米粉パン&米粉ケーキづくり教室

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■昨日は、JR草津線に乗って、甲賀市で米粉パン&米粉ケーキをつくっておられる藤井真知子さんをお訪ねました。ゼミ生であるYさんTさんの2人も一緒です。少し前のことになりますが、Yさんが「米粉パンに関心がある」といったので、「それならば、米粉でパンをつくっている藤井さんという人が甲賀市にいるので、紹介してあげようか」ということになりました。藤井さんにゼミ生のことを伝えたところ、「実際に、米粉でパンやケーキをつくって体験してらおうか」と学生の訪問を歓迎してくださるお返事があり、今回の「米粉パン&米粉ケーキづくり教室」が実現したのでした。

■藤井さんは、元・甲賀市役所職員、政策法務を担当されていましたが、思うところがあり、龍谷大学大学院のNPO地方行政コースに社会人院生として入学されました。私は、このコースに大学院の授業科目を提供していることから、藤井さんも私の授業に顔を出されるようになったのでした。大学院を修了した後(彼女の修士論文は京都府知事賞を受賞しました)、ご家庭の事情で市役所は退職されましたが、農村地域にお住まいであることから、米の粉、米粉を使ったパンやケーキをつくり始められたのでした。そして、それらを核に、地元産の農産物を使った村おこしにも取り組もうと頑張っておられるのです。藤井さんも含めて、その前後のNPO地方行政コースの社会人院生の皆さんとは、年に1回ほど吞み会をしているので、藤井さんが米粉でパンをつくっておられる・・・ということをうかがってはいたのですが、今回やっと実際の米粉パン&ケーキづくりを拝見させていただくことができました。

■トップの写真は、藤井さんのお宅の「パン工房」です。自宅を改造されて、このような「パン工房」をつくられたのです。学生たちは、まず、小麦粉と米粉の見た目や細かさの違い、栄養的な違いについて学び、実際に、シフォンケーキ、パン、ピザ、ロールケーキを藤井さんにご指導いただきながら、つくり始めました(写真のあとに、さらに本文は続きます)。

【米粉シフォンケーキ編】
■この工房には、大きなガスオーブンが2台設置されていました。家庭用ガスオーブンのなかでも、一番大きなものなのだそうです。ちょっと圧倒されました。藤井さんの手際の良さもあって、短時間でどんどん作業が進んでいきました。焼きあがったシフォンケーキは、みずからの重さでつぶれてふわっとした食感がなくならないように、さかさまにして冷まします。このパン粉のシフォンケーキ、夏場であれば、良く冷やしてアイスクリーム添えるとおいしいとのことでした。
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【米粉ピザ編】
■米粉でピザもつくりました。ひとつは、通常のピザ。ちいさなピザパンもつくりました。通常、トマトソースをぬるわけですが、今回は、藤井さんお手製の黒豆の味噌を塗ってみました。味噌とチーズはあいます。そして、味噌と米は当然のことながら相性は抜群なわけです。であれば、肉味噌なども美味しいと思います。また、米粉をつかった「お焼き」などもできるとのことです。なかには、地場産の漬物を入れるとよいですね。
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【米粉パン編】
■焼きあがった米粉パンは、独特の甘みがあります。米がもっている甘味ですね。非常においしかった。ピロシキなんかもできませんかね。
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【米粉ロールケーキ編】
■米粉でつくったロールケーキは、非常にしっとりしています。小麦粉だと作り方や焼き方の加減によっては割れてしまうことがあるのですが、米粉のばあいはそんなことがありません。非常に柔らか。お土産に頂きましたが、自宅の冷蔵庫でよく冷やしてたべると、さらに美味しさが引き立ちました。
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■藤井さんが終了された「龍谷大学大学院 NPO・地方行政研究コース」では、「グローカル通信」というニューズレターを発行されています。そのニューズレター(2010. 11vol.19)に、藤井さんが2006年度終了生として「食をテーマに活動してます」という短文を寄稿されています。

私は、現在、女性が定年後に地域性を活かした社会参加ができないものかと、地産地消や安全安心な食材の視点から、地域のコミュニティの中で特産品の体験講座や米粉を使ったパンやお菓子作りの教室といった活動をしています。
 私が自治体職員を退職するという転機に巡りあわせ、仕事を通して社会参加してきた女性が、男性と同じ定年を迎えるときに、「自分の住む地域で市民として何ができるか」という課題を見つけたことによるものです。私自身の「法務」という研究テーマから離れた分野での活動で、周囲の方は驚いておられますが、このコースで学んだ地域人材への思いが私に自然と流れてきたのかと、そして今も、先生方や修了生の仲間が道標でいてくださると安心しています。

