In Japan - 2015

In Japan - 2015 from Vincent Urban on Vimeo.

龍谷ミュージアム春季特別展「水 神秘のかたち」

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■龍谷大学の龍谷ミュージアムでは、春季特別展として「水 神秘のかたち」を開催いたします。以下が、概要です。

あらゆる生命の根源“水”。地域や時代を超えて、人々は水を敬い、畏れ、そして様々な願いを捧げてきました。とりわけ、四方が海に囲まれ、かつ水源が豊かな日本では、仏教や神道の思想・儀礼が深く関わり合い、水にまつわる多くのほとけや神が信仰されました。たとえば竹生島(滋賀県)や江島(神奈川県)など「水の聖地」の女神とされる『弁才天』や海運の神『住吉明神』、雨乞い祈祷の本尊となった『龍王』などはその好例といえるでしょう。また近世においては、国内各地の水辺の名所を描いた華麗な屛風絵が人々の目を楽しませました。

本特別展では、水に込められた願いや祈りを表した絵画・彫刻・典籍などの名品を通して、日本人が育んできた豊かな水の精神性を紹介します。浄らかな水が生んだ神秘のかたち―その造形美を心ゆくまでお楽しみください。

■このポスターの中央にいらっしっゃるのは、「宇賀弁財天」です。「MIHO MUSEUM」が所蔵されているものです。「宇賀弁財天」とは、「宇賀神」と「弁財天」が合体・集合しています。少し説明します。「弁財天」は、私でもわかります。「弁天さん」ですね。仏教の守護神である女性の神様です。もともとは、ヒンドゥー教の女神なのだそうえです。ところが、このポスターの「弁財天」は少しかわっています。ポスターではわかりにくいのですが、頭の上に、顔は老人・身体は蛇の神様がのっかっています。その前には、鳥居もありますね。この「人頭蛇身」の姿をしているのが「宇賀神」です。日本固有の神様で、穀霊神・福徳神として信仰されてきた神様のようです(ようです…というのは、今回、少し勉強してみたからです)。この「宇賀弁財天」ですが、 滋賀県では、琵琶湖・北湖に浮かぶ竹生島、この竹生島にある宝厳寺に祀られている「宇賀弁財天」が有名です。特別展の解説にもあるように、「弁財天」は「水の聖地」の女神です。全国各地の水神様等の様々な神様と習合して、人と水がかかわるところに祀られているようです。「人–弁財天–水環境」というふうに、人と水環境を結び付けています。そもそも「弁財天」はインドでは河川の神様でした。

■私は、琵琶湖流域を中心に、河川や湖沼の環境問題にいて研究していますが、そのような自分の専門的な関心とこの特別展、どこか深~いところで結びつくような気がします。ぜひ、この春季特別展を観覧させていただこうと思います。

白い建物

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■お見舞いに行った病院に、飾ってありました。題は「白い建物」です。白い建物の1階が、バーのようですね。ちょっと、寄り道してみたいバーです。入り口が可愛らしい。ストライプの日よけのテントも素敵です。入り口を、少しだけ中央からずらしているところ、意図があるんでしょうね。実際にこの絵のもとになった場所があるのでしょうか…。今度引っ越す家には、絵を飾るスペースがあるので、最近、絵のことが気になっています。素敵な絵に出会えたらいいな…。

浜大津港の絵

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■金曜日に、滋賀県庁に仕事があり農政水産部を訪問しました。部の皆さんと、これから取り組む事業に関して協議を行いました。その際、壁にこのような絵が飾ってありました。これは、私が生まれる前に浜大津港を描いたものです。絵の左下隅に1956年の数字が入っていたような気がします。おそらくは、この絵が描かれた年なんでしょうね。

■絵からは、現在の「旧大津公会堂」が湖岸に建っていることが確認できます。その奥には、時計台のような塔が見えますね。これは昔の大津市役所です。当時は、大々的に埋立が行われる前ですから、湖岸に列車が走っていました。絵の中では、蒸気機関車も走っていますね。これは面白い。昭和40年代まで国鉄浜大津駅という貨物駅があって、膳所から浜大津まで貨物列車が運転されていました。国鉄はレールの幅が狭軌で、京阪電車はレールの幅が広軌になりますが、どちらも、両方走ることができるように、レールが3本あったと…聞いています。東海道線で運ばれてきた貨物が、膳所からこの浜大津までやってきて、ここからは江若鉄道で個性地域に運ばれていったのです。大津は琵琶湖と山に挟まれた土地のない街でしたから、鉄道は湖岸を走っていました。もし、今も湖岸を走っていたら、ものすごく人気が出たでしょうね。

