付喪神(つくもがみ)

20250328electric_washing_machine.jpg▪️我が家の洗濯機、30年前のものでした。なんといっても、「National」君ですから。この洗濯機のこと、以前にも投稿しましたね。超長寿で、我が家の衣服を洗濯し続けてくれた洗濯機なのですが、最近は、最後の脱水の時に、ガランゴロンと大きな音を立てるようになってしまいました。しかも、脱水後の衣服に、何やらプラスチックの部品のかけらのようなものが混じっていました。

▪️「これはあかんな。とうとう、これで最後やな」と思い、量販家電で新しい洗濯機を購入しました。今度は、「Panasonic」君です。まあ、同じ会社ですけどね。今までの「National」君なんですが、新しい「Panasonic」君を注文したことを知ってしまったせいか、急に、普通に洗濯してくれるようになりました。なんだったのかな〜、何か不満に思って大きな音を出して文句を言っていたのかな〜。普通に洗濯してくれるようにはなったのですが、ごめんねと、サヨナラをすることになりました。ちょっと心を痛めています。

▪️日本には、付喪神(つくもがみ)がいらっしゃいます。古い道具に宿るといわれる精霊や妖怪を付喪神といいます。うちの「National」君にも、付喪神が宿っておられたのかもしれません。神様が「まだ、きちんと洗濯できたのに、なんで捨てられんとあかんねん」とご立腹されていたら嫌だな〜と、ちょっと気になっています。電気屋さんに言わせれば、洗濯機の寿命は普通は7年まで、長くても10年だとか。30年って、異様ですよね。やっぱり付喪神がいたのではないのかな。ちなみに、今度の「Panasonic」君が30年長持ちするとは思えないのですが、仮に30年使えたとして、私はもうとっくに死んでいます、たぶん。でも、新しい洗濯機、付喪神が宿る前に、壊れてしまうのでしょうかね。

▪️この投稿と同様のことをfacebookに投稿したところ、知人から以下のようなコメントをいただきました。

子供の頃から「全ての物に心が宿る、付喪神さま居られる」と教わって育ちました。例えば「これはそろそろ買い換えよう」という会話は、そのものに聞こえないように話したりしていました。そして、わが家の洗濯機も本当に脇田さんのお宅と同じような状況だったのてすが、それは洗濯機さんが、そろそろ終わるよー準備してーと早めに合図を出してくれて、そして次の子が来るまでは最後の力を振り絞って普段通りに働いてくれたのだと理解しました。我々が不便しないように、付喪神さまも色々考えてくださるのですね。ありがたいことです。

▪️ああ…と感動しました。そうだったのか。「早めに合図を出してくれた」、そう思ったらちょっと涙が出てきました。「次の子が来るまでは最後の力を振り絞って普段通りに働いてくれた」だなんて、とっても感動してしまいます。そういうふうに考えることができる知人の素晴らしさにも感動しました。

龍谷大学 2024(令和6)年度 学位記、卒業証書・学位記授与式【10:30~ 先端理工学部、理工学部、理工学研究科、社会学部、社会学研究科、農学部、農学研究科】


▪️ 3月19日(水)10:30より、「滋賀ダイハツアリーナ」において先端理工学部、理工学部、理工学研究科、社会学部、社会学研究科、農学部、農学研究科の「学位記、卒業証書・学位記授与式」が行われました。私は、2024年度は特別研究員であったことから、卒業するゼミ生はいませんでした。ということで、この動画を拝見いたしました。そうなんですが、留年していたゼミ生が卒業することになりました。一緒に卒業するはずだったゼミの仲間や友人はいませんが、きちんと卒業式に出席したようです。

▪️ということで、私は、すべて荷物が深草キャンパスに運ばれた、瀬田キャンパスの元社会学部教務課の部屋で元ゼミ生を待ちました。そして、卒業証書・学位記を彼に手渡しました。数名いた職員の方たちが暖かい拍手でお祝いをしてくださいました。彼もとても喜んでいました。まずは、留年してしまったこの経験を反省的に人生の教訓にしていただきたいと思います。自分もそうですが、人の性格はおそらく生涯、あまり変化することはありません。ずるずる留年してしまった時の性格の「悪い傾向」が、これからの人生でまた現れたときに、そのことに自ら気がついて、きちんとコントロールできるようになってほしいと伝えました。また、「留年を認めてくださったご両親、特に、お父様を説得してくださったお母様に心を込めて感謝の気持ちを伝えてください」ということもお願いしました。

