リレーショナル・オートノミー
■先日のことになりますが、NHKのEテレで、「自分らしく生きる~ACPとがん緩和ケア」と言うシンポジウムを放送していました。たまたま気がついて、仕事をしながら「ながら族」で見ることにしました。
日本人の死因第一位である“がん”。医療の進歩で生存年数は長くなってきたものの、未だ治療が難しい病でもある。身体的な苦痛に加え、先行きがみえない不安に苛まれる人も少なくない。そうした中、注目を集めるのがACP・人生会議と呼ばれる試み。自分らしく生きるために必要な医療やケアを事前に家族や医療者と語り合おうというものだ。緩和ケアが、その思いを支える。これからの“がん”との向き合い方を考える。
【がんと生きる~こころとからだ 私らしく~】(上)がん 揺れる心支える
【がんと生きる~こころとからだ 私らしく~】(下)患者会の笑顔に救い
■このシンポジウムは、読売新聞のオンラインの記事にもなっていました。↑のリンクがそうです。心に深く染み入りました。11前に、肺癌により81歳で亡くなった父親を看病していたときのことがリアルに思い出されました。
■ところで、このシンポジウムの最後で、京都大学緩和ケア・老年看護学分野教授の田村恵子さんがおっしゃった「リレーショナル・オートノミー」と言う言葉が強く印象に残りました。関係性の中で意思決定をしていく自律、関係性の中にある自律という意味です。これは、看護の世界で使われている用語のようですが、環境保全活動やまちづくりの現場においても大切な考え方なのではないかと思いました。少し、自分なりに掘り下げて考えてみたいと思います。
100 Amazing Tuba and Euphonium All-Stars From Around The World: Elgar’s Nimrod
■この動画では、世界のユーフォニアムとチューバの演奏家が、オンラインで、イギリスの作曲家エルガーの「エニグマ変奏曲」第9変奏「ニムロッド」を合奏をされています。コロナウイルスの感染拡大の中で、私たちのために闘っくださっている医療関係者を勇気づけ、犠牲になった皆さん、そして家族の皆さんに捧げるために演奏されています。静かに感動する、そのような演奏です。
■この「ニムロッド」に関して、wikipediaによれば、以下のように解説されています。
イギリスでは11月11日のリメンバランス・デーにおいて、戦没者追悼記念碑の前で戦没者を追悼するために王立軍楽隊によって必ず演奏される。これはグスターヴ・ホルストのコラール『我は汝に誓う、我が祖国よ』と同様の扱いである。しかし本作は愛国主義、追悼といった意図はない。このように作者の意図によらず葬送、追悼の場面に使用されることから、イギリスの音楽家ビル・マクグフィンは『ニムロッド』をアメリカにおけるバーバーの『弦楽のためのアダージョ』になぞらえている。2012年ロンドンオリンピックの開会式に際してもイザムバード・キングダム・ブルネルが『テンペスト』の一説を朗詠する場面で、BGMとして使用された。ギリシャ国立管弦楽団が廃止になった時に最後に演奏された曲も『ニムロッド』であった。
■作曲者であるエルガーの意図とは別のところにあったようですが、wikipediaの解説にあるように人びとは葬送や追悼にふさわしい曲と感じたのでしょう。私もそうです。以下の動画は、2018年のリメンバランス・デーでの演奏です。
「魚のゆりかご水田」の様子
■facebookに、滋賀県立琵琶湖博物館の学芸員をされている金尾滋史さんが、琵琶湖の湖岸近くにある「魚のゆりかご水田」(野洲市)の様子をアップされていました。素晴らしいです。金尾さん、ありがとうございます。
今森光彦『里山物語」
■我が家には、仕事とは関係のない自分の好きな本だけを並べた書架が2階にあります。そこから久しぶりに1冊の写真集を取り出し、1階のリビングで眺めてみました。写真家・今森光彦さんの『里山物語』です。初版は1995年。私のものは2000年です。もう初版から四半世紀がすぎたことになります。この写真集のなかにある世界は、我が家から車ですぐのところにあります。もちろん歩いて、以前であれば走ってでも行けるところです。ただ、もう写真集で表現された世界は、同じ場所にはありません。圃場整備事業が行われたからです。先日、夜明け前に訪ねた棚田が、失われた世界を想像できる唯一の入り口になるのかもしれません。この写真集をじっくり眺めて、また棚田を訪ねてみようと思っています。そうすることで、私のような者にでも、失われた世界を少しは幻視することができるかもしれません。