(太字強調は脇田)

■なぜ、政策法務の専門家として市役所に勤務していた藤井さんが、村おこしの活動にはいられたのか。太字で強調しているところをお読みいただければよくわかりますね。男性のばあい、退職後、地域社会でどのように生きていくのかということが、よく問題にされます。「おやじの地域デビュー」といわれる問題です。何十年も組織のなかで働いて、退職後に「役割喪失」してしまう男性たち。様々な領域で経験を積んできた男性が、退職後、地域社会にどのように貢献し(地域社会、そして他者とのつながりをもちながら)、自らの第二のどのように人生を充実させていくのか。高齢社会の日本において大変重要な問題となっています。しかし、このような「役割喪失」の問題は、男性だけのことではないのです。一般的にみて、女性のばあいは、家族の誰かに介護が必要になったばあい、介護するために定年前に退職されることが多いのではないでしょうか。そのばあい、男性とは異なる「地域デビュー」の在り方が必要になるのかもしれません。藤井さんは、そのことを、自らの退職を契機に「発見」されたように思うのです。

■藤井さんのお宅では、県外からやってきた中学生が農業・農村体験するために民泊することがあるそうです。教育旅行ともいわれますが、グリーンツーリズムのひとつのやり方ですね。中学生が楽しそうに体験しているところを写したお手製のアルバムも拝見しました。教育旅行にやってきた中学生たちの思い出のためにと、みずから製作してプレゼントされているのだそうです。藤井さんは、農村のライフスタイルを再評価しながら、村づくりの進む方向性を模索されています。また、今回の続きのお話しを伺ってみたいと思います。

2013年の「自分新聞」

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■facebookに「自分新聞」というアプリがあります。このアプリ、2013年に投稿しした記事のなかで、facebookの「友達」から「いいね!」をいただいた数が一番多かったものがトップ記事になります。あとは、月ごとの「いいね!」が多い記事をリストアップしたり、どの「友達」からの「いいね!」が多かったかを示すランキングや、投稿数や「いいね!」の数を折れ線グラフとして表示したり、さらには投稿した記事のなかで一番使用頻度の闘った単語を流行語としてランキングしたり・・・そんなこんなを、新聞風の一枚の画像にしてくれます。記事のなかには、某大学の先生や、先輩、元上司、職場の仲間…いろんな方たちが登場されます。記事は、自動的に、面白おかしいものに仕上げられています。お名前が登場した方たちには、失礼な感じになるかもしれませんが、「お遊び」と思ってご容赦ください。

■トップ記事は、「卒業式」でした。また、流行語大賞も1位が「大津エンパワ」、2位が「北船路米づくり」、3位が「龍谷大学社会学部」。あれ~、みんな仕事がらみのものばかりです。facebookは、個人的なものではありますが、大学で取り組んでいる仕事のことをよく投稿するものですから、このようなランキングになってしまいました。なんだか、少し寂しいものがありますね。

■とはいえ、いろんな皆さんに「いいね!」をいただきました。ありがとうございました!!

「経験」すること

■ある学生と面談をしていたときのことです。「せんせー、僕の『やる気スイッチ』、どこにあるんですかね。結果がみえていないと、やる気がでないんですよ」。つまり、「こうすれば確実に確かな結果が獲得できる」と保証され、高い確実性が存在しないのであれば、自分は取り組みたくない…ということなのかもしれません。そのことを、自分でも困ったことだと思っており、なんとかしたいとは思ってはいるようなのですが…。私だって「やる気スイッチ」があればなあ…もっとバリバリ仕事をするんだけど…とは思いますが、「結果がみえないと、やる気がでない」というのは…すぐには理解できません。結果がすぐにはみえないから、確実ではないからこそ、そして未知の経験ができるからこそ、逆に、やる気が生まれてくるってこともあると思うからです。最初から結果が見えている…そんな計算可能、予測可能な未来…、それはそれで退屈で辛いことなんじゃないでしょうか(…・と思うのは、おじいさんに近づきつつある、おじさんの言い分でしょうが)。

