社会学入門演習「現地実習」

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■6月7日(土)・8日(日)の両日、1年生の「社会学入門演習」の「現地実習」で近江八幡市にいきます。現地では、NPO法人「百菜劇場」の廣部里美さんにコーデイネーターをお願いして、白王町と北之庄町で体験学習を行います。この2つの集落は、上記の地図をご覧いただければわかりますが、西の湖(干拓されずに残った)のそばにあります。

■白王町では、地元の農家の皆さんから「現在の集落の活性化に関する取り組み」や「以前の暮らしと内湖とのつながり」等についてお話しを伺います。そのあと、西の湖にうかぶ島「権座」に田舟で移動します。ここでは、活性化の取り組みとして酒米を生産されています。この酒米を原料に、東近江市の酒蔵(喜多酒造)が「権座」という日本酒を製造されています。また、市民参加のイベント等も行われています。学生たちは、この権座で地元の農家から説明を受けたあと、「竹チップづくり」と「雑木林の刈り取りとチップ化」に取り組みます。そして、体験を通して感じたこと、不思議に思ったこと、農家の方たちと語り合うことになっています。若者の視点から権座の活動に対するアイデアを提案できればと思います。そして、晩は、地元野菜や猪肉を使ったバーベキュー交流会が開催されます。豪華ですね〜。

■2日目は、北之庄町にいき、「北之庄沢を守る会」の皆さんと一緒に田舟に乗って北之庄沢の清掃活動を体験します。そのあと北之庄町自治会館へ移動し、地元の皆さんから「北之庄沢を守る会の取り組み」と「伝統野菜・北之庄菜について」についてお話しを伺います。また、「百菜劇場」の廣部さんから「NPO法人百菜劇場の活動について」説明をしていただきます。そのあとは、2グループにわかれて八幡山から水郷を眺めたり、百菜劇場の見学を行います。昼食は、地元のお母さんたちの手作りのお昼ご飯をいただき、歴史的建造物群保存地区のある市街地に移動し、5つの班に分かれて散策をします。

■廣部さんのおかけで、充実した2日間のプログラムになりました。楽しみにしています。

メジロ

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■娘はある企業で建築士として働いています。趣味は海釣り。よく日本海にでかけます。遊漁船で沖にでて、でっかい魚を釣っていきます。一昨日も、メジロを届けてくれました。メジロとは、ブリの子どもです。ブリは「出世魚」と呼ばれ、成長する段階で名前がかわりますが、関西では、プリになるひとつ手前の段階を「メジロ」というようです。wikipediaですが、以下のように解説していました。

関東 - モジャコ(稚魚)→ワカシ(35cm以下)→イナダ(35-60cm)→ワラサ(60-80cm)→ブリ(80cm以上)
北陸 - コゾクラ、コズクラ、ツバイソ(35cm以下)→フクラギ(35-60cm)→ガンド、ガンドブリ(60-80cm)→ブリ(80cm以上)
関西 - モジャコ(稚魚)→ワカナ(兵庫県瀬戸内海側)→ツバス、ヤズ(40cm以下)→ハマチ(40-60cm)→メジロ(60-80cm)→ブリ(80cm以上)
南四国 - モジャコ(稚魚)→ワカナゴ(35cm以下)→ハマチ(30-40cm)→メジロ(40-60cm)→オオイオ(60-70cm)→スズイナ(70-80cm)→ブリ(80cm以上)

■我が家には、いちおう出刃包丁はあるのですが、サバやアジ程度の大きさをおろすときに使うものです。その小さな出刃包丁で苦労しながらさばきました。昨日は、刺身とカマの塩焼き。今日の晩は、あら炊き。明日の晩は、塩焼き。夫婦2人の家庭ですが、1匹丸ごと全部いただく予定になっています。

防災訓練

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■昨日は、暮らしているマンション自治会の一斉清掃&防災訓練でした。朝8時頃から、自宅マンションの周囲の草むしり、付近の側溝の泥さらいを行いました。昔の言葉でいえば、「普請」ということになりますね。ここに暮らす者の「義務」としての共同作業です。ただし、この共同作業、みんなで一緒に汗をかくことで、単なる「義務」を超えたやりとりも生まれます。そこが大切だなと思うのです。