▪️ご卒業おめでとうございます。

JR奈良線

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▪️勤務先の龍谷大学社会学部が、大津市から京都市に移転しました。ということで、これからは奈良線をちょこっとだけ、「稲荷駅」まで利用します。先日は「お茶の京都トレイン」に乗ることができました。なかなか可愛らしい電車ですね。嬉しかったです。

▪️それはそうと、一昨日は、京都駅から普通に乗らなくてはいけないのに、間違って「みやこ路快速」に乗ってしまいました。「稲荷駅」を通り過ぎで、いつまでも停車しないので焦りました。結局、「六地蔵」まで乗ることになりました。これからは気をつけます。うっかりしていました。深草キャンパスには今までも何度も通っているのですが、こういうのって初めてでした。

引越しのこと

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▪️昨日21日、そして本日は22日、両日とも大変でした。

▪️昨日、瀬田キャンパスから深草キャンパスに引っ越しの荷物が届けられていると思い、深草キャンパスに向かいました。すると、通勤途上、管理課の職員さんから、段ボール箱は全部研究室に入ったけれど、什器の類が入らないので、廃棄して欲しい…とのメールがスマホに入りました。ガーン…です。写真が、その様子を写したものです。職員さんが送ってくださいました。「大変な状況ですよ、早くなんとかしてください」という切実な気持ちが写真に表れているかのようでした。28日は竣工式なので、それまでになんとかしてもらいたいということなのでしょう。

▪️深草キャンパスに到着して、まずは深草の社会学部教務課に挨拶をして、研究部で鍵の交換(瀬田キャンパスの鍵と深草キャンパスの鍵の交換)、その後は、管理課に行って↑のメールの件で相談.職員さんと一緒に新しい研究室に行くと、ガーン…です。研究室の奥に、まずは100箱を超える大量の段ボール箱が、きちんと、ぎっしり積み重ねてあり、その手前にはソファーが。ソファーはこの段階で、廃棄が決定。そして研究室の外には、入りきれない什器の類がたくさん置かれていました。メンタル的に厳しいものがありました。普通の引越しだと、まず家具を配置して、それからダンボール箱を搬入するわけですが、見ての通り逆です。引越し業者さんにも言い分がありまして、ダンボール箱が無くなっても責任を取れないので、まずは先に入れた…ということのようです。

▪️ということで、頑張って、一箱ずつ荷解きを始めました.荷解きをしながら、心を鬼にして断捨離も始めました。時々、大学の教職員の皆さんが偶然通りかかって、この状況に驚いて、あわせえて笑っておられました(笑わんといて)。まあ、笑うしかありませんけど。引越しの作業をしているときに、「研究室の書架は1連7段って言ってましたが、6段の間違いでした」との連絡も入りした。これは大変です。瀬田キャンパスの研究室は、1連8段でした。ということで、かなり廃棄処分しました。ところが、7段ではなくて6段ということが判明したわけです。単純に計算すれば、10段分の書籍が入りきれなかったわけです。ということで、書籍が書架から溢れてしまっています。たくさんのダンボールの中には、そのような溢れた本が入ったものがたくさん含まれています。

▪️昨日は、お昼から消灯する20時の直前まで作業に取り組みました。今日は、10時半から20時まで。昨日は、えっ、20時でシャットアウトなのと驚きました。まだ竣工式の前なので、基本、工事の業者さんしか入っていないのですかね。それとも、研究室がある建物が体育館と繋がっているので、体育館の閉館のアナウンスなのかな。そのあたり、良くわかりません。まさか、20時までしか研究室が使用できないなんてことはないと思いますが。そもそも、昨日は引越しの様子だけ見て、別の仕事に向かう予定でした。ところが、写真が送られてきてそんなわけにもいかず、予定の仕事をキャンセルして、昼食抜きで作業に取り組みました。そのような私を気の毒に思ったのか、ふらりと様子を見にこられていた同僚の教員からは、チョコレートをいただきました。糖尿病なんですが…。でも、嬉しかったですよ。