■いろいろ学生たちと話しをしていて、時々、強く感じることがあります。コスト・ベネフィットを考えるように自分の日々の生き方を選択しているように思うのです。無駄になるかもしれないけれど、汗をかいて頑張って、人に相談をしてお願いをして…そんな面倒なことはできるだけしたくない。要領よく結果だけを獲得したい。そんな発想が見え隠れしているように思うのです。言い換えれば、自分の思うようにならないことは苦痛であり、そのような苦痛は、できるだけ自分の周りから消去したいという願望です。

■今、『民主主義のつくり方』(宇野重規・筑摩選書)という本を読んでいます。このなかで、藤田省三(日本思想史)が取り上げられています。引用してみます。

藤田は『経験の重視と自由の精神とは分ち難い一組みの精神現象』であるという。逆にいえば、経験が失われるとき、自由の精神も失われる。(中略)藤田にとっての経験とは、人と物との相互的交渉である。『物に立ち向かった瞬間に、もう、こちら側のあらかじめ抱いた恣意は、その物の材質や形態から或は抵抗を受け、或は拒否に出会わないわけにはいかない。そしてそこから相互的交渉が始まり、その交渉過程の結果として、人と物との或る確かな関係が形となって実現する』。藤田にとっての経験とは、自分が思うようにはコントロールできない物や事態との遭遇を意味した。その意味では、経験とは自分の恣意性の限界を知ることに等しい。

もし人がすべてを思うままに支配できるならば、そこには経験はない。思うままにはならない物事に対し、それと交渉し、何とか行き詰まりを打開すること、そのような実践こそが、藤田にとって経験の意味するものであった。そして、経験なくして人間の成熟はありえないと藤田は考えた。

自分の思うようにならない物事との交渉は、当然苦痛を伴うものになる。しかし、自分を震撼させるような物事との出逢いを回避するとき、人はすべてを支配できるという幻想に自閉することになる。とはいえ、それは真の意味での「自由」とはほど遠い。「自由の根本的性質は、自分の是認しない考え方の存在を受容するとこにあ」るからである。

(中略)現代社会をますます覆い尽くすようになっているのは、「私たちに少しでも不愉快な感情を起こさせたり苦痛の感覚を与えたりするものは全て一掃して了(しま)いたいとする絶えざる心の動きである」。このような傾きこそが、人々を「経験」から遠ざけると藤田が考えたことはいうまでもない。(中略)経験を拒み、言い換えれば自分に抵抗し拒絶を示すような事態との遭遇を回避し続けるとき、逆説的には人間は自動的な機械の部品にならざるをえなくなっていくと藤田は指摘した。

「今私たちを取り巻いている世界には、もはやそのような基礎経験も、それとの知的交渉を通した知的経験の再生力もない。それだけに、自分だけの『体験』を重視することによって、制度の部品となっている函数的境遇の中での気晴らしと『自分』の存在証明を求めようとする」。いたずに自らの「体験」を誇る言説の氾濫にいらだちながら、それにもかかわらず、「経験」は失われ続けていると藤田は指摘したのである。

■藤田省三の文献をきちんと読んだわけではなく、宇野さんの文章を引用しているだけです。孫引きのような形になりますが、この藤田省三の「経験」という概念は、面談する学生たちの発言の背後にあって無意識のうちに共有されている時代意識のようなものを考えるうえで、大切なことだと改めて思うのです。宇野さんが引用している藤田省三の文献は1980年代から1990年代にかけて書かれたものです。学生からすれば、ずいぶん大昔の話し…のように思えるかもしれませんが、そうではないと思います。藤田が批判的に指摘した状況は、より一層、深く社会のなかで進行しているのではないでしょうか。

■ここで、話しを少しかえます。龍谷大学社会学部の理念は、「現場主義」です。この「現場主義」をどう捉えるのか、教員によって様々だと思いますが、私は上記の藤田のいうところの「経験」を学生たちが積み重ねていくことこそが「現場主義」の教育ではないかと思うのです。私の限られた経験ですが、地域連携型教育プログラムである「大津エンパワねっと」で…、ゼミでおこなっている「北船路米づくり研究会」で…、そして各自の卒論のフィールドワークで、義務感からでもなく、就職に有利だからという功利主義的な考え方からでもなく、それぞれの活動のなかで自分の目の前に生じている事態にきちんと向き合い、「経験」(自分が思うようにはコントロールできない物や事態との遭遇)を蓄積していった学生が結果として成長していくように思うのです。そして、なによりも大切なことは、藤田のいう意味での「自由」に近づいていると思うのです。

