寺院の掲示板
■仏教寺院の入り口のあたりには、よく掲示板が設置されています。ときどき、その掲示板に掲示されている「言葉」をじっくり拝見しています。それぞれのお寺のご住職のお考えがよく伝わってきますし、言葉に対するセンスのようなものがキラリと光っているように思うからです。
■昨日は、龍谷大学社会学部の地域連携型教育プログラムである「大津エンバワねっと」の関連で、「大津エンパワねっとを進める会・中央」が、大津市の中央市民センターで開催されました。その帰り、浄土宗の乗念寺の前を通りかかったのですが、いつものように掲示板が気になりました。写真を撮らせていただきました。「素敵だ!!」と思いました。なんというんでしょうね。ちょっと、イケてますよね。字も個性的で素敵です。ご住職は、このトイレ清掃員のダリルさんの言葉をどこでお知りになったのでしょうね〜。
■ところで、こちらの乗念寺さん、開基は1588年(天正16年)。江戸時代以前からの歴史をもつお寺であることがわかります。知り合いの方からの情報だと、江戸時代、大津の街の中では浄土宗の本山的な存在だったそうです。ちなみに、こちらのお寺の木造聖観音立像は、重要文化財なのだそうです。
■こういうものをネットで発見しました。みなさん、気になっておられるのですね。
『こころにひびくお寺の掲示板のことば』
「2018きき酒会」(びわ湖大津プリンスホテル)
▪️先日の日曜日、滋賀の老人ホームに入所している老母の見舞いに行った後、「びわ湖大津プリンスホテル」に行くことにしました。酒の卸会社である(株)エスサーフ主催の「2018きき酒会」が開かれていたからです。この「きき酒会」は毎年開催されているようですが、私は今回が初めて参加でした。滋賀県の蔵が19、滋賀以外の近畿の蔵が17、北信越・中部・中国・四国・九州の蔵が13、あわせて49の日本酒の蔵が揃いました。それぞれの蔵にブースがあり、そこで様々な種類の酒を試飲をさせてくださるのです。素晴らしいですね。ということで、滋賀の酒から始めることにしました。まずは、「北船路米づくり研究会」でお世話になっている平井商店さんへ。平井商店さんからスタートして、気になる蔵元の酒を順番に試していきました。もちろん、すべての酒を利き酒することなどできません。小さなガラスのお猪口で「利き酒」をするのですが、数が進むと酔いが少しずつまわって調子が出てきました。
▪️調子が出てきたので、日本酒以外にも手を出してしまいました。9つのワイナリー、焼酎や泡盛はなんと37もの蔵がブースを出しておられました。日本酒でほろ酔い状態になっていましたので、少しだけを選んで味わってみました。しかし、たまたま知り合いのアサヒビールの社員の方にも出会い、半ば無理やりアサヒビールのブースにも連れて行かれました。そして、アサヒビールが国内で販売されているジンやウイスキーにも手を出してしまいました。こうなると「利き酒」のレベルを超えてしまいますね。
▪️会場では、大津駅前のいつもの居酒屋「利やん」のご常連の皆さん、社会学部の地域連携教育プログラム「大津エンバワねっと」でお世話になっている中央学区の皆さん、「しがNPOセンター」の職員さん、「大津ジャズフェスティバル」の実行委員だった方、いろんな方達にお会いすることができました。そうそう、龍谷大学農学部食品栄養学科で教員されているF先生にもお会いしました。日本酒の話しはもちろん、そこから滋賀の農産物、農業振興や地域連携がらみの話しもすることができました。酒は人をつなぎますね〜。
信楽焼
▪️連休中のことですが、老人ホームに入所している母の見舞いに行くついでに、狸の焼き物で有名な滋賀県甲賀市の信楽に行ってきました。ここで開催されている陶器市で食器を物色するためです。
▪️安いものですが、普段に楽しみながら使えるものを購入しました。両方とも植物が描かれています。手びねり…というのでしょうか、轆轤(ろくろ)を使っていないので形が面白いですね。1枚目、写真を撮ってから気がつきましたが、これは葡萄でしょうか。だったら、上下反対ですね。2枚目は、2つとも同じデザインです。ザクロが描かれています。同じ図案ですが、よく見ると、筆で描いているからでしょうか、少しずつ違っています。そこが嬉しかったりします。あまり深く考えずに、「ひと目会ったその日から、恋の花咲くこともある」ではないですが、直感で素敵だなと思ったものを購入しました。焼き物の価値についてはまったくわかりませんが、それよりも愛着を持って使えるかどうかかなと思っています。さて、どんな料理を作って盛り付けましょうかね。ちなみに信楽の狸は買っていません。値段が高く、なかなか手が出ません。