▪️自分で言うのもなんですが、昨日と今日、「獅子奮迅・孤軍奮闘」の頑張りで、なんとか見通しを立てることができました。研究室の外には何もありません。廃棄される大量のものが置かれているだけです。ところで、研究室に入らないと外に置かれていたラック2台を研究室内に持ち込み、そこに資料の入ったダンボールを20箱、きれいに置くことができました。残念ながら3箱残りましたが、仕方がありません。これは床の上に積んでおきます。大量の調査資料、いつかはPDFファイルにするしかないのですが、定年退職までの2年間で少しずつ作業を進めようと思います。とにかく、きちんと自宅に持ち帰られる量まで、書籍も資料も減らさなければなりません.最近、気がつきました。「退職後も、大学の図書館を使えるのであれば、大学の図書館にある書籍は、自分自身で持っている必要はないよな〜」。ということで、研究室の書籍も、自宅にある書籍も、どんどん断捨離しなくてはと思っています。

▪️昨日と今日で、什器と書籍も含めて「量」をそれなりに減らしました。でも、さらに今後も断捨離を続けなくてはいけません。仕事をしながらちょこちょこと進めていきます。明日は、午前中は、自治会の総会があります。ということで、午後からはまた研究室で作業の続きやります。あと少しです。まあ、多くの皆さんから「ほんまに荷物入るの?」と心配されていたのですが、なんとか目処が経ちました。4月から、きちんと学生さんにもやってきてもらえそうです。私以外にも、書籍や資料の多い教員は少数ですがおられるようです。大変でしょうね。それほどの疲労感はありません。体力があるようで、なんとかなりました。写真を送ってくださった職員さんにも、研究室の中に全て収めることができたので、安心していただけるのではないかと思っています。

財団法人平和堂財団・夏原グラント、助成1年目団体のプレゼンテーション

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▪️美しいですね、雪で白くなった比良山系。今日は、この景色が見える施設、「ピアザ淡海」で、財団法人平和堂財団・夏原グラント、助成1年目団体のプレゼンテーションを選考委員としてお聞きしました。全部で20団体でした。続き、後で書きます。

年度末の引越し作業

▪️何度も、投稿の中に書いてきましたが、勤務する社会学部が大津の瀬田キャンパスから京都の深草キャンパスに移転するにあたり、引越し作業が続いていましたが、15日土曜日に、最後の引越し作業を済ませました。車で大学までいき、自宅に引き取るものを持ち帰りました。何も無くなった研究室を眺めて、ちょっとだけですが、感慨深いものがありました。2004年から使用させてもらった研究室に感謝しました。ありがとうね。

▪️本日17日と明日18日で、業者さんが荷物を運び出します。横にいてサポートすれば良いのでしょうが、自宅で仕事をさせていただきます。どうか、よろしくお願いいたします。19日は卒業式です。今年度は特別研究員でゼミ生がいないのですが、それでも留年していて今回卒業される学生さんがおられるので、その学生さんに学位記を手渡すために大学に行きます。卒業できて、本当に嬉しいです。

▪️その翌日、20日は、終日、平和堂財団・夏原グラントの「一般助成3年目」の皆さんからプレゼンテーションをお聞かせいただき、その後は選考委員会です。この日は、深草キャンパスへの荷物の搬入が始まっているのですが、立ち会うことができません。心配だな〜。21日は深草キャンパスに行って、早速、「荷解き」の作業に入ろうと思います。業者さんに伺ったところ、荷物は、できるだけ研究室の中に入れてしまって…との指示が出ていることをお聞きしました。まあ、校舎を管理する側からすればそうでしょう(管理課)。でもね、そうすると書籍や研究資料等が多い私の場合、「荷解き」の作業をする空間が確保できないのですよ。困りました。まあ、「荷解き」をしながら断捨離も同時に進めます。

