京都のラーメン

20140204masutani.jpg ■京都の料理といえば、あっさり…というのが常識です。しかし、ラーメンだけは違います。よく知られるように、コッテリ&濃厚です。このコッテリ&濃厚系のラーメンの系譜はいくつかありますが、昨日のことになりますが、そのうちのひとつ、「ますたに」のラーメンをいただきました。本店は銀閣寺のそばにあるようなのですが、そこまで行く時間的余裕がないので、京都駅ビルのなかにある「拉麺小路」に出店している「ますたに」に行きました。私自身は、鶏ガラに少し魚系出汁が加わったサッパリ&アッサリ系が好きなのですが、寒い冬には、やはり豚の背油が浮かんだこういうコッテリ&濃厚系ラーメンが食べたくなるのです。

■この「ますたに」、ネット上の情報ですが、「背脂ラーメンの元祖」と言われているそうです。1949年に屋台で創業した老舗だそうで、スープは鶏ガラに背脂醤油を加えたものです。まさに京都ラーメンの元祖…っていう感じのラーメンです。京都ラーメンといえば、「新福菜館」、「第一旭」、「天下一品」…とありますが、この「ますたに」は多くの人に愛される味かと思います。なんていうのでしょう…味の射程の幅が広いような気がします。

■しかし、思いますが、やはりです。銀閣寺そばの本店にいかねばなりませんね。

2013年度脇田ゼミ「卒論発表会」

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■私は、2004年に龍谷大学社会学部社会学科に赴任しましたので、始めての卒業生を送り出したのが、2006年春になります。2013年3月卒業の8期生まであわせると、112名が巣立っていったことになります。今年も、9期生9名が卒業する時期が近付いてきました。しかし、卒業するためには、卒業論文を書きあげて合格しなければなりません。今日は、その9期生の卒業論文発表会がありました。以下が、9期生の卒業論文の題目です。

臼杵寛将:「都市農業におけるエコ農産物に関する取組み-大阪府松原市の”まったら愛っ娘”を事例として-」
北川大介:「町並み保全と甦る伝統工芸-滋賀県日野町の事例をもとに-」
中村曜:「集落営農における農地保全と地域再生-滋賀県甲賀市の農業組合法人の事例をもとに-」
枡田明弘:「ウェルネスとし加古川にみる街づくり-加古川ツーデーマーチの事例をもとに-」
安平昂志:「農村女性によるコミュニティビジネス-滋賀県大津市『ほっとすていしょん比良』の事例をもとに-」
山田陽平:「村の組織運営と祭り-滋賀県大津市北船路の事例をもとに-」
山根一伯:「大都市に位置する商店街の課題」
井上まどか:「交流の場としての直売所-京都府京田辺市普賢寺地域ふれあいの駅の事例をもとに-」
松見詩織:「地場産学校給食から広がる地域のつながり-小浜市立内外海小学校の事例をもとに-」

■私はゼミ運営の最終的な目標を、「ここまでやったぞ!」と自分で納得のいく卒業論文を執筆し、自信をもって卒業していくことにおいています。ですから、卒論指導は時間をかけて丁寧におこないます。個別面談を重視します。また、どのようなテーマであるにしろ、フィールドワークにもとづく実証的な事例研究(ケーススタディ)により卒業論文を執筆してもらうことにしています。もちろん、個別面談を通して指導・支援しますが、基本的には、自分自身の力で調査をしなくてはいけません。必然的に、ゼミ生にとっては、卒論は「大きな壁」になります。この「大きな壁」を乗り越えてもらうことで、各自に成長してもらうことが私の教育のねらいでもあります。

■さて、9期生はどうだったでしょうか。もちろん評価に関してここに書くわけにはいきませんが、多くのゼミ生は「もっと早い時期から、卒論に取り組んでおけばよかった」と思っているはずです。先輩たちも毎年、同じことを繰り返し反省しています。私自身も「早めに取り組むように」と口を酸っぱくしていってはいるのですが…。もちろん、きちんと調査をして順調に卒論を提出できたゼミ生もいますが、その一方で「大きな壁」の前にひるんでしまうゼミ生もいます。そうであれば、ステップを踏みながら少しずつ自分が成長していることを実感できるような、そのような工夫も必要かもしれません。

「取り戻せ!つながり再生モデル構築事業」について

■滋賀県には、「マザーレイク21」という琵琶湖の総合保全計画があります。私は、この第2期計画(2011年~2020年)の策定に関わってきました。現在も、「マザーレイク21計画学術フォーラム委員」として、また県民参加のフォーラムである「びわコミ会議」等に参加しながら、「マザーレイク21」計画の進捗に強い関心をもっています。

