第7回「大津ジャズフェスティバル」
財産区の研究に関する打ち合わせ
▪︎2日続けて地球研での仕事です。昨日は、プロジェクト主催の「第2回栄養循環セミナー」が開催され、講師としてお話しをさせていただきました。現在取り組んでいるプロジェクト「生物多様性が駆動する栄養循環と流域圏社会─生態システムの健全性」の、いわば「前史」となる、これまで私が総合地球環境学研究所で取り組んできた研究プロジェクトの概要を説明させていただきました。
▪︎今日は、現在取り組んでいるプロジェクトの打ち合わせです。私たちのメインとなるフィールドは野洲川流域ですが、その一番上流にあたる森林の保全や管理に関して、今週末、甲賀森林整備事務所、滋賀中央森林組合、大原財産区委員会の関係者の皆さんと意見交換会を実施する予定になっています。今日の打ち合わせは、そのための事前の調整等にあてられました。リーダーの奥田さんは、マスクをされています。海外出張等で超多忙。少し体調を壊しておられます。ストレスが溜まっているんですね。お疲れ様です。
フィールドステーションの開設
▪︎コアメンバーとして取り組んでいる総合地球環境学研究所のプロジェクト「生物多様性が駆動する栄養循環と流域圏社会─生態システムの健全性」では、滋賀県甲賀市甲賀町に、フィールドステーションを構えることになりました。もちろん、建物自体は地域の方のものです。その方のご好意でフィールドステーションとして活用させていだけることになりました。これは、より一層、地域の皆さんや行政の皆さんと一緒に、超学際 「Transdisciplinarity」的研究をさらに進めていきます。
▪︎総合地球環境学研究所の超学際的研究の背景には、地球研が推進する「Future Earth」の取り組みがあります。以下は、地球研のサイトからの引用です。
Future Earthは、人間活動による地球 環境への影響評価に加えて、自然科学 と人文・社会科学との文理融合の学際 的(interdisciplinary)研究、及び、研究者と他のステークホルダー(行政、産業界、 NGO/NPO、メディア、市民など)との超学際的(transdisciplinary)な連携(協働)を通じて、持続可能な社会へむけた転換を目指すところにその特色があります。とくに、研究者コミュ ニティ以外のステークホルダーとの協働は、研究の立案の段階から成果の普及に至るまで組み込まれ、これまでの 科学プロジェクトとは大きく異なる研究設計となっています。
▪︎写真のチラシは、フィールドステーションの開所式のご案内です。地元の皆さんと一緒に、開所を祝うパーティを開く予定です。
第4回「北船路・かかし祭」当日
第4回「北船路・かかし祭」前日(準備)
▪︎昨日は、第4回「北船路・かかし祭」の前日でした。学生たちが翌日の本番に向けて、準備に取り組みました。昨年までは、「かかし祭」と呼んでいましたが、今年からは地元との関係をより明確に示すことができるように「北船路・かかし祭」と一部名称を変更しています。本番は、まず、北船路の棚田のいちぱんてっぺんから棚田と一望できる琵琶湖とが一体となった風景を堪能しつつ、参加してくださる「みつばち保育園」の園児さんたちが製作した案山子をご覧いただきます。そのあとは、一般参加の皆さんと、保育園とに分かれて、「村内ツアー」に出発します。昨日は、追加の案山子の製作と設置、「村内ツアー」のコース確認と、ご協力いただく農家へのご挨拶に伺いました。トップの写真は、研究会が栽培している「龍大米」(コシヒカリ)の水田です。他の水田はそろそろ稲刈りの作業に入る時期ですが、「龍大米」は9月の下旬頃になる予定です。これから熟成していきます。
▪︎左は、大津市内の酒造会社・平井商店さんに出荷される予定の酒米です。こちらもこれから熟成させていきます。酒米は背丈が高く、稲穂が熟成しすぎると倒れてしまいます。かといって、米粒のなかにある心白(しんぱく)が熟成しなければ良い酒ができません。栽培が難しいのです。今年の出来はどうでしょうか。栽培は、農事組合法人がされていますが、すごく気になっています。右は、「みつばち保育園」の園児さんが田植えをされた水田です。三角形の小さな水田です。こちらも稲刈りは、もう少し先になります。現在は、10月1日に稲刈りをする予定になっています。可能であれば、研究会の学生がサポートします。
