今日の3年生ゼミ
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■木曜日の4限は、3年生のゼミです。4月から始まったゼミ、来週からはいよいよ本格的にゼミでの研究報告が始まります。すでに先週は、報告の順番を決め、司会やコメンテータの順番なども決めました。とはいえ、すでにしっかりと自分の問題関心を持つことができているゼミ生もいれば、まだぼんやりしていて、「自分はいったい何に関心をもっているのだろう…」と悩んでいるゼミ生もいます。実際のところ、後者のようなゼミ生のほうが多数派だと思います。
■今日は、お互いの問題関心について語りあってもらいました。自分が何に関心があるのか、それはどうしてなのか、そのようなことについてお互いに語りあってもらったのです。その上で、自分の右側の人の問題関心について、他のゼミ生に紹介をしてもらうことにしました。一種のグループワークでしょうか。上の写真が、そのときの様子を写したものです。なんだか、楽しそうですね〜。
■ゼミ生のみなさんには、報告する予定日の2週前にはきちんと相談に来てほしいと思います。ただし、相談に来る前には自分との対話が必要です。「自分はいったい何に関心をもっているのだろう…」と思い悩んでいるだけでは、状況は少しも変わりません。自分の頭に浮かんだキーワードから、ネット上にある情報、図書館の文献・雑誌、新聞記事…自分自身にとって「刺激」となる情報を探索してみてください。そのような試みをしてみたうえで、相談をすることにしましょう。
■また、面談をしたばあい、必ず「卒論カード」を作成してください。自分の研究の進捗状況を記録していってください。
入門演習・質問の作成
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■5月9日に、「入門演習」の授業がありました。今週の宿題は、琵琶湖の離島である彦根市近江八幡市沖島町の動画やネット上にある様々な情報を参考にしながら、沖島でお聞きする質問項目を、一人5個ずつ考えてくるというものでした。この日は、パソコンのメールを使いながら、各自の5つの質問項目を4つの各班ごとに集約して、議論をおこない、整理してまとめる作業を行いました。社会調査の入門の入門のような作業と、パソコンやメールの初歩的な学習を、同時に行ったわけです。
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■大学に入学したての学生たちの質問項目ですが…。たしかに、しっかり考えられた質問もありましたが、ときどき「あれっ???」と思うような質問もあったりして…。質問項目を作成すると、そこには、自分たちが自明としている事柄や考え方がそこに浮かび上がってきます。来週は、さらにこの質問項目について、学生の皆さんと一緒に考えていきたいと思います。その上で、デジカメやICレコーダーの使い方について勉強します。
社会人院生
■カッコイイ!! 背中の文字、「DUCATI」(ドゥカティ)。イタリアのボローニャにあるオートバイメーカーです。この方、博士後期課程に在籍し、私のゼミで指導を受けている大学院生です。私も若い頃は、「いつか大型免許をとって、颯爽とバイクに乗りたいものだ…」と思っていましたが、もはや「それも無理だ、事故をおこすだけだ」と、断念してしまいました。一方、こちらの院生の方は、若い頃からずっとバイクに乗ってこられたとのことで、現在は、「DUCATI」の1000ccのバイクに乗っておられるとのことです。うらやましいな~。
■ところで、です。私が若い頃は(今から30年程前)、大学院に進学する人は、ごくごく一部の人たちに限られていました。進学する大学院が国立か私立か、理系か文系かによっても多少違うとは思いますが、特に文系のばあいは、将来、研究職を目指している人たちが進学するのだ…という考え方が一般的でした。
■しかし、現在の大学院は、かつてとは随分違ってきています。龍谷大学大学院社会学研究科は、特に修士課程については「高度専門職業人」の養成を目指しています。複雑化した現代社会に対応できる「職業人」の養成を一番の目的にしているのです。進学してくる方たちも、学部からの進学者だけでなく、それに加えて留学生や社会人の方も多数おられます。たとえば、社会学研究科には社会学専攻と社会福祉学専攻の2つの専攻がありますが、後者の社会福祉学専攻に関していえば、社会福祉の現場で福祉職として勤務されている方たちが、困難な現場の問題に対応できる能力を身につけようと、働きながら研究に懸命に励んでおられます。
■トップの写真の男性。社会学専攻の社会人院生の方です。大阪の某大学で教員(准教授)をされています。年齢も、それほど私とはかわりません(ご本人は、違うよ~とおっしゃるかもしれませんが…)。現在、「博士(社会学)」の学位の取得を目指して研究に励んでおられます。すでに大学教員という職についておられるわけですが、自分自身のキャリアアップ(学位取得)、さらに現在取り組んでいる研究を発展させるために、博士後期課程に進学されたのです。
■以上のことからもわかるように、大学院生も、たいへん多様化してきています。学部からの進学者、留学生、社会人…。それぞれの研究をサポートするために、それぞれの方たちの事情にも配慮しなくてはいけません。そのあたりが、私たち教員のカリキュラム・組織改革を進めるさいのポイントになってこようかと思います。