【追記】■この『民主主義のつくり方』、勉強になります。この本を、出版社側は、こう紹介しています。

民主主義は今、不信の目にさらされている。決定までに時間がかかり、「民意」は移ろいやすい…。だが、社会の問題を共同で解決する民主主義を手放してしまえば、私たちは無力な存在となる他ない。ならば、この理念を再生させるには何が必要か?「習慣」と「信じようとする権利」を重視する“プラグマティズム型”の民主主義に可能性を見出す本書は、この思想の系譜を辿り直し、日本各地で進行中の多様な実践に焦点を当て、考察を加えてゆく。未来が見通しがたい今、「民主主義のつくり方」を原理的に探究した、希望の書である。

■プラグマティズムに関連して、本書ではチャールズ・テイラーが取り上げられていました。そしてテイラーの「孔だらけの自己」(porous self)と「緩衝材で覆われた自己」(buffered self)という概念、興味深いですね〜。

近代の「緩衝材に覆われた自己」とは、自らの内面に撤退し、そこから世界をうかがい、あるいは操作しようとする存在である。あらゆる意味は自らの内面からのみ生まれるのであって、自分の外部と統御すべき対象でしかない。

地酒プロジェクト

■ゼミでおこなっている「北船路米づくり研究会」が「架け橋」となった、新しい事業が動いています。学生たちが企画した農村-都市の交流事業である「かかし祭」をきっかけに誕生した「地酒プロジェクト」です。北船路の営農組合と大津の蔵元「平井商店」さんとの間を、学生たちがつなぎ、北船路で生産された山田錦(酒米)を原料に、新しい地酒『北船路』をプロデュースしようと頑張っているのです。

■来年、1月下旬に仕込みに入る予定になっています。2月には、まずは「生原酒」が生産されます。加熱処理した清酒については、春頃に発売の予定です。お花見には間に合いそうですね。現在、学生たちは瓶(300ml、720ml、一升瓶)に貼るラベルのデザインをしています。また、広報や予約注文等についても、これから頑張らねばなりませんし、面白いアイデアも必要になります。このプロジェクトに関わることで、成長していってほしいと思います。最近は、研究会の活動は、ほぼ学生主導でやっているので、私は時々進捗状況を聞いているだけです。

■また、詳しい情報をアップしますので、お知り合いの日本酒好きな皆さん、ぜひともご注目ください!! 龍大関係者のあいだでは、予約注文も受付けてはどうかなと思っています。ある職員の方と話しをしたときに、「300本ぐらい、あっという間に売れるんじゃんないですか」と言っておられましたが、さて、どんなものでしょうね〜。いろいろご意見やアドバイスをいただければと思います。

■社会学部の卒業式のあとのパーティで使ってくれるとうれしいんですけどね〜。これは社会学部同窓会に相談してみようかな。

博多風の鶏の水炊き

20131225mizutaki.jpg■昨晩は、若い独身の同僚の先生のお宅に伺いました。そして、都合のついた親しい教職員の皆さんと小さな忘年会をもちました。昨晩は、私が料理を担当させていただきました。メイン料理は、「博多風の鶏の水炊き」です。「なんだ、ただの家呑みの鍋パだ」と思わないでくださいね。昨晩は、自宅から持参した圧力鍋で、時間をかけて美味しい鶏のスープをとるなど、けっこう手間をかけてつくりました。博多風の鶏の水炊きは、スープが命…なのです。

■写真は、その同僚の先生がfacebookにアップされたものです。博多風の鶏の水炊きでは、まずはスープからいただきます。黄金色のスープに、ごくごく微量の塩を入れて、博多ネギ(薬味ネギ)をうかべていただきます。鶏の骨を細かくくだき、スープを白濁させてもよかったのですが、昨日は澄んだスープに仕上げました。うまみ調味料のような尖った味ではなく、じつに丸い味なんですよね~。

■写真はありませんが、このあとに、あらかじめ下準備をした鶏肉をいただきました。圧力鍋を使ってスープと一緒に少しボイルしたのです。とてもやわらかく、スープの旨味と融け合っていました。鶏肉のあとは、キャベツと春菊と豆腐。白菜ではなくキャベツです。白菜は水分が出てスープが薄まるので、しばしば博多ではキャベツが用いられます。このキャベツも、これまたスープにばっちりマッチするのです。小さな宴会でしたが、楽しい時間を過ごすことができました。自分で料理して、自分で自画自賛する…どうもすみません。でも、本当においしかったんですよ。