■一斉清掃のあと、1時間の休憩のあと、防災訓練が行われました。まずは避難訓練です。私は、自分が暮らしている階の責任者になっているので、高齢者の方のお宅をお訪ねし、避難訓練に参加されるかどうかをお聞きしていました。今回の防災訓練にあたり、自治会では、アンケートをとっています。避難のさいに介助が必要な方の存在を確認しています。個人情報とのかかわりから、なかなか難しい問題でもあるのですが、マンションだからこそ、いざというときのご近所の助け合える関係が大切になります。

■避難訓練のあとは、消火器を使った消化訓練、そしてマンションに備え付けの消火栓を使っての消化訓練を行いました。後者の消火栓を使っての訓練は初めての経験でした。今回の訓練で使い方がわかりました。訓練は大切だと思いました。ちなみに、消化器の使い方のコツは「ピノキオ」なのだそうです。「(ピ)ピンを抜く」、「(ノ)ノズルをはずす」、「(キ)気をおちつける」、「レバーを押(オ)す」なんだそうです。

■最後は、心臓マッサージと人工呼吸、AEDの訓練でした。消防士の方が指導をしてくれました。そのさい、「ここまでしっかり訓練をやる自治会はあまりない」と評価をいただきました。毎年1回のことですが、心臓マッサージと人工呼吸のやり方、AEDの使い方…曖昧になっている記憶をはっきりさせることができます。一連の訓練が終了した後は、炊き出しの訓練です。もっとも、訓練といっても、訓練に名を借りた慰労会のようなところがありますね。若いお母さんたちも参加してチキンカレーをつくりました。

■ところで、電話の「#7119」「#8000」という番号をご存知でしょか。救急車を呼びべきかどうか、判断に迷ったときに、ここに電話をすると、専門家が相談にのってくれるのだそうです。大人のばあいは、前者の「救急電話相談」。子どものばあいは、後者の「小児救急医療電話相談」。大人の「救急電話相談」は地域によって番号が異なるらしく、この番号は奈良のばあいです。

大津エンパワねっとの「めろん」と「こけし」

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■一昨日は、大津エンパワねっとコース「地域エンパワねっとⅡ」で頑張っているチーム「めろん」と「こけし」のイベントが、大津市の浜大津を中心とした中心市街地(中央地区)で開催されました。「めろん」は、中心市街地のマンション自治会とのコラボで、中心市街地の素敵な建造物や史跡、そして老舗を訪ねる「歩こう会!」を企画実施しました。このイベントのなかでは、鮒寿司で有名な「阪本屋」さんを訪問しました。明治2年に創業された老舗です。お店では、社長さん自ら丁寧にお店の説明をしてくださいました。

■イベントは無事終了しました。ちょっと一息つきたいところですが、チームのMくんと数人が、「阪本屋」さんにお礼にいきました。そのことに関し、「阪本屋」さんのfacebookの公式ページに以下のように書いていただきました。

実は個人的に一番心に残ったことがあります。内容と関係ありませんが‥
まち歩き終了後、学生さんが数名お礼を言いに来られました。
ツアーやイベントの後、お礼に来られる方は稀です。
最近の若いもんは‥ではないですが、最近の若い人は律儀で礼儀正しい方が非常に多いと感じます。お店に立っていると常にそう感じます。
かなり緊張してらっしゃったようですが、皆さんと私、ほとんど年齢変わりませんよ‥。

また、機会があればご一緒したいと思います。

■こういうことを書いていただくと、指導している側としてもとても嬉しいです。ありがとうございました。

■午後からは、チーム「こけし」のイベント「水ナスでおもてナス」でした。チーム「めろん」の企画は、大津に転居されてきたマンションの住民の方たちに、大津の街の魅力を知ってもらおうという企画でしたが、こちらの「こけし」の似たような問題関心からのイベントです。「こけし」の狙いは、100年を超える老舗のすばらしさを、マンション住民の方たちに知っていただきたいというところにあります。今回は、長等漬けで有名な漬物店「八百与」さんで、参加者の方たちが水ナスやキュウリの漬け物体験をするというものです。学生たちの提案を受け止めてくださって「八百与」さんに、心から感謝いたします。