▪︎「北船路・かかし祭」の会場。北船路の棚田の一番てっぺんで記念写真。ここまで徒歩で登ってくると滝のように汗がでます。しかし、景色は最高です。あいにくの曇天ですが、天気が良くて空気が澄んでいると、南(右手)は大津と草津との境あたり、北(左手)は伊吹山まで見渡すことができます。てっぺんまで登った棚田からは、こんどは「村内ツアー」のコースを確認しながら下っていきます。まずは、研究会が里芋を栽培している畑に。それなりに順調に里芋も成長しているようです。こちらの里芋の収穫は、10月末から11月にかけてかと思います。
▪︎午後からは、「北船路・かかし祭」の会場にかざる案山子を学生たちも作りました。今回の「北船路・かかし祭」には、新規就農を目指す方達を支援するNPO法人「スモールファーマーズ」からもご参加いただきますが、準備作業からいろいろお手伝いくだいました。学生たちと一緒に、案山子づくりもしていただきました。
▪︎できあがった後は、毎回、「北船路・かかし祭」にご協力いただいている、「みつばち保育園」の園児さんたちが製作した案山子15体に加えて、学生たちが製作した案山子も棚田のてっぺんまでかついであがり、棚田の端に立てていきました。「スモールファーマーズ」の皆さんたちには、草刈機で棚田の法面や道沿いの草を刈ってくださいました。本当に助かりました。
▪︎夕方には、この「北船路・かかし祭」を立ち上げた学年のリーダーである岩崎智紀くんも車で駆けつけてくれました。岩崎くんは、この日、学生たちや「スモールファーマーズ」の皆さんと一緒に北船路に宿泊してくれました。翌日も、そのまま参加してくれます。来月のシルバーウイークには、岩崎くんたちの学年の有志が集まる予定とのことでした。岩崎くんは、現在、名古屋で働いていますが、卒業後も後輩たちの活動を気にかけて応援してくれています。なかなかできないことです。岩崎くん、ありがとうございます。
Biodiversity-driven-nutrient cycling research in Laguna de Bay officially underway
▪︎コアメンバーとして取り組んでいる総合地球環境学研究所のプロジェクト「生物多様性が駆動する栄養循環と流域圏社会─生態システムの健全性」では、フィリピンのラグナ湖の流域でも研究を進めていきます。共同研究のフィリピン側の研究チームでも、サイトを立ち上げてくれました。
ひさしぶりの甲子園
▪︎昨日は、午前中、まず深草キャンパスに出勤しました。研究部の仕事で、かなり困って悩んでいたことに、大學の理事に相談に乗っていただき、いろいろご指示をいただくことで見通しがつきました。安心しました。午後からは、京都上賀茂にある総合地球環境学研究所に行って、研究会議を行いました。湖沼間・環境ガバナンスに関する比較研究を進めるための作戦会議です。そして夕方からは、甲子園に移動しました。妻に誘われての阪神・ヤクルト戦の観戦です。なんと、今年初めての甲子園行きになりました。忙しくて、とても甲子園に行っている時間がなかったのです。
▪︎阪神は、2回の裏、無死満塁からの犠牲フライで先制したあと、5回に3点、7回に1点、8回に4点と、阪神は12安打9得点と打線が爆発し、大量得点で勝利することができました。ピッチャーの藤波選手もピッチングが好調でした。今シーズン3回目の完封だったようです。また、11勝目になりました。素晴らしい。甲子園球場に私が応援にいくと、阪神が負ける傾向にありましたが、この日はそのようなジンクスの存在などなかったかのようなすばしい勝利でした。連敗していただけに、ちょっと一安心です。昨夜、甲子園球場の阪神ファン(レフトスタンドのヤクルト応援団の一画を除き、ほとんどが阪神ファンです…)は熱狂しました。写真は、試合が始まろうとしている瞬間の甲子園球場(パノラマ写真)と、阪神の勝利とビールに酔っている私です。
