祝!! 第50回「北船路野菜市」
■2011年より始まり、6つの学年の学生たちで、こここまで引き継いで継承してきた「北船路野菜市」、本日8月20日で、とうとう第50回を迎えることができました。4月と9月、そしてどうしても開催できなかった月を除き、毎月、頑張って開催してきました。指導している学生たちですが、ここまで頑張ってきた学生たちのこと、本当に立派だと思っています。また、学生たちと連携してくださった農家の皆さん、そしてご支援くださった農事組合法人「福谷の郷」の農家の皆さんには、そして、月1回とはいえ、学生たちか販売する農産物をお買い求めくださった中心市街地の皆様にも、心よりお礼を申し上げたいと思います。
■当初、私のゼミのゼミ活動としてスタートした「北船路米作り研究会」の活動ですが、今年の春から、公認サークル団体としての活動になりました。私のゼミでなくても、どの学部でも、どの学年の皆さんでも、龍谷大学の学生であれば参加することができます。まだ、きちんと部員を確保するためのリクルート活動ができていませんが。後期の秋からは、頑張ってくれると思っています。これまでのゼミ活動とは違い、活動を継承していく上では困難が伴うことと思いますが、研究会の活動の幅を広げていくためにも、ぜひとも頑張ってもらいたいと思います。
■皆様、今後とも学生たちの「北船路米づくり研究会」の活動をご支援いただければと思います。どうか、よろしくお願いいたします。
北船路米づくり研究会「2016龍大芋」
■4日(日)、「龍谷大学・北船路米づくり研究会」では、「龍大芋」(里芋)の種芋を植える作業を行いました。ただし、現在、研究会のメンバーは4回生だけということもあり、皆、就活で忙しく、作業に来ることができたのは黒木くんと教員の私だけでした。研究会、ピンチです!サークル化していくために、新メンバーのリクルートをしなくてはいけません(皆さん、現在、研究会会員を募集中です。よろしくお願いいたします)。それはともかく、当日の作業は、トラクターと鍬を使って、種芋を植え付ける畝作りから始まりました。
■作業は午後も続きました。研究会が里芋を栽培するのは、写真の畑の1/4程度、向かって右から2筋の畝になります。残りは、京都の町家レストランや、他の団体が里芋を栽培されます。指導農家は、私たち大学関係者だけでなく、多角的に街との連携を進めておられます。ちなみに、里芋畑の(棚田の)上では、龍大米コシヒカリが比良山系・蓬莱山の山水でしっかり育っていますよ。
■北船路の棚田は獣害柵に囲まれており、その中でも「龍大米」を生産している水田は、北船路の棚田の一番てっぺんになります。入口には、「農学連携ほ場 龍谷大学脇田ゼミ 北船路米づくり研究会」と書いた看板が取り付けられています。「北船路米づくり研究会」は、この4月からゼミの活動から地域連携型の学術サークルに運営を変えたので、この看板から「脇田ゼミ」をカットしなくてはいけません。まあ、そのうちに。入り口横にある、通称「脇田案山子」はいよいよボロボロになってきました。これも、なんとかしなければいけませんね。
■私たちが作業をした畑の手前には、これから北船路の特産品にしようと村の農事組合法人が頑張っている海老芋の種芋が育てられていました。15時頃に里芋の作業が、指導農家のご指導のもと終了しました。黒木くん、ご苦労様でした。黒いマルチシートを被せてある畝で龍大芋が成長していきます。今年は、約90個の種芋を植えました。
■龍大米の収穫は、11月頃になります。いつもは、もっと棚田の下の方で生産してきましたが、今年は、棚田の上から2段目の水田を畑にして生産します。比良山系・蓬莱山が蓄えた山水がふんだんに使って栽培していくことになっています。秋には、粘りのある美味しい里芋が出来上がることを願って、これから世話をしてくことにします。
■右の写真は、里芋の種芋です。こんな小さな種芋が親芋として大きく成長し、その周囲にはたくさんの子どもの里芋が土の中で育ちます。楽しみですね〜。もちろん、大きくなった親の方はヤツガシラと呼ばれますが、これもかなり美味しいです。これまた楽しみだな〜。
「大津百町百福物語」の認定商品
■先週の水曜日、中心市街地にある中央市民センターで「大津エンパワねっとを進める会・中央」が開催されました。その際、最後の雑談だったと思いますが、「株式会社まちづくり大津」の元田さんが、「せんせーとこの、北船路のお酒、『大津百町百福物語』に選ばせてもらいましたよ」と言ってくださいました。よくわかっていませんでしたが、昨日の「北船路野菜市」で、大津百町館の野口さんから、写真のパンフレットをいただくことで、やっときちんと理解できました。私たちの「北船路米づくり研究会」が、酒米の生産者(農事組合法人「福谷の郷」)と酒造会社(平井商店)をつないでプロデュースした清酒・純米吟醸「北船路」が、「大津百町百福物語」(大津商工会議所内大津物産振興支援事業委員会)の認定商品に選ばれたのでした。
■トップの写真は、パンフレットを広げたものを撮ったものです。上段の一番右、ご覧いただけるでしょうか。ここには、以下のように紹介してあります。プロデュース「龍谷大学北船路米づくり研究会」の後に、「大津の力でできたお酒です」とあります。とっても嬉しいです!!
