ありがたい
▪︎今時の若い方たちは、仕事とプライベートをきちんと分けて、職場の上司や先輩、そして仲間と「呑み」に行くことが減ってきているという話しをよく聞きます。私は「昭和のおじさん」だからでしょうか。そのような感覚がよくわかりません。職場のなかにも、地域のなかにも、楽しく時間を過ごすことのできる方たちがたくさんいます。昨日は、職場の方と仕事上のことで懇談をした後、「ちょっと行きますか」と大学の近くの中華屋へ。今日は、大学の地域連携でお世話になっている昔からの知り合いの方から、昼間に「ちょっとどうですか」とお誘いがあり、大津の街中での地域の皆さんとの会議が終わったあと、夕方から大津駅前のいつもの居酒屋「利やん」へ。自分のまわりに広がるたくさんの知り合いの方たちとのネットワークを、有難いことだと、いつも思っています。
カマキリ
▪︎母が先週の金曜日から1週間程、体調を悪くして入院していました。昨日、土曜日、なんとか退院することができしまた。妹と一緒に介助をして、自宅に連れ帰りました。退院にあたっては、病院のメディカルソーシャルワーカーやケアマネージャーの皆さんにお世話になりました。ありがとうございました。介護保険のおかげで、母の生活は、なんとかなっているというのが実情です。ヘルパーさんによる生活のサポート、本当にありがたいです。もし、これを自分一人でやることになったら、とてもではありませんが無理です。
▪︎母は急に入院することになりました。この手配もケアマネージャーさんがやってくださいました。あわてていたものですから、母の入院にあたって冷蔵庫の中をきちんと処理していませんでした。ということで、妹がその傷んだ食料品の処理をして、私の方は、近所のスーパーに買い物に出かけました。スーバーの駐車場で、ふと左のミラーをみると、どこからやってきたのか1匹のカマキリがしがみついているではありませんか。そばに寄って写真を撮ってみました。何か、秋を感じました。
【追記】▪︎このカマキリですが、「ハラビロカマキリ♀」なのだそうです。昆虫に詳しい方が教えてくださいました。カマキリにも、いろいろ種類があるんですね。
Türk Hava Yolları | Hayal Edince (Dream)
▪︎トルコ航空のCM宣伝のようです。子役の演技がとても素晴らしく、何度も、この動画をみてしまいました。最後、旅客機が着陸した先に見える高い山はなんという山なんでしょうね。おそらくは、アララット山(アウリ・ダウ山)ではないでしょうか。「旧約聖書」に出てくるノアの方舟伝説の山として有名らしいですね。この動画の山、実際のところ、どうなんだろう…。
「鳥越晧之先生を囲む会」
▪︎昨日は、早稲田大学の横にある東京リーガロイヤルホテルで、恩師である鳥越皓之先生の退職記念パーティーが開催されました。鳥越先生は、仏教大学、桃山学院大学、関西学院大学、筑波大学、早稲田大学と、5つの大学に勤務されましが、この日は、大学院での教育をご担当された関西学院大学以降の教え子たちが集まりました。また、鳥越先生といえば「生活環境主義」ということになりますが、その最初の著書である『水と人の環境史』(御茶の水書房)が出版された頃の研究仲間の皆さん、そして筑波大学や早稲田大学の親しい同僚の方たちが集まりました。
▪︎「生活環境主義」のお仲間のお1人は、昨年まで滋賀県知事であった嘉田由紀子さんです。個人的な考えですが、30数年前、嘉田さんが鳥越先生に琵琶湖の環境問題に関して相談をして一緒に研究を始めることがなければ、「生活環境主義」は生まれていなかったのではないかと思います。この日集まった多くの教え子の皆さんも、鳥越先生のもとで環境社会学を学ぶことはなかったでしょう。そうなると、それぞれの人生は、もっと別のものになっていただろうと思います。さらに、日本の環境社会学ももっと違う展開になっていたかもしれません。私自身も、おそらくは環境の研究をしていなかっただろうと思います。私は、この日集まった教え子のなかでは最初の頃の教え子になります。一番若い方は、早稲田大学のFさんです。最近、修士論文を提出して学位を取得できることになった方です。教え子とはいっても、私とは一世代ほどのひらきがあります。
▪︎この日の様子を、嘉田さんがfacebookに記事をアップされているのでご本人の承諾を得て、写真と文章を転載させていただくことにいたします。嘉田さん、ありがとうございました。以下が、嘉田さんの投稿です。最後に私の名前が出てきますが、この日の私の役割は司会でした。この会の準備にあたってきたしっかり者の後輩からは、「会の準備を何も手伝っていないのだから、脇田さんはご飯を食べずに司会をしてください」と言われたのです。
「鳥越晧之先生を囲む会」、2月15日午後、東京で開催。