■「マザーレイク21」第2期計画等では、「琵琶湖と川や内湖とのつながり」、「生態系保全の重要性」、「つながり再生や生態系保全にむけた行動の必要性」が強調されています。そのような認識のもと、新たに「つながり再生モデル構築事業」が実施されることになりました。この事業は、公募によるモデル地域を選定、選定地域におけるつながり再生にむけた取組の検討への支援、ガイドブックの作成の実施などを目的としています。個人的には、特に、身近なな水環境のもつ価値の発見、課題の共有を行うための「場」づくりを大切にしている点が注目しています。

■昨日は、このモデル地域の選定にあたり、いわゆる有識者から意見を聴取することを目的とした「つながり再生モデル検討会」が開催され、私も委員の1人として参加してきました。昨日は、第1回目でしたが、他の委員の皆さんと活発な議論をすることができました。しかも、フランクに、楽しく、議論できたのです。私自身、いろいろ勉強にもなりました。

■このモデル構築事業では、2014・15年度にかけて、それぞれのモデル地域では、身近な水環境に関する情報の収集・整理、身近な水環境の持つ価値の再発見と課題の共有、身近な水緩急にんけるつながり再生に向けた具体的な手法の検討、つながり策定にむけたプラン策定が行われます。そして、2016年度以降は、そのプランにもとづいて具体的なつなぐり再生にむけての取組が実施される予定になっています。私たち検討会の委員も、今後、それぞれのモデル地域の皆さんと議論をしながら、取組の実施に向けてお手伝いができればと思っています。地域の皆さんや行政の皆さんと一緒に汗をかき、つながり再生の喜びを共有できるようになればと思っています。会議室のなかで意見を述べるだけの有識者…という役割は、地域社会のなかではもはや終わりつつあると思います。この事業の進捗が楽しみです。

平成 25 年度 取り戻せ!つながり再生モデル構築事業 モデル地域公募要領

大津市民駅伝、走りました!!

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20140202shimin2.jpg■今年も龍大の教職員で「大津市民駅伝」に参加しました。先日のエントリーでは、「昨年は、タスキをつなぐことができませんでした」と書きましたが、今年は、なんとかタスキをつなげることに成功しました。現役の高校生チームが多数出走するなかで、かなり年齢の高いおじさん(教員)チーム(龍大RunRun Bチーム)としては、よくやったな素直に思っています。

■駅伝では一定の時間が経過すると、タスキを受け取らずに「繰り上げ出走」をしなくてはなりません。私はアンカーでした。第4走者から受け取れるタスキの色は「緑」ですが、「繰り上げ出走」するばあいは「黄色」になります。審判員の皆さんから、他のチームのアンカーの皆さんとともに呼ばれて、「黄色」のタスキを受け取りながら説明を受け始めた、まさにその時です。チームメイトの第4走者が駆け込んできたのです。今年、駅伝に初参加された経済学部のT先生です。T先生は、フルマラソンを3時間半で走るレベルの高い市民ランナーです。今回は、3人の走者を抜いてアンカーである私にタスキを渡してくださいました。

■タスキを受け取ってアンカーとしてスタートすることができましたが、この第5区は距離が長いだけに、どのチームも優れた選手を配置しているのでしょうね、タスキは受け取れらなかったものの(「緑」ではなく「黄色」のタスキ)、私を複数のチームのアンカーが追い抜かしていきました。昨年は、第2区で3.8kmと短い距離だったのですが、今年は第5区で7kmです。しかも後半に坂があります。最初から、他のチームのアンカーにあおられてスピードを上げ過ぎると、途中で走ることができなくなります。ということで、ペース配分が難しかったのですが、タスキを受けとり最後まで「駅伝」らしく(?!)走りきることができました。ゴールでは、龍谷大学チームの教職員の皆さんが歓迎してくれました。ゴール間近、おそらくはあと1kmのところで、私たち「龍大RunRunBチーム」の第3走者であるKさんが待ち構えてくれました。そして横をしばらく伴走して応援してくれました。嬉しかったな~。

【追記1】■第5区7kmの後半の坂道では、龍大RunRun Cチームのアンカー、25歳年下の職員Yさんを追い抜くことができました!! 最後、ペースを維持するのに結果として役立ちました。Yさんには、微妙に感謝です(Yくん、もっと痩せんとね…)。

【追記2】■以下の写真。【上左】5位に入賞した「龍大RunRunAチーム」です。タイムは、1時間22分48秒です。2位だった昨年の記録と2秒しか違わないのですが…。Aチームはアスリートチームですが、現役の大学生・高校生のチームのなかで入賞するのはなかなか難しいのです。【上右】「龍大RunRunAチーム」のアンカーHさんのゴール。【下】「「龍大RunRunCチーム」アンカーYさんのゴール。
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20140203shimin1.jpg■優勝京都大学(漕艇部)、2位大津高校、3位東大津高校A、4位東大津高校B、そして5位に龍谷RUNRUN-A。私たち、龍谷RUNRUN-Bチームは何位なのか…即日では結果が出ません。1週間後に結果が発表されます。楽しみです。

