血液検査をしていただきました。HbA1cは、今月も「5.3」。きちんとコントロールできていました。安心です。ただ、CKの値が基準値を若干超えていました。心配する数値ではありません。CKとは、脳、臓器、筋肉が損傷を受けると数値が上がります。今回は、博物館の中を結構歩いたことが、この数値に表れているのかなと思います。車で博物館まで行きました。歩数計は9,000歩を超えていました。この程度の歩数でも、CKの値に影響が出るのですね。すごいな血液検査。

集中講義「びわ湖・滋賀学」2日目

20250827sakananoibashozukuri.jpg▪️「びわ湖・滋賀学」の集中講義で瀬田キャンパスに来ています。今日は2日目です。講義は、1日3コマです。私はコーディネーター役の一人で講義はしません。学生さんたちと一緒に、琵琶湖博物館の学芸員の先生方のお話を興味深く拝聴しています。午前中は、滋賀県庁から琵琶湖博物館に出向されたり、兼務されている本職は県職員の方たちが講義をしてくださいました。講義の内容は、河川政策の話と森林政策の話。情報量も多く、さすが専門家だと思いました。

▪️ところで、河川と森林、現場ではこの2つは繋がっています。特に、滋賀県の場合は。森林・河川・農地・琵琶湖すべてを視野に入れた「総合政策」みたいな講義を受けてみたいな〜と思いました。細かなことを言えば、森林と河川の繋ぎ目、河川と農地の繋ぎ目、そして河川と琵琶湖の繋ぎ目、その「繋ぎ目」のところで起こっていることに強い関心があります。流域全体を多様な主体(ステークホルダー)が協働しがら、シームレスに流域全体を保全していくことにも関心があります。繋ぎ目では、「異業種」の方達同士の連携が必要になるのではないかと思います。まあ無理ですかね。お役所は基本、縦割りですし。でも、行政の立場から、流域全体の総合政策を拝聴してみたいです。

▪️写真は講義の中で紹介されていた、冊子です。『はじめての魚の居場所づくり』というタイトルです。一般の人びとが、身の回りの小河川で魚の賑わいを再生していくためのノウハウが、よくわかるように編集されています。親しみやすいイラストで、とてもわかりやすいです。こういう川づくりが、もっと地域社会に広まったらいいなと思います。そのためには、どういう仕組みが必要なんでしょうね。ネット上にはさまざまな情報があります。勉強します。

▪️昼食は、講師控室でいただきました。ひさしぶりに、この部屋のお世話をされている職員さんともお話をしました。深草キャンパスで勤務しているはずの教員がなんで瀬田にいるのかということで、少し驚かれた様子でした。加えて、「痩せましたね〜」と言われてしまいました。最近、しばしば言われます。体重に変化はないのですが、どうも頬が痩けて見えるようです。健康的には大丈夫だと思っていますが、痩せた痩せたと言われるとなんだか心配になってきましたが、近日中に、おそらく金曜日に、月1回定期的に受診しているクリニックに行く予定です。

「びわ湖・滋賀学」の集中講義

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▪️本日から、「びわ湖・滋賀学」の集中講義です。26日から30日までのうち、26・27・28日の3日間は瀬田キャンパスでの講義。オリエンテーションを除いて、滋賀県立琵琶湖博物館の学芸員の先生方が講義を担当してくださいます。29・30日は、場所を、琵琶湖博物館に移動させて、実物資料や展示を使った講義が行われます。ここでも、学芸員の先生方に講義をお願いします。私は講義を担当しませんが、先端理工学部の横田岳人先生と一緒に、この授業のコーディネーターのような役割があり授業を聴講させていただいています。

▪️ひさしぶりに、瀬田キャンパスに来ました。もちろん、暑いわけですが、深草キャンパスとは違って周囲が森林に囲まれていて、気持ちが安らぎます。明日は、授業終了後、隣接する文化ゾーンにある滋賀県立図書館に研究に必要な資料を借りに行く予定です。今日は、自分の研究室のあった2号館をのぞいてみましたが、階段を上ることができないようになっていました。2027年に新しく開設される学部のために、改装の工事が始まるようです。瀬田キャンパスに社会学部があった「痕跡」は全く見当たりませんでした。なんだか、寂しいな。社会学部の卒業生の皆さんにとってのホームカミングデー、どうなるんだろうな…と今頃になって心配しています。