兵庫県立兵庫高等学校の創立110周年記念事業
■5月5日、母校、兵庫県立兵庫高等学校の創立110周年記念事業が、神戸ポートアイランドにあるポートピアホテルで開催されました。伝統の「ユーカリの葉」を、生徒会長が生徒会旗を振り回して演じてくださいました。今は女性の生徒会長なんですね。平成に入ってから、現在で6人目の女性生徒会長だそうです。私が在籍した42年前とは、時代が大きく変わっています。
■第1部の記念式典では、兵庫県知事もご臨席されました。式典の中で、母校の同窓会である「武陽会」が所有している小磯良平、東山魁夷、田中忠男といった日本絵画界の巨匠たちの作品が兵庫県立近代美術館に寄贈されることになったからです。この巨匠のお3人は、兵庫高校の前身である旧制神戸第二中学校卒業で、私たちの偉大な先輩ということになります。私たちが在籍しているときは、これらの巨匠の作品は、廊下や講堂に普通に飾ってあったのではないでしょうか。知事曰く、「同窓会が所蔵されるよりも私ども(兵庫県)がきちんとした環境(美術館)で管理した方が良い」と。たしかに、そうですね。
■ところで、「ユーカリの葉」って何?…って質問があるでしょうね。例えば、旧制第一中学の歴史を持つ兵庫県立神戸高校とは、春と秋に定期戦を行っていますが、その壮行会等の時に、生徒会長が旗を振り回して、選手たちに向かってこの「ユーカリの葉」を行うのです。選手たちにエールを送り鼓舞するという感じでしょうか。生徒会長が、ちょっとバンカラな雰囲気で演じるのが私の記憶にある「ユーカリの葉」です。動画の女性会長の「ユーカリの葉」は、優しく可愛らしい感じです。ですが、これはこれで素敵ですね‼︎
■で、なぜユーカリなのか…ということですが、以下の説明をご覧ください。
二中創立間もなく、運動場のまわりに150本のユーカリの苗木が植えられた。オーストラリア原産のこの木はぐんぐんと育って校舎の屋根を越え、30mに達する大樹となった。一年中浅みどり色の葉を繁らせ、大空をめざして立つ姿は壮観であり、この木はいつしか本校のシンボルとなった。先輩たちは校風にかなったこの大樹に夢と理想を託し、ユーカリの木の下で学業に励み、心身を鍛え、友情を育ててきたのである。それゆえ、本校の校歌をはじめ、生徒会歌、応援歌、エールなどには必ずといっていいほどユーカリが歌われており、本校の校章は、そのユーカリの葉と実とを組み合わせて作られている。現在では昔のままの木は見られないが、昭和51年先輩有志によって新たな願いをこめて苗木が植えられた。いま新しいユーカリが校地周辺にぐんぐん育っている。
■記念式典の後は、記念祝賀会が開催されました。800名程の卒業生が参加されました。 私は、「64陽会」(戦前の旧制第二中学から辿れば64期生)ですが、同級生は30名程集まっていたようです。懐かしい人、まるで初対面のような人、いろんな同級生に会えました。私たちの学年は今年還暦ですので、別途、64陽会で同窓会を開催するかも…とのことでした。
■私は、1974年の夏、広島の県立高校からこの兵庫高校に転校してきました。ということで、他の皆さんと同じように入学の時から一緒にいたわけではありません。転校当時は広島弁をしゃべっていたようですが、そういう転校生に、皆さん、けっこう親切にしてくださったんだなあと少しずつ思い出しました。私は高校時代のことをいろいろ忘れてしまっていますが、ある同級生(女性)は、グループで校外学習に須磨方面に出かけた際の小さなエピソード等を語ってくれました。もちろん、私はそのようなことを記憶していません。すごい記憶力です。こうやって、42年ぶりに再び同級生にお会いできたこと、本当に良かったと思っています。今回の機会を大切にして、再び、高校時代の同級生たちと交流できればと思っています。
3回生ゼミでマンダラート
■昨年度は研究に専念する年でしたが、4月からは再び授業を担当しています。ゼミも受けもっています。私の3回生のゼミ生は全員で18人。これまでと比較すると、多めかなと思います。私はゼミの目標を「『ここまでやり遂げた!』と、納得のいく卒論を書いて、自信を持って卒業していく」ことにおいています。ということで、個人面談を大切にしながら、丁寧に指導していくことにしています。ただし、3回生はゼミに所属したばかりなので、今のところグループワーク中心にゼミを行なっています。お互いをよく知り、良い関係を築くことも大切ですからね。