■昭和30年頃から、日本中で街の景観が急激に変わっていきました。開発=善という感じです。ちょうど高度経済成長期の始まりの頃です。景観や町並み保全が問題になってくるのは、高度経済成長期も後の方だったかと思います。市役所の建物も、いろいろ手とお金を加えれば半世紀後には、相当に価値を生み出したのでしょうが、当時の方たちからするとそういう発想にはならなかったでしょうね。狭い、古い、集中豪雨時は雨が入ってくる…、であれば、土地を売却して、郊外に新しい建物を立て直すというのが当時の発想でしょう。

■昭和30年代に撮影された記録映画のDVDを持っています。大津市歴史博物館で購入しました。冒頭は、ブルドーザーで山をガンガン開発するニュース映画から始まります。今だと考えられないことですが、当時は、そうやって自然を開発していくことが誇らしいことであり、善だったわけです。埋め立てが始まったのは、この絵が描かれた時からすると、もう少し後のことになりますね。景観には公共的価値がある、たとえ私有地であっても、公共的な価値を守るためには私的な権利も制限されるという考え方は、なかなかこの国に根付いてきませんでした。今も…。もし、マンション建設が規制されていると、大津の街も、まったく違った都市景観になっていたことでしょう。それだけでなく、大津という街の一般的な評価も、今よりももっと高いものになっていたのではないかと思うのです。

樹木希林さんの死生観

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■今月の1月5日の新聞に、出版社である「宝島社」の2016年の企業広告が掲載されました。新聞の見開きという大きさもさることながら、そこに癌の治療をしながら女優を続けてこられた樹木希林さんが登場され、ご自身の「死生観」を表明されていることから、話題になりました。

■上の写真は、樹木希林さんの広告(朝日新聞)。下は、その題材となったミレーが描いた絵画です(wikimediacommonsより)。シェークスピアの「ハムレット」に登場するオフィーリアです。絵画については全く知識がありません。調べてみました。このミレーの作品は、オフィーリアがデンマークの川で溺れて死ぬ前に歌を口ずさんだ、そのシーンを描いたもののようです。樹木希林さんは、このオフィーリアを演じているのです。つまり、もうじき死ぬことを前提にしている…ということにななります。そう考えると、この「宝島社」の広告に書かれた文章の意味もよくわかります。

「死ぬ時ぐらい 好きにさせてよ」
人は必ず死ぬというのに。
長生きを叶える技術ばかりが進化して
なんとまあ死ににくい時代になったことでしょう。
死を疎むことなく、死を焦ることもなく。
ひとつひとつの欲を手放して、
身じまいをしていきたいと思うのです。
人は死ねば宇宙の塵芥。せめて美しく輝く塵になりたい。
それが、私の最後の欲なのです。

■樹木希林さんは、死を自分の日常生活の延長線上で受け止めようとされているかのようです。樹木希林さんもいうとおり、医療の技術的進歩により、人は、なかなか「死ねない」時代になりました。それに加えて、私たちの現代社会は死を「不可視化」させます。死を「隠蔽」しようとします。そして「生」ばかりを煽ります。「欲」を捨て切れません。「欲」を媒介に「生」ばかりにこだわると、「生」から「死」への移行が非常に困難になります。樹木希林さんは、生きている時から「生」と「死」の間にある境界をきちんと乗り越えるための準備をされています。それを樹木希林さんは、ひとつひとつ欲を手放すことだと言います。欲は、生への執着と関連しています。ただ、こうも言っておられます。「人は死ねば宇宙の塵芥。せめて美しく輝く塵になりたい。それが、私の最後の欲なのです」。