■毎日新聞で告知の記事を出していただいたことから、定員を超える応募がありました。当日は、朝日、京都、産経、毎日といった新聞社の取材がありました。また、地元のケーブルテレビである「Z-TV」の取材もありました。じつは、学生チームを応援・指導してくださっている方の紹介で、市役所の記者会見クラブにイベント開催のチラシを届けていました。そのことが、多数の応募者につながったのかなと思います。

■エンバワねっとに長年取り組んできました。最近思うのですが、学生たちをご指導いただくなかで、学生を媒介として地域のなかにいろんな信頼と協働の「つながり」が生まれているように思うのです。顔は知っているけれど…会釈はするけれど…以上の「つながり」です。いわゆる「社会関係資本」が少しずつ蓄積している…といったらよいのかもしれません。誰かが青写真に描いたとおりには、人「つながり」ません。そして「社会関係資本」は蓄積しません。様々な相互作用の結果として、蓄積していくように思うのです。蓄積には時間がかかります。今回も、学生たちは、いろんな方たちにお世話になっていますが、直接に学生の指導にあたっておられない方でも、「エンパワ」の学生たちがどうしているのかなと…笑顔でイベントをのぞきに来てくださいました。こういう「つながり」も、本当にありがたいと思います。

昨日・今日のできごと

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■一昨日は、学部教授会の懇親会でした。そして昨晩は、龍谷大学の兵庫県出身者による「兵庫県人会」でした。私は、奈良在住者としては「奈良県人会」に所属していますが、出身は神戸であることから、知り合いの教職員の皆さんと「兵庫県人会」をつくり、年に数回、飲み会をやっています。今回は、5回目になります。私が勝手につくった規約で、最年長者が会長になるということで、現在は、経営学部の野間学部長に会長をお務めいただいています。昨日は、京都駅ビルのなかにある居酒屋で開催されました。次回は秋、テーマは「松茸」、その次は冬、テーマは「蟹」です。兵庫県は広いですから、食の題材はたくさんあります。県人会で慰安旅行かもしれません。

■長らく「大津エンパワねっと」事務局にお務めいただいた奥田伊代さんが、ご退職されることになりました。今日は、最後の勤務日でした。いろいろご迷惑をおかけしてきましたが、辛抱してくださいました。奥田さんの仕事ぶりは大変緻密で、大雑把な私は、ずいぶん奥田さんに助けていただきました。ありがとうございました。奥田さんには、エンパワねっとを修了した学生たちからメールが送られてきました。また、実際にお別れの挨拶にきた学生もたくさんいたようです。学生たちからも、ずいぶん慕われておられました。

■御礼の気持ちに、ものすごく美味しそうな(私が一番食べたい…と思った)フルーツたっぷりのタルトをプレゼントさせていただきました。喜んでくださいました。私のほうも、奥田さんからプレゼントをいただきました。お手製のキーホルダーです。私の似顔絵が書いてあり、隅には「大津エンパワねっと」のキャラクター(エンパワくんと呼ばれていますが…)が描いてあります。ありがとうございました!!