蓬莱山の麓、北船路の棚田で作られた酒造好適米を、大津で350年の歴史のある酒屋が手造りしたお酒です。棚田が見える琵琶湖の眺望を思い浮かべながらご賞味ください。
■昨日、平井商店さんにご挨拶に伺いました。平井商店さんは、「浅茅生」(あさじお)という銘柄で知られる酒蔵ですが、それにもかかわらず、私たちがプロデュースした「北船路」を大津百町百福物語認定商品にと推薦してくださり、大津物産振興支援事業委員会で認定されたのでした。心より御礼申し上げます。
第47回「北船路野菜市」
■昨日28日(土)、第47回「北船路野菜市」を、いつものように大津市の丸屋町商店街にある「大津百町館」前で開催しました。先月、4月は野菜生産の端境期で野菜市はお休みでした。今月5月から再開です。まだ、野菜の種類や量は少なく、野菜市が賑やかになってくるのは来月以降になります。それでも、美味しくて新鮮なほうれん草、大根、スナップエンドウ、キヌサヤ等、販売しました。お買い求めくださった皆様、ありがとうごいました。
■「北船路米づくり研究会『2016田植作業』」にも書きましたように、今年度のゼミの募集はありません。3年生のゼミ生はいません。4年生だけで頑張っています。ゼミ活動から地域連携型のサークル活動になります。というとで、他のメンバーが増えるまでは、4年生で活動していきます。早く、リクルート活動をしなくてはいけません。
■一昨日は、ゼミの北野くんが、野菜を出荷してくださる北船路の協力農家の皆さんと、出荷の調整をしてくれました。そして、昨日の朝は、伊香くんが集荷してくれました。野菜市には、伊香くん、黒木くん、藤井くん、長谷川さん、副代表の左川さんが、午後からは代表の水戸くんがやってきました。みんな就職活動中ですが、頑張っています。水戸くんは、午前中、就職活動の面接でした。
■ところで、「野菜市」に立ち寄って学生に話しかけてこられた方(高齢の女性)がおられました。これから出かけるので野菜は買わないとのことでしたが、その女性が重そうに荷物を下げておられたのをみて、藤井くんが、荷物をかわりに持ち、一緒に「浜大津駅」まで歩いて行きました!もちろん、その方から感謝されたのは言うまでもありません。別に私が何か言ったわけではなく、ごく自然に「荷物駅まで持って行きますよ」と言い出したのです。とっても素敵です。「エエ感じやな〜」と思ったものですから、このことをfacebookにアップしました。すると、本日、藤井くんが高校時代にお世話になった先生がその投稿をご覧になり、わざわざ私にメッセージをくださいました。その先生も感動されようです。とても喜んでおられました。ますます「エエ感じやな〜」という感じなのです。
「みつばち保育園」の遠足
北船路米づくり研究会「2016田植作業」
■「北船路米づくり研究会」の活動は、今年度で7年目になります。先日、5月21日には、7回目の田植を行いました。
■指導教員である私が、来年度、大学の研究員制度のもとで1年間研究に専念する長期研究員になります。研究員になると、授業や様々な学内行政の仕事が免除になります(してはいけない)。それに伴い、今年度はゼミ生の募集をしていません。ゼミは3回生・4回生と2年間にわたって指導するわけですが、来年度はゼミを担当できないためです。再び、ゼミを担当するのは、2018年度からになります。そのようなわけで、毎年、田植え作業の主力は3回生になるわけですが、今回は3回生がいないことから、就職活動や卒論等で忙しい4回生が頑張ってくれました。水戸くん、黒木くん、藤井くん、お疲れ様でした。
■上記のような状況を迎えるタイミングであり、また、研究会の活動にもっと幅を持たせたい、もっと多様な能力をもった学生に参加してほしい…そのような思いから、今年度からは、これまでのゼミ活動から、地域連携型のサークル活動へと運営の方法を変えていくことになりました。したがいまして、龍大生であればどの学年、どの学部の学生でも参加できます。
■今年は、田植の作業をできる人数が少ないので、ほとんど田植え機のお世話になりました。指導農家の吹野さんが田植え機を操作してくださいました。4回生と私は、田植え機が苗を植えられなかったところを捕植しました。ご覧の通り、北船路の棚田の一番てっぺんの田んぼ。比良山系蓬莱山の綺麗で冷たい山水が一番最初に入る田んぼです。厳しい環境で育つので、小粒ですが味の濃い米ができます!今年もすくすく育って欲しい、棚田の「龍大米」!!
