HETANA USO(なかの綾)
▪︎「昭和の歌謡曲」が大好きなHさんが、お隣りの研究室におられます。そのHさんに、紹介しました。「なかの綾」。昭和のムード歌謡曲を、ジャズやラテンで歌っています。なんだか気持ちが盛り上がりますね〜。素晴らしい。
1. ラヴ・イズ・オーヴァー
2. 私はピアノ
3. つぐない
4. ホテル
5. すずめの涙
6. 誰より好きなのに
7. 恋におちて -Fall in love-
▪︎アルバムには7曲入っていますが、1番から、歐陽菲菲、高田みづえ、テレサテン、島津ゆたか、桂銀淑、古内東子、小林明子。よく知らない歌手もいますが、メロディーを聴けば「ああそういえば!」と思い出すはずです。もちろん、一定の年齢の以上の方たちに限りますが。気持ちが盛り上がるといっても、もともとの歌の内容は、とってもウエットで、今の若者ならば「ええ〜っっ(- -;;」という気持ちになると思うわけですが、なかの綾が歌うと、そのような歌詞の内容とは別に気持ちが盛り上がるのです。不思議です。
小澤征爾のアルバム
▪︎最近、音楽・アートのマイブームは、レディ・ガガと小沢征爾。小澤さんについては、調子に乗って、iTuneでアルバムを購入してしまいました。一番左のアルバムは、小澤さんが80歳なられたことを記念しているものかと思います。amazonの解説は、左から順番に以下の通りです。
小澤征爾の80歳(2015年時)を記念したベスト・アルバム。1973年から2013年にかけて、サイトウ・キネン・オーケストラ、ボストン響、ウィーン・フィル、ベルリン・フィルら関係の深いオーケストラと録音した数々の名演奏から80トラックを厳選、CD5枚組にまとめた決定盤。“世界のオザワ”の集大成的な作品。
1992年に産声をあげたサイトウ・キネン・フェスティバル松本。彼らが録音してきた名演から選りすぐりの音源を収録。小澤征爾総監督復帰演奏となった2010年の「7分間の弦楽セレナード」、2001年9月13日に`米同時多発テロ`犠牲者追悼のために演奏された「G線上のアリア」を初収録!フェスティバル20回目の節目を祝うに相応しいベスト盤となっている。
▪︎「小澤征爾の80曲。」は、小澤さん自身が指揮した名曲集、「美味しいところ」を集めたものです。言い方をかえれば、つまみ食い的な感じになってしまうのだけれど、様々な曲を聞き比べできるます。「ベストコレクション」の写真をご覧ください。食道癌から復帰した小澤さんが指揮をされています。冒頭が、amazonの解説にもある「2010年の『7分間の弦楽セレナード』」なのだと思います。ご体調もまだ完全ではなかったのでしょうし、このときは持病の腰痛もひどい状態だったといいます。だから、椅子も用意されているのかもしれません。しかし、サイトウ・キネン・オーケストラにとって特別のこの「弦楽セレナード」の指揮を始めるといつもの小澤さんに戻っておられました。入魂の指揮のでしょうか。たまたま、テレビで放映されたときのものをアップされている方がおられました。
小澤征爾・ベルリンフィルの「悲愴」と湯浅卓雄先生のインタビュー
▪︎先日、facebookで知りました。NHKの「あさイチ」という番組に、指揮者の小沢征爾さんが、なぜ指揮をするときに指揮棒を使わないのか…その理由について説明されているというのです。現在、小澤さんは指揮棒を使っておられません。ずいぶん前からのような気もします。しかし、指揮棒を使わない理由ですが、ちょっと拍子抜けするようなものなんです。一番上の動画が、それです。たぶん著作権の問題をクリアしていないので、もうじきカットされると思いますが、もしよろしければご覧ください。
▪︎今日は、大切な昼食会が奈良のとある料亭でありました。お酒も少しはいった昼食会だったので、自宅に戻ると、これまでに溜まった疲れもあり、2時間ばかり昼寝ならぬ夕寝をしてしまいました。そして困ったことに、そのさいに金縛りになってしまいました。どんな感じかというと、横に人がいる気配が濃厚にするのですが、体は動かない…そんな感じです。昨晩は、寝ているあいだにこむら返りを起こしてしまうし。おそらくは疲れが溜まっているので、こうなるのでしょうね。心身ともにもう少し休めてリフレッシュしないといけないですね。もう、若くないしね…。
