卒業生からの報告
■ゼミ卒業生から、「苦節◯年で、教員採用試験に合格した」という嬉しい報告がありました(◯のなかの数字はご本人のために内緒です、苦労しました、頑張りました)。中学社会の教員として採用されることになりました。来年の3月にならないと、どの中学に赴任するのかはわからないようです。以前、ご本人から聞いているのですが、高校野球時だった彼としては、野球部の顧問となって中学生の野球の指導を行いたいという希望をもっています。うまくいくといいですね。
■彼は、滋賀県の彦根の人です。彼のように、地元に残り、家を継ぎ、先生・公務員・農協職員…をするというのは、私たちの年代ではよくある「長男のパターン」でしたが、現在の若い世代ではどうなんでしょうか。昨今の「若者の地元志向」との関連からも気になるところです。話しはかわりますが、この卒業生からの連絡を受ける前、朝1限は「地域社会論Ⅱ」の授業でした。そのなかで、朝日新聞に掲載されいた千葉大学の広井良典さんの記事を紹介しました。以下が、その記事です。
人口減少は、ひたすら「拡大・成長」を目指してきた日本の社会を変えるチャンス。教育を変えるチャンスでもある。
教育は、社会の「中央集権・上昇」志向を反映すると同時に、それを強化してきた。東京に進学し、そのまま就職することを良しとする「村を捨てる教育」。経済成長のために効率的だったからだ。
でも、もう「東京に行けば何とかなる」時代ではない。例えば失業率。東京は全国平均より高いくらいなのが実情だ。
成長の時代は、すべての地域が「進んでいる―遅れている」という一元的な物差しの中に位置づけられる。だが、人口減少時代においては、その物差しから人々が解放され、地域ごとの文化的な多様性に人々の関心が向かうようになる。教育も地域に根ざしたローカル化や分権化が重要で、これからは地域で活躍する「ローカル人材」の育成に力を注ぐべきだろう。
若い人の中にはローカル志向が芽生えつつある。私のところの学生もそう。ただ、実際に地方に移り住むにはまだハードルが高い。関心はあるけれど踏み出せない人を後押しするには、地方での雇用と生活に対する支援が必要だ。総務省の「地域おこし協力隊」のような仕組みを、もっと進めた方がいい。
人口減少社会では、教育など「人生前半の社会保障」が重要性を増す。もっとお金をかけていい。財源は、若い世代に余分な借金を背負わせない方法を考えるべきで、年金額が高い人への課税強化も一案だ。
■広井さんは、「進んでいる-遅れている」という一元的尺度(価値判断の物差し)を脱却し、それぞれの地域ごとの固有の「幸せの物差し」をみつけ、「ローカル人材」を育成していくべきだというのです。こういう議論は常に繰り返し登場します。高度経済成長期の乱開発や公害の問題が噴出したあとは、従来の「近代化論」に対して「地域主義」や「内発的発展論」等の議論が対抗的に登場しました。あの時代、まだ人口は増加していました。高齢化率もまだ低かったわけです。右肩上がりの成長神話に対して疑問はなげかけられても、まだ様々な社会制度の基本は「成長社会」を目指すものであり、「成熟社会」の段階のものではありませんでした。しかし、今回ばかりは「人口減少社会」のなかで、本気になって広井さんのいうところの「ローカル人材」を育成していく必要があります。私自身も、そのような思いから、地域連携のなかで学生の教育を行っています。
■話しを卒業生に戻します。彼が、どういう気持ちで教員になりたかったのか。何年も講師をしながら教育を目指すからには、なにか核になる「本気」が彼の心のなかに潜んでいたはずです。単なる、安定志向ではない、「本気」の部分が。昼食タイムになり、私のiPhone5の「LINE」が鳴り続けています。同級生のお祝いのメッセージ&スタンプが次々と送られてきているからです。苦労して教員採用試験に合格した仲間を同級生が祝っている様子をみて、私もとても嬉しい気持ちになります。彼の同期の連中と集まって同窓会もかねたお祝いの会ができたらと思っています。そのとき、彼の「本気」について聞いてみたいと思います。
【追記】■この学年が3年生のときのコンパの写真を(今の学生は飲み会といいますが…)、ハードディスクのなかから引っぱりだしてきました。トップに掲載します。この学年の人たちの多くとは、LINEやfacebookでもつながっています。便利な世の中になりました。
LINEで報告
■現在、関空の搭乗待合室でフィンランド航空の便をまっています。台風の影響でしょうか。予定よりも2時間遅い出発になります。はたして、今日中(11日中)にノルウェーのおオスロまで到着できるのか…いささか不安ですね〜。旅慣れていないと、こういうときに困ってしまいますね。
