またまた雪
■昨日は、私が担当している「地域社会論II」の試験でした。試験は2限でしたが、出版社に校正した原稿をPDFにして返送するため早めに出勤しました。無事に校正を送り、試験の監督をしていると、またまた雪が降り始めました。朝から、facebookの「友達」の皆さんの投稿を見ていると、滋賀県内、湖東は野洲川以北、湖西は和邇以北は大雪が降って大変だったようです。琵琶湖でいえば、北湖に面している地域に降雪があったようです。
■2限の試験監督を終えて、今度は滋賀県庁に移動。14時から16時15分頃まで農政水産部の職員の皆さんと一緒に「世界農業遺産推進会議」。アドバイザーとして出席しました。今回で7回目になります。滋賀県の主張をよりストレートにかつクリアに伝えていくためには、まだ工夫と努力が必要ですが、議論は少しずつではありますが着実に前進しているように思いました。農政水産部の皆さんとの会議を終えた後は、滋賀県庁の琵琶湖環境部琵琶湖政策課に移動、総合地球環境学研究所のプロジェクトの仲間も集まり、琵琶湖政策課の職員の方と、草津市の志那町にある内湖、平湖柳平湖の再生と地域づくりの活動について協議を行いました。
■この志那町にある平湖柳平湖には、琵琶湖政策課の「つながり再生モデル事業」を通して職員の皆さんと何度か通わせていただきました。その「ご縁」で、総合地球環境学研究所のプロジェクトのメンバーたちも、ここに通って調査を開始することになりました(私のばあいだけではないと思いますが、「ご縁」ってとても大切ですね)。もっとも、私自身は大学の研究部長の職務で忙しく、ここしばらくプロジェクトのメンバーの支援ができていませんが、来年度1年間は龍谷大学の国内長期研究員に就任し、授業はもちろんのこと学内行政の仕事も全て免除され研究に専念することができるようになることから、来年は平湖柳平湖に通って志那町の関係者の皆さんと一緒に、この内湖の再生に関わる研究調査に力を注いで行きたいと思っています。
■会議を終え大津駅前のいつもの居酒屋「利やん」に顔を出し、仲良しの常連の皆さんとしばし交流してから帰宅しました。大津駅前のあたりは大した降雪ではありませんがしたが、JR湖西線に乗り最寄り駅に近づいてくると、かなり降雪しているではありませんか。朝とは大違いです。自分が住む住宅地もすっかり雪で白くなっていました。またまた雪…雪かきをしなくてはいけません。私の住んでいる所は、まだましです。湖西でも高島市などは、知り合いの方のお話しだと70cm近い積雪があったようです。滋賀県も北半分は雪国に近い気候だと思います。雪国で暮らしていくのは大変です。
■しかし、雪がしっかり降ることは琵琶湖の環境にとってはとても大切だと言われています。春になると、山の雪解け水が琵琶湖に流れ込みます。その雪解け水にはたくさんの酸素が含まれています。また、琵琶湖の湖水よりも温度が低く密度も濃い「重い」水であることから、琵琶湖に流入した雪止め水はそのまま琵琶湖の湖底に滑り込んで行きます。こうやって琵琶湖の底に酸素が供給されるのです。琵琶湖の湖底から酸素がなくなってしまうと、底生動物が死んでしまうだけでなく、湖底の泥の中に酸化して溶け込んでいる物質が還元されて水中に溶出し、琵琶湖の水質や生態系が元に戻れないようになってしまう可能性があります。大きな暮らしからすれば、雪は面倒な存在でしかないかもしれませんが、琵琶湖の水質や生態系の保全という観点からすれば、雪の評価も変わってくるように思います。
大津市伊香立で研修会
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■今日の午前中、大津市の伊香立の自治連合会が主催された研修会「伊香立の未来を語ろう~人づくり、まちづくり、未来づくり~」で、講演会の講師と、座談会でのファシリテーターを務めました。思っていた以上にたくさん地域の皆さんがお集まりくださり、楽しく有意義な時間を過ごすことができました!!前半では、「地域づくり」における「場づくり」と「関係づくり」の大切さ、「地域づくり」の中で「地域の幸せ」をどのように”醸していく”のか…まあ、そのようなことについて、お話しをさせていただきました。後半の座談会では、40歳前後の若手の男性2人、60歳代の男性2人、女性1人に会場の前の方に用意した椅子に座っていただき、皆さんの前で地域の魅力や課題について、それぞれ思っておられることを語っていただきました。結果としてですが、私の講演の内容ともうまく話しが噛み合い、有意義な時間を皆さんと持つことができました。