プラハの写真
▪︎昨晩、親しくさせていただいている方からメールが届きました。ヨーロッパを旅行されている最中とのことで、メールにはトップのような素敵な写真が添付されていました。ひと昔前だと、旅行に行った先、海外のその土地で買った「絵はがき」に短い文章を書き、その国の切手を貼って、日本の家族や友人に向けて送る…普通はそうやっていました。今回のメールは、そのような「絵はがき」と同じような気持ちで受け取りました。送ってくださった方は、私よりも年上の方なので、たぶん同じような気持ちで送ってくださったのではないかと思います。若い方達だと、そのような海外から「絵はがき」を送った経験も、海外からの「絵はがき」を受け取ったという経験もないだろうなと思います。現在であれば、スマホで撮影して、WiFi環境でネットにつながって日本の友達に簡単に送ったり、SNSにアップすることができますから。いただいた写真は、中欧にあるチェコ共和国の首都プラハです。プラハの街のなかを流れるヴルタヴァ川に架かるカレル橋です。橋の欄干には、左右に15体ずつ、彫刻が並んでいます。美しいですね〜。チェコにはまだいったことがありません。いつか、私も行ってみたいと思います。
▪︎行ったことがないのですが、ヴルタヴァ川と聞くと、いろいろ思い出すのです。ヴルタヴァ川は、ドイツ語ではモルダウ川になります。ヴルタヴァではわからなくても、ドイツ語読みの「モルダウ」といえば反応される方も多いのではないかと思います。そうです、チェコ生まれのベドルジハ・スメタナが作曲した「連作交響詩『わが祖国』」の第2曲になります。日本では、合唱曲にもなっています。とても有名です。この連作交響詩は6曲から構成されていますが、この「ヴルタヴァ」が一番有名なのではないかと思います。私自身、大学生のときに、学生オーケストラの最後の定期演奏会の曲のひとつが、このスメタナの「ヴルタヴァ」でした(当時は、モルダウといっていましたが)。思い出深い曲です。
▪︎ところで、スメタナ自身はチェコの作曲家ですが、1824年に生まれた頃、現在のチェコは「オーストリア帝国」の領土でした。また、1884年に満60歳で亡くなったときも「オーストリア=ハンガリー帝国」の領土でした。チェコは、ずっと周辺の国々に支配され続けてきました。第一次世界大戦後、一時、スロバキアと一緒に建国して「チェコスロバキア」として独立しますが、すぐにナチスにより支配され、第二次世界大戦後はソビエト連邦の政治的影響下におかれました。真の意味でチェコが独立したのは、1989年からの「ビロード革命」の後、そして1993年にチェコとスロバキアが平和的に別々の国になってからなのかもしれません。
▪︎スメタナは、音楽史のなかでは国民楽派の先駆者と言われています。それは、スメタナが、単に、チェコやボヘミアの民族音楽を取り入れて作曲したからだけでなく、チェコの国家としての独立を願いつつ、作曲活動に取り組んできたこととも関係しているように思います。このようなスメタナの思いは、「連作交響詩『わが祖国』」の第2曲「ヴルダヴァ」からはストレートに伝わってきます。この曲は、よく知られるように、上流から下流のプラハに向かうのヴルタヴァ川の風景を描写したものです。「モルダウの水源」、「森の狩猟」、「村の結婚式」、「月の光・水の精たちの踊り」、「聖ヨハネの急流」、「モルダウの大河の流れ」という6つの部分から構成されています。このなかでわかりにくいのが、「聖ヨハネの急流」です。
▪︎これは、wikipediaの記事ではありますが、参考になるかもしれません。聖ヨハネは、14世紀ボヘミアの司祭でローマ・カトリック教会の聖人です。当時の支配者であるボヘミア王(ヴァーツラフ4世)と対立し、拷問の末に亡くなり、遺体はカレル橋の上から投げ捨てられたといわれています。遺体はヴルタヴァ川で発見され、プラハの教会のなかにある墓に埋葬されました。wikipediaには、「ボヘミアの守護聖人で、チェコ・ドイツ・オーストリア・ポーランドなどに関連する教会や聖人像がある。聴罪司祭をはじめとした聖職者や水難からの庇護者として船員や橋の守護聖人としても崇敬されている」と解説してあります。そのような史実があるせいでしょうか、プラハの街からすると上流になりますが、ヴルタヴァ川が蛇行するあたりを「聖ヨハネの急流」と呼んでいたようなのです(現在はダム湖のなかに沈んでいるようなのですが…参考となるデータがあまりなく、不正確な話しではありますが…)。聖人の殉教、「わが祖国」チェコを流れる大河ヴルタヴァ川、そして隣国に支配され続けた歴史…、これらはどこかでつながってくるような気もします。