■ところで、昨晩、一昨年に卒業したゼミ生の女子4人組からLINEで連絡が入りました。仲間が集まったとき、こうやって私に報告してくれるのです。ありがたいですね〜。せんせーという人たちは、こういう報告をもらうと嬉しくなりますよね。あとで教えてもらったことですが、11日に保津川でラフティングを計画していたらしいのですが、台風で中止になり。こうやって自宅で女子パーティを開いている…ということのようです。ピザは買ったものなのかもしれませんが、あとはお手製でしょうか。
卒業生
■昨日の午後、研究室で事務仕事をしていました。用事があって、「大津エンパワねっと」のオフィスや社会学部教務課に行こうと研究室を出たところ、3階の踊り場におかれたベンチに女子学生が2人座っていました。ちらりと見たとき、動物的といいますか、反射的に「あれっ!!」と思ったのでした。もう一度、きちんと2人の方を見ると、女子学生の方から「せんせー、私たちのこと覚えています?」と声をかけてくれました。もちろん覚えていました。女子学生のように見えましたが、2010年の春に卒業した私のゼミの学生でした。つまり、OGです!! OGの2人は、連れ立って母校を訪ね、私のところにもやってきてくれたのです。
■なぜ研究室にやってこなかったのかと聞くと、「仕事でお忙しいだろうからと思いまして…。この廊下にあるベンチに座っていたら、きっとせんせーが通りかかるに違いないと思って」とのことでした。「そんな〜、水臭いな〜、ノックして研究室に入ってきてよ」と言いましたが、いかにもこの2人らしいなあとも思いました。学生時代は、独特の雰囲気と世界をもった2人でした。いっけん大人しく物静かですし、ゼミのなかでは地味な方でしたが、自分の関心のあることについて語り始めると、とても熱く夢中になって語ってくれるのでした。
■2人とも、仕事は順調なようです。やりがいをもって取り組んでいるようです。1人はご結婚されています。もう1人も、もうじき結婚されるとのことでした。いいですね〜!「晩婚化」とよくいわれますが、この2人のいた学年は、結婚した人が多いように思います(ちなみに地方公務員の人数も多い。17人中、4人が地方公務員です)。それはともかく、会話をしてすぐにわかったことは、2人ともずいぶん大人になったな〜ということでした。社会に出て成長しているのですね〜。大学にいるときはどうだったんだろう…成長できたのかな…と少し不安にもなりますが、この2人、私の指導のもとで、しっかり卒業論文に取り組みました。相当、卒論に力を注いだと思います。この2人のように卒業後も遊びに来てくれる人たちは、大概、卒業論文に力を注ぎ、本気で頑張った人たちです。
【追記】■年ですので、卒業生の名前をど忘れしてしまうことも多いのですが、ご本人の顔を見たら、どんな卒業論文を書いたかは言えると思います。この点については記憶していますから。
お礼状
■本日、火曜日の1限は、1年生対象の「社会学入門演習」です。先日の土・日に、学生をつれて近江八幡市の白王町や北之庄町で現地実習を行いました。西の湖という内湖のそばの集落です。ということで、現地実習でお世話になった皆さんにお礼状を書いてもらいました。形式的なお礼状ではなくて、現地実習から何を学んだのか、具体的に心に強く感じたことは何なのか…その点を意識しながら、お礼状を書いてもらいました。
■写真右。1年生の学生諸君が必死になってお礼状を執筆しているなか、LA(ラーニングアシスタント)の4年生Mさんは、学生たちが現地実習で撮ったデジタルカメラのデータや、ICレコーダーの音声データを整理してくれています。
「社会学入門演習」現地実習・近江八幡市白王町・北之庄町(6月7・8日)
■6月7・8日、「社会学入門演習」の現地実習が開催されました。取り急ぎ、facebookにアップしたアルバムをご覧いただければと思います。
2014「社会学入門演習」現地実習/近江八幡市白王町・北之庄町(1)
2014「社会学入門演習」現地実習/近江八幡市白王町・北之庄町(2)
社会学入門演習「現地実習」
■6月7日(土)・8日(日)の両日、1年生の「社会学入門演習」の「現地実習」で近江八幡市にいきます。現地では、NPO法人「百菜劇場」の廣部里美さんにコーデイネーターをお願いして、白王町と北之庄町で体験学習を行います。この2つの集落は、上記の地図をご覧いただければわかりますが、西の湖(干拓されずに残った)のそばにあります。