■伊香立は、琵琶湖のJR湖西線堅田駅から鯖街道に向かって坂道を登っていく途中、真野川上流の丘陵一帯に広がっている地域です。堅田まで自家用車で移動すれば、大阪にぎりぎり通勤することが可能な地域です。40歳の男性の方にお聞きすると、同級生は、かつて伊香立には50人いたけれど、今は10人しかいないというとでした。ぎりぎり大阪に通勤できるから10人残っているのか、ぎりぎりで大変だから40人が伊香立から出ていったのか。これは両面ありますかね。でも、そのような中で、若い世代の皆さんが、面白いことに取り組み始めました。
■若い人たちの人数が減り、すでに担がれることがなくなったお神輿を、もう一度若者の手で担いでみよう…といった若い世代主導のプロジェクト。まだ秘密ですが…ギネスの世界記録に挑戦することで地域の農業や環境を再評価しようとするイベント…いろいろ若い世代で企画が進んでいます。いずれも、この地域から外に出ていった若い世代の皆さんの目を、再び地元に向けさせるためのイベントです。若い世代の人たちが頑張っていること、また上の世代の人たちがそのことを暖かく見守っていることもよく理解できました。とってもエエ感じです。
■座談会では、若い世代の方から、「これまでは、上の世代が若い世代の頭を抑えすぎるから外に出ていってしまった」という意見が出てきました。正直ですね。もちろん、和気藹々とした雰囲気の中での意見です。そんなことを上の世代の皆さんの前で言ったことはなかったとのこでした。私のような外部の人間が入ってファシリテーターをさせていただくことの意味は、このあたりにあるのかもしれませんね。ちょっと手前味噌ですけれど。
■また、伊香立を訪問することになろうかと思います。今後とも、よろしくおねがいいたします。今日は、伊香立にお住まいで「淡海ネットワークセンター」の職員をされている佐藤弥絵美さんもお子さんと一緒にご参加くださいました。ありがとうございました。私のブログをご覧いただいているとのことで、研修会終了後に少しお話しをさせていただきました。佐藤さんからは、ご自身が編集を手がけておられる人と企業とNPOをつなぐ市民情報交流誌『おうみネット』を複数いただきました。ありがたいことです。今日は伊香立でもいろいろご縁が広がり、私は幸せ者です。
■写真ですが、研修会終了後、会場であった環境交流館をお暇するときに撮ってもらったものです。研修会にご参加くださって伊香立の皆さんです。お若い肩もおられます。今後のこの地域の活性化に期待していますよ。本当は、研修会の会場の雰囲気を撮りたかったのですが、その余裕がありませんでした。
【追記】■この研修会には、龍谷大学社会学部で「大津エンパワねっと」を履修し、卒業後は地方自治体の職員として勤務しているKさんもやって来てくれました。彼女も、伊香立に暮らしています。私の方から、「地域づくりの研修会で講師をするのでおいでよ」と誘ったら来てくれたのです。ゆっくり話しをしている時間はありませんでしたが、あとで、このようなメッセージを伝えてくれました。「伊香立で、問題意識を持っていろんな取り組みをされていることに驚きました。地元ですが、全然知りませんでした」。そうなんです、地域づくりってそういうものです。でも、これからは地元・伊香立の取り組みにもっと関心を持ってくれることでしょう。「大津エンパワねっと」で得た経験を生かして、地元でも頑張ってくれることを切望します。
忘年会
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■年末だ…という実感のないまま年末を迎えようとしています。というか、もう年末か…。忘年会も続きます。自分の肝臓の能力を気遣いながら、忘年会での酒の量を調整しています。また、エントリーのタイトルとは関係ありませんが、それ以外のことも少し記録に残しておきます。