20131225kasaitei.jpg 【追記】■若い独身の同僚の先生…って書いても、関係者はすぐに誰だかわかりますよね〜。コミュニティマネジメント学科の笠井先生です。匿名にする必要ななかったな。ということで、当日の写真もアップします。私、酔っぱらって眠っているのではなく、たまたま目をつぶってしまっているのです。この日は、コミュニティマネジメント学科の仲畑先生や、大津エンパワねっとの事務職員である並松さんも参加されました。楽しい宴会でした。次回は、すでにワインが用意されています。次回の宴会用に笠井邸にキープしてあります。次回は、ワインですから洋食ですね。パエリアとか…考えているのですが、どうでしょうか。

学生との面談

20131224soturon.jpg■自分の教育方針として、個人面談を大切にしています。今日も、5人の学生と面談をしました。いずれも、卒業論文の指導に関する面談です。まだ、この時期に、指導を受けながら執筆しているゼミたちがいるのです。困ったものです。作業が遅れてしまっているのは、実際に卒論の調査や執筆を経験することなしに、「卒論、やりたくないな〜」、「なんとかなるやろ〜」と先送りしてきたからです。実際には、もちろん、なんともならないのです。残された時間を必死になって取り組むことになるのです。しかし、必死になって取り組むなかで、卒論の調査や執筆の面白さにも触れているのです。これは、ひとつの希望ではあります。

■1人の学生に「フィールドワークせんとあかん厳しいゼミやのに、なんで僕のゼミにきたんや」と聞いたところ、「いつも怠けて先送りする自分をなんとかしたいと思い、ゼミに入りましたが、やっぱり油断して、先送りする癖がまた出でしまいました」というのです。「こんなことなら、もっと早くから取り組んでおけば、もっともっと充実した経験ができただろうに…」と反省しているのでしょうが、残念ながら、もうじっくり指導をしている時間がありません。

■私は、学生との面談の記録をつけています。3・4年生のゼミ生だけでありません。1・2年生との面談も少し入っています。結果として、延べ104人と面談をすることになります。来月も含めると、延べ人数で110人は超えるのではないかと思っています。次の面談は、1月4日になります。赤ペンを入れた原稿を、1人1人の学生に返していきます。その赤ペンを参考に、卒論提出直前の最後修正を加えてもらいます。そして、1月7日(火)に全員揃って、社会学部教務課に提出します。写真は、昨年、ゼミ全員でそろって提出した時のものです。

「取り戻せ!つながり再生モデル構築事業」

20131224yamaki.jpg■今日の午前中、滋賀県庁琵琶湖環境部琵琶湖政策課を訪れました。流域と地域とのつながりを再生するための「取り戻せ!つながり再生モデル構築事業」に関して打ち合わせをするためです。県庁の職員の方が、研究室に伺うとおっしゃっていましたが、通勤の途中、大津駅で降りれば県庁はすぐそこですから、私のほうから訪問させていただくことにしました。

■こういうモデル事業というと、大きな予算をかけた事業のように思われるかもしれませんがそうではありません。簡単にいえば、「身近な水環境のつながり再生に向けて、県も含め地域の関係者が立場を超えて一緒になって話合い、プラン作りを通じてつながりの再生を実現する」ためのモデル事業です(最大3地域を公募することになっており、すでに募集は終了しています)。モデル地域に選定されると、次の3つに関して支援が行われます。また、モデル地域の成果をもとに、県内の他の地域のつながり再生にも取り組んでいく予定になっています。

(1)話合いの「場」の立ち上げおよび運営
(2)「場」におけるプラン策定のための検討
(3)「場」の運営に係る経費の一部負担。

■詳しくは、以下のリンクをご覧いただければと思います。
知事定例記者会見(2013年11月12日)
平成 25 年度 取り戻せ!つながり再生モデル構築事業 モデル地域公募要領

■担当者の方たちとは、「盛り上がり」のある打ち合わせができました。キーワード的にいえば、地域環境ガバナンス、地域と行政の連携のあり方、地域を支援する行政組織のあり方…。なかなか面白い話しができて、気持ち的には盛り上がりました。自分の個人研究や、研究プロジェクトとも深く関わっている内容ですので、これからどう展開していくのか大変楽しみにしています。写真ですが、特にモデル事業とは関係ありません(あたりまえですね)。打合せのあと、大津駅前の蕎麦屋さん「やま喜」で昼食を摂ったときのものです。ミニ天丼にミニ月見蕎麦。

