『空也上人がいた』
■やっと昨日、購入することができました。そして一気に読みました。新井英樹さんの漫画。原作は山田太一さん。これは、山田太一の原作も読んでみなくては…と思いました。原作は、山田さんの小説です。
■登場人物は3人。介護の仕事をやっている27歳の青年。46歳独身のケアマネージャーの女性。81歳の独居老人の男性。ケアマネさんの紹介で、青年が独居老人の介護をする…。単純なストーリーのように思えますが、この3人、それぞれに忘れようとしても忘れられない辛い過去を抱えています。そして、なかなか複雑な関係にあるのです。独居老人はケアマネさんに対して、ケアマネさんは青年に対して密かに恋している…。
■巻末には、新井さんと山田さんの対談が掲載されいました。「人の死を受け止める側のやわらかい過激さがすごい」、「状況が一変したら、我々はまったく違う人間になってしまう」、「老人の最後の性欲が二人を結びつけた」…。読んでよかったと思います。ストーリーのなかで、六波羅蜜寺の空也上人像が登場します。この漫画の底の底のところで、空也上人の存在(その向こうの究極にある阿弥陀仏)が私たち人間の「どうしようもなさ」を優しく包み込んでいるようにも思うのだが、考えすぎでしょうか…。
家棟川での現地交流会
■滋賀県庁の「つながり再生モデル事業」(琵琶湖環境部・琵琶湖政策課)の関係で、草津市の平湖・柳平湖の再生をめざす草津市志那町の皆さんと一緒に、野洲市の「NPO法人家棟川流域観光船」の活動を視察させていただきました。たいへん充実した現地交流会=視察・勉強会になりました。平湖・柳平湖の皆さんも、家棟川の皆さんも、ともに「つながり再生モデル事業」に応募されて採択されたグループです。私は、このモデル事業の採択時の「検討会」で委員長をしていたことから、積極的に実際の現場に出て行くようにしています。今回は、環境保全の活動に積極的に取り組まれてきた「NPO法人家棟川流域観光船」から学ばせていただこうと、現地交流会に参加させていただきました。
■「NPO法人家棟川流域観光船」は、「野洲の市街化の進展に伴い、市街地や水田等からの濁水の流入、ゴミの投棄、河口部のヨシ帯消失や在来魚介類の減少など、家棟川流域にはびわ湖の水や自然環境に関する課題の多くを抱えている」という状況のなかで、「ゴミがなく自然環境に恵まれた家棟川にすることを目指して」2007年に設立されました(NPOの公式ページより)。「流域観光船」って、ちょとかわった名前ですね。しかし、ただの観光船とは違います。観光は、多くの人びとに家棟川の状況を知っていただくための、ある意味「手段」なのかなと思います。
■これは一般論ですが、身近な「環境」に対して地域の「人びと」の関心が低くなっていくと(「つながり」が弱くなる/切れる)、身近な「環境」が悪化・劣化するリスクが高まります。言い換えれば、「人びと」と「環境」とのあいだにある、「物理的距離」が近くても「社会的距離」(意識しなくなる、かかわるチャンスがなくなる)が生まれてしまうと、「環境」は悪化・劣化していくリスクが高まります。この「エコ遊覧船」による観光は、家棟側に対する人びとの関心を高め、「社会的距離」を縮めていくための「手段」なのではないか…と思うのです。家棟川にすてられる不法投棄、流れてくるゴミ、これをなんとかしたいと、多くの市民ボランティアが参加してゴミの回収を行ったようですが、ゴミの量が減ることはなかったといいます。そこで、発想を転換し、家棟川に残る素晴らしい自然を楽しんでもらいつつ、この川の実態を多くの皆さんに知っていただこうと、手漕ぎによる遊覧船を始めたのだそうです。言い換えれば、観光船という「手段」を通して、家棟川と人びととの「社会的距離」を縮めようとされたのです。
■「NPO法人家棟川流域観光船」は、地元の漁師、「魚のゆりかご水田」を実践している農家など、里山・森・川・田畑・琵琶湖で活動する団体のリーダーが中心となって構成されています。代表の北出さんからは、野洲市環境基本計画を市民参加でつくるさいに、出会った地元の市民委員の皆さんが、その出会いをきっかけに、このNPOをつくったのだ…というお話しもうかがうことができました。多様な方達が参加されているわけです。ですから、以下のような強みをもっていることを自覚されています。以下は、NPOのパンフレットからの引用です。