■これは欲と言うよりも、境界を超えた向こうにある「死」にスムースに移行するための、心に深く位置付けられたイメージようなものなのだと思います。「生」と「死」は連続しています。「生」の最期の瞬間に、すぐに到来する「死」を先取りできていないといけません。そのような意味での心の「羅針盤」が必要になります。「私」という存在は、この「地球」から生まれ、「地球」は宇宙の「塵」から生まれてきたのですから、また「私」もその「塵」に還っていくのです…樹木希林さんがおっしゃっていることは、そのような大きな宇宙的・神話的な循環のイメージでしょうか。おそらくは、樹木希林さんの場合は、そのようなイメージが、「身体」の感覚の一部になるほど深く身についておられるのかもしれません。表面的なところで「理屈」として理解したとしても、「生」と「死」の間にある境界を超えることはなかなか困難です。「境界などないのだ。両者は連続しているのだ。そのことを普通に経験するのだ」という強いイメージを持つことはなかなかできません。そのために、人類は、様々な宗教的な文化的な装置を作り出してきたのではないか、私のそう思うのです。にもかかわらず、そのイメージを実感することが困難な時代や社会に、今私たちは生きているのです。

■浄土真宗の僧侶の方とお話しをしたことがあります。私の職場には、僧籍をお持ちの方が多数働いておられますが、普段、浄土真宗の教えや死生観についてお話しを聞かせていただくことは、ほとんどありません。酒席でお隣りになったとき、たまたま偶然にそのようなお話しを聞かせていただくチャンスが生まれました。お話しの中では、お父様もお母様も、死ぬ時には苦しまれなかったということをお聞かせくださいました。それは、「お聴聞を繰り返してきたからだ」というのがその方の説明でした。浄土へとお連れくださる阿弥陀如来への感謝の気持ちを深く身体化していく、浄土真宗の教えを「理屈」だけではなく「身体」の感覚のレベルまで深く受け止めていたから…そのように私は感じ取りました。私は、樹木希林さんの「せめて美しく輝く塵になりたい」という言葉を読みながら、ふとこのようなことを思い出しました。

浪曲師・国本武春さんのこと


▪︎クリスマスイブの日、浪曲師の国本武春さんが亡くなられたとのニュースが流れました。55歳でした。私がこのニュースに気がついたのは、27日のことでした。私自身、浪曲のことをよく知っているわけでも、よく聞いて楽しんできたわけでもありません。どちらかといえば、自分にはあまり関係のないジャンルだと思っていました。私が国本さんのことに注目するようになったのは、NHKの子ども向けの「にほんごであそぼ」という番組に「うなりやベンベン」という役で出演されていたからです。この番組には、狂言師の野村萬斎さん、歌舞伎湯役者の中村勘九郎さん、人形浄瑠璃文楽の皆さんも出演されていました。面白い企画だなと思いました。日本語の豊かな表現に慣れ親しみ、楽しく遊びながら『日本語感覚』を身につけてもらうことをねらいとした番組です。そこに、国本武春さんは、国本武春さんの一番弟子「うなりやベンベン」という設定で登場されていたのです。この「にほんごであそぼ」の公式サイトでは、以下のようなコメントを発表しています。

うなりやベベンさんについて
うなりやベベンさんは、ご自身が
国本武春さんの一番弟子だとおっしゃっていました
浪曲師としての活動と一線を画し
子ども達に日本語を楽しく伝えることを望んでいらっしゃいましたので
ご本人とご遺族の意向を尊重して
「にほんごであそぼ」では、うなりやベベンは生き続けます
国本武春さんのご冥福をお祈りいたします

▪︎国本さんの浪曲のスタイルは大変ユニークなものでした。皆さんよくご存知のことと思いますが、通常、浪曲は声を出して演じる「浪曲師」と、三味線で伴奏や効果音をつける「曲師」のペアで行われます。それに対して国本さんは、三味線を弾きながら語る新しい浪曲のスタイルを確立したと言われています。また、ロックやブルースなどの洋楽を浪曲のなかに取り込むなど、浪曲の伝統を守りつつも新しい境地を開拓しようとされてきました。上の動画をご覧いだたければわかると思いますが、素人目では、ギターと三味線とが融合したテクニックを駆使されているように思います。素晴らしいというか、すごいですね。下の動画は、「忠臣蔵」ですね。浪曲とロックを融合したすごく面白い演出です。浪曲のことをよく知らない人でも、自然に関心をもってしまうのではないでしょうか。