【追記3】(2014年2月8日)■結果がでました

龍谷RUNRUN-A 5位 01゚22′48”
龍谷RUNRUN-B 37位 01゚46′00”
龍谷RUNRUN-C 38位 01゚47′51”

■私たちのチーム「龍谷RUNRUN-B」は、42チーム中の37位でした。私の個人的な記録は、第5区7km、42人中の39位、 00゚36′02”、5′09/km でした。いや〜、なさけない記録ですが、春になると56歳になるので、どうか許してください。

脇田ゼミ実習・「北船路米づくり研究会』総会&交流会

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■昨日、土曜日、ゼミでおこなっている「北船路米づくり研究会」の総会を、ゼミ実習の一環としておこないました。内容は、月1回、第三土曜日に定期定期におこなっている「北船路野菜市」(4月と9月は除く)や、農村-都市交流イベント「かかし祭」、地酒プロジェクトなどの複数の取り組みに関して、今年度の振り返りと課題の抽出と、来年度における改善等について、ディスカッションを行いました。

■研究会の顧問で指導農家であるFさんにもご参加いただき、さまざまなアドバイスをいただきました。「皆さんの活動は、着実に前進している」との講評をいただきました。地道な活動ではありますが、先輩である4年生から後輩である3年生への指導と、活動の継承がしっかりしてきたこともあり、研究会のなかにも良き「伝統」のようなものが生まれつつあるように思います。「北船路米づくり研究会」は、ゼミの活動ではありますが、強制参加を求めるものではありません。ゼミ生各自の主体性と責任感によって運営されています。その点も強調しておくべきかと思っています。

■この日は、昨年の3月に卒業したOBもやってきてくれました。そして、他のOBたちと一緒に、研究会の活動に寄付をしたいと申し出てくれました。研究会では、大津市役所からの助成金の交付を受けたり、県庁から事業を受託したりと、活動に必要な経費に関してはとても苦労をしています。何とか、活動を継続していますが、かなり厳しいものがあります。OBの皆さんも、現役生のときは活動費の捻出には苦労してきました。そのようなこともあり、今回、寄付を申し出てくれたのです。ありがたいことです。

■総会のあとは、今年度の打ち上げもかねて夕食会を行いました。即興のダンスなどもおこなわれて、盛り上がりました。もうじき、卒業する4年生からは、じつにしっかりした内容のスピーチをしてもらえました。「北船路米づくり研究会」の活動が、結果として、4年生たちを成長させてきたことがよくわかるスピーチでした。


【追記1】■facebookのアルバムで、今日の様子をご覧になることもできます。

【追記2】■研究会の顧問であり指導農家でもあるFさんから、facebokkを通して、以下のようなメッセージをいただきました。

懇親会のあと村の慣わしに沿って、坪井リーダーと協力農家へ総会が無事に終った旨を手土産の魚をさげて伝えに行きました。皆さん、「おめでとうさんです。これからもよろしく頼みます」とのメッセージをいただきました。本当の地域連携が出来て来たと感じます。

この三回生の勢いある余興を見て、四回生はある面安心してくれたかと思います。ついでの勢いで、OBの2期生i君、実は私も飛び入りしてしまいました。

芥川仁さんの季刊新聞「リトルヘブン」2014年冬33号

20140130akutagawa.png ■尊敬する写真家、芥川仁さんから、季刊「リトルヘブン」が更新されたとの連絡が入りました。「リトルヘブン」は、芥川さんが発刊されている「全国の里を訪ね、暮らしに寄り添い、身近な自然の豊かさと地域共同体の魅力を発進する」インターネット新聞です。芥川さんは、『水俣・厳存する風景』(1980年・水俣病センター相思社)、『土呂久・小さき天にいだかれた人々』(1983年・葦書房)、『輝く闇』(1991年・葦書房)、『水俣海の樹』藤本寿子共著 (1992年・海鳥社)等の写真集を出されてきたことで有名ですが、優れた文筆家でもあります。そのような芥川さんの魅力が、この「リトルヘブン」からドンと伝わってきます。