「仰木地域共生協議会」設立総会

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▪️本日、3月16日午前10時半より仰木支所の会議室で、「仰木地域共生協議会」の設立総会が開催されました。以前このブログで報告した段階と少し団体名に変更がありました。仰木・地域共生・協議会と、「・」で区切ってご理解ください。この協議会には、「一般社団法人 仰木活性化委員会わさいな仰木」、「仰木学区まちづくり協議会」、「仰木を守る会」、「有機農業クラブ」、「仰木の里学区まちづくり協議会」、私が理事長をしている「特定非営利活動法人 琵琶故知新」、「仰木い〜とこ会」、そして「NTT西日本滋賀支店」が参加しています。会長は、直売所を運営する「一般社団法人 仰木活性化委員会わさいな仰木」の会長でもある堀井登さんです。そして、農村地域である仰木の各種団体だけでなく、新興住宅地の団体の会長さんも理事に就任されました。「仰木の里学区まちづくり協議会」の林勉さんです。理事は全員で5人、私も理事の1人です。そしてNTT西日本滋賀支店の皆さんは、支店のある地域の社会課題の解決に貢献しようと大変前向きに、私どもの琵琶故知新と一緒に事務局的な役割を果たしてくださっています。いつも、ありがとうございます。

▪️ 仰木に限ったことではないのですが、中山間地域から農家の高齢化や後継者不足、また農業の先行きの不透明さ等により農業から撤退するなどを原因として荒廃農地が増えています。この「仰木地域共生協議会」では、有機農業によって①農地の保全に関する事業を進めていきます。それ以外にも、②地域資源の活用に関する事業、③生活支援に関する事業、④その他目的達成に必要な事業に取り組んでいきます。耕作が放棄された荒廃農地を活用した有機栽培・有機果実の栽培を通じて、仰木に隣接する新興住宅地仰木の里を含む地域住民の皆さんや多様な主体が世代や分野を超えて繫がり、関係人口が増え、お互いに支え合う地域づくり(地域共生)に寄与することを目指していきます。

▪️このブログでも報告してきましたが、先行的に、すでに一部の耕作放棄地を除草し、JAŚ有機のやり方で有機野菜の栽培を始めています。定年退職後は、この事業に深く関わっていくことになるような気がしています。協議会の中には、個別のテーマごとにワーキンググループを作って事業を推進していく仕組みがあります。そのようなワーキンググループに、若い世代の方達に参加していただきたいなと思っています。これは私の勝手な妄想ですが、この有機農業による地域共生の取り組みがきっかけとなり、新規就農するような方達が出てくるとなおのこと素敵だなと思っています。

▪️トップの写真は、今日設立総会を開催した仰木支所の前から撮ったものです。棚田が見えますが、これは仰木の農地の一部です。荒廃農地は別のところにあります。農作業がしにくい不便な場所が多いと思います。写真の棚田の向こうに見えるのが、新興住宅地の仰木の里です。この仰木の里以外にも、いくつかの新興住宅地が連なっています。その向こうに見えるのが、琵琶湖の南湖です。南湖の向こうは守山市になります。

生物多様性センターシンポジウム「ネイチャーポジティブへの挑戦」/龍谷大学吹奏楽部スプリングコンサート

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▪️昨日は、午後から大宮キャンパスで龍谷大学の生物多様性センターが主催したシンポジウム、「ネイチャーポジティブへの挑戦-生物多様性の喪失は誰の問題で誰がどう解くのか」が開催されました。開催趣旨は以下の通りです。

私たちの生活は、さまざまな生き物たちが築くネットワーク=生物多様性に支えられていますが、開発や乱獲などの影響により、そのバランスが崩れつつあります。近年多くの企業・団体が生物多様性の保全や回復に関する取り組みを始めており、龍谷大学では2024年3月1日に「ネイチャーポジティブ宣言」を発出しました。

サステナビリティへの貢献が社会共通の喫緊の課題となった今、どのような「知の融合」が求められているのでしょうか? 本シンポジウムは、龍谷大学生物多様性科学研究センターで取り組む環境調査の報告や環境保全にかかる行政や企業の取り組み事例の報告、そして、産官学の多様な立場の登壇者によるパネルディスカッションで構成します。シンポジウムを通じて、ネイチャーポジティブを取り巻く現状について参加者と共に考え、新たな知の融合を目指す機会とします。

