「日本の社会・文化B」
■今年の後期・木曜日は、いつも勤務している瀬田キャンパスではなてくて、大学の本部の深草キャンパスで授業を行います。留学生別科の「日本の社会・文化B」という授業です。留学生別科ですから、学生さんたちはみんな海外から龍谷大学に留学されてきた皆さんです。
■履修している学生さんの人数は18人。人数が多い国からいえば、まずは中国11人。多いですね。あとは韓国2人、台湾1人、イギリス1人、フランス1人、ドイツ1人、オーストラリア1人ということになります。オーストラリアの学生さんも、ルーツは香港。国際色豊かですね。中国の学生の皆さんは、山東省の同じ学校のクラスメイトとのこと。なるほど、だから最初から親しく話をされていました。一方、他の皆さんは、その周りで大人しくされているわけです。うーん、これではいかんなと思いました。後期の授業が終わった時には、全員が仲良くファーストネームやニックネームで呼び合えるように仲良くなってほしいので、グループワークを取り入れた授業をやっていこうかなと思っています。
■留学生別科の授業を担当することは初めてです。少し会話をしてみるとわかりましたが、日本語のレベルも様々です。無理せず、ゆっくり、しっかりと、授業をやっていくことにしようと思います。私も「正しい」「わかりやすい」日本語を話さないといけません。これが、ひょっとすると一番難しいことなのかもしれません。
連休中に
■この連休中に、奈良に暮らしている孫と娘が遊びに来てくれました。ありがとう。おじいさんは、嬉しいよ。上の孫は5歳。下の孫は2歳。いろいろ遊んでもらいました。楽しかたったです。精神的に癒されました。ありがとう。でも、私自身は、育児の「ええとこどり」だけさせてもらった感じでしょうか。本当の育児は「ええとこどり」はできませんものね。
■孫がやってくると、リビングルームはおもちゃだらけになります。遊んで、満足したら片付けて、次のおもちゃで遊ぶというわけにはいきません。それは大人の考えです。次々に興味や関心が移っていきます。片付けている暇はありません。仕方ありませんね。食事の前には、「おかたづけの歌」を歌ったりしながら、リビングルームに散らばったおもちゃを決められた籠に入れて片付けるのですが、食事が終わるとまた元の木阿弥です。おそらく、部屋のあちこちに、おもちゃが散らばっている状況が楽しいのでしょうね。
■以前は、下の孫がまだ乳児だった頃は、リビングルームで育てているたくさんの観葉植物も、手に触れられないところに移動させていました。土を触ってしまうからです。観葉植物の鉢の数は15ほどあるので、それを手の届かないところに隠すのも大変でした。大きなものだと2mを超えてしまいますので。さすがに2歳にもなると、土を触ることもなくなりました。といいますか、会話ができるようになってきたからです。手が汚れるので鉢の中の土は触ってはいけないことを理解しています。
■もうネットに孫の顔を出すわけには行かなくなったので、靴の写真だけでも。とっても可愛らしいです。右の写真ですが、下の孫のスニーカーです。ちっちゃいです。ピカチューのアシックスです。
孫の勘違い
■今日は「敬老の日」です。今まで自分には関係ないと思っていました、というか特に意識していませんでした。ところが、孫のひなちゃんがジーバー(祖父母)の顔を描いてくれたのだそうです。そうすると、急に「敬老の日」が自分事として感じられるようになりました。来年からは、前期高齢者で、正真正銘の「老人」になりますしね。
■顔の絵はまだ届いていませんが、面白い話をお母さん(娘)から教えてもらいました。ひなちゃんは、これまで私のことを「けんちおじいちゃん」だと思っていたというのです。「けんいち」ではなくて「けんち」。ひなちゃんには、もう1人おじいちゃんがいます。本当は「こうじろうおじいちゃん」なんですが、ひなちゃんは「こじろおじいちゃん」と思っていたのだそうです。「こじろ&けんちジージーズ」です。
■どうして、ひなちゃんが自分の勘違いに気がついたのかといえば、最近、ひなちゃんは平仮名が書けるようになっていて、ジーバーの顔の下に名前を平仮名で書こうとしたのですが、お母さん(娘)からの指摘で自分の勘違いに気がついたようです。でもね、「けんち」でもいいんだよ、おじいちゃんは。
追記
■ひなちゃんは、いま、5歳です。来年の春には小学生になります。
秋の花
■超大型の台風14号が近づいてきています。毎年、毎年、豪雨や台風のために被害が出ます。深刻な被害と比べようもないのですが、我が家の小さな庭のことも心配です。今、庭では秋の花が咲き始めています。まだ、満開までに至りませんが、グッと気温が下がってきたのでヒガンバナが咲いてくれました。あっとという間に地面から茎が伸びて、蕾を膨らませたかなと思うと、花が咲いていました。人によっては、庭にヒガンバナが咲くことを嫌う方もおられますが、私は毎年楽しみにしています。しかし、台風でどうなってしまうでしょうね。大丈夫かな。ヒガンバナ以外では、ハギとシュウメイギクが咲き始めました。ハギはわかりませんが、シュウメイギクは台風の強風で花びらが散ってしまうのではないかと思います。