2014年冬33号のフィールドは、和歌山県田辺市上秋津地区です。芥川さんの写真と文からは、みかん栽培で盛んな上秋津地区の人びとの暮らしや人生が、じんわりと伝わってきます。長くなりますが、引用させていただきます(芥川さん、すみません)。ちょっと注目したのは、次の部分です。自治体の合併のさいに、村の共有財産である村有林を維持していくために「公益社団法人上秋津愛郷会」を設立して、そこに所有権を移したという記述です。このようなことは、格別に珍しいことではないのですが、おもしろいのは、そこが松茸山であるということですね。かつては、当たり前のようにとれていた松茸ですが、高度経済成長期の燃料革命のあと、森林に人の手が入らなくなったため、松茸はとれなくなりました。しかし、この上秋津地区の高尾山では、現在でもとれているのです。ということは、森林の手入れをされている…ということなのかなと思うのです。どういった形で、森林を維持されているのでしょうね。愛郷会設立から現在までの過程を知りたいと思いました。

 和歌山県田辺市上秋津地区は、東に高尾山(606m)北に三星山(549m)西に竜神山(496m)南は衣笠山(234m)に囲まれた小さな盆地だ。その中央を北から南へ会津川が貫いている。水田となる平地が少ないため、年間の平均気温が16.5℃、平均降水量が1650ミリという気候を活かし、古くからみかんの栽培が盛んな農村である。上秋津地区には、会員約470人で構成される公益社団法人上秋津愛郷会がある。会員の条件は、昭和32(1957)年から上秋津地区に住んでいることだ。昭和32年の合併の際、旧上秋津村の村有財産の所有権を愛郷会へ移し、地域の振興、学校教育の推進、治山緑化のために、資金を提供するなどの活動を続けてきている。
 「おい、先生」と、私に声を掛けたのは、電動剪定ハサミのバッテリーを背負った山本博市さん(66)だ。「高尾山行ったことあるか、先生。上秋津愛郷会の山や。それを14区画に分けて入札するんや、松茸や。最高価格160万円、最低は2万円。一昨年は、ええとこやったら3000本くらい生えたかな。我々のとこでも1000本、今年で市場価格キロ6万から7万円や、12、3本で1キロや。大きいの小さいの突っ込みで3000本ということでっせ。和歌山でも一番から三番に松茸が生える山や」と言うと、私を軽トラックの助手席に乗せ、高尾山の山頂へ向かった。ハンドルを握って登山道を走らせながら、博市さんは「たかおの山をあおぎつつ 文の林にわけいらん」と、子どもの頃に通った上秋津小学校の校歌を歌い出した。

■今回の33号では、みかん栽培のこと以外のことでは、村のお宮さんの当家(とうや、一般には頭屋とも標記します)のことや「どんど焼き」のことが面白かったな〜。ぜひ、皆さんもお読みください。

【追記1】■「公益社団法人上秋津愛郷会」の立派な公式サイトがありました。
【追記2】■上記の公式サイトに、上秋津愛郷会の歴史に関する記述がありました。このような記述があります。引用します。村の財源をきちんと担保しながら、村づくりを積極的に進めてきた様子がわかります。

昭和の大合併時に、上秋津村は、地元の高尾山や三星山、東牟婁郡古座川町七川などに山林を、また地元に土地などを所有していた。合併を機に、村有財産処分が検討された。しかし、資産の分配はしなかった。「社団法人」組織の愛郷会をつくり、財産を保全管理していく道を選んだのであった。法人資格を得るため、初代会長の田中為七さんらが和歌山県庁に泊まり込んで書類をつくったことは、語りぐさになっている。そうして、上秋津愛郷会は、1957年に設立される。

「上秋津の財産を上秋津の人の手で守る。当時の人たちの思いが、愛郷会という組織を残したのだと思う」歴代の会長すべてが語る。

上秋津公民館や秋津野塾、愛郷会の事務局が入る農村環境改善センター、学校のプールや若者広場などの各用地の購入、確保の際には、愛郷会から資金が支出された。あるいは、集落排水事業にともない、11ある集落の集会所のトイレが水洗化されたときには、各集落に100万円ずつの補助費を提供した。地域振興、学校教育の振興、治山緑化のために支出される金額は、毎年500万円から600万円にのぼる。上秋津のマスタープランの作成は、町内会の協力とともに愛郷会の資金援助なしにはできなかった。 秋津野ガルテンへ 平成15年には、元上秋津小学校跡地や校舎を利用したグリーンツーリズム計画が持ち上がり、地域で話し合いの結果、平成19年、住民489名が出資して運営会社が立ち上がった。同時に愛郷会が田辺市より、旧田辺市立上秋津小学校跡地を買取り、土地を運営会社(株式会社秋津野)に貸し出し、旧校舎を再利用した、都市と農村の交流施設『秋津野ガルテン』が整備され事業がスタート。平成20年11月にオープン以来、年間6万人を超す利用者が訪れ、地域が活性化し雇用も生まれている。
 そうした資金の裏付けになっているのが、会が管理する地区の財産である山林や宅地などで、合計財産は2012年度には約5億1000万円となっている。
 しめじ栽培の研究中高尾山・龍神山・三星山周辺で、毎年、秋におこなわれ、地区内外から希望者が殺到するマツタケ山の入札(入会権)も、大切な収入源だ。また、2002年からは和歌山県と共同で、本シメジを育てるプロジェクトが高尾山で試験的におこなわれている。