▪️このシンポジウムの中心人物は、先端理工学部の山中裕樹先生です。環境DNAという技術を使って琵琶湖の生物多様性を測定しておられます。データは、多くの市民がこの事業に参加して琵琶湖の湖水を一定のやり方で集めるのです。そういう意味では、形式としては参加型調査になっています。もっとも、私が考えるタイプの参加型調査ではありません。まあ、そのことは横に置いていて、前半では、6つの報告が行われました。山中さんの報告、シンクタンクの職員さんの報告、基金を運営する団体の常務理事さんによる報告、生物多様性に取り組む企業の社員さんによる報告、環境行政に取り組む公務員さんによる報告、博物館の学芸員さんによる報告です。聴衆は学生さんというよりも、民間企業からこられている方が多かったように思います。生物多様性に対する関心が高まっていることを実感しました。2番目に報告された株式会社地域環境計画の増澤直さんによれば、大企業では非常に関心が高いとのことでしたが、中小企業では、生物多様性に対していまいちピンとこられていないようでした。難しいですね。

▪️報告の後のパネルディスカッションは2つありました。1つは「生物多様性調査の価値とそのシステムの確立・維持について」、もう1つは「生物多様性データを基軸とした保全のための社会システムの構築に向けて」です。前半のパネルディスカッションは、私の理解では、こういうことなのかなと思います。

・社会のサステナビリティにとって生物多様性は不可欠である。すべての人にとって無視できない重要な問題である。
・そして生物多様性の状況を知るためには、科学的なデータに基づくしっかりした評価が必要である。そのような誰もが納得できる評価をどう生み出し、社会に対して示すことができるのか。
・環境DNAによる調査は、継続してデータを保存していく必要がある。サンプルの湖水は冷凍して博物館の昆虫標本のように保存する。あとで保存していた湖水を分析することで、今はわからなくても、将来重要な知見が得られるかもしれない。
・生物多様性は非常に重要な社会課題であるにもかかわらず、マンパワーが足らない。いつまでも、ボランティアに頼っていてはいけないのではないか。
・研究資金、事業資金も足らない。営利企業にどう働きかければ投資をしてもらえるのか。

▪️乱暴なまとめですが、だいたい、こんな感じかなと思います。ただし、パネルディスカッションでは、簡単には知恵は出てきませんでした。それはそうですよね。皆さんの発言を聞いているとその難しさがひしひしと伝わってきました。こういうと叱られるかもしれませんが、どちらかといえば啓蒙的・啓発的で、かつトップダウン的な姿勢が、環境ガバナンスや環境自治を研究している私のような者からすると、とても気になりました。はたして、そのような姿勢で良いのか、私には疑問が残りました。後半のパネルディスカッションでは、どのような議論が行われたのでしょうか。残念ながら、最後までお聞きする時間がありませんでした。途中で退席させていただきました。

▪️というのも、このシンポジウムの後は、龍谷大学吹奏楽部のスプリングコンサートが大津市民会館で開催されたからです。昨年の年末に開催された定期演奏会以来、部員の皆さんの演奏を聞かせていただきました。12月で4回生が卒部して、新しい幹部の皆さんのリードのもとで開催された初めてのコンサートになります。龍谷大学吹奏楽部のファンのも皆さんがたくさんご来場くださっていました。最初の方は、龍谷大学附属平安高校の吹奏楽部の皆さんも混じって演奏されていました。素敵ですね。皆さん、実に楽しそうに演奏されていました。素敵な演奏をありがとうございました。

日韓交流と引っ越し作業

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▪️韓国にある建国大学の金才賢先生とそのお仲間が来日されました。滋賀県の一般社団法人kikitoを訪問され、精力的にフィールドワークに取り組まれています。金先生は、kikitoの取り組みを高く評価されています。ということもあって、今回で3回目の訪問になります。晩は、金先生のご要望で、大津駅前のいつもの居酒屋「利やん」へ。私たちのテーブルの横では、ご常連のなかちゃん(中川俊典さん)を囲んでの誕生日会が開かれていました。そこには、早期退職された原田 達先生もおられました。途中から日韓がごちゃごちゃんになってきて、少々飲みすぎました。