地域の人に支えられて共に実践している
・琵琶湖周辺の6自治会(元)長が、NPOの趣旨に賛同し、会員参加している。
・漁師をはじめとした地元の21人が船頭として活躍している。
琵琶湖ならではの独自性がある
・琵琶湖とその水郷景観、漁師料理、漁師の語りなど、地域独自の宝物を提供できる。
行政の環境施策と連携した事業として実践してきた実績がある
・環境学習船として、延べ2,000人近くが乗船し、河川の現状を体験していただいた。
・これらの取組みが県知事から表彰された。
■以上のように「NPO法人家棟川流域観光船」で興味深いのは、そのメンバーの多様性です。いろんな「得意な分野や能力」をもった人びとが横につながり、「エコ遊覧船」による観光を柱にしながら、様々なテーマでの活動が可能になっていることてす。活動内容は、じつに様々です。家棟川の上流にある里山の保全(「漁民の森」整備)にも取り組んでおられます。家棟川流域のなかにある「山」、「水田」、「川」、「琵琶湖」をトータルに視野に入れて活動されているのです。活動に幅が生まれるだけでなく、家棟川をより大きな視点から捉えるように変化されています。素晴らしいことだと思います。チャンスがあれば、こういう多様な活動を展開されるようになってきたプロセスに関して、特に、レリジエンスという観点からきちんとお話しを伺ってみたいと思います。
■最後の方の写真についても説明しておきましょう。料理の写真。これは湖魚を使った「漁師料理」です。「NPO法人家棟川流域観光船」で提供されている料理です。「エビ豆」(大豆とスジエビ)、「鮎」(山椒風味)、「ウロリ」。「ビワマスの煮付け」、「鮒寿司」。「ビワマスの刺身」。ただし研修ですのでお酒はなし。ということで、ご飯を2杯もいただきました。
【追記】■逆にいえば、特定の人が、「地域づくり」活動のなかで自らリーダーたろうとして(主導権を独占したいという欲望)、情報を独占して他のメンバーを操作しようとすると、活動の持続性は急激になくなってしまいます。自分の頭のなかの青写真に、他のメンバーを資源として動員するような形に陥ってしまうことの危険性があります。「地域づくり活動」は、企業などを運営するやり方とは違うところがありますから。
金才賢先生(韓国・建国大学)の来日
■金曜日、土曜日と、韓国の建国大学の金才賢先生と、先生が指導されている2人の大学院生が滋賀県内の団体に関して聞き取り調査をされました。私は、今回の聞き取り調査のアレンジをするとともに、同行させていただくことにしました。
■もっとも、聞取り調査の対象の1つは、ゼミでおこなっている「龍谷大学・北船路米づくり研究会」でした。農村(生産者)と都市(消費者)の「顔のみえる関係」づくりを課題として活動している研究会が、どのように社会的なネットワークを拡大していったのかという点に関して、関係者や研究会とつながっている方たちからお話しをうかがいました。もちろん、私も、いろいろお話しをさせていただきました。純米吟醸酒「北船路」でお世話になっている「平井商店」の平井弘子さん、「大津の町家を考える会」の野口登代子さん、鮒寿司の「阪本屋」の内田健一郎さん、これから滋賀の農産物を活かした石釜ピザの店を開店される「Ishigama」の堀昭一さん、 「北比良グループ」の山川君枝さん、北船路の「農事組合法人福谷の郷」の音島良治組合長、研究会の顧問でもある吹野藤代次さん。皆様いろいろお世話になりました。ありがとうございました。
■ひとつのゼミの小さな小さな活動ですが、農村(生産者)と都市(消費者)の「顔のみえる関係」づくりを忘れずに活動をしてきました。カリキュラム外での取り組みです。評価も単位もありません。あくまで学生の自主性だけで運営されています。大学からの財政的な支援もわずかです。ですから、なんらかの助成金が必要になります。その申請書類の作成、プレゼンテーション、中間発表、最終報告…。私が知る学生の地域連携活動としては、かなり高いレベルを求められているのではないかと思います。学生たちの苦労は多いと思いますが、やりとげたときには深い達成感もあるでしょう。しかし、研究会の活動がとまってしまうのではないか…と危惧するような状況が何度もありました。