■この日は、私たち「研究会」のメンバー以外に、NPO法人「スモールファーマーズ」で研修をしている皆さんも来られていました。北船路の農事組合法人「福谷の郷」と「スモールファーマーズ」とでは連携しており、「スモールファーマーズ」で研修に励む社会人の皆さんを受け入れておられます。今回は、純米吟醸酒「北船路」の原料となる酒米の水田で、補植作業をされました。純米吟醸酒「北船路」は、私たち研究会がプロデュースして生まれた日本酒です。「スモールファーマーズ」の皆さんにも、ぜひこの日本酒を楽しんでいただきたいものです。
地酒プロジェクト・ポスター
■今週の18日(金)に瀬田キャンバスにある学部の卒業式・学位授与式が挙行されます。そのあとは、各学部ごとに、学部同窓会への入会歓迎パーティーが開催されます。社会学部のパーティー、毎年、瀬田にある「ロイヤル・オークホテル」を会場に開催されます。卒業生は同窓会の新入会員として歓迎されるわけですね。そのパーティー会場で、今年も、ゼミで活動している「北船路米づくり研究会」でプロデュースした「純米吟醸酒 北船路」と「純米吟醸無ろ過生原酒」を振舞われます。同窓会が、お買い求めくださいました。10升=1斗のお酒を卒業生の皆さんにはお飲みいただけます。ということで、会場に掲示するポスターを研究会の3年生が作成しました(昨年のものに修正を加えたものです)。ポスターについて説明します。背景は、北船路からみえる琵琶湖です。棚田からの風景ではありませんが。後ろ向きに立っているのは、ゼミ生のTさん。金曜日に卒業されます。彼女の就職先は、農業関係になります。
「北船路米づくり研究会」のこと
■facebookに、「北船路米づくり研究会」の活動に関して、以下の【重要なお知らせ】をいたしました。
【龍谷大学・北船路米づくり研究会】第45回北船路野菜市が、2月27日、大津市の丸屋町商店街で10時から開催されます。今回は、ネギ、大根、レタス、水菜、ブロッコリー、キャベツ、里芋 、それから餅等が出品されます。
4月と9月を除く月1回の開催ですが、とうとう45回目になりました。「米研」2期生から始まったこの野菜市も、現在は6期生が中心となって頑張っています。今年の夏は、いよいよ節目の第50回になります。今年の春からは、少し運営の仕方を変えていき、活動に幅を持たせるため、 6期生の学生たちや農家と色々模索していきたいと考えています。
運営の仕方。これまでゼミの活動として行ってきたものを、ゼミ以外の学生も参加できるようにしていきます。「地域連携型学生学術団体」を目指します。社会学部の1・2回生はもちろんのこと、他のゼミの皆さん、そして理工学部や農学部の学生の皆さんにも参加していただけるようにしていきます。それぞれの学部学生の「多様な持ち味」を活かした活動が展開できればと思っています。
北船路のある旧志賀町には、和邇に「道の駅」が誕生しました。毎月というわけにはいきませんが、この「道の駅」とも連携して事業展開できればと思っています。また、北船路のコミュニティや農事組合法人「福谷の郷」の農家の皆さんともさらに連携を深めていければと思います。それぞれ、関係者の皆さんと相談を始めさせていただいているところです。これまでの活動を評価していただいているのでしょうか、皆さんとても積極的にお考えいただいています。地域との連携を深めることで、「活動に幅」をもっと持たせていこうと思います。