■水曜日の午前中は、滋賀県庁農政水産部の「世界農業遺産プロジェクト推進会議」。ちょっと議論が「足踏み状態」のような気がしたので、アドバイザーとして少し意見を言わせていただきました。ポイントは、滋賀の「農」の可能性を社会的に磨いていくことと、世界農業遺産認定に向けて取り組んでいくこと、その両方をきちんと識別することと、認定はあくまで滋賀の農業の持っている価値を農業に関わる人びとや消費者である県民の皆さん自身が、滋賀の「農」の可能性を再認識・再評価していくためのきっかけや手段であって、それ自身が目的ではないということです。そのような再認識・再評価するための戦略の中に、世界農業遺産認定についても戦術として位置付けなければなりません。また、世界農業遺産として認定されるための基準についても再度しっかり認識しなければならないと思います。
■ということで、午前中の「世界農業遺産プロジェクト推進会議」の後は瀬田キャンパスに移動。教授会と研究委員会を終えた後、京都にバスで移動しました。社会学部の懇親会である「おうみ会」が「フォーチュンガーデン京都」で開催されました。まあ、学部の忘年会ですね。「おうみ会」でこの「フォーチュンガーデン京都」を利用するのは、今回で2回目かなと思います。なかなかお洒落な場所です。ここは、昭和初期に建設された島津製作所旧本社ビルなのだそうです。設計は、武田吾一。設計された昭和初期では最先端のデザイン。今からするとノスタルジックなデザイン。その両方がうまく調和して、とてもお洒落な雰囲気を醸し出しているように思います。「フォーチュンガーデン京都」の後は、近くの居酒屋で二次会。有志の教職員のみなさんが8人ほど集まりました。私と茨木にお住いの方とは、電車の関係でお先に失礼しましたが、残った面々は三次会のカラオケに突入したのだそうです。元気ですね〜。
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■翌日の木曜日は、ゼミ4回生の卒論指導を終えた後、晩は京都の祇園四条にある「水源亭」というお店で「奈良県人会」が開催されました。今回は、「軍鶏のすき焼き」をいただきました。すき焼きといえば、普通はといた卵につけていただくわけですが、昨日はメレンゲにした白身に黄身を混ぜて、そこに軍鶏の好きなきを絡めていただきました。とても繊細な感じの食感になります。非常に美味でした。日本酒は、福島会津若松の「写楽」(宮泉銘醸 )。これも非常に美味しくいただきました。文学部の北村先生がお店に許可を得て「持ち込み」されました。強く印象に残るお料理とお酒でした。ところで、この「奈良県人会」が最後の忘年会…と思っていたら、まだ後2回忘年会がありました。飛ばしすぎず、ペース配分⁈を大切にしなければなりません。といいながら、研究部の職員の方と2人で二次会に。京都駅前の日本酒と鴨料理のお店に突入しました。
■龍谷大学で働くようになり、一番最初に入会させていただいたのが「奈良県人会」。結婚してから奈良に暮らすようになっていたのものですから、即入会させていただきました。その後、神戸出身なので職場の兵庫県出身・在住の教職員の皆さんと「兵庫県人会」を結成しました。さらに、今年からは滋賀で暮らすようになったので「滋賀県人会(淡水会)」にも入会させていただきました。3つの県人会に所属しているわけですが、それぞれに特徴があり、楽しませていただいています。加えて、関西学院大学出身の教職員の会である「龍谷大学新月会」、「龍谷大学餃子研究会」、「龍谷大学東九条粉もん研究会」、「龍谷大学湖西線会」…職場の中だけでもいろいろあります。定期的に開催されるわけではありませんが、いろんな方達と交流させていただいています。自分でも「アホやないか」と思うときもあるのですが、結局、そうやって楽しくアホをさせていただいています。
ヨシ群落保全基本計画等見直し検討会
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■火曜日の報告です。午前中は研究不正防止に関連して研究部の委員会でした。昼からは滋賀県庁に移動。「ヨシ群落保全審議会」の委員の皆さんが集まった「ヨシ群落保全基本計画等見直し検討会」に出席しました。私は審議会の会長を務めさせていただいていることから、この日の検討会では、ファシリテーターになって「これからヨシ群落どうしていくねん」って感じで、ワイワイ楽しくワークショップを行いました。皆さん、審議会の委員であるとともに、実践的な活動にも励んでおられます。とても積極的に、今日のワークショップに取り組んでくださいました。