■写真集には、今森さんの5つのエッセーがおさめられています。そのうちの一つに、西村さんという方が登場します。「年齢は六〇歳そこそこ」とあります。ちょうど私ぐらいの年齢ですね。今森さんご自身は私よりも4つ年上だから、とっくに「六〇歳そこそこ」を通り過ぎています。一世代ほどの時間が経過しているのです。以前、奈良に暮らしていたときに、ちょっとかわった書店で、今森さんの写真集のサイン会がありました。まだ小さかった子どもたちを連れてそのサイン会に出かけました。確か、この『里山物語』のひとつ前の写真集、『世界昆虫記』が出版された頃だと思います。そういえば、先日、今森さんに偶然にお会いした時にそのことをお話ししたら、今でも記憶されていましたね。
■別のエッセーには、勝ちゃんが登場します。以前に勤務していた琵琶湖博物館にもよく来られていた昆虫マニアの男性です。なんというか、大人のガキ大将のような人物でした。エッセーは、今森さん、勝ちゃん、そして別の友人の3人でオオスズメバチの巣採りに出かけた時の話です。今森さんは、文章もうまいんです。読んでいると、巣採りに夢中になっている勝ちゃんが、頭の中でリアルに語り動き始めました。私は、以前、勝ちゃんにオオスズメバチの蛹を食べさせてもらったことがあります。とてもクリーミーで美味しかった。加熱すると、ポップコーンのような風味もあります。懐かしい。あの時の勝ちゃんは、私よりも少しだけお若い方だったが、今はどうされているのでしょうね。
近くの棚田
■昨日、朝、夜明け前に、家から車で10分ほどのところにある棚田を見に行ってきました。ガスがかかっておりあまり見通しは良くないのですが、これはこれで雰囲気があるかな…、ちょっと幻想的かな…と思えました。本当は夜明けの朝日の中の棚田を見たかったんですけどね。仕方がありません。
■ここは大津市の仰木と呼ばれる農村の棚田です。仰木の棚田も、多くは圃場整備を済ませているのですが、ここはまだ棚田のままです。これは推測でしかありませんが、棚田のある山裾の丘陵地帯の中でも、圃場整備を比較的行いやすいところと、そうでないところがあるのかなと思います。この画像の向こうには、琵琶湖に流入する天神川という小さな河川があり、その川に向かって傾斜がきつくなっていくことから、あまり圃場整備にむいていなかったのかなと…。まあ、推測でしかありませんが。圃場整備を済ませていると、このような雰囲気は多分出てこないように思います。もっとも、耕作者の方は、かなりご苦労されているかなとも思います。
■ずいぶん昔のことになります。30年近く前のことです。この仰木のご出身の方とお話をしたことがあります。その方ご自身は次男か三男で、家を出ておられましたが、こんなことを言っておられました。「あんたらは、棚田が美しいとか、生き物にとってどうやとかいうけれど、こんな牛のケツも回らんような田んぼで百姓することがどんだけ大変か考えたことがあるんか」。牛のケツも回らん…とは、農耕のために使っていた牛が方向転換できないくらい狭い水田ということですね。もっとも、この時分は、もうすでに機械化とはされていたと思います。
■4時半に起きて、睡眠不足で頭が重たい中、そのようなことを思い出したのでした。
龍谷大学吹奏楽部第46回定期演奏会のライブCDが発売されます。
■いよいよ、龍谷大学吹奏楽部第46回定期演奏会のライブCDが発売されます。トップのYouTubeは視聴版です。ご購入にあたって詳しくことは、こちらをご覧ください。。
2019年12月、ザ・シンフォニーホールに於いて開催された龍谷大学吹奏楽部第46回定期演奏会のライブCD。2019年度全日本吹奏楽コンクールにおいて3年ぶりの出場、そして金賞を受賞した龍谷大学吹奏楽部の1年を締めくくる集大成として開催されたこの演奏会。メインには同年の課題曲作曲者としても活躍し注目を浴びている日景貴文氏の編曲による歌劇「リエンツィ」序曲を表現豊かに演奏し、満員の聴衆を酔わせました。龍谷大学の繊細さと力強さの合わさった演奏をお楽しみください。
カッシーニが見た土星
■カッシーニは、アメリカのNASAと欧州宇宙機関によって開発され、1997年に打上げられた土星探査機なんだそうです。ですから、23年前に打ち上げられたわけですね。そのカッシーニが、実際に撮影した動画なのだそうです。カッシーニ自体は、13年にわたって土星を周回しながら目覚ましい発見を続けてきたそうです。そして、2017年9月15日19時32分(日本時間)、土星の大気圏に突入し壮絶な最期を遂げました。詳しいことは、こちらに説明されています。なぜ、大気圏に突入させたのかといえば、本体に付着している可能性のある微生物を土星の衛星等に持ち込まないための処置だったそうです。人工衛星は機械でありますが、大変複雑な気持ちになります。というか、悲しい…。
■この動画の背景に流れているのは、アメリカの作曲家であるサミュエル・バーバーの「弦楽のためのアダージョ」です。大変有名な曲ですが、暗殺された第35代アメリカ合衆国大統領ジョン・F・ケネディの葬儀際に使用されたことから、一般の葬儀でも使われるようになったとのことです。あえて、「弦楽のためのアダージョ」をBGMに使っているのは、土星探査衛星カッシーニが土星の大気圏に突入して壮絶な最後を遂げたことと関係しているのではないかと思います。