■この研究会の活動に関して、金先生の質問で私がとても印象的だったことは、「農村の方は、学生たちにどのように『夢』を与えることができていますか?」という質問でした。学生たちは、なんらかのスキルが身に付くとか、コミュニケーション能力が高められるとか、そのような小さな個人的な利益との「交換」で研究会の活動をしているわけではありません。もし、そういう学生がいたとしても、そのような学生は長続きしません。研究会の活動の発展に貢献できません。そのような学生が多くなれば、研究会の活動も持続しなくなります。すぐに息切れをしてしまいます。研究会のひとつひとつの活動が、社会的にどのような意味をもっているのか、その点に関して常に学生自身が確認し続けることも必要なわけですが、同時にそれらの意味は「他者」から「贈与」され続ける必要もあると思うのです。そのことが金先生の質問の根っこにあったと思われます。「交換」の原理にもとづくネットワークは持続性が弱い。「モノ」や「サービス」が動く事業系の地域づくり活動であっても、表面的な「交換」とは別に、その底には「贈与」の原理が動いている必要があります。
■土曜日は、東近江市と多賀町を中心に、森林とともに豊かに暮らしていける未来をめざし、人の営みと森林が結びつくカタチをていねいに育てるプロジェクトに取り組む「 一般社団法人 kikito」の、山口美知子さん、大林恵子さん、平居晋さん、 伴政憲さん、田中一則さん、5名のみなさんからお話しを伺いました。「kikito」に関しても、どのように社会的なネットワークを拡大していったのかという点に関してお話しを伺わせていただきました。私自身もとても勉強になりました。ありがとうございました。今後とも、どうかよろしくお願いいたします。
■「kikito」に関しては、パソコンをひろげて真剣にメモをとっていました。ところが、そのファイルが消えてしまった…ショックです。「kikito」のことは、『地域再生滋賀の挑戦 : エコな暮らし・コミュニティ再生・人材育成』(近江環人地域再生学座 編 ; 森川稔 責任編集)のなかに、山口美知子さんが「湖東地域材循環システム協議会(kikito)の挑戦」を書かれていますが、特に印象に残っていることを少し書いておきたいと思います。「kikito」の活動は、異業種の人たちによる研究会から始まっています。特定の業種の人たちだけではなく、森林を所有している人、林業の仕事をする人、行政、建築家…。通常は、みなさん自分の立場から木材のことを考えているわけですが、研究会でコミュニケーションを継続するうちに、それまでの自分のものの見方・考え方が相対化されるようになったのだそうです。自分の利益や自分の都合ばかりを主張する、そのような自己のあり方を相対化されたのです。別の言い方をすれば、この研究会の活動を通じて、森林の諸課題を、「私も含めた私たちの課題」として、あるいはより高い公共性を伴ったこれまでとは少しズラした視点をから捉えられるようになった…といってもよいかと思います。それまでは、地域社会で働き、森林や森林資源について考えながらも、出会うことがなかった人たちがつながることで、原木の調達からストックまで、地域材を無駄なく、無理なく有効利用するための仕組みづくりを行うことができるようになったのです。そのような仕組みのなかで「地域“財”を活かした商品開発」、「森林整備に貢献する紙製品の開発」、「びわ湖の森CO2」対策、「森林を活かせる人材の育成」等に取り組んでおられます。このような取り組みのなかで、「kikito」は、「行政」にも「市場」にもできないことをやろうとしておられます。お話しを伺うなかで、いろんな意見を聞かせていただきました。ひとつは、今は補助金や助成金も使ってこのような仕組みを動かしているけれど、もっと経営的にも自立度を高めていくべきというものです。それに対して、行政にも市場にもできない隙間の課題を一般社団法人として取り組んでいるのだから、そこに社会的な費用が投入されていもよいのではという意見も聞かせていただきました…。う〜ん、メモが消えてしまったので、ずいぶんズレたことを書いてしまっているかもしれません。ああ、それにしても、メモのファイルが消えてしまったことはショックです。