いわゆる「退官記念祝賀会」ですが、形式ばった会にはして欲しくないというご本人の強い希望で、関西学院大学、筑波大学、早稲田大学という、3つの大学の大学院の「環境社会学」や「社会学」の教え子を中心に、集まりました。
全員が一言ずつ「鳥越先生からの心に残った言葉」として、それぞれの学生の苦しいとき、迷った時に、ふわっと「それはたいしたことないよ」と軽く支え、また時には「私を信用しなさい」と重く支え、時として、体力が落ちていそうな学生の下宿に食べ物を差し入れしたり、時として、見込みのありそうな学生には崖っぷちまで追い込んで実力を引っ張り出したり、というようなやりとりを披露下さいました。
私自身、かなり深く鳥越イズムにはまった人間ですが、今日の教え子さんたちの言葉をきいて、見事な指導というにはもったいないほどの人間味あふれるやりとりに感動しました。これも、柳田國男以来の日本民俗学、本居宣長にたどる国学や、有賀喜左エ門などから広がる日本社会学の長い、深い系譜に根ざし、かつ沖縄、ハワイ、モンゴルなど海外の現地研究も取り込みながらの学識ゆえ、と感じ入りました。
振り返ってみれば、琵琶湖研究所が滋賀県立で開所されて直後の1982年の「湖畔集落研究会」からはじまった鳥越さんをリーダーとする地道な環境社会学研究があったからこそ、「生活環境主義」という領域をひらき環境政策にも応用できました。環境研究に「居住者の視点・住民の視点」を明示化できた琵琶湖政策にとっての恩人でもあります。
でも鳥越イズムの根っこは「それおもろいか?」「遊べるか?」という知的好奇心だ、というも今日のみなさんの共通理解だったようです。
鳥越さん、この4月からは、関西の大学でまた次世代育てに関わって下さいます。ますますお元気でご活躍ください。
脇田さん、全体進行、ご苦労さまでした!
▪︎先月、鳥越先生の最終講義が早稲田大学で開催されました。先生の話しぶりは、いつものように笑顔と柔らかな雰囲気ではありましたが、私自身はその背後にある重いメッセージを受け取りました。そして、嘉田さんの投稿にもありますが、昨日、若い教え子の皆さんのスピーチをお聞きしたとき、かつて鳥越先生から厳しく指導された当時のことを改めて省みることになり、身が引き締まる思いがしました。
▪︎32年前、関西学院大学の社会学部の校舎2階にある「合同研究室」のコピー機の前で、鳥越先生から言われたことを今でも思い出します。「脇田くん、今のままではダメだから、私のところにいらっしゃい」と声をかけてくださいました。先生はまだお若く(41歳)、大学院は担当されていませんでしたが、京大大学院の農業経済を学ぶ院生なども関学に呼んで、農村社会学に関して、個人的にゼミをされていたのです。また、『水と人の環境史』を出版されたばかりの頃でした。現在、先生は日本社会学会の会長であり、様々な学会の役職をつとめてこられましたが、当時は新進気鋭の若々しい環境社会学者だったように思います。日本の社会学のなかに、環境社会学会が誕生する少し前のことでもありました。そのような研究者として勢いのある先生から指導を受けることができたこと、私にとってはとても幸せなことでもありました。いつか、修行時代のことをもう少し詳しく書くことになるかもしれません。
▪︎「鳥越先生を囲む会」のことに戻りましょう。昨日は、参加者の誰もが、とても良い雰囲気の会だと言っていました。いわゆる「学閥的」なものがなかったからです。先生と教え子や仲間の皆さんとの、純粋に学問を通した関係と先生への感謝の気持ちが基盤になっているからです。鳥越先生は70歳になられました。早稲田を退職されたあとは、ご自身の研究に専念されるのかなと思っていましたが、どうもそうではないようです。これも嘉田さんの投稿のなかに書いてありますが、関西のある大学に異動されます。こんどは、学生を直接的に教育されるのではなく、大学経営という重責を担われるようです。
▪︎写真についても、少し説明をしておきましょう。トップの集合写真。鳥越先生の教え子以外の方たちについて少しご紹介しておきましょう。中央の鳥越先生の向かって右側。嘉田由紀子さん、桜井厚さん、松田素二さん、秋津元輝さん。向かって左側は、古川彰さん、好井裕明さん、柏雅之さん、ひとりおいて松村和則さん。
▪︎すぐ上左の写真。鳥越先生、嘉田由紀子さん、松田素二さん、古川彰さん。上右の写真、スピーチをされる鳥越先生。左の写真は、会場のホテルから見えた庭園。大隈庭園です。大隈重信の邸宅があった場所です。
複雑系のあやとり
▪︎自宅近くの風景の一部を切り取りました。本来の複雑系の意味とは違うけど…。まあ、そこのことろは、よろしく。関西電力とNTTのコラボ…でしょうかね。こういう写真を撮った後で、亡くなった赤瀬川原平さんのことを思い出します。街中の面白い風景を写真に切り取り、文章を添えた著書があったように記憶しています。たしか、『路上の神々』(佼成出版社、2002)だったかな…。