▪︎ということで、夕食後YouTubeで、小澤征爾さんが指揮をされている動画をじっくり観て・聴いて、心に栄養を与えることにしました。冒頭に書いた「あさイチ」のこととで、にわかに小澤征爾さんのことが気になり始め、iTuneでサイトウ・キネン・オーケストラ、小沢征爾指揮「BEST SELECTION」も調子に乗って購入してしまいました(通勤時に楽しもうと思います…)。2番目の動画は、小沢征爾さんが2008年にベルリンフィルハーモニーを指揮したときのリハーサル風景です。曲は、チャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」です。冒頭、小澤さんは、ボストンにある野球チーム「レッド・ソックス」のウインドブレーカーを着て練習に到着されます。小澤さんは、ボストン交響楽団の音楽監督でした(1973-2002)。それはともかく、リハーサル風景を、私は何度も見直しました。ゾクゾクっとするものがありました。当時のコンサートマスターである安永徹さんとの、ボーイング(運弓の仕方)に関するやり取りにも注目しました。
▪︎小澤さんのイメージの音楽にするためには、このようなボーイングはどうだろうかと安永さんは提案します。おそらくは、このようなボーイングの方が弾いていると結果として小澤さんのイメージに近づく…という提案なのかなと思います。もちろん、私の推測、邪推にしかすぎまんせんが…。しかし小澤さんはオリジナルなボーイング(チャイコフスキーが指定したてボーイング)に戻してほしいと言います。小澤さんは、インタビューにもこたえています。いいオーケストラというのは、室内楽のように、お互いの音を聴いて反応しあっている…と。また、(体や心の)中で感じたものが音になればよい…ともこたえておられました。このあたり、コンーサトマスターの安永さんとのボーイングのやり取りとも関係しているように思います。音楽を自分の内側から感じること…それを形にしていくのは難しいのです。3番目の動画は、本番の演奏です。
▪︎また、ふと思い立つことがあり、いろいろ調べてみました。YouTubeで学生オケ時代にお世話になった湯浅卓雄先生のインタビュー動画をみつけることができました。湯浅先生とは9歳違い。学生時代に指揮をしていただいたときは、まだ30過ぎのアニキという感じでした。この動画を視ると、髪が白くなっておられることをのぞいて、若いときの雰囲気と基本的には同じよに思います。お若い。先生と最後にお会いしたのは、大阪の天王寺動物園でした。私は結婚して子供がおり、家族3人で動物園に遊びに来ていたのですが、湯浅先生も家族連れで遊びに来られていたのでした。お互いに笑ってすれ違いました。なんだか、思い出すとおかしいですね。ちょっと立ち止まってお話しをさせてもらうとよかったのに…。関西のプロのオケや市民オケの指揮も時々されているということなので、できれば先生にお会いしたものです。
Tony Bennett, Lady Gaga : Cheek to Cheek
▪︎昨日、レディー・ガガが、第87回米アカデミー賞授賞式で、今年、公開50周年を迎えた映画「サウンド・オブ・ミュージック」と主演女優であるジュリー・アンドリュースを賞賛する、トリビュート・パフォーマンスとして、映画「サウンド・オブ・ミュージック」のメドレーを歌ったことを投稿しました。レディー・ガガの歌唱力にびっくりしました。ということで、にわかにレディー・ガガに関心が湧いてきました。ちょっと調べると、レディー・ガガは、あのトニー・ベネットともコラボしてアルバムを作っていたのですね。とっても評判になったいたようですが、私はな〜んにも知りませんでした。恥ずかしながら、私のばあい、まあ、こんなものでしょうかね。
▪︎コラボして制作したアルバムは、「Cheek to Cheek」といいます。さっそく、iTuneで購入してしまいました。ジャズの名曲を2人が歌ったアルバムです。2人のコラボがどうして生まれたのか、そのあたりのことはこの記事に書かれています。記事を信頼するかぎりでは、2011年のチャリティコンサートで2人は出会いから交流が始まったようです。
1. Anything Goes
2. Cheek To Cheek
3. Don’t Wait Too Long
4. I Can’t Give You Anything But Love
5. Nature Boy
6. Goody Goody
7. Ev’ry Time We Say Goodbye
8. Firefly
9. I Won’t Dance
10. They All Laughed
11. Lush Life
12. Sophisticated Lady