■「kikito」での聞き取り調査を終えたあと、金先生たちと一緒に彦根城の見学をして、いつもの大津駅前の居酒屋「利やん」に移動して夕食をとりました。打ち上げです。土曜日ですが、たくさんの知り合いの方達がお店におられました。びっくりです。「利やん」は、私にとって人との「つながり」=ネットワークを生み出していくうえで、とても重要な場所であるです。金先生にも、そのことを理解していただけたのではないかと思います。ところで、金先生はお酒をお飲みになりません。そのかわり、大学院生の女性お2人が酒をつきあってくださいました。日本の若い女性だと、甘目のお酒…ということになるのですが、このお2人はそれは嫌いなのだそうです。ということで、芋焼酎を、ストレートやロックで楽しんでおられました。お強い。すごいですね〜。酒飲みのおじさんとしては、とても嬉しくなりました。
■大学院生のJumi Kimさんが、facebookで楽しい動画を作成してプレゼントしてくれました。
【追記1】■「kikito」の聞き取り調査を終えたあと、facebookで「kikito」のメンバーの方達とメッセージのやり取りをしました。そのなかで、金先生がかかわっておられる韓国のコミュニティビジネスセンターに関心があるという話しから、それなら有志で韓国に視察と聞き取り調査にいってみようという話しになりました。金先生とは、日韓でお互いに交流しながら学びあっていこうという約束をしたので、きっとおもしろい展開になるのではないかと思います。
【追記2】■金先生や院生の方達には、仁川にあるピザ店のことを教えてもらいました。まだ、よくわかっていませんが、面白いお店なのだそうです。ちょっと調べてみます。
松の木内湖の環境再生と地域づくり
■一昨日、30日(木)、滋賀県庁の「つながり再生モデル事業」(琵琶湖環境部・琵琶湖政策課)の関係で、琵琶湖政策課や滋賀県立琵琶湖環境科学研究センターの皆さんと一緒に、高島市にある松の木内湖にでかけました。内湖に隣接する集落の皆さんに、小さな船(タブネ)で案内していただきました。松の木内湖は、様々な意味で周囲に暮らす人びとにとって重要なコモンズでもありました。
■内湖の湖底の泥。底泥は、肥料分を含む貴重な資源でした。周辺の人びとは、この泥をすくいあげ、畑にすきこみました。夏野菜がよく実ったといいます。内湖は、様々な魚の生息場所でもありました。春には、内湖の周囲にあるヨシ原にたくさんのコイ科魚類が産卵にきました。鮒寿司の原料になるニゴロブナはもちろんですが、それ以外のフナやコイの仲間の魚たちも、タツベやモジなどの竹製の漁具で捕獲され食用にされました。昨日お会いした方達は、そのような湖魚を食べる食文化のなかで生まれ、これまで生きてこられました。そうそう、私が大好きなホンモロコもよくやってきたといいます。ヨシ原は、ボテジャコとよばれるタナゴ等の小さな魚の生息場所でもありました。その他にも、ナマズやギギ、ドジョウなどもいくらでもいたといいます。内湖の琵琶湖への出口のあたりには、小さなエリも設置されていました(フナなどを獲る荒目のエリ)。肥料や食料といった人びとの生業だけでなく、内湖は、子どもたちの夏の遊び場でもありしまた。人びとの生活とも密接につながっていました。ところが、高度経済成長期を経て生業や生活のスタイルが近代化のなかで変化していきます。化学肥料が普及すると、内湖の泥を使うことはなくなりました。食生活も変化し、若い世代の皆さんは、内湖の魚を食べることがなくなっていきました。人びとの暮らしや生業と内湖との「つながり」が切れてしまったのです。もちろん、今はこの内湖で遊ぶ子どもの姿もみることもできません。このような変化は、この松の木内湖だけではなく、現在でも残っている滋賀県内の他の内湖でも同様の状況かと思います。