朝比奈隆

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▪︎昨晩は、大阪福島の「ザ・シンフォニーホール」で、龍谷大学吹奏楽部の第42回定期演奏会「大阪特別演公演」が開催されました。龍大吹奏楽部の定期演奏会は、毎回楽しみにしています。いつもは、滋賀県大津市にある「びわ湖ホール」で開催されるのですが、今年は、「びわ湖ホール」と「ザ・シンフォニーホール」で開催されました。龍大吹奏楽部は、人気・実力共に関西を代表する全国屈指の学生バンドですが、その評価の通りに、今年も全日本吹奏楽コンクールで金賞を受賞しました。また、全日本アンサンブルコンテストでは、サクソフォン4重奏が金賞を受賞しました。今回の定期演奏会でも、その実力を十分に堪能させていただきました。何年も重ねて定演に通ううちに、大学吹奏楽部の定演のスタイルもわかってきました。

▪︎前半のプログラムは、ショスタコーヴィチやバルトークの作品を吹奏楽のために編曲した作品でした。後半では、ポップスコンサートのように映画「スター・ウォーズ」のなかで使われた様々なテーマ曲、アメリカのルロイ・アンダーソンの名曲が演奏されました。最後は、クリスマスソングで盛り上がりました。コンサートが終わって、廊下に出ると、柱に写真が飾ってありました。長年にわたって大阪フィルハーモニー交響楽団を率いてきた朝比奈隆さんの写真でした。いつ頃の写真でしょうか。朝比奈さんは、1908年にお生まれになり、2001年に92歳でお亡くなりになりました。多くの熱狂的なファンがおられました。懐かしい気持ちになりました。

【追記】▪︎龍谷大学ホームページのなかにある「RYUKOKU SPORTS+」に、どういうわけか吹奏楽部の記事が掲載されました。以下、転載します。

12月24日(木)、ザ・シンフォニーホールにて、龍谷大学吹奏楽部大阪特別公演を開催しました。

当日は満席近い多くの方にご来場いただき、誠にありがとうございました。
今公演で卒部する4回生、短大生2回生、それを見送る1~3回生、それぞれの胸の中の思いが溢れ出る演奏が、皆様にも伝わったのではないでしょうか。

シンフォニーホールには前日の晩にホール仕込みと1時間のリハーサルを実施。
大きなパイプオルガンに目を奪われ、はじめの一音を吹いた瞬間には広がるその響きに耳を奪われました。そんな日本最高峰のホールで演奏を行わさせて頂くことに、改めて大きな感動を覚えました。

迎えた本番。幕開けを、近畿大学吹奏楽部さんをバンダとして迎えた、ショスタコーヴィチ作曲の「祝典序曲」で飾りました。クライマックスに登場するバンダには、今年度の全日本吹奏楽コンクールにて金賞を受賞した近畿大学吹奏楽部の方々に出演いただきました。
2曲目に、今年の全国大会で金賞を受賞頂いた際の自由曲、バルトーク作曲の「中国の不思議な役人」。
そして、いよいよ、藤原功次郎さんをゲストに迎えての「flower」、藤原さんの高い技術と音楽性を来場いただいた方だけでなく、同じ舞台で演奏をしている部員も大いに魅了されました。
Ⅰ部の最後は、今回の演奏会のメインである、P.スパーク作曲の「宇宙の音楽」です。80人近い大編成での迫力ある演奏をお届けできたのではないでしょうか。

休憩を挟んだ後のⅡ部では、現在、話題沸騰中の映画スターウォーズより、「インペリアルマーチ」で幕開けし、「ヨーダのテーマ」、「カンティナバンド」、「メインテーマ」の4曲をまず演奏いたしました。
指揮者の若林監督がライトセーバーを持ち、トランペットパートとトロンボーンパートが黒いマントを身にまとい、他にも色々な登場人物のお面をつけたり、宇宙人をイメージした振り付け等の演出をしました。宇宙の壮大な様子や、未知への高揚感のあるフレーズが魅力的なこの曲。4曲を通して、スターウォーズを見たことがある人もない人も、楽しめる演奏だったのではないでしょうか。
その後はクリスマスイブ当日に合わせ、ルロイ・アンダーソンの楽曲、打楽器セクション大活躍の「タイプライター」と、「サンドペーパーバレー」、クラリネットパート総出演の「クラリネットキャンディ」、最後に「クリスマスフェスティバル」の4曲を演奏しました。
アンコールでは、藤原さんを迎えトロンボーンのフューチャー曲である「トロンボナンザ」、そして「ジングルベル in swing」を部員全員で演奏し、大盛況のうちに大阪特別公演の幕を閉じました。