3年生ゼミについて
5月6日
■今日のゼミで、以下のことが決まりました。
(2)準備
・報告の2週間前までに自分の報告内容に関する資料を用意する。資料は、新聞・雑誌の記事・論評、学術論文、文献(新書・文庫等を含む)。資料は印刷するため、あらかじめコピーして印刷しやすい形態にしておく。どのように資料を選んだらよいのかわからないばあいは、事前に脇田に相談をすること。
・脇田とメールで面談の予約をとる。脇田の研究室で、脇田と報告の内容について相談をする。
・1週間前のゼミのときに、ゼミの仲間に資料を事前に配布す。受け取った資料については、必ず、目を通してくること。
・各回に2人報告を行う。1人20分、討論15分。
(3)司会者・コメンテータの役割
・司会者は、全体の議論の進行役。形式的な進行役を務めるだけだけでなく、討論の「場づくり」に注意を払うこと。また、報告者ま報告の内容の骨格を正確に捉え、報告後はそのポイントを簡単に整理する。また、コメンテータの質問や意見を大切にしながら、他のメンバーからも意見や質問を募る。
・コメンテータは、報告者の報告の内容のポイントを自分なりに捉え、さらに議論を深めることができるように質問や意見を述べる。
(4)夏休みの宿題
・前期のゼミで報告や討論をふまえ、自分の関心のある文献を1冊えらび、その内容を紹介するとももに自分の意見を述べる。A43枚以上。
京都府の「共に育む『命の里』事業」
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■龍谷大学の政策学部もからんでいる事業のようですね。
一般社団法人京都府北部地域・大学連携機構の設立及び設立記念シンポジウムの開催について
【追記】■先週木曜日(5月2日)の4年生ゼミは、集落営農をテーマに卒論の研究をしたいという学生が、『進化する集落営農―新しい「社会的協同経営体」と農協の役割 (シリーズ地域の再生)』のなかで紹介されていた島根県の有限会社グリーンワークを取り上げて報告しました。
■彼が取り上げたのは「地域貢献型」の集落営農の事例です。このグリーンワークという会社は、中山間・過疎地域を抱える旧佐田町(現・新出雲市)にあります。ここが大切なのですが、農業だけでなく、高齢者外出支援や灯油戸別配達サービスなど地域福祉に関連する課題にも取り組んでいます。島根県では、集落営農を進めるうえで、従来の農地維持機能や経済維持機能だけでなく、生活維持機能や人材維持機能をも重視しているのです。
■この地域では、市町村合併で福祉バスが廃止されました。困るのは、高齢者の皆さんです。高齢者の足を、行政からの補助金をうまく使いながら、この会社が確保しているわけです。農作業のオペレーターには冬場の仕事がありません。一方で、農協も灯油の配送のために人を増やせません。そこでオペレーター職員が、冬場は灯油を戸別配達して、寒い山間地のライフラインを確保しているようです。通常、集落営農といえば農事組合法人なのですが、ここでは有限会社になっています。それは、農事組合法人だと法律の関係で「農業および関連事業」しかできないため、あえて有限会社という仕組みを選択しているのです。大変興味深いですね。地域の側の関心は、「生活防衛」であり「村の防衛」なのです。社会学的に農村社会を研究するばあいも、農政そのものではなくて、農政を受け止める側の地域の論理の構造ないしは戦略に焦点をあてることになります。
■この旧佐田町が中山間地域だから、そうなのだろう…と集落営農の例外にように捉えることは間違っていると思います。平地のまとまった面積をもっている地域に集落営農の背後にも、「村」や「家」の論理が見え隠れしているからです。そのことをきちんと把握する必要があります。
■もうひとつ、この会社の取り組みで興味深かったのは、羊の飼育ということです。夏場、羊に畦畔の除草をさせるのだそうです(雑草を食べさせる)。そうすることで、人件費をうかせることができます。冬場は、その羊を地元の小中学校に貸し出すのだそうです。そして、飼育体験をしてもらうのです。春のになると、羊毛を刈り取ります。刈った羊の毛は羊毛工房で加工されて毛糸、マフラー、帽子といった製品になります。とても面白いですね。このグリーンワーク、うまく「仕事」をつくって、うまく「仕事」をみつけて、地域課題解決に貢献しています。
入門演習のこと
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■この4月に社会学部社会学科に入学した学生たちは、全員「入門演習」履修することになっています。写真の学生たちは、私が担当している「入門演習」の皆さんです。6月の沖島調査旅行に向けて、今から、事前学習に取り組んでいきます。
■こんな写真を撮ったのも、顔と名前を記憶しないといけないからです。3年生のゼミ生が18人、入門演習の1年生が18人。私には、なかなか大変です…。人数を数えると19人います。1人は、2年生。このクラスにLA(ラーニング・アシスタント)をしてくれている五十嵐くんです。五十嵐君、よろしくお願いします。