学部懇親会

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■昨晩は、近江会でした。近江会は、社会学部の教員の懇親会です。そこに、事務職員の方もお招きして,年に3回開催されます。今回は、近江会の幹事の皆さんが、会場としてドイツレストラン「ヴュルツブルグ」を選んでくださいました。昨日は天候もよく、レストランの庭に置かれたテーブルで実に美味しくドイツビールをいただくことができました。「初夏」のまだ「湿度が高くない」頃の、「夕方」から呑むビールは最高に美味いです。ドイツレストランのあとは、若手事務職員の方と一緒に大津駅前のいつもの「利やん」へ。普段仕事でお互いに忙しくしているので、こういうときはゆっくり話しをすることができますね。というわけで、ドイツ▶︎大津経由で、奈良の自宅には最終電車での帰宅となりました。

須磨海岸

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■出身地はどこかと聞かれたら、神戸だとこたえます。しかし、5歳から16歳の夏までは、神戸にはいませんでした。父親の転勤で、下関、小倉、博多、広島と転居と転校が続きました。幼稚園は3つ、小学校も3つ、中学は1つですが、高校も2つ。転校を繰り返した少年時代でした。というわけで、神戸出身とはいうものの、かなり微妙なところがあります。

■神戸に戻った両親は、私が高2年生のときに、須磨の新興住宅地に家を建てました。子どもからみても、かなり無理をして、がんばって建てた…という感じがしました。国の持ち家政策に煽られて、多くのサラリーマンがローンを組んで郊外に住宅を求めた時代です…。それとはもかく、高校や大学には、この須磨の家から通学することになりました。通学では山の中に造成された新興住宅地から海岸沿いの駅まで歩いていきました。通常、この地域の多くの住民はバスを使って通勤・通学をしていたと思いますが、私のばあい、節約する必要がありました。貧しかったので節約せざるを得ませんでした。行きも帰りも歩いていました。片道2.5kmほどの距離だったと思います。家は高台にありましたから、駅にむかって歩いていくときには、淡路島や瀬戸内海が見えました。

■駅の真横は須磨海岸でした。よく、海岸に座ってぼーっとしていました。現在のようなおじさんの年齢になると、仕事に追われるばかりで、そんな贅沢な時間は何処かに消えてしまっています。ありふれた言い方ですが、お金はなかったが、気持ち的には豊かだった…のです。。

■今日、通勤で京都駅のプラットホームに立っていると、普通・須磨行きの電車が止まっていました。仕事に疲れている現在「気持ち」的には、この電車にそのまま乗ってしまいたかった…というのが本音です。ひさしぶりに、若い頃のように、海岸に座ってぼーっとしてみたかったのです。しかし、それはあくまで妄想のなかだけでしか許されません。

■写真は、2009年の5月の須磨海岸。姫路にある兵庫県立大学に仕事に行った帰りに撮ったものです。末期の肺癌で苦しんでいた父親を泊まり込んで看病していた時期です。父親は、苦しんで、2ヶ月後に亡くなりました。海岸の風景も父の死を予感しながら眺めていたように思います。この写真、長らく塩漬けになったままの個人ブログから引っ張りだしてきました。

北船路米づくり研究会「2014田植作業」

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■昨日は、ゼミでおこなっている「北船路米づくり研究会」で、2014年度の田植作業を行いました。秋から「龍大米」として販売するコシヒカリの田植作業です。その他にも、「龍大芋」として販売する里芋の種芋の植え付け、さらは北船路集落にある農事組合法人「福谷の郷」さん酒米の田植を終えられた田んぼで、補植の作業を行いました。

■facebookにある「北船路米づくり研究会」のページにアルバムを作成しましたので、そのリンクを埋め込んでおきます。ぜひ、ご覧ください。

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■昨年、北船路の「農事組合法人福谷の郷」では、棚田の水田3筆で、酒米である山田錦を生産されました。今年は、同じ酒米ですが吟吹雪を生産されます。基本の田植えの作業はすべて組合の方でされていますが、田植機で植えられない隅の方や、まだ田植ができていない部分を、学生たちと一緒に手植えで補植しました。

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■こちらは、龍大芋の畑です。種芋を植えて、マルチシートをかぶせているところです。いつもは、畝が蛇のようにうねってしまうのですが、今回は、研究会顧問で指導農家の吹野さんからも、それなりに評価いただける程の出来になりました。