■人びとの暮らしや生業と内湖の「つながり」が切れてしまうことで、内湖は少しずつ変化していきました。かつてのように内湖の低泥を肥料として取り出すことはなくなりました。当然、流入する河川からの土砂で内湖は浅くなり、そのような土砂は内湖に溜まっていくことになります。この地域の皆さんの話しを総合すると、そこに拍車をかけたのが河川改修や周囲の水田の圃場整備事業です。かつて松の木内湖には、周囲の複数の河川から、今とは違ってかなりの量の水が流れ込んでいたようです。また、内湖から琵琶湖へ内湖の水が流出するあたりは、今よりも幅が狭くなっており、そのこともあり、かなりの流速があったようです。内湖の湖底には、そのような水の流れにより「ホリスジ」と呼ばれる一段深くなった内湖のなかの水路のようなものもあったといいます。常に、この松の木内湖の水は動いていたてのですね。しかし、河川改修によりその動きがなくなりました。さらに、圃場整備事業により水田からの濁水が、内湖に河川から流れ込み、泥が堆積するようになってしまいました。圃場整備事業により濁水や内湖に堆積する泥の量は増えました。泥が堆積したところにはヨシ帯が形成され、樹木もはえるようになってしまいました。少しずつ内湖は小さくなっていったのです。実際に田舟にのって内湖を拝見したわけですが、そのさい、湖底からキノコのようなものがニョキニョキとはえているのがみえました。もちろんキノコではありません。水中の泥が沈殿していくさいに、水草の葉や茎に泥が積もってしまったのです。それが、キノコのように見えていただけでした。何も知らなければ、美しい風景のように見えますが、この地域の皆さんからすれば、これは荒れ果ててしまった内湖ということになります。
■かつての内湖をよくご存知の60歳代以上の皆さんは、なんとかこの状況を食い止めたい、そして改善したいとお考えです。この日は、地元の方に田舟に乗せていただき、内湖をその内側から見学させていただきました。内湖の状況をじっくり観察させいただきました。陸からながめているのとは異なり、地域の皆さんが悩んでおられる実態がよく理解できました。以前、公共事業により、この内湖を整備して公園化してしまおうということが計画がたてられましたが、結局、予算の関係もありうまくいきませんでした。しかし、地元の皆さんは、そこで挫けませんでした。現在、4月末か5月頭にかけて内湖の端にたくさんの「鯉のぼり」を泳がせるイベントを開催されています。少しでも、内湖のことを知ってもらい、内湖と関わってもらおうという狙いがこのイベントにはあります。私は、まだ参加したことがないのですが、地域外からもたくさんの方たちが参加されるようです。
■田舟での内湖の視察のあとは、地元の方達と、この松の木内湖の再生、特に地元の皆さんの暮らしと内湖の「つながり」をどのように再生していくのか…という点について協議を行いました。これで3回目になります。今回は、松の木内湖の「つながり」をもっと再生できるように、これまで地域の皆さんで実施されてきた「鯉のぼり」のイベントを、さらに盛り上げていこうということになりました。最初は少々堅い雰囲気でしたが、しだいにいろんな「夢」が出てきました。「夢」を語り合うことができました。結果として、「さあ、やるぞ!!」という感じで「力」が湧いてくる素敵な会議になりました。「こんなこといいな、できたらいいな…」と漫画「ドラえもん」の歌の歌詞のような展開になりました。写真とは異なり、みなさん笑顔になりました。いろんなプランが提案されました。そうした中で、まず決定したことは、若い世代の方達が泥臭いと嫌っておられる内湖の魚を美味しく料理して食べてもらおう…というものです。そのために、新しい湖魚料理をプロデュースできる料理人の方に、そのイベントに参加してもらおうということになりました。現在、料理をしてくださる方を募集中です。すでに、声をかけさせていただいた方もいます。個人的な主観といわれるかもしれませんが、湖魚は美味しいんです!! 美味しい湖魚を、現代風のレシピのなかで使っていただき、若い世代にも楽しんでもらおう…というのが狙いです。湖魚料理以外にも、内湖のもっている「びっくり」するような「すごい」魅力を、しっかり伝えていけるような企画も考えています。楽しいイベントにしていきます。地元はもちろんですが、地域外からもたくさんの参加をいただければと思います。また、このブログでも広報させていただきます。