【追記】■「飲食厳禁」とありますが、それはここがパソコン等を使う情報処理実習のための教室だからです。ちなみに、「飲食厳禁」の「禁」の下にいる男子学生、この表情はわざとです。もうちょっと、皆でウケてあげればよかったかな…。
新3年生ゼミ
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■50歳代も半ばになると、いろんなことがなかなか覚えられません。覚えていることでも、「ほれ、あれ…、ええと、あれあれ」というぐあいになります。もう少し若い頃は、記憶力の減退を嘆いていましたが、「老人力」が身に付いてきて少々のことではなんともなくなりました。とはいえ、新しいゼミ生の名前はきちんと覚えないと…。これが一苦労です。
■上田、靏井、坪井、坂上。冨田、吉永、磯辺、河野、寺瀬、梅村。鳥居、山科、平山、光定、柳原、竹内。これで全員かと思いましたが、あと齊藤と逢坂。逢坂くんの顔が浮かんでこない…。まあ、こんなひどい(失礼な…)記憶力の私を、学生の皆さん、許してください。まあ、5月中には完璧に覚えますから。で、ところで…です。皆さん自身は、お互いの名前を完璧に覚えていますか?じつは、怪しいんじゃないのかな。
■ところで、ここまでのところで自己紹介にじっくり時間をかけてきました。初回の15日は、ごく簡単に自己紹介。その他事務的な連絡。22日は、「インパクトのある自己紹介」ということで、1週間、自分をゼミの仲間にアピールできことを用意してきてもらいました。これは非常に楽しかった。「へ〜〜っ」と驚くようなこだわりをもっていたり、いろんな経験をされているんですね。29日、今日は、22日には「インパクトのある自己紹介」を時間の関係でできなかった残り3人にしてもらった後、ゼミの指導方法(個別面談重視)、ゼミの進め方等について説明し、そのあとは個々人が関心のあるテーマ等について簡単なレポート(メモ書き?)を書いてもらいました。これからの指導の参考資料にさせてもらいます。
■今期の脇田ゼミ。なかなかユニークな学生たちがそろっています。今後、どのような成長していくのか、楽しみにしています。
大津エンパワねっと学生チーム「わわわ」
■今日は、大津市中心市街地の中央学区自治連合会の総会と定例会議に、「大津エンパワねっと」のチーム「わわわ」の学生たちとお邪魔しました。総会と4月の定例会議が開催されたからです。毎年、この最初の定例会議のさいに、お集まりになられた中央学区の各自治会の会長さんや、自治連合会傘下で活動されている各種団体長の皆さんにご挨拶をすることになっています。さらに今日は、そのようなご挨拶に加えて、学生チーム「わわわ」がこれから取り組む事業の説明を、自分たち自身で行うことになっていました。
■大津市は全国の自治体のなかでも珍しく、まだ人口が増加している地域です。住宅開発、マンションの開発に伴い、京阪神地区から転入される若い世代のご家族が多いからです。しかし、そのような大津市の現状のなかにおいても、中央学区は相対的に高齢化率が高いのです。自治連合会では、特に一人暮らしの高齢者の皆さんがどのように日々を暮らしておられるのか、家に閉じこもりがちになってはいないのか…いわゆる「高齢者の孤立」を心配されています。
■学生チーム「わわわ」は、そのような中央学区の抱える高齢者問題に注目して活動してきました。そして、この春から、自治連合会や学区社会福祉協議会の皆さんと連携をしながら、この問題に取り組むことになりました。一人暮らしの高齢者の問題は、プライバシー保護の問題もあり、なかなか把握しにくいわけですが、今回は、自治連合会のなかから10の自治会の会長さんにご協力いただき、学生たちが中心となって聞き取り調査とアンケート調査を実施させていただくことになりました。
■私が「大津エンパワねっと」全体に関して簡単にご説明とご挨拶をさせていただいたあと、自治連合会長と学区社会福祉協議会前会長のお2人が調査の趣旨説明をされ、チーム「わわわ」を指導する笠井先生からの挨拶のあと、学生たち自身が自分たちの問題意識とアンケートの具体的な実施方法について説明を行いました。写真は、そのときの様子を笠井先生が撮られたものです。私は、ちょっとだけ心配そうに、一生懸命説明しているKさんの方をみています。実際、学生たちはとても緊張していました。しかし、事前にきちんと練習をしてきたのかもしれませんが、大変わかりやすく、丁寧な説明をしてくれました。素晴らしい!! 定例会議のあとにも、自治連執行部のある方が、「学生の皆さんは、大変しっかりされていますね。私たちが学生の頃には、とてもあのような説明はできませんでした」と評価してくださいました。
■チーム「わわわ」では、これから調査をしながら、同時に、見えてきた調査結果をもとに、一人暮らしの高齢者の問題に自分たちなりのプロジェクトを地域の皆さんと一緒に取り組んでいきます。このチームの活動がどのように展開していくのか、私にもよくわかりませんが、素晴らしい成果につながるといいなと大変期待しています。
【追記】■「大津エンパワねっと」の学生チームには、すべてチーム名がついています。で、このチーム「わわわ」、なんだか不思議なネーミングですよね。「わわわ」と慌てふためいているような印象も持ってしまうのですが、そうではありません。一度、チーム名の由来を聞いたのですが…、忘れてしまっています。また、聞いておきます。