夏原グラント活動報告書(2021年度)
■ 2014年から、公益財団法人 … 原グラント」の選考委員を務めています。平和堂は、滋賀県を中心に近畿地方、そして北陸地方や東海地方にまで総合スーパーとスーパーマーケットを展開する企業ですが、この平和堂の創業者である夏原平次郎さんが、「平和堂をここまでに育てていただいた地域の皆様に感謝し、そのご恩に報いるため」に、私財を寄付して平成元年に設立した財団です。
■こちらの財団では、2011年度の公益財団法人への移行を機に環境保全活動や環境学習活動への助成も始められました。「夏原グラント」です。「びわ湖およびその流域の自然環境の保全」に取り組むさまざまな実践活動、教育活動、研究活動に対して、その活動資金を助成されています。2022年度は61団体へ総額17,508,000円を助成しています。
■毎年、年度末が近づいてくると、審査が始まります。まず書類での選考が行われ、その次に選考に残った団体からプレゼンテーションを聞かせていただきます。審査をさせていただきながらも、地域の困った課題に気づき、有志とその課題を共有し、具体的な活動を少しずつ展開されていくプロジェクトのプロセスから、大切なことを学ばせていただいています。ありがとうございます。
■昨日は、平和堂財団から2021年度の活動報告書が送られてきました。こちらの財団の事務局は、しがNPOセンターのスタッフの皆さんになりますが、丁寧に各団体にヒアリングをされています。私も、審査するより、現場でのヒアリングに出かけたいな〜と思うのですが、立場上、そのようなことは難しいのでしょうね。
■審査員も9年目になりますが、審査員として希望することは、助成を受けた団体の間での交流がもっと活発になってほしいということです。そのような思いもあり、2021年度は助成を受けた団体に集まっていただき、ワールドカフェ方式のワークショップに取り組んでいただきました。すごく手応えを感じました。助成をするだけでなく、環境保全活動に取り組む人たちの間で、悩みを聞き合ったり、知恵を出し合ったり、アドバイスをしあったりする「場」を作っていくことも財団の大切な役目だと思っています。
キャリア関連情報
■このブログをどれだけの龍谷大学の学生さんたちがご覧になっているのか、よくわかりません。毎日100人前後の皆さんにご覧いただいていますが、そのうち学生さんの占める割合はどれほどでしょうね。かなり少ないと思います。とはいえ、学生さんのための情報を、こちらでも提供しておきます。
■まず、「オンライン業界研究会」から。昨日のことですが、社会学部教務課から、この「オンライン業界研究会」をゼミ生に周知してほしいとの依頼がメールで届きました。これ、とても大切なイベントですね。しかもオンライン。コロナ禍の意図せざる結果だと思いますが、オンラインでこういった大規模なイベントの開催が可能になりました。以前だと、キャンパス内の大教室で、学部ごとに開催しなければならなかったのだと思います。しかし、オンラインだと自宅にいながら、あるいは授業があってキャンパスにいても、Wi-Fiが繋がるところであれば、どこからでも参加できます。もっとも、このようなオンラインのイベントから主体的に情報やノウハウを取得して、自分の就活やキャリア形成に役立てたいと思っていることが前提になります。ほとんどの学生は大丈夫だと思うのですが、中には、こういった情報を提供しても、知らない間に素通りしてしまっている人もいます。そういう学生さんには、教員の側も注意してあげる必要があります。というわけで、社会学部教務課から連絡があったわけです。
■次は、「公務員ガイダンス」と「公務員仕事理解セミナー」です。私のゼミでは、他のゼミと比較して公務員になる人がやや多いように思います。私がまちづくり・村づくり・地域づくりに関心をもってゼミを担当していいるので、そのような関心からゼミの選択を人たちの中には、公務員を志望する人たちがいるのです。特に、公務員を志望する人たちに特別の指導をするということはありませんが、これからの公務員(特に、地方公務員)の働き方、また社会からの期待されることは、これまでとは大きく違ってくるということは言っています。保護者の皆さんの世代であれば、公務員といえば「安定志向」が暗黙のうちに前提となっていたように思いますが、これからの時代、そのような「安定思考」だけではとても公務員は務まらないように思います。おそらく、「公務員仕事理解セミナー」では、そのようなことも含めて情報提供が行われるのでしょうね。20年後、学生の皆さんが社会の中堅になって働くことになるわけですが、その頃は、日本の人口減少はより一層加速度がついており、その時点で予想される社会課題も今とは違っていることは間違いないでしょう。そのような急激な世の中の変化に柔軟に対応できるのかどうかが問われるのかもしれません。では、その時、私自身はどうしているのかというと、84歳になりますからね。残念ですが、死んでいる可能性が高いですね。