今年は、びわ湖ホールで第42回定期演奏会を、ザ・シンフォニーホールにて大阪特別公演を開催しました。このような機会をいただけましたのは、普段からの皆様の類稀なるご声援のおかげです。心より御礼申し上げます。

来年度も龍谷大学吹奏楽部が更なる発展ができますよう、部員一同精一杯努力を積み重ねていきます。これからも温かいご声援をよろしくお願いします。

龍谷大学吹奏楽部 第42回定期演奏会

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▪︎今年も、龍谷大学吹奏楽部の定期演奏会が開催されます。第42回になります。龍大の吹奏楽部は、今年、吹奏楽の全国コンクールで金賞を獲得しました。例年は、12月に大津市の琵琶湖畔にある「びわ湖ホール」で開催されていますが、今年はそれに加えて大阪で特別公演も開催されます。今年は、日本フィルハーモニー交響楽団首席トロンボーン奏者の藤原功次郎さんが、トロンボーン協奏曲を演奏されます。私は、大阪特別公演の方に行く予定です。

Martin Hurkens, You Raise me Up


■学内行政、研究プロジェクト、親の介護、地域の活動…ぐるりと「やらなければならない」ことに囲まれて、ちょうど風邪で体調を崩したこともあり、心身ともに疲れて果ててしまいました。そういうときに、このMartin Hurkensの歌声をたまたま聞くチャンスがありました。パン職人として働きながら、教会の聖歌隊で歌っていた方なのだそうです。この男性の歌声、心にしみますね~。心が深く癒されるような気持ちになります。

■この「 You Raise me Up」という曲は、アイルランドのヴァイオリニストとノルウェーの作曲家・ピアニストによる音楽ユニット「シークレット・ガーデン」の楽曲です。たしか、ケルティック・ウーマンもカヴァーしていたかな。 2002年に発売されたアルバム「レッド・ムーン」のなかに入っていると知り、さっそくiTuneからそのアルバムをダウンロードしてみました。

生命の徴ー滋賀と「アール・ブリュット」

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■以下は、滋賀県立近代美術館の企画展に関するページからの引用です。なかなか美術鑑賞をするような時間はないのですが、この滋賀県津近代美術館は勤務月の瀬田キャンパスの近くでもありますし、この企画展だけは必ず行きたいと思っています。

「アール・ブリュット」とは、もともと《生(き)の芸術》と訳され、正規の美術教育を受けず、発表や評価への願望からではなく、人間の生の根源にねざす創造の衝動から生まれてきた芸術を意味しています。フランスの画家ジャン・デュビュッフェ(1901-1985)が定義づけたこの美術の概念は、ことに日本国内において、独自の展開をしていることは注目に値します。アール・ブリュットのひとつである、障害のある人々の造形活動に目を向けてみると、滋賀県の福祉施設で行われてきた、これまでの取り組みが浮かび上がってきます。

1つの出発点として挙げられるのが、戦後間もない1946年に大津市に設立された近江学園での、粘土による造形活動です。その活動は、教育的な営みとして、かつ職業訓練の場として始まりましたが、活動の中からは知的障害児たちの手による驚くほどのユニークな造形が誕生していきます。それは、粘土が自由な造形を導く素材であったこと、そして敢えて教えることをせず彼らの創造性を信じこれに委ねた優れた指導者が関わっていたことと、無関係ではありません。

その表現に対して大きな可能性を感じていた施設の職員や指導者たちは、施設での造形活動を即売会や展覧会という形で発表していきました。彼らの地道な取り組みはその後、アーティストとのコラボレーションによる新しい展開にも繋がっていきます。また、1981年より始まった「土と色」展は、障害者の造形活動と、それに伴う指導のあり方について、今なお大きな影響を与えています。