▪︎その赤瀬川さんのご自宅に、一度だけですが、取材にいかせてもらったことがあります。赤瀬川さんのご自宅は、建築史を専門とする藤森照信さんが設計した住宅です。屋根にニラを植えたポットが埋め込まれているので、「ニラハウス」です。「えっ?」と思う方は、ちょっと調べてみてください。「嬉しがり」になってしまい、話が脱線してしまいました。
▪︎赤瀬川さんの『路上の神々』のなかには、この電線のような写真がたしかあったように思うのですが…。私も「老人力」がついてしまって。
【追記】▪︎まあ、日本だとこの程度ですが、海外にいくともっとすごい状態に…。以下の写真は、ハノイです。左側は、3年前のベトナム旅行の際に撮ったもの。右側は、ゼミの卒業生のIくんが「もっとすごいのがある」と教えてくれたものです。こちらもハノイです。ハノイの方たち、これで大丈夫なんでしょうか…不思議です。
鳥越皓之先生の最終講義
▪︎恩師である鳥越皓之先生の最終講義が、昨日、早稲田大学の所沢キャンパスでは行われました。早稲田の所沢キャンパスには、初めて行かせていただきました。西武に乗って、池袋から小手指という駅まで。小手指からはバスで所沢キャンパスまで移動しまた。関西とは異なる武蔵野台地の風景を楽しみながらの移動でした。私は関西からですが、兄弟弟子の面々のなかには、九州から聴講に来た人もいました。Fさんです。Fさんは、翌日がセンター入試の監督ということで日帰りでの参加です。
▪︎私たち、鳥越先生の弟子たちは、それぞれ先生から学んだことを振り返りながら、最終講義を聴講することになりました。最終講義の教室には、早稲田で鳥越先生から学んでいる学生や院生の皆さんはもちろんですが、鳥越先生の兄弟弟子にあたる学会の重鎮の面々も、お越しになっておられました。最終講義のタイトルは、「それぞれの『現代』とどう格闘するのか-社会学的塑造力と社会問題-」でした。私個人は、聴講にやってきた学生・院生・弟子たちに対して、鳥越先生が「君たちにとっての『現代』とは何なのか?」と問うておられるように感じました。聴講しながら、昨年末に龍谷大学で開催された「環境社会学会のシンポジウム」の時のディスカッションのことも頭に浮かんできました。(本文続きます…が、発熱等で体調を崩してしまっているため復帰に時間がかかります)。
「信貴山縁起」
▪年末から続いた卒論の指導・添削、そしてその指導・添削のために後回しにせざるすをえなかった原稿執筆の仕事が一段落しました。また、昨年の秋からの仕事の疲れもたまっていることもあり、日帰りではありますが、奈良県内のの温泉で自分を慰労することにしました。妻に「近場で良いところ…」を探してもらったところ、奈良県三郷町に信貴山観光ホテルという施設があり、そこは天然温泉(源泉の温度は30℃程度なので暖めていますが…)だということで、食事と温泉がセットになった日帰りコースを利用してみることにしました。ホテルは、混み合うこともなく、ゆったり温泉につかることができました。昼間からビールなどもいただき、すっかり気持ちよくなってしまいました。
▪︎信貴山観光ホテルで温泉につかり、食事をとって、ちょっと昼寝などもしたあと、近くにある朝護孫子寺にお参りしました。朝護孫子寺、ホテルの側からみると川を挟んだ向かい側にあります。初めて、お参りしました。奈良に転居してきたのが、30年近く前のことになりますし、大変有名なお寺ではありますが、このお寺にお参りするのは初めてでした(ちょっとお恥ずかしいことなのですが…)。しかも、この朝護孫子寺は、高校生の時、日本史で勉強した「信貴山縁起」とも深く関係があり、宝物館のような施設での絵巻物のレプリカを丹念に拝見することができました。絵巻物の物語、こういう内容だったのかと、大変満足いたしました。また、登場する人物の表情の豊かさにも驚きました。信貴山によせていただいたのは、インターネットで温泉を調べてヒットしたからで、たまたま偶然なのですが、とても勉強にもなりました。本堂からは、遠くに奈良盆地を眺めることができました。
▪︎「信貴山縁起」(信貴山縁起ともいいますが)、とても有名なのですが、『源氏物語絵巻』、『鳥獣人物戯画』、『伴大納言絵詞』と並ぶ四大絵巻物の1つということや国宝であるということを知りませんでした。今は、便利になったもので、その場でスマホを使って調べることができました。すでに書きましたように、昨日、観覧させていただいたのはレプリカですが、堪能させていただきました。トップと2枚目の写真は、wikimedia sommons からのものです。上が「山崎長者の巻(飛倉の巻)」、下が「延喜加持の巻」の、それぞれ物語のなかのワンシーンを描いたものです。どのような物語なのか、wikipediaの「信貴山縁起」のところに詳しく説明してあります。よろしければ、参考になさってください。
▪︎たまたま選んだ近場の温泉のそばにあった、有名なお寺…ということなのですが、勉強もできて私自身は大変満足いたしました。