「大津エンバワねっと」の饗庭くんと増田くんのこと

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20250823ohtsu.jpg▪️昨日は、研究室で18時過ぎまで仕事をして、大津に移動しました。大津駅前のいつもの居酒屋「利やん」で、地域連携型教育プログラム「大津エンパワねっと」(6期生)を履修していた卒業生のお2人と再会しました。饗庭勝くんと増田純平くん。卒業されてから10年が経ちました。現在、お2人とも福祉関係のお仕事をされています。10年前は、社会学部は4学科体制で、お2人は共に地域福祉学科だったんじゃないのかな。

▪️ところで、昨晩、お2人と引き合わせてくださったのは、「大津エンパワねっと」で長年にわたってお世話になってきた「大津の町家を考える会」の雨森鼎さんです。先月のことだと思いますが、「脇田はん、8月22日、エンパワの饗庭くん増田くんと呑むから、時間空けておいて」と雨森さんから連絡があり、昨晩、10年ぶりの再会が実現しました。雨森さん、ありがとうございました。昨晩は、中央学区自治連合会の顧問で「人権・生涯」学習推進協議会会長の安孫子邦夫さんもお越しくださいました。安孫子さんにも、饗庭くんと増田くんは大変お世話になっています。

▪️さて、お2人が「大津エンパワねっと」でどのようなプロジェクトに取り組んでいたのか、少し紹介をしておこうと思います。饗庭くんが活動したチーム「こけし」では、中央学区に転入されてきたマンション住民の皆さんに、大津の良いところを知っていただけくために、「プチ体験型まちづくりカフェ」を開催しました。ジャズバー「パーンの笛」のママ神之口 令子さんに相談をして、大津の酒蔵「平井商店」さんで、日本酒とジャズを楽しんでもらうなんてことを実現しました。神之口さん、その節はお世話になりました。他にも老舗の漬物店「八百与」さんで水茄子の糠漬けを作ってみるとか、大津絵の絵師さんから指導を受けながら自分でも大津絵を描いてみるとか、そのようなプチ体験を通して、自分が暮らしている大津の街の良さを知っていただくプロジェクトに取り組みました。

▪️増田くんが活動したチーム「めろん」では、中央学区に転入されてきたマンション住民の皆さんを対象に、大津の町のことを知ってもらい、また住民の皆さん同士の、そして地域との交流を深めるきっかけ作りとして、まちなかツアーを実施しました。その時も、雨森さんや安孫子さんにツアーのガイド役としてご協力をいただいたように記憶しています。これはこのブログへの過去の投稿ですが、きちんと残っています

▪️それぞれが異なるプロジェクトではありますが、中央学区に転入されてきたマンション住民の皆さんと地域社会を、どのようにつないでいくのかという問題意識は共通していますね。このような「大津エンパワねっと」の経験は、社会人10年目の今、お2人の中ではどのように記憶されているのか、どのような影響を自分自身に与えていると思うのか、その辺りのことについてもお聞きするべきでしたが…、昨晩はちょっとした同窓会だったことあり、話に夢中になって忘れていました。ということで、写真についても撮り忘れていました。駅に近づいてからそのことに気がつきました。というわけで、このような写真しかありません。写真には、目付きの悪いお爺さんも一緒に写っていましたが、それはカットさてせいただきました(^^;;。

【追記】▪️本日、雨森さんが、10年前に撮った写真を送ってくれました。左から増田くん、饗庭くん、雨森さん、最後は五十嵐くん。五十嵐くんは、今、九州で暮らしています。元気にしているかな。卒業前に、この4名と私とで飲み会をした時に撮ったものです。この時は、京都駅のそばだったかな。写真を撮ったのは、私なのだと思います。
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修士課程の中間発表会

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▪️今日は、社会学研究科の修士論文中間発表会でした。社会学専攻、ジャーナリズム専攻、社会福祉学専攻にわかれて中間発表会を開催しました。私は、ジャーナリズム専攻の知り合いの院生さんの発表だけ聞いて、そのあとは社会学専攻の発表を聞かせていただきました。

▪️うちの大学院だけではないのですが、多くは中国からの留学生です。また、特定の分野の研究をしたいというよりも、修士号の学位を取得したいという感じの人が多く、まあ日本の学部生と似たような感じかなと思います。背景には、現代中国の現実があります。中国では、今や大学を卒業しても就職できません。大変な就職難なのです。若者にとって、大変生きづらい社会になっています。

▪️そのようなこともあってか、社会学専攻の院生の皆さんの中間報告は、現代中国社会の若者の生きづらさを背景にしたものが多いように感じました。今日、初めて知りましたが、現代の中国社会では「専業子供」という概念が登場しているのですね。それから「断親」。ここでは説明しませんが、ぜひネットの情報を検索してみてください。急激に圧縮した形で、つまり短期間で近代化したことが大きく影響しているのです。