■一人一人の心の中にあるモヤモヤを文字にして、言葉にして、人に聞いてもらい、共感し、最後にはそれらを「見える化」して共有しました。皆さんと楽しみながら、これからの時代の「ヨシ群落保全条例」と「ヨシ群落保全基本計画」が目指す方向性を確認しました。参加者は、大津市雄琴学区自治連理事の青山武廣さん、ヨシでびわ湖を守るネットワーク(コクヨ滋賀)の太田俊浩さん、公益財団法人淡海環境保全財団の川端さん、針江生水の郷委員会の高橋敏枝さん、伊庭の里湖づくり協議会の田中信弘さん、審議会公募委員の松田明子さん、野洲市長の山仲善彰さん、環境政策課の職員の皆さん、そして私。全員で11名。ご公務のため山仲市長は途中で退席されましたが、皆さんの「想い」を形にすることができました。まずは、キックオフですね!今日は曇り時々雨ですが、こうやって皆さんと一緒に有意義な時間を持つことができて、心の中は日本晴れです!これからの展開が楽しみです。
白い比叡山
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■比叡の山々。今日はけっこう白くなりました。我が家の車は、今日からスタッドレスタイヤとなりました。情けないことに私はタイヤ交換をやったことがありません。だから業者さんにやってもらうしかないのです。ところが、です。我が家のようなご家庭が多いせいか、業者さんの方も予約がいっぱいということで、やっと今朝の予約が取れました。なんだか、ギリギリセーフでスタッドレスタイヤに交換できました。
■今日の午前中は、通勤の途中になりますが、大津市都市計画マスタープラン案のことで市役所の都市計画に立ち寄らせていただきました。そして、策定専門部会のメンバーとして、担当職員の方から都市計画マスターブラン案の中身の微修正やパプリックコメントへの対応等に関して丁寧な説明を受けました。私自身も、そのことに関連して意見を述べさせていただきました。都市計画マスタープランづくりも、いよいよ大詰めを迎えています。ただし、最後の詰めのところを、さらにしっかり考えないといけないと思いました。
■都市計画の後は、市役所前の「とんかつ」屋さんで昼食。ここの「とんかつ」は非常に美味しいのです。美味しいとんかつを食べ始めると、声をかけてくださる方がおられました。市会議員の嘉田修平さんでした。嘉田さんに初めてお会いしたのは、もう25年ほど前のことになります。その時は、お母さんの嘉田由紀子さんと一緒でした。まだ小学生でした。その頃と同じように、つい今日も「修平くん」と呼んでしまいそうになります。今日は議会開催中だったようですね。しかし、時が経つのは非常に早い。「とんかつ」を食べている時には、研究部からの緊急メールも確認しました。急いで(でもないけれど…)瀬田キャンパスに移動。緊急の案件について、課長や課員の皆さんと相談して方向性を確認しました。研究部の仕事は3月末までですが、それまでにいろいろ見通しをきちんと立てなければならないことがあります。それなりの実績を残さないといけません。頑張ります。
■その後は、明日のREC主催の「社会連携・社会貢献活動報告会」で「北船路米づくり研究会」の学生がプレゼンをするということで、パワーポイントのファイルをチェックすることになりました。この後、4回生ゼミと大学院ゼミ。卒論、修論の赤ペンもまだまだ続きます。
夏原グラント「環境保全活動交流会」
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■日曜日は、夏原グラントの「環境保全活動交流会」が草津市の草津市立まちづくりセンターを会場に開催されました。夏原グラントは、滋賀県を中心としたエリアで総合スーパー等の小売チェーンを展開する平和堂が設立した財団、公益財団法人平和堂財団が、豊かな環境の保全および創造のために設立したものです。NPO法人・市民活動団体または学生団体の自主的な活動に助成しています。私は、この夏原グラントの選考委員をしていることから、この交流会に参加することになりました。