大切なことは、「多様な持ち味」と「活動に幅」です。
詳細については、またお知らせすることになろうかと思います。よろしくお願いいたします。農学部や理工学部の学生や教員の皆さんにも、新しいアイデアを出していただき、一緒に活動していただけるととっても嬉しいです。
私は、瀬田キャンパスがもっともっと地域と連携していければ、それがこのキャンパスの特色になればと常に思ってきました。その夢に向かって、少しずつ歩んでいきます。
■「北船路米づくり研究会」は、2009年に、現在、研究会顧問をしていただいている吹野藤代次さんの相談から始まりました。「学生と一緒に、自分が農業をしている北船路で、むらづくりの活動をしたいのです」というのが、ご相談の内容でした。あまり深く考えず、直感的に、「わかりました、やりましょう」とお返事をしたように思います。そして、2010年から活動が始まりました。最初は、米づくりや野菜づくりの真似事のような活動でしか有りませんでしたが、次第に、活動の焦点が定まってきました。あの頃は、こんなふうに活動が成長していくとは、夢にも思っていませんでした。いろんな皆さんから「ご縁」をいただく中で、ここまで歩んでくることができました。
■写真は、2010年の5月かと思います。当時、私のゼミに所属していた田中茉実さん(ゼミ長)と吹野さんのところを訪問した時のものです。現在、私たちが「限界田」と呼んでいる、棚田の一番てっぺんの田んぼに立って記念撮影した時のものです。田中さんは、現在、京都市役所に勤務されています。田中さんにはしばらくお会いしていませんが、田中さんたちが始めた小さな活動が、いろいろ展開して現在の活動にいたっていることを、どのように感じておられるでしょうね。聞いてみたいな。
「北船路米づくり研究会」のミーティングin北船路
■昨日は、「北船路米づくり研究会」のミーティングが、大津市八屋戸北船路にある指導農家のお宅で開催されました。これからの「米研」の作戦会議です。私は、2017年度は研究員になります。授業や学内行政の仕事が免除され研究に専念する年になります。そのため、2016年度はゼミ生の募集がありません。これまで「北船路米づくり研究会」の活動は、ゼミの学生たちが行ってきましたが、このままでは6年間続いてきた研究会の活動がストップしてしまうことになります。これまで連携しきた地域の皆さんにもご迷惑をおかけすることになります。では、どうするのか…というのが、昨日のミーティングの議題でした。結論からいえば、2016年度からは、ゼミの活動ではなく、サークルの活動として実施していくことにしました。ゼミや学年や学部を超えた「地域連携型学術サークル」を目指すことになりました。詳しいことは、またこのブログでご報告することになろうかと思います。ということで、昨日は、記念すべきミーティングになりました。上は、その記念写真です。この日で4回生は引退になります。よく頑張りました!今回引退するのは、「米研」5期生です。4月からは6期生の新4年生が研究会を引っ張ってきます。課題が満載ですが、頑張って取り組んでまいりましょう!