■この「弦楽のためのアダージョ」、合唱版もあります。ラテン語で「Agnus Dei」という曲名になっています。「神の子羊」(イエスのこと)という意味だそうです。「人間の罪に対する贖いとして、イエスが生贄の役割を果たしたのだ…」ということです。こちらもお聞きください。
龍谷大学「学生まちづくりラボfan」のミーティングに参加しました。
■昨日は、3コマのオンライン授業のあと、龍谷大学のREC関連団体である「学生まちづくりラボfan」のミーティングに参加させていただきました。私の役割は、側面から学生の皆さんの活動のサポートすることにあります。昨日は、新入生への説明会でした。学生の皆さんや、この団体のOBの皆さんが、良い雰囲気でミーティングされているところに、のそのそと還暦過ぎのおじいの教員が参加することにちょっと躊躇いがありましたが、皆さん真剣に私のアドバイスを聞いてくださいました。ありがとうね。
■「学生まちづくりラボfan」の活動の場は、仰木の里です。大津市の中でも大きい規模の住宅地になります。ここで、地域の皆さんと一緒に、人口減少社会の中で、都市郊外の住宅地が抱える問題を緩和するために活動をしています。もっとも、今は、コロナウイルス感染拡大のため、現地での活動は出来まん。感染が収束することを心待ちにしながら、zoomで毎週、ミーテイングや研究会、ビブリオバトルを開催されているようです。これからの活動の展開に期待しています。
ヨシ刈りによるCO2回収の「算定ツール」
■滋賀県庁琵琶湖環境部で、ヨシ群落保全の仕事をしています。ヨシ群落保全審議会の仕事です。ここでコクヨ滋賀の太田俊浩さんとお知り合いになりました。太田さんは、勤務されているコクヨ工業滋賀のCSR活動の一貫として、以前から多くの環境ボランティアの方達と一緒に、ヨシ群落の保全(ヨシ刈り)に取り組んでこられていました。太田さんからは、この環境ボランティアの方達との活動を、社会的努力としてきちんと「見える化」できないかとのご相談を受けてきました。「見える化」することで、ヨシ刈り活動に参加する方達自身が自らの活動の有効性感覚を客観的に実感できるようになります。また、活動が生み出している社会的価値(低酸素社会の実現に向けてのCO2の回収)を、広く伝えていくことも可能になります。ご相談を受けたとき、すでに太田さんは、琵琶湖博物館の学芸員の方と調査・研究を始めておられました。もちろん、私自身は自然科学の研究者ではないので、私の役割は専門家や滋賀県庁の方達とつないでいくことになります。すなわち協働関係をデザインすることでお手伝いさせていただいたのです。そのあたりのことは、ブログの方にも書かせていただきました。
ヨシ群落保全基本計画等見直し検討会
ヨシ群落保全審議会
■予定では、3月末に、滋賀県のヨシ群落保全審議会が開催されるはずでした。そしてその審議会の場で、ヨシ刈りによるCO2回収の「算定ツール」がお披露目いただけるはずだったのですが、残念ながらコロナウイルス感染拡大により審議会の開催が中止になってしまいました。滋賀県庁のホームページでは、この「算定ツール」のことがすでに3月24日に発表されています。
■昨日のことになりますが、太田さんからヨシ刈りの活動に関するニューズレター「ヨシでびわこを守るネットワーク通信」とともに、「算定ツール」に関するご報告をメールでいただきました。大変、喜んでおられるご様子でした。私も喜びのお裾分けをいただいたような気分です。嬉しいです。この「算定ツール」の開発以外にも、ヨシ群落保全に関しては、やらないといけないことが山ほどあります。今後、いろんな皆さんの力をうまくつないでいくことで、課題を少しでも緩和・解決していければと思っています。
「学生まちづくりラボfan」が学生研究員を募集中
■私は、龍谷大学RECの学生団体である「学生まちづくりラボfan」の活動を応援しています。現在、学生研究員を募集中です。興味を持っていただいた方は、ご連絡ください。メールアドレスは、以下の通りです。 fan.oginosato@gmail.com
【募集詳細】
・全学部1回生から4回生まで誰でも歓迎!
・まちづくりに興味がある、まちを変えたい、他学部の学生と一緒に活動を行いたい、など些細なきっかけでも大丈夫です!
【説明会について】
・少人数による「オンライン( Zoom)説明会」を行っております。
・新入生で今後の学生生活に不安を感じている方々に向けては、現メンバーと気軽に話せる「座談会」も開催中です!
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