■冒頭は、選考委員5名によるリレートークでした。環境保全活動の意義、琵琶湖再生法、活動資金の確保の仕方…、選考委員の皆さんが、それぞれの持ち味を活かした短い講演(お一人15分程度)をしていきました。私の番は、5番目ということで最後。環境保全活動と、環境保全活動を通した人びとのつながり、両者の関係を通して地域に暮らすことの「楽しさ」や「幸せを」を活動やつながりの中から紡ぎ出していくことの大切さ…そのようなことを、岩手県の県北地域にある村づくりの活動を事例にお話しをさせていただきました。なんの準備もせずに、朝、頭の中で浮かんできた粗筋に沿ってお話しをさせていただきました。結果としてですが、多くのみなさんに共感をしていただけたので、安心しました。「一度、うちの地域に遊びに来てください」、「今度、地域の皆さんに話をしてくれませんか」といったお誘いもいただきました。有難いことです。
■リレートークの後は、8つのグループに分かれてテーブル交流会になりました。私もひとつのテーブルのファシリテーターを担当しました。夏原グラントの直接的な目的は団体に助成していくことですが、同時に、こういう場での交流を通して、相互に悩みや成果を共有し、素敵な「ご縁」を作っていただくことも大切な目的なのではないかと思います。この交流の中から、新しい「事」が起きたら面白いでしょうね。そうなったら素敵だな〜。
第5回世界農業遺産プロジェクト推進会議
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■今週の火曜日、朝9時から滋賀県庁の合同庁舎で「第5回世界農業遺産プロジェクト推進会議」が開催されました。滋賀県庁農政水産部の世界農業遺産申請に取り組む職員皆さんの会議ですが、会議の進行は本学農学部の竹歳一紀先生が担当され、私もアドバイザーとして出席しています。
■今年度から始まったプロジェクト推進会議も、今回で5回目になりました。少しずつですが、議論を前進させてきました。議論の中で、滋賀県の農林水産業に関するさまざな「素材」がほぼ出揃いました。あとは、その「素材」をどう構造化させていくのかということになります。どの「素材」に一番フォーカスを当てるのか。何が幹で何が枝葉なのか…。その辺りのことを、会議の参加者全員が納得いく形でクリアにしていかねばなりません。世界農業遺産に限りませんが、いろんな要素の「ちゃんぽん」になってはいけないと思う。ということで、今回はすでに世界農業遺産に認定された地域のデータを参考に議論を行いました。ただし、世界農業遺産(そして日本農業遺産)は、琵琶湖と共生する滋賀の農林水産業を盛り上げていくための一つのステップです。いつも、より大きな視野(戦略)の中に、世界農業遺産申請準備の作業を位置付ける必要があります。世界農業遺産に認定されることがゴールではなく、生産者と消費者がともに地域社会の「食と農」を支え合うような関係や基盤を作っていくためのひとつのステップだと思うのです。
■というわけで…ではないのですが、昼食はあえて「ちゃんぽん」にしました。リニューアルされた大津駅の中にある「近江ちゃんぽん」です。「野菜一日盛り」で注文しました。たっぷり野菜です。こちらのちゃんぽんは、本当に美味い。私のお気に入りです。この日、午後からは深草キャンパスに移動しました。研究部の会議です。今日も一日会議で暮れていくな…と思うと寂しいものがあります。いつものことですが、移動や待機から生まれる時間のロスについても癪にさわります。
審議会の打合せ
■金曜日は研究部の仕事や会議がありません。終日、学部と大学院の授業、そして学部生の卒論指導、修士課程の院生の修論指導ということになります。授業は午後から、学生や院生の指導も今日は午後からだったので、午前中は滋賀県庁で「ヨシ群落保全審議会」の事前の打合わせをさせていただきました。今後のヨシ群落保全の事業や活動をどのように展開していくのか、審議会の会長として職員の方たちといろいろ意見交換をさせていただきました。有意義な時間を持つことができました。
■「ヨシ群落保全条例」が制定されたのは平成4年3月30日、西暦で言えば1992年のことになります。この条例が制定された時、私は滋賀県職員でした。当時は、滋賀県教育委員会事務局文化施設開設準備室に学芸技士として勤務していました。今はすでに取り壊されていますが、滋賀県庁の前にあった滋賀会館の中の一室がオフィスになっていました。「湖と人間の共存」をテーマにする「滋賀県立琵琶湖博物館」とオペラハウスである「 びわ湖ホール」の開設準備を行う職場でした。狭い部屋の中で、多くの職員が働いていました。私は、まだ県庁に入って1年目で、仕事に慣れるのに精一杯、「ヨシ群落保全条例」のことはあまりよくわかっていませんでした。