■私たちは米と里芋だけを生産しています。月1回の「北船路野菜市」で販売する野菜については、協力農家に出荷していただいています。野菜を生産して出荷することは、学生にはななか難しいのです。ひとつには、技術的な問題です。あとは、キャンパスと北船路が離れているために、たびたび世話にいけないこと。また、北船路にくるためには移動のための費用がかかり、回数を増やせないこと…。理由はいろいろです。もし、潤沢な実習費のようなものがあれば、交通費については気にしなくてもよいのでしょうが、大津市からの助成金やわずかなゼミ実習費など、活動の財源は限れています。ですから、北船路を訪問する回数や人数を増やしてしまうと、年度途中で予算がなくなってしまいます。そのため、年度計画と予算・決算書等をきちんと書いて活動の経営を自己管理するようにもなってきました。社会に出れば必要とされることですから、経験の先取りといってもよいかもしれません(といっても、そんな複雑な予算・決算書ではありませんが…)。

■学生たちには、農作業が大変だ…ということだけでなく、これだけ世話をして売っても、たったこれだけの売り上げにしかならないのか…ということを実感してもらいたいと考えています。秋になると、生産された米や芋を「龍大米」「龍大芋」として販売します。また、京都や大津の飲食店で料理に使っていただき、そのさい「龍大米」「龍大芋」のアピールとを通して、北船路の存在を多くの消費者の人びとに知っていたただく活動もしています。こうやって、研究会で学生たちは、農産物のブランド化も含めて生産から販売までを、いわゆる「農の6次産業」を経験するのです。
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流域における栄養循環(1)-リンの問題-

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■いつもは、教育や地域連携の話題ばかりなのですが、今日は、研究に関連してエントリーします。少し以前のことになりますが、私がコアメンバーとして参加している総合地球環境学研究所(大学共同利用機関法人/人間文化研究機構)の研究プロジェクト「生物多様性が駆動する栄養循環と流域圏社会─生態システムの健全性」が、FS(予備研究 Feasibility Study)からPR(プレリサーチ Pre-Research)に「駒を進めた」ということをお伝えしました。このプロジェクトとも大きく関連する記事が、先月の朝日新聞に掲載されました。「人に欠かせないリン 輸入頼み 安定的確保が課題」です。

■この記事のなかでは、3月に東大で開催された「第1回持続的リン利用シンポジウム」での報告にもとづいて書かれているようです。記事のタイトルにもあるようにリンは、あらゆる生物にとってリンは必須な栄養ですが、記事のなかにはこういう記述があります。「牛肉250キロを得るためには与える資料の生産に、肥料として15.8キロのリンが必要」。「バーチャルリン」といいます。外国から牛肉を輸入すると、結果として、リンを消費していることになるのです。リンの不足の備えとしは、肥料の節約や食利用を無駄にしないこと、下水汚泥からの回収循環の促進、鉄を作った時に出る鉄鋼スラグに含まれるリンの活用等が考えられているようです。もっとも、今後の世界の人口がどれだけ増えるのかで、問題のあり方も違ってくるようです。

■私たちの研究プロジェクトでは、リンだけに特化しているわけではありませんが、リンも含めた栄養元素の循環に注目します。その理由は以下の通りです(総合地球環境学研究所のページからの引用)。

物質的に豊かな現代社会では、モノを大量に生産・消費する過程で、窒素やリンなど特定の栄養分が自然生態系に過剰に排出されます。これによって生じる「栄養バランスの不均衡」は、世界中の流域生態系において富栄養化や生物多様性の減少などの問題を引き起こしています。「地球規模生物多様性概況第3版(GBO3:生物多様性条約事務局 編)」によると、地球上の生物多様性の消失は急速に進み、生態系の劣化とともにさまざまな生態系サービス(自然の恩恵)が失われつつあります。問題の根本的な解決には、私たちの社会経済活動のなかに、生態系や生物多様性の保全と持続可能な利用を組み込むこと(生物多様性の主流化)が必要とされ、地域の実情に即した多様なステークホルダー(利害関係者)との協働が提唱されています(Future Earth)。しかし、具体的にどうすれば協働作業がうまくいくのかはこれからの課題です。