■ミーティングのあとは、NPO法人「スモールファーマーズ」の岩崎吉隆さんにお越しいただき、非常に興味深いお話しを伺うことができました。昨日のお話しのメモをとりましたので、そのメモをもとにした記録を、このエントリーの最後にアップしておきます。
■NPO法人スモールファーマーズ岩崎吉隆さんのお話しを伺った後は、岩崎さん、指導農家の吹野藤代次さん、お世話になっている農事組合法人「北船路 福谷の郷」の音嶋組合長もご参加いただき、交流会を持ちました。お料理は、農村活性化に取り組んでいる「北比良グループ」の 山川君江さんとお仲間が、心を込めて作ってくださった「特性弁当」です。土地の食材をふんだんに使ったお弁当です。非常に美味しかったです。吹野さんの奥様が作ってくださった、北船路の海老芋を使った煮物も最高でした。もちろん、研究会がプロデュースした平井商店さんの「純米吟醸 無ろ過 生原酒 北船路」も、皆さんとしっかり味わいました。交流会の最後には、4回生から、お世話になった指導農家・吹野さんに、感謝の気持ちを込めた色紙が手渡されました。吹野さん、とても感動されていました。 「北船路米づくり研究会」の活動は、いろんな方達との「ご縁」でなりたっていることを、学生たちも改めて再確認したと思います。
【岩崎吉隆さんのお話し】
■岩崎さんは、同志社大学商学部を卒業されたあと、大変ユニークな経営者であり評論家でもあるビル・トッテンさんが経営されるIT企業「アシスト」に入社されました。ビル・トッテンさんの経営理念に共鳴し、おもしろい会社だと思って入社されたのです。この会社には7年お勤めになりました。サラリーマンとして東京にも勤務され、毎日、満員電車に揺られて会社に行き、晩遅く帰るように暮らしをされていました。ところが、このような働き方に岩崎さんは少しずつ疑問をもつようになりました。「このままではあかん」と思うようになったのです。
■岩崎さんは、社長のビル・トッテンさんにも相談をして独立されます。そして、「マイテニス」というインターネットテニススクールの事業を始めました。岩崎さん自身、テニスプレーヤーでもあるのです。このインターネットスクールは、全国に爆発的に広がることになりました。独立された頃は、「お金があったらいいな」と思っておられたといいます。実際、事業に成功してお金を手にされました。当時はITバブルの時代でした。若き経営者が、ITベンチャー企業で一発当てて成功し、六本木ヒルズに暮らすことが話題になるような時代でした。2003年から2004年にかけての頃のことです。
■「お金があったらいいな」と思い、事業に成功されたわけですが、ある時からおかしくなっていったといいます。いくら稼いでも幸せを実感できなくなったのです。幸せではなく、ただ虚しさを感じるだけになってしまったのです。「お金が儲かれば儲かるほど忙しくなり、時間がなくなり、自分を見失ってしまう。もっと自由な時間がほしい」そう思うようになったのです。そして28歳の時にリタイアされました。しかし、リタイアして自分のために自由に使える時間が十分にあっても、やはり楽しくはなかっといいます。その頃、岩崎さんは、町田洋次さんの著書に出会います。町田洋次さんは、日本で最初にソーシャル・ビジネスを紹介した人です。岩崎さんは、この町田さんの著書で初めてソーシャル・ビジネスのことを知りました。「ビジネスの手法を使って社会貢献を行う。人の役に立つ。これや!! 人のために役立つこと、これが自分のやりたいことや!!」と思われたのです。
■ソーシャル・ビジネスに取り組もうと考え方られたときに、たまたま出会あわれたのが農業でした。その時「農業はすごい」と思われたそうです。なぜか。農業に特有の「待つ」という感覚に驚かれたのです。それまでかかわってこられたITやインターネットの世界には、「待つ」という感覚はありませんでした。むしろ、できるだけ短時間に情報を入手し、成果をあげることが求められました。しかし、農業は違うのです。種を蒔いて、成長し、最後に実りを収穫するのを待つ。岩崎さんは、改めて、農業という営みに感動されました。「農業の方が本来の自然なのだ、これこそが本来の姿なのだ」と思われたのです。そして、農業とソーシャル・ビジネスを結び付ける事業に取り組むことにされました。最初は、「マイファーム」という会社を立ち上げられました。そして、耕作放棄地を貸農園として有効利用するための事業に取り組まれました。人と農をつなぐ仕事です。5年間で全国的な規模に成長していきました。農業にかかわるソーシャル・ビジネスに取り組まれるうちに、岩崎さんは、次のことに気が付かれました。「良いことをしていると、人が集まってくる」。そうやって人とかかわりながら、「仕事の意味」や「生きることの意味」とは何であるのかを深く理解し、そして「これが、自分が求めていたものなのだ」と実感されるようになったのです。