■先月は、「まわしよみ新聞」を使って、自分はどういうことに関心があるのか、自分でよく考えて人に話す…ということをやってみました。少し前のことになりますが、5月1日のゼミでは、メジャーリーグで活躍している大谷選手で有名になった「マンダラート」を使ってみることにしました。この「マンダラート」を使って、「納得がいく卒論を執筆するために、自分は何をしていくのか」を考えてもらう作業を行いました。サークルや就活との両立といったことまでも視野に入れながら考えてもらいました。私のゼミでは、全員がフィールドワークに基づく調査をして卒論を執筆することになっています。かなり、頑張らねばなりません。
■ただし、ゼミ生を見渡すと、卒論のテーマがまだまだぼんやりしている人がかなりいます。むしろ、この時期の多くの学生は、まだまだこんな状況なんです。この状況から、グループワークや私との面談の中で、卒論のテーマを明確にしていくことになります。画像は、「マンダラート」に取り組んだ時のゼミの様子です。楽しそうに語りあっていますね。自分たちが学生だった40年前には、こんな感じではありませんでした。ゼミで購読する文献があらかじめ決められていました。毎週、分担した章の内容をレジュメにまとめて報告する…そんな伝統的なやり方でした。ちなみに、文献は、フランスの文化人類学者レヴィ=ストロースの『親族の基本構造』でした。もちろん、翻訳したものです。当時の私たちには、とても難しい内容でした。その当時と比較すると、なんだか隔世の感があります。今の大学ではそんな「乱暴」なことはとてもできません。そのような昔話はともかく、3回生の皆さんには少しずつゼミに慣れてもらい、自分の卒論のテーマを焦点化していってもらえればと思っています。
■今回、ゼミで「マンダラート」を使うことにしたのは、経済学部で講義をされている原尻 淳一先生のfacebookへの投稿がヒントになっています。原尻先生、ありがとうございました。
真野浜で「水宝山」の作戦会議(琵琶湖の水草問題に取り組むプロジェクト(その12))
▪️長らくこのブログの更新がストップしていました。それでも、毎日、どなたかが覗いてくだるので、本当に申し訳ない気持ちです。かつては1日に何回もエントリーすることがありましたが、ここ2ヶ月は、なかなか更新できず、半ば放置したよつな感じになっていました。そこには、いろいろ事情があるのですが…。還暦を迎え、心身ともに以前と同じようにはがむしゃらには働けなくなりました。まあ、でも大丈夫です。ご心配くださった皆さま、とりあえず元気にしています。
▪️仕事の方は、昨年度の国内長期研究員が終わり、4月からは再び授業や会議といった大学の仕事にも復帰しています。昨年度、国内長期研究員になったおかげて、いろんな社会連携・社会実践の取り組みを始めることができました。その1つは、市民グループ「水草は宝の山」=「水宝山」の結成です。このブログでもお知らせしましたが、この「水宝山」の活動の一環として、昨年度は3月に開催された「チャレンジ!オープンガバナンス2017」にも応募しました。そして、公開最終審査会のファィナリストに残ることができました。それなりに評価していただいたということでしょうか。しかし、この「水宝山」の活動はこれからが本番です。琵琶湖の浜に漂着した水草を地域の中で循環させる「小さな循環」、琵琶湖の南湖で滋賀県が刈り取った水草を有効利用していくための「大きな循環」、それぞれ「循環」を生み出すための基本とな2つのアイデアが、メンバーの皆さんから提案されました。その2つのアイデアを核に、多様な立場や考え方の方達の参加・参画で、さらに豊かな肉付けてしていく予定です。
▪️先週の10日(木)には、真野浜(大津市今堅田)に行ってきました。この真野浜には、「水宝山」の代表である山田英二さんが経営されいる民宿「きよみ堂」があります。その「きよみ荘」の琵琶湖が見える素敵な部屋で、「水宝山」の作戦会議中を開催しました。 3月の「チャレンジ!オープンガバナンス2017」の次のステップに向けて、さらに前進していきます。よろしくお願いいたします。
2018年度ゼミ面談の記録