第56回大津市民駅伝競走大会

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■「大津市民駅伝」です。2月2日(日)です。龍大瀬田キャンパスの南東にあたる田上地区で、開催されます。今年で56回目になるのだそうです。毎年開催されているとして、昭和32年(1957年)から始まっているということでしょうか。ローカルではありますが、伝統ある大会なんでね。昨年に引き続き、今年も龍谷大学のチームとして出走します。

■今年、龍谷大学からは、「龍谷Run Run A・B・C」の3チームが一般クラブチームとして出走します。私は、教員を中心に構成された「龍谷Run Run B」チームのアンカーとして第5区7kmを走ります。昨年は、第2区の3.6kmでした。第2区は平板なコースなので、スピードを要求されました。私は、自分の心肺能力の限界まで力を出し切って走りました。この歳ですから…もう、大変でした。心臓がバコバコいって、「これ以上無理しすぎたら心臓麻痺になるのとちゃうか…」と自分でも心配したぐらいでした。タイムは、15分48秒、4:23/kmでした。本人は、限界のところまで走っているのですが、このタイムだと、第2区の他のチームの皆さんと比較すれば38人中36番目、ほとんどビリです。

■今年の第5区のコースには坂道があります。というのも、新興住宅地のなかを走っていくからです。トップの地図をご覧ください。田上地区は農村地域です。ですから、ほとんどのコースが水田のまわりの道路になります。フラットです。ところが、コースの後半に走る「もみじが丘」という新興住宅地(地図では住宅が密集しているところ)の中は、坂道になります。一般的にいって、新興住宅地は、里山的な丘陵を開発しているばあいが多いため、住宅地のなかの道路は坂道が多くなります。新興住宅地の地名に、「台」「丘」といった丘陵的な地形をあらわす漢字が多いのはそのためです。話しがそれてしまいました。というわけで、昨年のようなスピード(全体のなかではビリに近いわけですが…)で走ると後半がとてももちません。どう、前半をセーブしつつ、後半の坂道を乗り切るのか…そのあたりが課題になります。

■私が出走するチームは、「龍谷Run Run B」チームです。本当は、全員教員で構成されていたのですが、同僚のH先生が足の故障のため、出走できなくなりました。かわりの代走をしてくれるのは、いつもお世話になっている職員のNさんです。あとは、アスリートのランナーの教員の皆さんばかりです。どうして私がアンカーなのかな…と、監督のHさん(大阪キャンパス)をちょっと恨みつつ、とにかく頑張るしかありません。昨年は、タスキをつなぐことができませんでした。今年は…。アンカーの責任は重いですね〜。辛い。ちなみに、H先生が欠場されたので、私が最年長になってしまいました…。
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「みどり勉強会」と『大学生のためのドラッカー』

20140128midori.jpg ■昨日は、火曜日。深草キャンパスで、午後から会議が3つ続きました。トホホ…な感じの火曜日なのですが、仕事ですから…。それに、3つのうち1つの会議は3月末。4月からは1つ減ることになります。頑張ります。で、それはともかくです。

■京阪・深草駅から深草キャンパスに向かう途中、といいますか深草駅の真横に「喫茶みどり」があります。今は世の中から消え去ってしまった「昭和の雰囲気」満載の喫茶店です。あくまで喫茶店であって、けしてカフェではありません。そこが、素敵な感じなんですよね~。時間があるとき、たちよって、こちらでコーヒーをいただきます。おちつくんですよね~。でも、今日は会議があるので、前を通り過ぎるだけでした、すると「本日みどり勉強会」と緑のマーカーで書いたホワイトボードが、入り口の横にぶら下げられていました。

■「みどり勉強会」、噂には聞いていました。「喫茶みどり」の会議室を使って、おこなわれている勉強会です。この「みどり勉強会」ではtwitterをもっておられます。そこには、次のように説明されています。

喫茶みどりの会議室で行っている勉強会です。龍谷大学の松谷先生を迎え、社会人、大学生、高校生、留学生などさまざまな業種や立場の人間が参加しています。毎週火曜日18:30~22:00までやっています。どんな人でも、参加自由ですよ~。

■いいですね~。30年続いている勉強会なのだそうです。こういうオープンな「場所」、そして「居場所」があるって幸せなことです(そうなんですよ、学生の皆さん)。社会学部がある瀬田キャンパスの近くにも、こんなのができたらな~思うのですが、実際のところ、すでにたくさんあったりして…。そのあたり、よくわかりません。ゼミの学生に聞いてみようかな。