13. Let’s Face The Music And Dance
14. But Beautiful
15. It Don’t Mean A Thing (If It Ain’t Got That Swing)
▪︎YouTubeにも素敵な動画がアップされているので、そちらもご覧ください。レディー・ガガは、こんなふうにジャズも歌えるのですね。
Anything Goes
But Beautiful
It Don’t Mean A Thing
▪︎こちらをクリックすると、アルバム「Cheek to Cheek」のなかから、複数の曲の動画を観ることができるようです。
Sound Of Music - Lady Gaga - OSCAR Performance 2015
▪︎今日、自宅で仕事をしていますが疲れ切ってしまい、facebookをのぞいたところ、お「友達」の 豊田令枝さんがアップされている記事が目が留まりました。「Sound of Music」とあったからです。
▪︎私は、子どもの頃から、ジュリー・アンドリュースの「サウンド・オブ・ミュージック」がとっても大好きです。映画は、テレビ放映やDVDで何度も何度も繰り返し観てきました。しかし、豊田さんが投稿された動画で歌っているのは、レディー・ガガでした。第87回米アカデミー賞授賞式です。今年、公開50周年を迎えた映画「サウンド・オブ・ミュージック」と主演女優であるジュリー・アンドリュースを賞賛する、トリビュート・パフォーマンスとして歌っていたのでした。レディー・ガガ、素晴らしい歌唱力です。驚きました。
▪︎私自身は、レディー・ガガといっても名前ぐらいしか知りませんでした。奇抜なファッションのミュージシャンという印象が強かったので、これまでのレディー・ガガとはまったく異なるパフォーマンスに驚きました。もちろん、歌い終わったあとは、スタンディングオベーションです。そして、ジュリー・アンドリュースが登場するのです。今年で80歳になるわけですが、とてもそんなふうにはみえませんね。会場はさらに盛り上がりました。素晴らしい!! レディ・ガガってすごいな〜。
▪︎レディー・ガガ自身も、感極まったようですね。
しばらく更新できませんでした…
▪︎ブログの更新、しばらくお休みしていました。いろいろ、盛りだくさんで、精神的にも疲れてしまい、更新する気力が湧いてきませんでした。毎日、覗いてくでさっている皆様、申し訳ありませんでした。ちょっと気持ちをハイにするために、「Stand By Me」をアップします。
▪︎今後のエントリーの予定ですが、2月7日・8日に、中津川市にまちづくりのお手伝いに行きました。その時のことも、アップしたいと思います。まだ、完成させていない「本文続きます」のエントリーもありますね…。なかなか厳しいですが、頑張ります。
Johannes Brahms - String Sextet op.18 - 2. Andante, ma moderato
▪︎昨晩、突然、ブラームスの弦楽6重奏曲第1番第2楽章を聞きたくなりました。仕事の片手間で聞きたいので、YouTubeを探したところ、こんな動画がアップされていました。6重奏曲は、バイオリン、ビオラ、チェロ、それぞれ2人づつの編成で演奏します。バイオリンのお1人は、マッシモ・クァルタという方です。私は、お名前を存じあげませんでしたが、イタリアの有名なバイオリニストなのだそうです。1991年度パガニーニ国際コンクールの優勝者でもあります。印象ですが、このイタリアの皆さんのブラームス、なんだか、これまで聞いてきたものとは違って、すごく「うねる」というか「ゆれる」という感じがします。でも、これも新鮮で良いのかな…と思いました。
▪︎ちなみに、この第2楽章は、フランス映画の「恋人たち」 (ルイ・マル監督)で使われているのだそうです。調べてみました。すると、この映画で使われた曲のばあい、チェロはあのカザルスが演奏しているというではありませんか。カザルスは、チェロの現代的奏法を確立した巨匠です。以下は、「恋人たち」の動画です。こちらの第2楽章は、私がこれまで聞いてきた「がっしり」した「力強い」演奏でした。動画は貼り付けませんが、リンクだけでも。
http://youtu.be/BgSJDuyrvWI