■白王町では、地元の農家の皆さんから「現在の集落の活性化に関する取り組み」や「以前の暮らしと内湖とのつながり」等についてお話しを伺います。そのあと、西の湖にうかぶ島「権座」に田舟で移動します。ここでは、活性化の取り組みとして酒米を生産されています。この酒米を原料に、東近江市の酒蔵(喜多酒造)が「権座」という日本酒を製造されています。また、市民参加のイベント等も行われています。学生たちは、この権座で地元の農家から説明を受けたあと、「竹チップづくり」と「雑木林の刈り取りとチップ化」に取り組みます。そして、体験を通して感じたこと、不思議に思ったこと、農家の方たちと語り合うことになっています。若者の視点から権座の活動に対するアイデアを提案できればと思います。そして、晩は、地元野菜や猪肉を使ったバーベキュー交流会が開催されます。豪華ですね〜。
■2日目は、北之庄町にいき、「北之庄沢を守る会」の皆さんと一緒に田舟に乗って北之庄沢の清掃活動を体験します。そのあと北之庄町自治会館へ移動し、地元の皆さんから「北之庄沢を守る会の取り組み」と「伝統野菜・北之庄菜について」についてお話しを伺います。また、「百菜劇場」の廣部さんから「NPO法人百菜劇場の活動について」説明をしていただきます。そのあとは、2グループにわかれて八幡山から水郷を眺めたり、百菜劇場の見学を行います。昼食は、地元のお母さんたちの手作りのお昼ご飯をいただき、歴史的建造物群保存地区のある市街地に移動し、5つの班に分かれて散策をします。
■廣部さんのおかけで、充実した2日間のプログラムになりました。楽しみにしています。
社会学入門演習2014
■担当している1年生の「社会学入門演習」の様子です。6月7日・8日「現地実習」として、近江八幡市の西の湖のそば(水郷地帯)にある2つの農村を訪問し、村づくりの活動やかつての水郷地帯の暮らし等について、いろいろ勉強させていただく予定になっています。
■私が担当するクラスは、男子が9名、女子が10名です。写真は、5つのグループに分かれて、現地実習の地域に関して事前学習をしているところです。楽しそうにやっていますね〜。けっこうなことです。それから、もうひとつ。私をサポートしてくれる優秀なTA(ティーチング・アシスタント)のMさんも頑張っています。ちなみに、一番下の段の右側の写真がMさんです。学部の4年生です。期待していますよ〜。
【ゼミ連絡】4年ゼミ・前期の報告の順番
■4年生ゼミの皆さん。連絡です。今日は、前期最初のゼミでした。体調不良や就職活動で欠席する人がいました。欠席の連絡は、もっと早めにきちんとメールで行うようにしてください。欠席の理由もきちんと書くこと。しっかりスケジュール管理、自己管理してくださいね。就職活動であっても、無断欠席はだめです。よろしくお願いいたします。
■前期のゼミでの研究報告の順番が決まりました。トップの画像をご覧ください。1回につき、2名報告してもらいます。まだ、調査のフィールドがはっきりせず、卒論のテーマさえもぼやっとしている人が多いわけですが、面談のなかで絞り込んでいきましょう。急いぎましょう。
■就職活動、卒論の調査・研究、忙しいわけですが、「北船路米づくり研究会」のことについても3年生をきちんと指導していってください。
ゼミ8期生と同窓会
■昨日、1月4日(土)。通常であれば、正月休みの内でしょうが、私は昨日が仕事始めでした。というのも、赤ペンの添削で真っ赤になった卒論の原稿を、4年生に返却することになっていたからです。「なかなか、エエ感じの水準までいっているやん…」という卒論から、「おいおい、あれ程言ったのに、どうして卒論の執筆要項を守れないかね…」というものまで・・・実に出来上がりは様々ですが、とりあえず各自に手渡し、赤ペンをいたれ箇所について、ひとつずつ説明をして修正をお願いしました。残された時間は大変短いわけですが、全力で最後の仕上げをしてほしいと思います。
■卒論指導の後は、京都駅前の居酒屋で、昨年の3月に卒業したばかりのゼミOB・OGの皆さんと同窓会を持ちました。あいにく、すでに予定が入っていたり、体調不良等により参加者は、私も含めて7名てしたが、大いに盛り上がりました。とても楽しかったです。Faecebookに投稿したところ、参加できなかった方たちからもコメントをもらうことができました。ありがとうございました。
■幹事のSさん、いろいろ手配をいただきありがとうございました。引き続き、このような同窓会を持てればと思います。どうか、よろしくお願いいたします。
【追記1】■写真には写っていませんが、広島県で働いているMくんも、この日は参加しました。新幹線の関係で、ちょっと集合写真の撮影には間に合わなかった…。
【追記2】■さびしいので、Mくん(右側)の写真も追加。みんなで広島に遊びにいくよ。