雪の比良

20131223hira.jpg■本格的に寒くなってきました。普段、自宅のある奈良から京都までは、近鉄を利用しています。そして、京都からは、JRで瀬田までいきます。近鉄で京都に近づくと、比叡山の山頂が薄っすら白くなっているのが見えました。さらに、その北側にみえる山並みは、山頂が真っ白でした。京都からJRに乗り、滋賀県にはいると、すっかり冬景色になっていました。遠くにのぞむ比良山系は、山頂あたりが真っ白になっていました。不思議なものですね。夏場は、湖上の空気も水蒸気を含んで淀んでおり、比良山系もぼんやりとしかみえないのですが、冬になり空気もクッキリしてくると、はっきり眺めることがてきます。はっきり眺めることができるためでしょう、まるで、こちらに山々が迫ってくるようです。それほどの迫力があります。

■ところで、今日は3人のゼミ生と面談をしました。それぞれ、相談の内容は違いますが、どこかで共通するのは就職活動のことです。就職活動という一点に絞ってみても、悩み方はそれぞれに違います。1人の学生は、これまで「大津エンパワねっと」、「社会調査実習」、「北船路米づくり研究会」に取り組んできました。いずれも、「学外の人たちとの関係」が大切になります。これらの授業や実践活動のなかで、どのような「深い経験」をすることができたのか、そこから何に気づき、何を学ぶことができたのか、そして、それらの経験をベースにどのような卒業論文に取り組もうとしているのか…その辺りをきちんと文章にしておくことを勧めました。実際のところ、その学生は濃密な経験をしてきているのですから。そうすることで、自分の頭のなかにあるモヤモヤを整理することができるはずです。

■その他にも、いろいろ雑談をしましたが、少し顔の表情が明るくなったように思いました。就職活動は大変だと思うけれど、いつもいっているように「卒論と就職活動は車の両輪」。自らのフィールドワークにもとづく水準のある卒業論文を書いてほしいと思います。

第24回「北船路野菜市」

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■本日は、風もふいて、雨も降り、寒い寒い日でしたが、大津市の丸屋町商店街で第24回「北船路野菜市」を開催しました。いよいよ冬野菜の季節が到来したことが、上の写真がもおわかりいただけると思います。白菜、大根、小松菜、壬生菜、京水菜、サニーレタス、キャベツ、玉ネギ、青ネギ、小芋、海老芋、安納芋、柚子、餅、赤飯セット(もち米と小豆のセット)。北船路の協力農家の皆さんには、いつもよりもかなり多い量の出荷をいただきました。

【上段・左:10時開店。冬野菜が大盛りです。歩いておられるのは、指導農家の吹野藤代次さん。】【上段・右:餅や赤飯セットも出荷されています。】
【中段・左:ずっしり重い、よく巻いた白菜。】【中段・右:大根も太く立派です。もちろん、大根葉も食べられますよ。】
【下段・左:柚子も大量に出荷されました。これが1袋で150円。冬至の柚子風呂用?】【下段・右:ご常連にも感想を聞いて農家にフィードバックします。】

■今回は大量に出荷いただきました。一般の地域の皆さん以外にも、京都四条の「串かつ おばんざい とんとん」さんや、大津駅前の居酒屋「利やん」さんにもたくさん買っていただいたのですが、それでも残りそうな感じでした。「まずい、売れ残ってしまうのではないか…」。というのも、出荷された野菜は、私たち研究会が買い取っているからです。残ったら、自分たちで分担して買い取らねばなりません。しかし、快く買い取ってくださる団体が現れました。ありがたいことです。おかけで、なんとか終了することができました。これからは、協力農家とあらかじめ出荷量等も調整する必要がありますね。

■今年の野菜市は、今回が最後になります。2011年から24回開催していたんですね。4月と9月は野菜生産の端境期で、そのときは野菜市は開催しませんが、いろんな方たちに支えられてここまでやってくることができました。これからも、「北船路野菜市」、継続していきます。来月も、第三土曜日に野菜市を開催いたします。

今日の「地域エンパワねっとⅠ」

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■今日の午前中、1・2限は、「大津エンパワねっと」コースの「地域エンパワねっとⅠ」の授業でした。現在、6期生が履修していますが、先月あたりは、さてどうなるんだろうな…と心配していたのですが、しだいに各チームの活動が形になってきました。

■トップの写真、中央地区を私と担当している笠井先生です。笑顔がステキ…。

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