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20250312hikkoshi3.jpg▪️なのですが、今日は、午前中から研究室の引越し作業に取り組みました。今日は、引越しの専門業者さんがやってこられて、書架の書籍を全部箱詰めしてくださいました。でも、箱詰めしてくださるのは、書架だけ。書架が足らないので、ラック等を持ちこんで書籍を配架していたので、それらの書籍やキャビネットの中の資料等は、全部自分で梱包しなければなりません。でも、明日には、なんとかなりそうです。2004年から、この研究室のお世話になってきました。でも、今月でお別れです。なんだか、ちょっと寂しい気持ちもしています。

▪️京都の深草キャンパスに移ったら、荷解きをしなければなりません。2年後の定年退職を念頭に、荷解きと断捨離等を同時に進めなければなりません。すでに一定程度断捨離は行ったのですが、さらに徹底します。頑張ります。ええと、書架への配架は業者さんがやってくださいますが、その他は、自分でやらなくちゃ…なのです。

平和堂財団夏原グラントの一般助成2年目のプレゼンテーションと選考会議

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▪️昨日は、平和堂財団夏原グラント一般助成2年目の14団体の皆さんによるプレゼンテーションと選考会議が行われました。場所は、浜大津明日都の「大津市ふれあいプラザ」です。多くの団体の皆さんから活動報告をお聞かせいただき、毎年のことながら、選考委員としてとても勉強になりました。また、いくつかの団体のお話をお聞きして、とても元気が出てきました。これからの世界、先行きの見えない暗い世の中なのですが、そのような中でも「うん、そうだよね」と未来に希望を持てるようなお話でした。ありがとうございました。いくつか感想を。

▪️「伊吹山三合目 豊かな植生を守る獣害防止金属柵設置事業」は、行政と連携しながら活動されていますが、鹿の獣害から貴重な植物を守るために金属柵を設置したいと、その費用だけに特化した申請を夏原グラントにされています。夏原グラントの一般助成は3年間になりますが、2024年から3年計画で、これまでの化繊のネットを金属柵に取り替えていかれます。すごくわかりやすい、そして緊急度の高い取り組みだと思います。

▪️それから、京都の北にある京北町での「21くろやま塾の活動」。この取り組みも素敵だなと思いました。30年近く続いているとのこと。そうすると、子どもの頃に参加していた方が、京北町ではなく京都市で暮らしていても、イベントの時には子どもを連れてやってこられるのだそうです。また、Iターンの人たちも増えてきているようです。そして、夏原グラントの助成を受けたことで、活動そのものを多くの皆さんに知っていただき、社会的信用も増して、自分たちの事業を計画的に行うことができるようになったというのです。助成を受けることで、団体としてエンパワーメントされたわけですね。

▪️もうひとつは、「地域のみんなで『十禅寺川いきもの調査隊』」という取り組みです。十禅寺川というの、草津市内を流れる川です。生き物大好きな一人のお母さんが、ママ友3人を誘ってチームを作り、暮らしている地域の十禅寺川で、地域の子どもたちと一緒にいきもの調査をやっておられます。生物の研究をする大学院生、環境教育の専門家、博物館の学芸員といった専門家のサポートも受けておられます。いきもの調査だけでなく、ゴミ拾いも行うので、地域の方たちも喜ばれていると言います。生き物観察と合わせて参加者が清掃活動を行うことで、安心して川に入ることができる環境づくりを行っておられるのです。面白かったのは、比較するために甲賀市の棚田に行った時のことです。生物相が違うということよりも、棚田に関わる地元の大人の皆さんと、自分たちが暮らす地域の大人との違いに、お子さんたちが驚かれたということです。棚田の保全に取り組んでおられますから、市街地との差が出てくるのでしょう。でも、「十禅寺川いきもの調査隊」の調査結果が、地域で広く共有されると、身近な河川である十禅寺川に関心を向ける方達が増えてくるかもしれません。一般に、人びとが関心を失った環境から、劣化していく傾向が高まります。この活動がどのように成長していくのか、楽しみです。

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