■このエントリーでは、2018年度のゼミ生との卒業論文やゼミ報告に関する簡単な面談の予約状況を記録として残していきます(「社会調査実習」の面談も必要があれば付け加えていきます)。ただし面談の詳しい内容については、ここには書きません。私のこれまでの経験では、面談の回数と卒論の進捗状況とは比例しています。きちんと準備をして面談に臨んでください。また、自分のペースメーカーとしてこの記録を時々見るようにしてください(「しばらく面談に行っていないな…、これはマズい」という感じです…)。面談の予約・終了のみここに書き込んでいきます。このページは、「2018年度」4月からの面談記録です。
面談の記録:2018年4月以降の記録です
◾️記録に残せなかった面談も多々ありますので、抜けている場合は申し出てください。
◾️面談終了後、「卒論カード」をメール添付書類で送ってもらうことになっています。送ってくれた人については、「◉」を付けていくことします。
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【3月】
(38)2019/03/05/17:30 : 3回生・FP(ばば)・社会調査実習の原稿について。終了。
(37)2019/02/28/12:00 : 3回生・TS(さえ)・社会調査実習の原稿について。終了。
(36)2019/02/28/11:30 : 3回生・MN(ななみ)・社会調査実習の原稿について。終了。
(34)2019/03/01/10:30 : 3回生・KM(みか)・社会調査実習の原稿について。終了。
【2月】
(33)2019/02/27/12:00 : 3回生・FS(さくら)・社会調査実習の原稿について。終了。
(32)2019/02/27/11:30 : 3回生・KA(あいか)・社会調査実習の原稿について。終了。
(31)2019/02/21/11:30 : 3回生・KA(あいか)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。
(30)2019/02/14/11:30 : 3回生・TY(ゆうと)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。◉
(29)2019/02/14/11:00 : 3回生・IY(よしなり)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。
【11月】
(28)2018/11/13/13:45 : 3回生・IY(よしなり)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。
【10月】
(27)2018/10/09/11:40 : 3回生・SR(りょうたろう)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。
(26)2018/10/04/17:20 : 3回生・IY(よしなり)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。◉
(25)2018/10/04/17:00 : 3回生・KY(ゆうき)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。
(24)2018/10/04/16:30 : 3回生・TM(まもる)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。◉
(23)2018/10/03/15:40 : 3回生・SA(あきと)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。◉
(22)2018/10/03/15:20 : 3回生・HY(ゆうた)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。
(21)2018/10/02/10:40 : 3回生・YS(さえ)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。
(20)2018/10/03/10:20 : 3回生・TK(かな)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。
(19)2018/10/03/10:00 : 3回生・FM(まさと)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。◉