白鬚神社
■昨日は、滋賀県庁の「つながり再生モデル事業」(琵琶湖環境部・琵琶湖政策課)の関係で、琵琶湖政策課や滋賀県立琵琶湖環境科学研究センターの皆さんと一緒に、高島市にある松の木内湖まででかけました。滋賀県庁の公用車ででかけたのですが、途中、白鬚神社で少しだけ時間をとっていただき、この写真を撮りました。
■iPhone5で撮ったわけですが、なかなか満足のいく出来に仕上がりました。写真を撮っているとき、とても清々しい気持ちになりました。最近は、いわゆるパワースポットとしても有名らしいのですが、なるほど…と思います。
「龍大芋」のから揚げ
研究会が北船路の棚田で生産した里芋、「龍大芋」として、京都や大津の飲食店のお料理でお使いいただいています。本日ご紹介するのは、大津駅前の居酒屋「利やん」(としやん)さんです。写真をご覧ください。里芋の唐揚げです。あらかじめ、出汁につけて薄味をつけた里芋の表面に粉をつけて揚げたものです。表面はカリッとしていますが、中身は里芋特有のねばりがあります。「龍大芋」の美味しさをこういう形で引き出していただきました。ありがとうございました。
■上記の写真と文章は、facebookに投稿したものです。ブログでは、裏話をさせていただこうかと思います。大津駅前の居酒屋「利やん」、私にとって、人と会うときには「異業種交流の場」や「応接間」となり、個人的には「憩いの場」ということになります。マスターや常連のお客さんの皆さんとも気楽に気安くおつきあいをさせいただけます。そういう「場所」がきちんとあることを、私自身は大変幸せなことだと思っています。
■その「利やん」で、マスターからちょっと言われました。「他所のお店で『龍大芋』を使った料理は紹介しても、うちの料理は紹介してれないの…」。ちょっと、まあ、そういったご指摘をいただきました。良い写真がなかったので、慌てて学生から一枚LINEで送ってもらいました。本当に申し訳ありませんでした。
■昨日は、料亭「大津魚忠」さんに、懐石料理のコースの一品として研究会で生産したて「龍大米」のご飯を出していただいている話題をエントリーしました。いろんなお店が「北船路米づくり研究会」のことを応援してくださっています。本当にありがとうございます。これからも、「農・商・学」連携のネットワークが拡大していくように頑張ってまいります。
【追記】■以下は、関連エントリーです。私と居酒屋「利やん」との関係について述べています。こちらもぜひお読みください。
とれたてホップ生ビール
■ 私は、諸般の事情から、「アサヒビール」党なのである。諸般の事情とは、いつも通っている大津駅前の居酒屋「利やん」がアサヒビールのお店…ということなのだが。基本的に、ビールに関しては全方位外交でいたいたのが、諸般の事情から「アサヒビール」なのである。だから、吹田にあるアサヒのビール工場見学にもいく。できたてのビールは、本当に美味い。ついでに、記念写真を撮るときは「ビールといえばアサ『ヒ』」といって撮るのだ(「ヒ」というと笑顔にな〜る)。
■ところが、今回だけは許してほしい。「一番搾り とれたてホップ生ビール」。ホップは、岩手県遠野産なのだ。そして、今日が全国発売日なのだ。岩手県立大学に勤務していたこともあり、私は岩手ファン。自然に手が伸びてしまうのだ。もちろん、アサヒビールが「とれたてホップ生ビール」を出してくれたら、乗り換えますから。ちなみに、記念写真を撮るとき、「ビールといえば一番絞『り』〜」といっても笑顔になるな。
■昨日が、「とれたてホップ生ビール」の全国での発売日でした。岩手県では、全国に先かげて販売されていたようです。
料亭「大津魚忠」さんと「龍大米」
■今日、通勤中、facebookを眺めていると、大津の中心市街地にある料亭「大津魚忠」さんのページに、ご飯の写真がアップされ、次のような文章がそえられていました。