これらの活動を経た90年代以降、福祉施設で生まれた作品の一部がローザンヌのアール・ブリュットコレクションなどの国外の美術館でも紹介されるまでとなりました。

このような豊かな歴史を持つ滋賀県において、2019年、滋賀県立近代美術館は「アール・ブリュット」を新たなコレクションの核に加えた「新生美術館」として生まれ変わる予定です。

『生命(いのち)の徴(しるし)─滋賀と「アール・ブリュット」─』展は、新しい美術館の誕生に向けたステイトメントを示す展覧会として、滋賀県の福祉施設のユニークな造形活動の歴史を概観しながら、その先進的な取り組みがどのように継承され、展開してきたのかを参照作品を含めて展覧するものです。表現という可能性を知り、それによって広がった作り手たちの世界ム。本展は、彼らの生命(いのち)の徴(しるし)である数々の作品とその魅力に出会う、素晴らしい機会となることでしょう。

※ 平成27年度文化庁戦略的芸術文化創造推進事業

会  期
平成27年 10月3日(土)─11月23日(月・祝)

休 館 日
毎週月曜日。ただし10月12日(月・祝)および11月23日(月・祝)は開館、10月13日(火)が休館

観 覧 料

一 般 1000円(800円) 高大生 650円(500円) 小中生 450円(350円)
( )内は前売および20名以上の団体料金

ローソンチケットでお買い求めの前売券は、当館総合受付(チケットカウンター)にて観覧券とお引き換え下さい。
前売券販売箇所のご案内はこちら

※身体障害者手帳等をお持ちの方は、常設展・企画展とも観覧料は無料です。

主  催
文化庁、滋賀県立近代美術館

後  援
滋賀県教育委員会、NHK大津放送局、BBCびわ湖放送

協  力
落穂寮、湖北まこも、滋賀県立近江学園、滋賀県立信楽学園、信楽青年寮、社会福祉法人なかよし福祉会、社会福祉法人びわこ学園、障害者支援施設もみじ・あざみ、すずかけ絵画クラブ、特定非営利活動法人はれたりくもったり、ボーダレス・アートミュージアムNO-MA(社会福祉法人グロー(GLOW))、みずのき美術館、やまなみ工房

協  賛
おごと温泉 びわ湖花街道

出展作家(予定)
伊藤喜彦、小笹逸男、小川滋、鎌江一美、菊池一恵、小林祥晃、坂上チユキ、澤田真一、高嶺格、田島征三、谷口ちよ子、西川智之、戸次公明、吉川敏明、村田清司、八木一夫、アドルフ・ヴェルフリ、マッジ・ギル 他

展覧会の見どころ

・滋賀県の福祉施設で行われた造形活動の出発点にあたる作品の数々をご覧いただけます。
・歴史の分岐点に登場した様々な作品をご覧いただけます。
・澤田真一や伊藤喜彦など滋賀県を代表する作家をはじめ、県外・国外の作家もボーダレスに出展します

関連事業

■講演会「右腕を失って アール・ブリュットと三橋節子」
 講師:椹木野衣氏(美術批評家、多摩美術大学美術学部教授)
 日程:10月17日(土) 14:30〜16:00 場所:当館講堂
■トークイベント「滋賀の造形を語る」
 講 演:講師:吉永太市氏(元一麦寮寮長)
 座談会:講師:谷村太氏(元滋賀県立近江学園支援員)・山下完和氏(やまなみ工房施設長)
     聞き手:服部正氏(甲南大学文学部准教授)
 日 程:11月1日(日)14:00〜
 場 所:当館講堂
■たいけんびじゅつかん(小中学生のための体験ワークショップ)
◇10月「羊毛フェルトでふわふわ壁飾りを作ろう!」
 日時:10月18日(日) 1. 9:30〜12:00  2. 13:30〜16:30
 講師:山野若菜氏(羊毛フェルト作家)
 会場:当館ワークショップルーム
 定員:各15名
 材料費:未定(1000円程度の予定です)
◇11月「アール・ブリュットとはなそう!アートをつくろう!」
 日時:11月15日(日)10:00〜14:30
 会場:当館ワークショップルーム
 定員:30名
 材料費:100円

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