▪︎さらに調べてみると、この映画のストーリーは、以下の通り。「夫に不満をもつ若き人妻が、ふと知り合った若者と情熱の一夜をすごし、夫も家もすてて若者とともに去る」というものなのだそうです。映画を観ていないので、ストーリーだけだと「なんだかな〜…」という展開です。個人的には、第2楽章のイメージと、映画のストーリーのあいだにはギャップがありすぎます(笑)。数珠繋ぎ的に調べてみました。ルイ・マル監督は、あの「死刑台のエレベーター」の監督なのだそうです。これは、この監督のデビュー作です。こちらは、ジャズ・トランペッターのマイルス・デイビスの即興演奏で、大変有名です。マイルス・デイビスのことと、映画の題名ぐらいは私でもわかるぐらい有名です。ちなみに、こちらの映画もヒロイン(社長夫人)の夫(社長)は、彼女の不倫相手(社員)から殺されてしまうのです。これはひどく単純化したストーリーで、実際には、もっと複雑です。
「死刑台のエレベーター」動画http://youtu.be/upO75002b9k
ルイ・マルの解説http://www.ppmz.com/essays/katsusha/katsusha_008.htm
▪︎これらの映画は、みんな、私が生まれた頃の映画です。断片的な知識としては知っていますが、この時代の映画を丹念にみたことはありません。こうやってみると、学生の皆さんに偉そうにいえる立場でもないわけです。しかし、私は自分がいろいろ知らないことについて、どこか自分のなかにちょっと困ったことだな…という恥じらいの気持ちがあります。もっと知りたい、あるいは勉強したいという気持ちも強くあります。なんのためか。それは、単に知りたいから。知ることで、世界が拡がるから。わくわくするから。「それが何の得になるのか? 」。「それは、わかりません。それぞれの人ごとに…」というしかありません。でも、よくわからない事柄を「もっと知りたい…」という気持ちが、自分の中から湧き出てくることは、人が生きていくうえでとても大切なことなのではないかと思うのです。最後の部分、知り合いの学生の皆さんに向けて書いています。
【追記】▪︎以下は、IsraeliChambrProject によるブラームスの弦楽6重奏曲第1番の演奏です。全曲です。第2楽章は16分45秒あたりから始まります。こちらの重厚でがっしりした演奏の方が、私としてはしっくりきますね。じつに素晴らしい。
Israeli Chamber Project
吹奏楽部の定期演奏会
■23日(火・祝)、大竹茂夫さんの個展を神戸の三宮にある画廊で「堪能」したあと、川西の奥の奥にある老母宅に向かいました。この日は、どうしても大竹さんの個展に行きたかったので、老母の生活介護は妻に頼み、妻が用事をすべて終えてくれた頃に到着することになりました。そこから老母宅の期限切れ間近の軽自動車を車検に出し(ふだんは私が買い物用に使用する)、その後は妻とともに大阪を経由して大津に向かいました。「びわ湖ホール」で開催される「龍谷大学吹奏楽部第41回定期演奏会」を楽しむためです。神戸、川西、大阪、大津…なんとも慌ただしい一日でした。
■この龍谷大学吹奏楽部の定期演奏会、毎年、楽しみにしています。毎年行っているので、とうとう今年はご招待いただきました。関係者の皆さん、ありがとうございます。プログラムは、以下の通りです。
【プログラム】
《Ⅰ部》
○「フライト」 作曲:C.T.スミス
○「日本民謡組曲『わらべ唄』」 作曲:兼田敏
○「アルメニアン・ダンス」 作曲:A.リード《Ⅱ部》
○「歌劇『カヴァレリア・ルスティカーナ』より間奏曲」 作曲:P.マスカーニ/編曲:建部知弘
○「交響第5番『革命』より」第4楽章 作曲:D.D.ショスタコーヴィチ/編曲:上埜孝
○「トランペット協奏曲変ホ長調」 作曲:J.N.フンメル/編曲:上埜孝
(客演:菊本和昭 NHK交響楽団主席トランペット奏者)
○「吹奏楽のためのラプソディ」 作曲:外山 雄三/編曲:藤田玄播
■第Ⅰ部の指揮は吹奏楽部コーチの児玉知郎さん、第Ⅱ部の指揮は、吹奏楽部の音楽監督であり常任指揮者でもある若林義人さんでした。こうやってプログラムを拝見すると、Ⅰ部は吹奏楽のために作曲された作品、Ⅱ部は管弦楽の作品を吹奏楽に編曲したものであることがわかります。また、Ⅰ部とⅡ部には、それぞれ「日本民謡組曲『わらべ唄』」と「吹奏楽のためのラプソディ」が入っています。日本の「わらべ唄」や「民謡」をもとに作曲された作品です。ということもあるのでしょうか、今回の定期演奏会のポスターは「日本」をイメージするものになっています。