■今日は、当時の資料を拝見することができました。「ニュー滋賀」という滋賀県庁の広報誌です。拝見したのは、平成4年7月号です。写真をご覧いただければわかりますが、「V0L.2」とあります。当時は、まだ新しい広報誌だったのですね(今は、別の名前の広報誌になっています)。紙面のトップには「未来は、どっちを向いている?」というタイトル、沖の白石の写真と、ゴミが散乱する湖岸の写真、そして以下のような文章が添えられています。
もしタイムマシンに乗って、二〇〇一年のびわ湖を訪れたら、そこにはどんな風景が広がっているだろう。
①今よりずっと、美しいびわ湖
②今よりずっと、汚れたびわ湖今のままでは、①番は無理。でも私たちが、「今よりずっと美しいびわ湖」を残すために、努力してみたら…。
未来のびわ湖は、今の私たちの生き方に、かかわっているのです。
二〇〇一年、きれいなびわ湖。そのための一歩が、今、はじまります。
■写真の下には、「ゴミ散乱防止」、「ヨシ群落の保全」、「新しい洗濯石鹸の普及」とあります。なぜ、この3つなのか。今からだとなかなか想像しにくいところがあります。3つ背景には、当時の琵琶湖の環境保全の考え方、環境政策の方向性、まだ継続されていた琵琶湖総合開発に対する評価、かつて県民運動として展開していたが下火になっていた石鹸運動…、様々なことが複雑に関連しあっているように思います。私からすれば大変興味深いテーマです。今後、丁寧に資料を読み込みつつ、関係者にヒアリングをすることの中で、このテーマをじっくり考えていきたいと思います。ただし、これはあくまで私自身の個人的な関心です。このような過去の政策過程を分析していくことは学問的には大切なことだとは思いますが、社会的にはもっと大切な課題があります。
■今後、琵琶湖の周囲で行われているヨシ帯保全の様々な取り組みを、どのように横につなぎ、どのような協働の形としてデザインしていくのか。そのような社会的努力を、どのように可視化していくのか。取り組みの持続可能性を担保するために、社会的費用をどのように捻出するのか。さらに、根本的な問題ですが、そもそも何のためにヨシ帯保全に取り組むのか、その目的は一つなのか、多様な多元的な目的の元で多様な保全に関するアプローチが存在しうるのか。多様だとすれば、それらはどのように関連しあっているのか…。そのあたりのことについても、多くの皆さんと意見交換をして行動計画にまで練り上げ、具体的な実践を積み重ねていければと思っています。そして、そのような実践が、琵琶湖の環境保全のためであるとともにも、そのような活動に関わる地域や個人の「幸せ」のためでもあってほしいと思っています。まあ、現段階では私個人の勝手な思いにしか過ぎませんが…。
■職員の皆さんとの有意義な意見交換を終えた後、昼食をとりにいきました。行く店は決まっていました。「ラーメンひばり」です。「ラーメンひばり」の「汁なし担々麺」。私、このお店の「汁なし担々麺」にはまっています。今日は、加えてご飯も注文しました。担々麺の麺がなくなったら、残った具にご飯をまぶしていただくためです。山椒の痺れる辛さを堪能して、心の底から満足いたしました。
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「琵琶湖と共生する滋賀の農林水産業推進協議会」設立準備会
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■以下は、滋賀県のホームページからの引用です。
本県では、魚のゆりかご水田や環境こだわり農業など、琵琶湖と共生する本県独自の農業システムについて、「世界農業遺産(GIAHS)」の認定に向けた取組を推進し、強い農業づくり、地域活性化の契機にするとともに、この取組を県産物の高付加価値化や観光資源としての活用等につなげ、滋賀の農業を健全な姿で次世代に引き継いでいきたいと考えております。
これに関し、先般9月15日には、「琵琶湖と共生する滋賀の農林水産業推進協議会」設立準備会を、県、市町、関係団体の皆様とともに立ち上げました。この準備会は、多様な主体が連携のもと、「世界農業遺産」の認定に向けた取組の推進や、強い農林水産業づくりと活力ある地域づくりに向けての活動を行うこと目的としたものです。