(18)2018/10/03/9:40 : 3回生・KK(かいと)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。
(17)2018/10/02/17:00 : 3回生・NR(りな)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。
(16)2018/10/02/14:45 : 3回生・KA(あいか)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。◉
(15)2018/10/02/10:10 : 3回生・TY(ゆうと)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。◉
(14)2018/10/02/09:50 : 3回生・SK(こうへい)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。
(13)2018/10/02/09:30 : 3回生・FR(りな)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。◉
(12)2018/10/01/15:20 : 3回生・TJ(じゅんや)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。
(11)2018/10/01/11:40 : 3回生・SR(りょうたろう)・研究文献と卒論のテーマについて。現れず…。
(10)2018/10/01/11:20 : 3回生・MW(わたる)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。◉
(9)2018/10/01/11:00 : 3回生・OY(ゆうと)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。
【9月】
【8月】
(8)2018/08/03/15:30 : 3回生・TM(まもる)・卒論のテーマについて。終了。
【7月】
(7)2018/07/17/12:35: 3回生・KA(あいか)・卒論のテーマについて。終了。
【6月】
(6)2018/06/19/15:45 : 3回生・KA(あいか)・卒論のテーマについて。終了。
(5)2018/06/19/15:20 : 3回生・FR(りな)・卒論のテーマについて。終了。
(4)2018/06/12/17:05 : 3回生・SA(あきと)・卒論のテーマについて。終了。
(3)2018/06/08/15:20 : 3回生・FR(りな)・卒論のテーマについて。終了。
【5月】
(2)2018/05/17/14:00 : 3回生・SA(あきと)・卒論のテーマについて。終了。
(1)2018/05/15/17:00 : 3回生・IY(よしなり)・卒論のテーマについて。終了。
「そだね〜♪」な研究集会
■平昌オリンピック、日本女子カーリングチームの「そだね〜♪」は、共感をベースにしているように思います。共感の上で議論やコミュニケーションが展開していくわけですね。一方、何かにつけ「でもねー」で始まるパターンの場合、相手を否定し、シュンとさせたりガックリさせることで、自己の存在価値を誇示し、そのことで自己の承認欲求を満たそうとしているように思います。意識的に無意識のうちにの違いはありますが、相手を支配することに、優位に立つことに隠れた目的があるので(さらには搾取することに)、建設的な議論やコミュニケーションは展開しにくいわけです。その場合は、得てして権威主義的に振舞うことにもなります。どこか自信の無さやコンプレックスの現れでもあるわけですが、もちろんご本人はそのような自覚はありません。
■「そだね〜♪」と「でもねー」は、大きな分かれ道になると思います。以前に、朝日新聞のコラム(折々のことば)で哲学者の鷲田清一さんが、作家の高橋源一郎さんの言葉を引用されていました。「誰かを論破しようとしている時の人間の顔つきは、自分の正しさに酔ってるみたいで、すごく卑しい感じがするから」というものです。これはツイッターのツイートらしいのですが、このツイートとも関係しているように思います。この「すごく卑しい感じ」は「でもねー」と親和的です。ただし、自分で自分の卑しい顔は見ることはできません。自分以外の他人であれば、そういう卑しい顔を嫌という程見てきましたが…。「でもねー」に対抗するために、自分も「でもねー」に陥ってしまう危険性があります。