▪️中間発表会の後は、キャンパス内にあるスターバックスのコーヒーで交流会を開催し、そのあとはキャンパスの近くにある四川料理店で開催しました。社会学部教務課の近藤 裕彦さんが中間発表会、交流会、懇親会の全ての準備を丁寧にしてくださいました。その結果、いずれもとても盛り上がりました。近藤さん、ありがとうございました。さすがKGボーイ。“Mastery for Service”ですね。

▪️写真は、中国の淡水魚を使った四川風の料理です。龍大の近くには、こういった「ガチ中華」(日本風になっていない、大陸の現地の中華料理)嬉しいです。まあ、確かに辛いのですが。美味しいです。

夏期休暇の課題・卒論までのスケジュール・来室

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▪️夏期休暇が近づいてきました。ということで、水曜4限の「社会学演習IA」では、夏休みの期間に卒業論文の執筆に資する書籍を2冊選んで、その書評を書いてもらうことになっています。丁寧にノートを取りながら精読して、要約を作成し、その要約をもとに書評を書いてもらいます。書評の書き方を説明した資料も配布してあります。今日は、選んだ2冊の書籍を、ひとりひとり発表してもらいました。すでに、具体的なテーマやフィールドまでだいたい決まっている人もいましたが、多くのみなさんは、まだぼやっとテーマが決まった段階でしょうか。私が指導しているゼミですので、私の研究関心に近いてテーマの人が多いわけですが、J-POPの歌詞分析や、K-POPのファン行動の分析をしたいという人まで様々です。

▪️また、卒論を提出して卒業するまでのスケジュールも確認しました。あくまで目安ですけども。期間は、2025年の4月から2027年の1月まで、各自の卒論に向けての研究と、ゼミでの発表や討論、それから各自の就職活動についても書き込めるようにして、それを表で一覧できるようにしたものです。全員で22名。きちんと「完走」してほしいです。私が卒論を指導する最後の学生になりますしね。

▪️夕方、研究室で仕事をしていると、農学部の 古本 強さんが研究室にやってこられました。古本さんは、農学部の開学準備をする段階、農学系学部設置委員会や農学部設置委員会の頃からお付き合いいただいています。素敵な先生です。ということで、記念撮影。古本さんは少林寺拳法部の部長さんをされています。コロナ禍で部員が激減した時からご自身も少林寺拳法を習い始め、部の再興にご努力されてきました。現在は2段なんですって。すごいですね。今日は、深草の体育館で練習がある日で、私の研究室は体育館に隣接しているものですから、ついでに立ち寄ってくださったのです。それから、それから。古本さんは、学生さんたちと一緒に「養蜂」の活動もされています(本業は、植物の光合成のメカニズムの研究だったと思いますが)。ということで、古本さんとは、大津の街中で、ハチミツを使ったサイエンスカフェのようなイベントを開催する予定です。秋になるかな。楽しみです。

社会共生実習「前期活動共有会」

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20250704coexistence1.jpg ▪️金曜日3限は「社会共生実習」。いつもはプロジェクトごとに分かれて活動をしています。私の場合は、「地域エンパワねっと・大津中央」になります。でも今日は、活動共有会ということで、すべてのプロジェクトの学生さんたちが「聞思館」4階のプロジェクトワークルームに集まりました。できるだけ、いつもの同じプロジェクトのメンバーではない学生さんとグループを作り、そこでワークに取り組んでもらいました。ということで、ほとんどが初対面同士だったわけですが、すぐに打ち解けて楽しくワークに取り組まれていました。

▪️グループワークでは、前期の活動を振り返ってもらいました。以下の4点に関して、それぞれ黄色、ピンク、緑、青のポストイットカードに書いてもらい、お互いに語り合いながら、マーカーで4つに区分した模造紙に貼り付けていきました。

①「所属するプロジェクトがどんな活動を主に行い、どこで、いつ、どんな方々と活動しているか」(黄色)
②「今までの活動のなかで、印書に残っていることや楽しかった経験」(ピンク)
③「活動を通して気付いたことや学びになったこと」(緑)
④「困ったり悩んだりしていること、協力して一緒にできたらいいなと思っていること」(青)