■前者の「日本民謡組曲『わらべ唄』」は、アメリカの高校生のために1962年に作曲された作品です。後者の「吹奏楽のためのラプソディ」は、1960年にNHK交響楽団が行った海外演奏旅行のために作曲された作品(アンコール用)です。1960年と1962年。戦後復興を一定程度終え、これから本格的に高度経済成長期に突入していく時代です。1964年には、世界に日本の復興をアピールすることになる東京オリンピックが開催されます。日本が国際的な信頼と自らの自信を取り戻そうとする時代です。そのような時代の精神を背景に、日本の作曲家達はどのような思いで仕事をしたのでしょうか…。バルトーク、ヤナーチェクのような作曲家が、母国であるハンガリーやチェコの民俗音楽や民謡にこだわりながら作曲したように、兼田敏や外山 雄三も日本の民俗音楽にこだわったのではないのか…。きちんと音楽の歴史を勉強したことがないので、思いつきのようなことを書いていますが、そのようなことが気になりました。よく、日本のメロディーと西洋の語法との融和を図った…という評価がなされています。以下、今回の演奏に関して、メモ程度のことをごく簡単にまとめておきます。
■私は、学生時代にオーケストラに所属してヴァイオリンを弾いていたので、どちらかといえば第Ⅱ部の曲に注目していました。「歌劇『カヴァレリア・ルスティカーナ』より間奏曲」は、しばしば学生時代に演奏した曲です。弦楽器のない吹奏楽でどのように演奏するのか、大変興味がありました。吹奏楽のために編曲されているわけですが、ピアノやピアニッシモなどの部分、弦楽器独特の響きをどのように演奏するのかに関心があったのです。/ショスタコーヴィチの第5番・第4楽章は、練習を積み重ねてきたことがよく伝わってきました。一人一人の皆さんの技術的な高さがよく伝わってきました。/トランペット協奏曲は、初めて聞く曲でした。トランペット奏者にとって、このフンメルの協奏曲は、ハイドンの協奏曲とならんでとても有名な作品ということも知りました。18世紀後半に活躍したアントン・ワイディンガーというトランペットの名手が、有鍵式のトランペットを発明して半音階の演奏ができるようになりました。その名手ワイディンガーのために作曲された協奏曲です。プログラムの解説によると、原曲はホ長調。ところが、実際には変ホ長調で演奏されることがほとんどなのだそうです。調べてみると、変ホ長調の場合、たとえばB♭管では♭が1つですむのに対して、原曲のホ長調だと♯が6つになってしまい、現在のトランペットでは演奏がかなり困難になるとのこと。もちろん、N響の菊本さんのトランペットの演奏は、素晴らしいものでした。第3楽章の技術的に難しそうなパッセージも軽々と吹いておられるので、本当にびっくりでした。ワイディンガーという名手のために作曲されたということがよくわかりました。
■最後の「吹奏楽のためのラプソディ」は、一番楽しみにしていた曲でした。本来は、「管弦楽のためのラプソディ」として作曲されたものです。和太鼓、チャンチキと呼ばれる鉦、拍子木、うちわ太鼓、鐘といった日本の伝統的な打楽器が活躍します。また、「あんたがたどこさ」(肥後手まり唄)、「ソーラン節」、「炭鉱節」、「串本節」、「八木節」など、私たち日本人には聞き慣れた(若い学生の皆さんは違うと思いますが…)民謡が多数登場します。もっとも、この曲を初めてきいた欧米の人たちは、まったく違った印象をもっただろうと思います。打楽器によるリズム、土俗的なメロディ、いずれもが強烈な印象を与えたのではないかと思います(当時の海外の音楽批評がどのようなものであったのかは知りませんが)。個人的なことをかけば、途中に「信濃追分」のフルートのソロが奏でられます。大変感動しました。じつに、じ〜〜んと心に凍みました。この最後の「吹奏楽のためのラプソディ」では、指揮者の若林さんや、パーカッションの方達が法被を着ておられました。また、指揮者のまわりには、うちわ太鼓をもった4名のパーッカション担当の方達があぐらをかいて座っておられました。これも、ひとつの演出なのかなと、楽しませていただきました。
■以下の動画は、NHK交響楽団による「管弦楽のためのラプソディ」です。指揮者は、この作品の作曲者でもある外山雄三さんです。1983年の演奏会ですから、今から30年程前のものですね。コンサートマスターの堀正文さん(現在は、ソロ・コンサートマスター)、むちゃくちゃお若いですね。
【追記】■おもしろいインタビュー記事をみつけました。「指揮者・外山雄三さんが聴く「N響アーカイブシリーズ」- 初海外演奏旅行の秘話を語る」という記事です。NHK交響楽団が初めて海外演奏旅行したときのことに関して、外山雄三さんがインタビューを受けている記事です。