また、9月24日には、「『世界農業遺産』認定をめざして キックオフ シンポジウム」を開催し、「世界農業遺産」の認定に向けた取組について県民の皆様に説明するとともに、準備会への入会申込みの受付を開始しました。準備会では、県民、民間団体、企業、大学、研究機関、地方公共団体など、「世界農業遺産」認定に向けた機運の醸成、情報の発信、申請内容の検討などに参画いただける方を以下により広く募集します。
ぜひ多くの方に御入会いただきたいと考えておりますので、お知らせします。
第6回「マザーレイクフォーラムびわコミ会議2016」
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■8月20日の午前中は第50回「北船路野菜市」、午後からは第6回「マザーレイクフォーラムびわコミ会議2016」でした。この「びわコミ会議」、ここ3年ほどは毎年参加しています。今回は、午前中が「北船路野菜市」と重なったため、午後からの部である「びわこのこれから、話さへん?」だけの参加。今回の【開催テーマ】は、「恵み 味わい 暮らし つなぐ」で、開催趣旨は以下の通りです。
琵琶湖流域に関わる様々な主体が、お互いの立場や経験、意見の違いを尊重しつつ、思いや課題を共有し、琵琶湖の将来のために話し合うとともに、マザーレイク21計画の進行管理の一部を担い、評価・提言を行う場です。
びわコミの「びわ」は琵琶湖を指し、「コミ」は英語のコミュニティ(地域)、コミュニケーション(対話)、コミットメント(約束)の頭文字を指しています。
びわコミ会議は、運営委員会で設定されたテーマに基づき1年に1回開催しています。
びわコミ会議では、結論や合意を得ることに必ずしも固執せず、参加者の思いや課題を互いに共有することに主眼を置いており、お互いの考えの共通点や相違点を見出して、各自ができることを考える場となることを目指しています。
■午後のセッション「びわ湖のこれから話さへん?」では、様々なテーマに分かれてグループ・ディスカッションを行いました。地球研のプロジェクトリーダー奥田昇さんと、PD研究員の浅野さん、サブリーダーである京都大学生態学研究センターの谷内茂雄さん、そして私で担当したのは、「びわ湖の恵みと人のつながり」をテーマにしたグループディスカションです。例年のことですが、私はファシリテーターを務めました。野洲川上流、甲賀市の丘陵地帯にある農村からお2人の農家の方が、そして米原市からはビワマスを切り口にまちづくりをされている女性がご参加くださいました。また、滋賀県外からですが、大阪の吹田にある関西大学社会学部から、なんと環境社会学を専攻する学生さんも参加してくださいました。
■それぞれの参加者の方たちには、まずは、ご自身の身の回りの自然の恵みについてご紹介をいただきました。それぞれ暮らしている場所は違いますが、共通することが見えてきました。それを次のようにまとめました。「体験が自然の価値を引き出す。体験することが恵みを伝える」。自然の「恵み」は、モノのようにそこに存在しているわけではありません。自然に「働きかける」ことで初めて確認できるのです。関心がなければ、いくら物理的に近い存在ではあっても、自然の「恵み」を身体を通して実感することはありません。また、そのような「恵み」の体験を世代を超えて継承していくことの重要性と難しさについても議論になりました。持続可能性に関連する問題です。できれば、子どもたちが「恵み」を体験できるような、周りの大人たちのさりげない関与が必要だと思いました。そのような体験により「恵み」の「刷り込み」が行われるわけですから。
■グループディスカションが終わった後、「楽しかった〜」とのご感想をいただきました。ファシリテーターとしては、とても嬉しいです。私自身も、楽しい時間を過ごすことができました。この「びわコミ」会議、特に何かを決定したりするわけではありません。開催趣旨にもあるように「参加者の思いや課題を互いに共有することに主眼を置いており、お互いの考えの共通点や相違点を見出して、各自ができることを考える場」を目指しています。琵琶湖や琵琶湖に流入する河川のことを真剣に思いつつも、「緩やかさ」や「間口の広さ」を担保しようとしている点が、とても素敵なことなのかなと思っています。