■ネット上には、このような「みどり勉強会」に関する記事がありました。こんな記事もありました。朝日新聞の記事です。この勉強会に参加し、『大学生のためのドラッカー』という本を出版された松本健太郎さんが登場されます。『大学生のためのドラッカー』は、この「みどり勉強会」から生まれたのだそうです。以下からは、この勉強会の雰囲気が伝わってきます。
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会は、まるで社会人になるための「道場」だ。先輩らの言葉は厳しい。この日も、教員志望の学生を「なるための努力はしているの?」「想像力が足りない」と一喝。松本さんも「声が小さい。みんな暗く見える。そんなんで就活、成功できるの?」と学生らを奮い立たせた。

3回目の参加という龍大1年の新町冴子さん(19)は「自分の小ささを痛感します。社会人になることは星に手を伸ばすくらい大変」と圧倒された様子だった。これから就活が本格化する私も甘さに気づかされた。「将来なりたいものを想像し、その過程を具体化し、実践して目標は達成される」。先輩らの指摘が心に残った。

■縦のつながりのなかで、自分が鍛えられる…っていいなあと思います。それから、「将来なりたいもの」…大切ですね。今の学生の皆さんは、自分は何をしたいのか、将来何になりたいのか…そのあたりがよく見えないといいます(ある意味、仕方がない面もあるのですが…)。「あこがれ」「あんな先輩のようになりたい」というロールモデルが、横のつながりのなかでしか生きていないと、なかなか身近にみつけることができないのかもしれません。だから、縦のつながりって、大切なんだと思います。

■それから、『大学生のためのドラッカー』に関して、以下のようなことも…。一般論として、組織のなかで、つまらない、小さな政治的な動きをおこして、組織を混乱させる人たちのことですね(混乱させることで、自己満足)。ずばり「組織を破壊する」とありますが、その通りだと思います。ちょとドキリとしますね。学生の皆さん、いろいろ勉強されていますね~。

 「大ドラ」の中の印象深い言葉を紹介したい。「人の強みよりも弱みに目を向ける。口だけで実行に移さない。何が正しいかより誰が正しいかに関心を持つ。成果に目を向けない。こうした者は真摯(しんし)さに欠け、組織を破壊することになる」

■町家キャンパス「龍龍」なんてかで、複数の教員で、「みどり勉強会」のようなことができたらなあと思います。複数の教員で…というところが大切だと思います。

「さくらバーガー」と「プライベート美術館」

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■忙しくなったり、怪我を少ししたりで、また間が空いてしまった。ラン…。ということで、今日は走りました。本当にもう…なさけないよ、自分。
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■自宅の最寄り駅からスタート。最近は、いつも駅を起点にしています。自宅は奈良西部の丘陵地帯にあるので、南にいくとどんどん下っていきます。下ったあとも、ひたすら南下。有名な唐招提寺や薬師寺の横を走ります。このあたり、とっても気持ちの良い風景なのです。いつもはここで引き返すのですが、今日は、さらに佐保川沿いを大和郡山市の方面に走りました。大和郡山市に入ってすぐ、九条公園で東に進路を変えます。そのままひたすらまっすぐ東へ走りました。このあたりは、もともと農村地域です。古い集落と、新しい住宅地がまだらになった風景をながめながらひたすら東に走ります。

■8kmちょっとのところで、突然iPhone5の電源が落ちました。最近、こういうことがよくあるのです。まだまだたっぷり余裕があったはずなのですが、クラッシュです。当然のことながら、ランの記録をrunmeterというアプリで取っていたのですが、それも途中で終わってしまいました。上の地図は、帰宅してから「キョリ測」というサイトで再度距離を計算しなおしたときのものです。

■さてさて、ランはまだまだ続きます。 辰市、東九条、古市のT字の交差点まで東に進み(といっても、奈良を知らない方はなんのことやら…ですね)、そのあとは北に進路を変えました。奈良公園に向かいます。南紀寺、東紀寺、高畑。奈良公園にはいって、最後は若草山のよくみえる奈良県新公会堂まで走りました。合計14kmを約80分、5:45/km程度かな。穏やかな天気でよかったです。