■「そだね〜♪」から始まるコミュニケーションを心掛けることは、「和顔愛語、先意承問」とつながっています。仏教の「大無量寿経」というお経には、「無有虚偽諂曲之心、和顔愛語、先意承問」とあることを学びました。「媚び諂いのような嘘偽りの心でなく、和やかな笑顔と思いやりのある話し方で人に接して、相手の気持ちを先に察して、その望みを受け取り、自分が満たしてあげる」という意味とのこと。お互いが「そだね〜♪」であれば、「和顔愛語、先意承問」なのかもしれない。しかし、相手を否定し相手を支配しようとする「でもねー」相手に、「和顔愛語、先意承問」だとどうなるのでしょう。仏教の教えは、こういう場合には、どう答えるのでしょうね。
■先週の金曜日のことになりますが、東京に向かいました。「地方創生時代の地域コミュニティ・観光資源管理を考える研究集会(第3回)」に参加するためです。前回、第2回に参加し、自分とは異なる見解や立場からの発言を聞いて、改めて自分自身の立ち位置を確認できました。「ミネルヴァの梟は迫り来る黄昏に飛び立つ」とは哲学者ヘーゲルの言葉です。哲学は現実の後に遅れてやってくるという意味です。その哲学の末裔である社会学も、遅れてやってくる上に、実証主義(ポジティビズム)の足枷の中で、現実と関わろうとします。そういう前提を持つ「知」が果たす役割、大いにあるとは思いますが、それとは違う形で現実と関わりたいと思います。前置きが長くなったけど、この研究集会にはそういう方も集まっています。
■第3回は、国立歴史民俗博物館の柴崎茂光さんから世界自然遺産に認定された後の屋久島のことについてお話しを伺いました。「地域に根差した地域研究・観光学の可能性について-フィールドでの違和感から-」というタイトルです。この地域の関係者であり研究者である柴崎さんがフィールドで心を痛めて悩まれてきたことに共感しました。外からの観光の眼差しに一方的に消費されていくかのような状況や、世界自然遺産となった結果、それ以外の価値が見えなくなったり失われていく過程、そしてそれらを時間をかけながらどう改善していけば良いのか、決して雄弁には語らない(偉そうに、賢そうには語らない)、むしろ自分の悩みを告白するかのような柴崎さんの語り口調にも共感しました。地域の関係者である柴崎さんのお話しは、世代を超えて将来世代にまで及びました。研究会の後は懇親会。そして二次会と続きましたが、司会進行の土屋俊幸さん(東京農工大学大学院)の進行も素敵なこともあって、基本的に「でもねー」ではなく参加者の「そだね〜♪」で柴崎さんの話題がいろいろ展開していくことになりました。こういう展開は素敵ですよね。この研究集会、当初3回は継続しようということになっていましたが、参加者の皆さんの意見で、現在のメンバーでさらに3回継続することになりました。
■翌日は、寄り道をせずにさっさと帰宅しました。新幹線の中でのお供は、宇野重規さんの『民主主義のつくり方』と、宮下直さんの『生物多様性の仕組みを解く』。宇野さんの本は再再読になります。そういえば、先週の「チャレンジ!オープンガバナンス2017」の審査員をされていたので、少しだけお話しをするチャンスがありました。宮下さんの本は、私のような素人にはわかりやすいものです。この2冊、私の中ではつながっているし、昨日の柴崎さんのお話しもつながってくるように感じられました。ふと気がつくと、新幹線は関ヶ原を越えて近江・湖東を走っていました。その風景に、強く春を感じました。
「チャレンジ!オープンガバナンス2017」公開最終審査会(琵琶湖の水草問題に取り組むプロジェクト(その11))
■3月4日、東京大学浅野キャンパス 武田ホールで、「チャレンジ!オープンガバナンス2017」(主催:東京大学公共政策大学院「情報通信技術と行政」研究プログラム)最終公開審査が行われました。この日1日かけて、全国から集まった13チーム、そしてそれぞれのチームを支援する自治体からプレゼンテーションが行われました。チームは7分、自治体は3分のプレゼンテーション。私たち「水宝山(水草は宝の山)」のプレゼンテーションは9番目、13:40からでした。リーダーで、真野浜で民宿を経営されている山田英二さんがプレゼンテーションをされ、私は控えの質問対応要員として参加させていただきました。大津市政策調整部企画調整課の担当者の方も一緒に登壇されました。大津市政策調整部長さん、滋賀県琵琶湖環境部琵琶湖政策課の参事さんも応援に来てくださいました。ありがとうございました。