■人びとを農業とつなげていく仕事のなかで、岩崎さんはある発見をされます。農業体験から初めた人びとは、「人間が変えられない自然の法則」に気がつくようになるのです。現代社会は、「自分の思い通りにしたい」という人びとを煽り、肥大する欲望を資源に動いています。自己中心の世界観や価値観が、知らないうちに骨の髄まで染み込んでくるのです。そのような世界観や価値観を、農業は相対化していきます。岩崎さんは、農業は「生き方の教材」でもあるというのです。そして、新しくNPO法人「スモール・ファーマーズ」を立ち上げます。このNPO法人は、社会人向けの週末の農業学校です。もし農業に本気になって取り組もうとしても、これまでは農業大学校に入学するか、農家に弟子入りするしか方法がありませんでした。農業に関心があっても、多くの人びとにとってハードルが高すぎるのです。岩崎さんは、そこに着目されました。
■2011年の東日本大震災以降、食の安心・安全ということから、自分で食べるものを自分でつくりたいという人びとが増えてきている、特に女性で増えてきていることを岩崎さん実感されています。また、「自分はどういう生き方をしたいのか」、「今のままではだめだ。何かが違う」と、自分の暮らし方に疑問をもつ人も増えているといいます。「スモール・ファーマーズ」では、入学すると40種類ほどの野菜の作り方を学びます。ただし、それらの人びとのうち、将来、職業として農業に取り組みたいと考えている人は2~3割程度にしかすぎません。残りの7~8割の人たち、つまりメインの人たちは、「農」とつながったライフスタイルを模索されている方たちです。自分の生き方を変えたい、いろいろ縛りがあって動けないけれど、そのなかでも自分のライフスタイルを変えていきたいと思っている方たちなのです。
■農業は孤独な作業です。しかし、横の人のつながりが大切だと岩崎さんはいいます。ここ3年間で、「スモール・ファーマーズ」の卒業生・在校生の人数は250~260人に増えていきました。そして、農業を通して「生き方」を模索する人たちが、横につながろうとしているのです。そのさいのキーワードは、「スモール」、「スロー」、「シンプル」です。岩崎さんは、農業と出会うまではこの逆の生き方をしていたといいます。とにかく、事業においては急成長を目指してこられました。しかし、「スモール・ファーマーズ」の活動のなかで、「ゆっくり」、「じっくり」がこれからの時代の生き方の価値観なのだということを確信されています。現代社会では、企業の経営も多角化しています。兼務する仕事が増えていきます。管理する人が増え、その管理する人が増え、その人ををさらに管理する人も増え…と複雑化しているのです。それに対して「スモール・ファーマーズ」では、いかにシンプルにするかを目指しています。世界の食料生産の70%は、小規模農家によって支えられています。つまり、世界を支えているのは、まさに「スモール・ファーマーズ」なのです。これまでの補助金依存の農業ではなく、自立したスモール・ファーマーズが横につながっていく必要があるし、そうなると強い農業が生まれる。岩崎さんは、そのことを確信されています。
「純米吟醸無ろ過生原酒北船路」
■昨日は、介護老人保健施設に入所している老母を見舞いに行き、洗濯物を交換する日でしたが、午前中、奈良の自宅から大津の「平井商店」さんに出かけてきました。ゼミでプロデュースさせていただいた「純米吟醸無ろ過生原酒北船路」を購入するためです。
■私は岐阜県中津川市で地域づくりのお手伝いをさせていただいており、昨年は、市内の付知に通わせていただきました。その際、地元の方から、地元の酒蔵で醸した日本酒をいただきましたので、今回は、ゼミでプロデュースした「純米吟醸無ろ過生原酒北船路」の一升瓶を送らせていただきました。どうぞ、地元の「無尽」(楽しみの集まり)で大津の酒を楽しんでください。
■一升瓶意外にも、四合瓶を3本購入させていただきました。2本は御礼に差し上げ、残りの1本は、自宅でチビリチビリといただく予定です。医者に節酒するように言われているので、グビグビとはいただくことができません。午後からの老母の見舞いを終えて、帰宅後、自宅で楽しみました。最近は、自宅で酒を飲むことがほとんどありません。そのため、食事だけだとさっさと済ませてしまうのだそうです。そうです…というのは、自分では自覚がないのですが、そのような指摘を家族からされて初めて気がついからです。晩酌をすると気持ちも良くなり、いろいろ話しもし始めるので、食事の時間が長くなるようです。困ったものですね。もちろん、量はあくまで少ないです。チビリチビリと100cc程度。ちゃんと節酒をしています。
■ところで、もうじきこの「純米吟醸無ろ過生原酒北船路」の予約受付を始めます。龍谷大学の関係者と、北船路の近辺の地域の皆さんが対象です。他の一般の皆様も、大津市丸屋町商店街にある「平井商店」で、直接お買い求めいただけます。住所: 〒520-0043 滋賀県大津市中央1丁目2-33、電話:077-522-1277 です。地方発送もしてくださると思います。