▪️こういうグループワークは、学生さんたちが「社会共生実習」という実習を履修していることに一体感を感じる機会になるだけでなく、他のプロジェクトの話を聞きながら、同時に、自分たちのプロジェクトのことを振り返る機会にもなります。そして「社会共生実習」という実習がカリキュラムの中にきちんと位置付けられていることの意味を、自分自身の学びや成長を通して実感することになります。
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3回生ゼミの「コンパ」

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▪️昨日は3回生ゼミの、「コンパ」の日でした。夕方から、キャンパス内のとある建物の3階で「0次会」を開催しました。資金提供をして、買い出しにいってもらいました。そして、深草キャンパスの近くにある居酒屋で、晩の8時から「1次会」」を行いました。ゼミは週1回です。3回生になると、通常の講義科目では、なかなか出会うことも少なくなります。ということで、今日はゼミの「団結」を高めるためにも良い機会になったと思います。今日は、ここまでの段取りをしていただいたゼミ生がおられます。「0次会」を盛り上げようと、トランプやカードゲームを持参してくれました。実際、めちゃくちゃ盛り上がりました。ありがとうございまし!! トランプでは、ババ抜きとか、ダウトとか懐かしいゲームができました。まあ、そんなこんなで、私のような昭和のおじ(い)さんも「ええな〜」と思える飲み会、いやいや「コンパ」になりました。また、こういう機会を設けて欲しいと思います。

▪️ところで、最近は「コンパ」という言葉は使いません。学生の皆さんは「飲み会」といっています。「コンパ」はいつ頃から「死語の世界」に行ってしまったのでしょうね。でも、「合コン」というのは生き残っているような気がします。「合同コンパ」や「新歓コンパ」はかろうじて生き残っているのでしょうかね。どうなんだろう。

今日の「月1クリニック」と「基礎ゼミナールA」

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▪️毎朝、血圧を下げる薬1錠、糖を体外に尿と共に排出する薬1錠、あわせて2錠飲んでいます。その薬が今朝で切れてしまいました。ということで、朝1限、1回生の「基礎ゼミナールA」の授業、留年している学生さんの卒論の個人指導の後、あわてていつもの月1回のクリニックへ。木曜日は13時まで診療して、午後は休診なのですが、ぎりぎり間に合いました。私の場合fbは公開日記、公開ライフログのようなものなので記録に残しておきますが、血液検査の結果、HbA1cは5.2、血糖値は95でした。毎月、血液検査をしています。血糖値は昼食前なだったので、こんなものですかね。今月も医師や看護師さん、それから薬局の薬剤師さんにも褒めてもらいました。ずっとこんな数値が続いているので、特に頑張っているという意識もなくなってきました。単に糖質の食べ物をできるだけ摂取しないだけです。そういう食生活に慣れて、これが普通になりました。食の嗜好も変わってきていますね。

▪️さて、「基礎ゼミナールA」に話を戻します。今、この授業で使っているテキストは、『アカデミック・スキルズ』と『「日本」ってどんな国?』です。前者は1回生全28クラス共通のテキスト。後者はゼミで選んだテキストです。後者のテキストは、国際比較のデータをもとに現在の日本の社会の状況を浮かび上がらせていく構成になっています。同僚が使っておられる様子をfacebookで知り実際に手に取ってみると、確かにゼミのグループワークに向いているなと思えて、同僚を見習って自分でも使ってみることにしたのです。前者は大学での学習のコツ(様々なスキル)が解説してあります。今日は、このテキストのうち、クリティカルリーディング(書かれた情報を鵜呑みにするのではなく、批判的に分析し、評価しながら読む)の解説を再度読んでもらい、特にそこに書かれている要約の仕方を参考にしながら、後者のテキストの第1章「家族」を要約してきてもらいました。今日は、その要約をもとにグループワークを行いました。

▪️「きちんと」要約をすると、書かれている内容がしっかり頭の中に入ってきます。そういう経験ができて良かったと思います。また、クラスの仲間がどのような要約をしているのか、manabaというクラウド型教育支援サービスを使いますから、簡単にお互いに確認できます。いろんな気づきもあったようです。そのような確認や気づきをもとに、4つの班に分かれてディスカッションをしてもらいました。ディスカッションでは、「なるほど!」と思う部分と、逆に「そう言い切れるのかな…」と疑問に思える部分の両方があるわけですが、記録係の学生さんがグループ内の意見を書き留めて報告してくれました。書き留めてくれた意見は、manabaの方にアップしてもらうことにしています。来週は、第2章の「ジェンダー」の要約をもとにディスカッションをしてもらいます。今は、要約だけですが、そのうちに書評にもしてもうつもりです。あわせて、プレゼンテーションの練習も行っていきたいと考えています。

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