■結果として、賞はいただくことはできませんでしたが、最終選考に残ったということで「ファイナリスト賞」を頂くことができました。まあ、残念賞ですね。水草は湖底で繁茂しており、客観的なデータがオープンデータとして存在していません。問題の状況を客観的に把握することの困難さがあるわけです。そこが制約条件になっているなと思いますが、今後は、「水宝山」の活動が発展し、大きくの皆さんが参加される中で生み出される「社会的努力」や「社会的成果」をきちんとした数値データで示しつつ、それを社会的に共有していくような仕組みを作りたいと思います。
■公開審査会の後、3人の審査員の方達が、わざわざ私たちのところにやってこられて応援のコメントをくださいました。嬉しかったですね〜。ありがとうございました。次回の「水宝山」の会議では、滋賀で見守ってくれたチームの皆さんにきちんと報告をしておきたいと思います。また、最後まで支援してくださり、東京まで応援に来てくださった大津市役所、滋賀県庁の皆様にも心より感謝します。今回は、私たち市民グループの活動を契機に、大津市と滋賀県が組織の壁を超えて連携してくださっていること、本当にありがたいことだと思っています。引き続き、頑張って琵琶湖の水草問題に取り組みたいと思います。
■最後の写真ですが、大津市の「オープンガバナンス」の取り組みの中で知り合った方です。びっくりしました。研究熱心ですね〜。そして、今日の13チームのプレゼンテーションを、グラフィックレコーディングの技でまとめておられたのにはさらにびっくりしました。グラフィックレコーディングのことを、「グラレコ」っていうんですね。あちこちで、見かけるようになりました。年寄りは、なかなか新しい試みについていくことができません。
更新が滞っているうちに、春になりました。
■最近、ホームページに併設したこのブログ、ほとんど更新できていません。いろんな方達から、読ませてもらっていますよと声をかけていただくこともあり、時々チェックしていただいている皆さんには、本当に申し訳ないと思っています。また、日々の出来事や備忘録の類ではありますが、いろんな話題でエントリーしていければと思います。よろしくお願いいたします。
■最近、知人のIT企業の社長さんから、こういう主張する方がおられるとお聞かせいただきました。facebookは自分のブランディングに活用したり人間性を伝えるツールとして使い、ブログでは専門性、つまり自分が専門とする知識や見解を情報発信するツールとして使うべき…というものです。そういう考え方があると知って、「そうなんだ〜、自分はそういうのはと全く縁遠いな〜…」と思うしかありません。まあ、仕方ありません。日々の出来事や備忘録の類ばかりのブログですが、お読みいただいている方がおられるということで、これからもこのスタイルでブログを更新していきます。
■最近、どうしているのか…。来年度に向けて、いろいろ予定が入り、手帳が黒くなってきています。先月は老人ホームに入所している老母の入院があり、その後も諸々の用事で少し疲れてしまっています。気分一新というわけではありませんが、先日、朝に時間があったので守山市の第1なぎさ公園に行ってきました。菜の花が満開なんです。例年、見頃は2月なんですが、どういうわけか今年は3月の今頃で満開になっています。冬が寒かったからかな。
■公園に着くと菜の花の香りが漂ってきました。花粉で大変な時期ですが、菜の花の香りを楽しみました(好き嫌いはあるでしょうが…ちょっと臭いという人もいるでしょうね)。菜の花畑の向こうには、少しだけ頂きに雪を残した比良山系が見えます。ここに来る方たちは、この風景を楽しみにされています。例年だと、雪で白くなった比良山系と黄色い菜の花の組み合わせを、皆さんは楽しまれるのだと思いますが、今年は雪はわずかになってしまいました。琵琶湖の南湖の周囲に暮らしている方たちからすれば、季節の風物詩のような風景なのかもしれません。足元に目をやると、土手にツクシが生えていました。
暖かい長閑な季節になりました。とはいえ、のんびりしていることはできません。新年度が迫ってきました。