▪︎もし、プラハに行くことができるのならば、事前にいろいろ学習して知識をもっておくことが必要でしょうね。そうすることで、単に美しい街の風景を楽しむだけでなく、その美しい風景のなかにある奥行きや陰影が見えてくるはずです。自分自身のことを思うに、中欧や東欧の歴史や文化について、教養が足りないと思います(悲しいけれど…)。これは、昨年、北欧のノルウェーに行ったときにも思いました。考えてみれば、若い頃に世界史で学んだエリアには偏りがありましたね。もっとも、もちろんのことですが、美味しいことで有名なチェコのビールについては、すぐにでも深く楽しめると思います。
【追記】▪︎以下は、プラハ関係のメモ。
阿部賢一さんに聞く「生誕100年フラバルとチェコ文学の魅力」前編
阿部賢一さんに聞く「生誕100年フラバルとチェコ文学の魅力」後編
かかしづくり教室
■今日の午前中、「北船路米づくり研究会」が主催する「かかしづくり教室」が、大津市観音寺にある「みつばち保育園」で開催されました。今日の教室では、保育園児さんたちと研究会のゼミ生たちが一緒になって、15体の案山子をつくりました。8月30日(日)に北船路で開催される第4回「かかし祭」のさいには、ゼミ生が作成した案山子も加えて、イベントのシンボルとして、棚田のてっぺんにずらりと案山子が飾られることになっています。これまでのエントリーにも書いてきたように、「みつばち保育園」では、地産地消や食育に非常に熱心に取り組まれています。園の給食のご飯も、北船路で生産した環境こだわり米を使っておられます。また、北船路に園児さんたちが田植えや芋ほりに来られるときは、学生たちがサポートをしています。そのようなご縁から、私たちの「かかし祭」にも積極的にご参加くださっています。
■今日は、8時45分に浜大津駅に集合し、そこから保育園まで徒歩で移動しました。9時からミーティングと準備を開始し、「かかしづくり教室」は10時から始めました。園児さんたちには、いらなくなったシャツに手形スタンプを押してもらいました。また、好きな絵を描いてもらいました。さらしの布に、顔も描いてもらいました。その「シャツ」と「顔」を、あらかじめ指導農家の吹野藤代次さんが製作してくださった案山子の躯体に着せていくのです。躯体は、竹を十文字に縛り、そこに藁をまきつけたものです。シャツは「着せる」ですが、さらしの布に描いた顔は、藁の胴体に巻いて「縛る」…という感じでしょうか。頭には、防止をかぶせます。
■トップの写真は、案山子の役割や、案山子の作り方について説明をしているところです。園児さんに理解してもらおうと思うと、なかなか大変です。わかりやすい言葉を使っているつもりでも、それは園児さんには理解できない大人の言葉だったりします。難しいですね~。「かかしづくり教室」は、年少さん、年中さん、年長さんごとに、それぞれ20分~30分程度の時間で行いました。中段の写真は、年中さんが、案山子に着せるシャツに絵を描いているところです。すでに手形スタンプは押してあります。園児さんを優しく指導しているのが、私とペアを組んでくれたI君です。最後(下)の写真は、「かかしつづくり教室」が終わったあと、園児さんたちが「ありがとうございました」と学生たちに御礼をしているところですね。こちらこそ、「ありがとうございます」なんですが。園児さんたちを指導しながら、学生たちは、いろいろ戸惑うところもありながらも、社会学部生としては普段経験することのできない、そういう意味で有意義な体験ができたように思いました。みなさん、ご苦労様でした。さて、いよいよ第4回「かかし祭」の本番です。