龍谷大学「北船路米づくり研究会」の学生さん達が作られた「龍大米」。〆のご飯ではなく、懐石コース料理のメインの1品として食べて頂きました。石釜で炊きたての龍大米と、焼いた鰻を少し山椒風味にふんわり炊きお気に入りの器に贅沢に並べおすすめしました。
皆様おかわりで完食!元気なお米です。大津魚忠
TEL077-522-4428
大津市京町2-4-10
http://uochuu.jp/
■ゼミでおこなっている「北船路米づくり研究会」では、京都市の四条にある「串かつ おばんざい とんとん」さんと「みます屋DELI」さん、大津市の中心市街地にある居酒屋「利やん」さん、以上の3軒のお店に、学生たちが生産した米と里芋を、それぞれ「龍大米」そして「龍大芋」としてご購入いただき、お店の料理に使っていただいてきました。関係者の皆様、本当にいつもありがとうございます。
■今年の秋からは、以上の3軒のお店に加えて、料亭「大津魚忠」さんにも「龍大米」と「龍大芋」を使っていただけることになりました。今年の春だったと思いますが、「大津魚忠」の社長さんと街中で偶然にお会いしました。以前からも、「大津エンパワねっと」等で学生たちがお世話になっていたこともあり、少しだけ立ち話しをさせていただきました。そのさい、「龍大米はまだ残っていますか?地元の食材を使いたいのです」とおっしゃられたのです。「龍大米」は、北船路の棚田の一番てっぺんの田んぼで生産されています。比良山系(蓬莱山)のきれいな山水が一番最初に入る田んぼです。しかも棚田ですから、寒暖の差が大きく、小粒ですが味の濃い米に仕上がります。なおかつ、私たちは、それを天日干しにして精米しています。甘みがますように思います。社長さんは、そのことを人づてにお聞きになっておられました。
■その時は、残念ながら「龍大米」はすでに売り切れていました。生産量が少ないので、新米の段階ですぐに売り切れてしまうのです。「申し訳ないですが、次の収穫のときには、お知らせいたします」とお約束させていただき、今月、お店のほうにお届けすることになったのです。今回は、facebookの文章にもお書きいただきましたように、「〆のご飯ではなく、懐石コース料理のメインの1品として」出していただきました。これは、本当に嬉しいことです。
■「北船路米づくり研究会」では、上記の「串かつ おばんざい とんとん」さん、「みまつ屋DELI」さん、「利やん」さん、「大津魚忠」さんに加えて、地酒のプロデュースでは、酒造会社「平井商店」さんにもお世話になっています。さらに、鮒寿司の老舗「阪本屋」さんや、市内で滋賀の食材を使った石釜ピザのお店を開店される「ishigama」さんとのコラボも進みつつあります。一般の消費者の皆さんを対象とした月1回の「北船路野菜市」や、9月に開催する農村・都市交流イベント「かかし祭」の他に、このような「農・商・学」連携も積極的に進めていきたいと思っています。
瀬田キャンパスの朝
■水曜日は1限から「地域社会論」授業があるため、自宅を6時半前に出て、8時過ぎにキャンパスに到着するようにしています。今日は快晴。朝、まだ誰もいないキャンパスに到着すると気持ちがよいですね。1限の授業の教室の鍵を受け取り、研究室に移動しようとしているとこの風景。紅葉した樹と樹心館が目に入りました。 ということで、iPhone5で写真を撮りました。樹がちょっと傾いていますが、これはレンズのせいで歪んでしまっているのです。
■昨日もキャンパスの紅葉の写真をアップしましたが、同じ写真をfacebookでもアッブしています。そこには、卒業生からこんなコメントをもらいました。「在学中はさほど感じませんでしたが、季節の移ろいが目に見えるキャンパスって良いですね!きれいです!」。そうなんですね〜、卒業してからわかる母校の素晴らしさって、いろいろありますよね。キャンパスの風景も、そのような素晴らしさのひとつだと思います。広報担当者の方々には、そういう素晴らしさを、もっと卒業生に伝えてほしいな〜と思います。卒業生の心をくすぐるような情報をもっと発信していただきたいと思います。
■ところで、急に気温が下がってきましたね。電車のなかでは、あたこちでナフタリン臭がします。