■走ったご褒美…というわけでもないのですが、遅めの昼食は、いつもの「さくらバーガー」にしました。「さくらバーガー」のお店は、東向北町にあります。近鉄奈良駅を降りて地上に出て南にいくと東向商店街。道路を渡って北側にいくと、東向北町になります。このあたりも含めて、最近の奈良の街には、新しい個性的なお店が増えてきているように思います。商店の新陳代謝が高まり、活気が生まれているという感じでしょうか。奈良の商業といえば、よく言われてきたのが「大仏商法」です。これは、「奈良の大仏に参詣する客が立ち寄るのを待つだけで、進んで客を集める努力をしない奈良商人の消極性」(こちらより引用)のことです。私が奈良に暮らし始めたのは30年近く前のことになりますが、そのころは、本当に奈良の中心市街地は、休日でもあまり人が歩いていませんでした。しかし、少しずつではありますが、奈良に活気が戻りつつあるようにも思います。きちんと確認したわけではありませんが、若い人が、商売を始めるというパターンが以前と比べて増えているのではないでしょうか。奈良には派手さはありません。どちらかといえば、奈良の魅力は燻銀のような魅力です。ちょっと田舎臭いがゆえの魅力でもあります。奈良の時間の流れもゆったりしています。まだまだ奈良には潜在的な魅力があるように思います。そのような奈良の魅力を再評価しつつ、少しずつ奈良の街が変化していけばよいなと思います。

■さてさて、ランのあとは汗で身体が冷えてしまいます。背負ったトレイルラン用のリュックにタオルを入れていたので、それで簡単に汗をふいて、「さくらバーガー」に突入しました(本当は、銭湯にいきたかったのですが…まだ、やっていない)。「さくらバーガー」さんは、私が奈良で一押しの美味しいハンバーガー店です。サイトには、こんな説明が。

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パテは歯ごたえ・食べ応えをしっかり残すために、包丁でミンチし手捏ね。溶岩を敷き詰めたグリルで香ばしく焼いています。自家製ベーコンは力強いバーガーに合わせ濃い目の塩味で、「さくらのチップ」で少し強めに燻製。薫りと食べ応えを楽しんでいただけるよう、ざくっと厚切りにして焼き上げています。そして、フレッシュなレタスやトマト、ほど良い酸味のピクルス。それらを「風いろ小麦」さんの協力で作り上げたバンズで挟んでいます。(初代バンズ「ボーノ」さんとは異なる個性がお楽しみいただけます。)味付けは、塩・こしょう・オリジナルのタルタルソース。卓上のケチャップやマスタードでお好みの味に仕上げ「カブッ!」とかぶりついてください。

■ばっちり燻製された自家製ベーコンをはさんだハンバーガー、今日は「チーズバーガー」にしました。そして、マスターの山戸旬人さんとのおしゃべりを楽しみました。今日、山戸さんから教えていただいたのは、奈良県障害者芸術祭「プライベート美術館」のことでした。奈良県障害者芸術祭「HAPPY SPOT NARA」の企画のひとつのようです。じつに素敵な企画なのです。公募により集まったな県内の障害のある人の作品約150点を、まちのなかで楽しむプロジェクトです。まちなかの店舗によびかけ、オーナーが自分の感じるままに作品を選び、お店に展示することになっています。

■「さくらバーガー」さんの店内にも、3点の作品が展示されていました。お店にはいってすぐに、すごく力強いラインが印象的な、カラフルに何かの動物を描いた作品が展示されていました。最初は、「おお、エエ感じや~」と思って、マスターの山戸さんにうかがったところ、それが「プライベート美術館」の作品だったのです。昨年の10月、作品と店舗の「お見合い」があり、山戸さんもご自身が「これがいい!!」というものを3点選ばれたのですが、作品の下には、作品名と選んだマスターの説明が書かれた小さなプレートも貼り付けてありました。障害者のアートを媒介に、お店とお客のコミュニケーションを通して「物語」が生まれるのでしょうね。

■ところで、マスターの山戸さんも走っていることが判明。であれば、「さくらバーガー」を基地にランニングクラブをつくってほしいな~。終わったら、走ったカロリーだけ、超美味しいハンバーガーをいただくのです。どうでしょう、みなさん!! 良い企画でしょう。

【追記】■昔からいわれる「大仏商法」。まだ、どこかにそのような傾向が残っているのでしょうか。「大仏商法」は、基本的に、やって来る観光客にしか目が向いていないということになります。しかも、かつての修学旅行の生徒たちのように、次から次へとやってくるような観光客です。まだ、そのようなかつてのビジネスモデルの残滓がどこかに残っているのであれば、それは捨ててしまったほうがよいと思います。また、観光客だけに目をむけるのではなく、近くに住んでいる市民、たとえば奈良府民とよばれる奈良市西部地域に居住している市民(奈良に居住して大阪に通勤している人たち。大阪の方に眼と意識が向いている)が、まずは行きたくなる街にしていったほうがよいのではないかとも思います。住んでいる市民が(それとはなく)自慢できる・誇りにするそのような街の営みのなかに、外部の観光客を惹きつける「本物」の奈良の新しい魅力が生まれてくるのではないかと思います。そして、そのような新しい魅力と、燻銀のような奈良の魅力、田舎臭いがゆえの奈良の魅力、ゆったりと時間が流れる奈良の魅力とがうまく調和していく…そのような奈良になってほしいなと思います。