私たちは、「順応的流域ガバナンス」(図1)という考え方に立って、地域社会が抱える問題の解決を通じて、生態系や生物多様性問題の解決に取り組むことが有効だと考えています。本FS では、流域の栄養バランスの不均衡が引き起こす問題に焦点を当て、流域住民が行政や科学者との対話を通じて地域再生に取り組むことで、流域全体の再生も促されるようなガバナンスのしくみの解明をめざしています。

■また、私たちのプロジェクトがこれから取り組むことは、以下のことになります。

私たちは、「順応的流域ガバナンス」という考え方に立って、地域社会が抱える問題の解決を通じて、生態系や生物多様性問題の解決に取り組むことが有効だと考えています。本FS では、流域の栄養バランスの不均衡が引き起こす問題に焦点を当て、流域住民が行政や科学者との対話を通じて地域再生に取り組むことで、流域全体の再生も促されるようなガバナンスのしくみの解明をめざしています。

順応的流域ガバナンスは、流域住民が地域の自然に多様な価値を見いだし、流域の再生に取り組むことから始まります。他方、私たち科学者は、流域の窒素やリンの循環を可視化する指標や生態系サービスを評価するツールを用いて、保全や再生活動にともなう栄養循環・バランスの回復過程を評価します。同時に、住民・行政との対話を通じて、生物多様性のもつ公益的価値の社会評価を行ない、地域社会の自律的再生を支援します。多様な主体による対話と相互学習によるガバナンスを通じて、流域生態系の栄養循環と流域社会の幸せ(Human-wellbeing)がともに高まっていくための社会的条件を明らかにすることを目標とします。

20140521fs.jpg■この図は、生物多様性が駆動する流域生態系の栄養循環を示したものです。黄色の矢印は、生態系における炭素(C)・窒素(N)・リン(P)など栄養元素の代謝回転を表しています。また、赤色の矢印は、生き物による物質循環経路を示しています。生物多様性が豊かであれば、栄養元素は、それら多くの生物に取り込まれることになります。また、下流に流れていった栄養元素をもう一度上流に返していくような社会的な仕組みが必要です。そのような社会的な仕組みだけでなく、たとえば魚が上流に遡上し、その魚が利用されることなども重要になります。

■中途半端なエントリーですが、この続きは、また書きます。

純米吟醸酒「北船路」・読売新聞記事

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■「北船路米づくり研究会」の用事で、純米吟醸生原酒、純米吟醸酒「北船路」を醸していただいた平井商店さんにお邪魔しました。お店では、「学生プロデュース酒 続々」という読売の記事のコピーをいただいた。5月18日の新聞記事です。龍谷大学の「北船路」と、滋賀県大の「湖風」のことが紹介されています。

■「北船路米づくり研究会」に関しては、以下のようにご紹介いただきました。

平井商店(大津)が3月末に発売した「純米吟醸 北船路」は、龍谷大生との企画だ。湖西の農村を活性化されて都市との交流を図る「北船路米づくり研究会」とタッグを組み、農事組合法人が酒米を栽培するのを田植えや稲刈りから手伝った。ラベルには竜を配し、無骨な毛筆を走らせた。

同点の杜氏、平井弘子さん(29)は「商品企画に携わることで日本酒に親しんでもらえるのはありがたい」と歓迎。若者らしさより<オヤジっぽさ>が前面に出ているのが意外だったが、「おしゃれなラベルより存在感がある」と気に入った。

■龍大の「北船路」のあとは、滋賀県大の「湖風」の紹介です。そのなかに、「学生日本酒サミット」が開催され、同じように酒の発信試みる全国の15大学が集まり、大学発ブランドの利き酒を行った…とあります。うちも、ぜひ参加させていただきたいですね〜。少し調べてみましたが、以下の大学が参加されていました。
石川県立大学
愛媛大学
岡山大学
香川大学
京都学園大学
神戸大学
神戸大学日本酒サークル正宗会
滋賀県立大学
城西大学
東京農業大学
同志社大学日本酒サークル
新潟大学
佛教大学
三重大学
明治大学
立命館大学

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