西宮北口、「春の唄」、そして「涼宮ハルヒ」。

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■昨日は、前回のエントリーにも書きましたように、後輩である坂本勝くんの「絃楽器工房MASARU」を訪ねました。写真は、坂本くんの工房から見える阪急の西宮車庫です。工房は、阪急・西宮北口駅の近くにあるACTA西宮にあることから、このような景色を眺めることができます。もちろん、このような景色をみて「萌える」のは、鉄道好きだけですけどね。

■ところで、阪神淡路大震災前のことになりますが、現在、坂本くんの工房がはいっているACTA西宮の場所には、市場がありました。本市場と復興市場というらしいのですが、古い市場が2つありました。はっきりは記憶していませんが…。当時は、この西宮北口を経由して大学に通学していたので、所属していた学生オーケストラ(関西学院交響楽団)の練習が終わったあと、市場のなかにある「お好み焼屋」によく出かけました。このエントリーに登場している連中とは、よく出かけました。当時、酒といえば、瓶ビールと燗酒しかありませんでした。みんなお金がないので、途中で「おばちゃん、いま、お勘定はなんぼぐらいになってますか?」と手持ちの資金を気にしながら、「よし、まだいける」と、焼きそばやお好み焼きをアテに呑んでいました。

■記憶にかすかに残っているこの市場のことが気になり。少し調べてみました。民俗学の森栗茂一さんのブログ「森栗茂一のコミュニティ・コミュニケーション」に「春の唄と阪急西宮北口駅商店街」というエントリーがありました。学生の皆さんは、「春の唄」といってもよくわかりませんね。戦前の歌ですから。私自身は、テレビの懐メロ番組によく登場していたので、小さい頃から耳にしていましたから、歌詞はおぼえていませんが、メロディはなんとかわかっています。それはともかく、森栗さんのブログによると、この「春の唄」の歌詞に登場する市場は、西宮北口の市場だというのです。そうか~知りませんでしたね。

■それから、もうひとつ。これは最近の話題です。最近すぎて、私にはついていけていなかった…のです。といっても、10年前ぐいかな…。ライトノベルとよばれる文学のジャンルがありますが、そのライトノベルで人気の「涼宮ハルヒ」シリーズ(作・谷川流)に登場する街のモデルが西宮なのだそうです。このシリーズ、読んだことは一度もありませんが、この小説のなかには「北口駅」が登場します。西宮北口駅がモデルなのだそうです。この「涼宮ハルヒ」シリーズは、アニメにもなっているそうですね。ネットで調べてみると、いわゆる「聖地巡礼」されているファンの皆さんのレポートがたくさんありました。

■「春の唄」は国民歌謡、「涼宮ハルヒ」は人気ライトノベル。こういった、それぞれの時代のサブカルチャーと地域社会との関係。最近、関心をもつ学生が少しずつ増えて相談にきます。自分の身近な趣味的な関心の向こう側に、社会的な現象や課題があることに気がついてくれているのでしょう。このあたりのことも、どう指導していくのか、自分自身のためにも、もう少し勉強しなくてはいけませんね…。

【追記1】■まち歩き・散歩と文学に関しては、「東京紅團」というサイトがあります。

【追記2】■森栗さんのブログのエントリーに登場した「春の唄」>市場が登場するのは2番。歌詞は、以下の通りです。坂本くんの工房のはいっているアクタ東館と、その向いの西館のあいだに広場がありますが、そこにこの「春の唄」の記念のプレートがあるとの情報をつかみました。こんど坂本くんの工房にいくときに、確認してみます。

ラララ青い野菜も 市場について
春が来た来た 村から町へ
朝の買物 あの新妻の
かごにあふれた 春の色

■「春の唄」の作詞・は喜志邦三、作曲は 内田元。森栗さんの解説によれば、2人とも東京の出身ですが、西宮北口に住んでいました。喜志は近くにある神戸女学院の教授(現在では、西宮北口のひとつ北にある門戸厄神が最寄りの駅)、内田も新天地を求めて関西に移ってきたのだといいます。阪急沿線の西宮北口に住居を求めたわけですね。「春の唄」は昭和12年(1937年)ですが、駅の開業により農村地帯が住宅開発が始まっていたのでしょうね。wikipediaの「西宮北口駅」では、こう解説されています。

開業時、駅は西宮町(1925年に市制施行で西宮市となる)の市街地から大きく離れ、武庫郡瓦木村(1942年に同市へ編入)に属する農村地帯に存在したが、当初より「瓦木」ではなく「西宮北口」を名乗った。

■もう少し、このあたりの歴史を知りたくなりました。西宮市史等、少し読んで調べてみようかなと思います。

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