「被害引き受けた農地の苦悩」という記事
■先月、8月の上旬の豪雨で、滋賀県長浜市を流れる姉川の支流、高時川からの越水で農地が一時的に水没した災害について、「滋賀の豪雨 霞堤の機能発揮 被害引き受けた農地の苦悩」という記事が、今朝(9月13日)の朝日新聞に掲載されました。
8月上旬の豪雨で、氾濫した滋賀県北部の高時川を空撮した写真が、期待通りに遊水機能を発揮した「見事な治水」だとネット上で注目を集めた。ただ、現地を取材すると、単純に成功とも言い切れない。被害を引き受ける農地の公益性にどう報いるかが、豪雨頻発時代の課題になる。
■この災害が発生した時、この記事のリード文にもありますが、「見事な治水」という意見がTwitter等で多く見られました。中には、水害の被害を単純に報道するマスメディアの報道姿勢を批判してこの霞堤を評価するツイートもありました。このような「見事な治水」という意見の背景には、近年注目を浴びている流域治水という考え方や取り組みが存在しています。
■私自身は、流域治水の考え方に賛成するものの、この時のTwitterを中心とした社会の反応には、強い違和感がありました。その時、すぐにこのブログで自分の考え方を述べて、専門家にも問合せたりしました。以下が、その時の投稿です。
高時川の氾濫に関連して-「遊水池」の受苦-
高時川氾濫の動画
流域治水に関連して
高時川の氾濫に関してご教示いただきました。
■どうして、農地が水没した立場から「受苦」の立場からの記事が出ないのだろうと不思議でしたが、やっとこう言った視点からの記事が出てきました。流域治水の専門家でもない素人の意見と一蹴されるかもしれませんが、流域治水の問題が、私には「土木的」「技術的」なことだけに矮小化されているように思えて仕方がありません。私は流域ガバナンスという社会的課題について研究してきましたが、そのような研究関心からするならば、以下のような点にもっと社会的注目が集まる必要があると思っています。特定の地域や関係者に、被害という「受苦」が集中することで、災害を免れるという「受益」を薄く広く享受することができる、このアンパラスさについてもっと議論を積みかねていくべきかと思うのです。
■流域全体の構造化された問題群を、どのように多様なステークホルダーの関係・連携の中で緩和するのか。もし、一部に被害が集中する場合は、その被害からの回復を支援しケアしていく仕組みをどう立ち上げていくのか。そのような一連の仕組みも、技術とセットで考えないと意味がないと思っています。山間部の風力発電も含めた開発、また鹿の食害、それらによる土砂が流出しやすくなっている問題。人が山に暮らさなくなり、山の手入れができなくなって山が荒れているという問題。頻発する豪雨。新しい災害のステージに相応しい避難行動はどのようなことなのか。平時において日常的な減災の取り組みはどのようなものがあるのか。経済的補償を農家の農業共済にだけ押し付けておいて良いのか。記事にもありますが、「被害を引き受ける農地の公益性にどう報いる」のか、そのための制度はどのように可能なのか。
■じつに様々なことが相互に連関してくると思います。特定の省庁や役所、特定の専門家だけで解決できる話でもありません。頻発する豪雨で、流域単位の「総合政策」が、今こそ必要になっているのだと思います。
楽香(らっきょ) / バスに乗って
■この動画、ぜひ最後までご覧ください。「おはなし」は さわきょうこ さん、アコーディオンは岩城里江子さんです。さわさんは、なんというか「1人スタジオジブリ」みたいな声色の持ち主です。すごいんです。最初は、私もニコニコしてその声色をお聞きしていたんですが、そのうちに、なんだか、だんだんストーリーが…ええっという展開に。ぜひ、ご覧ください。実際にライブでお聞きして、涙が止まらなくなりました。年寄りだね。困るわ、ほんま。
鉄道ピクトリアル2022年10月臨時増刊号[特集]京阪電気鉄道
■この雑誌、私のような「ちょっと鉄道が好き」程度の者が購入する雑誌ではないような気がします。ガチの、本物の鉄道ファンの方達が購入される雑誌だと思っています(たぶん)。中身も本格的で、私のような者には近寄り難い、技術的な事柄にまで踏み込んだ記事が多数…。それでも、この「臨時増刊号」は買いました。fbのお友達が記事を書いてあることもあるのですが、今や利用する鉄道といえばJRと京阪になりますので、特集が「京阪電気鉄道」であったことから買いたくなったのです。京阪と地域社会の歴史的な記事、そこに掲載されている写真等については、私のような者でも非常に興味深く、勉強になると思います。この雑誌、密度の高い記事が多いせいでしょうか、ちょっと高めの価格になります。でも、思い切って購入しました。
■鉄道雑誌は、日本では何種類も定期発行されています。それぞれに編集上の傾向が異なっています。そのことをfacebookのお友達の方が教えてくださいました。実物を対象にした鉄道雑誌として、『鉄道ファン』、『鉄道ジャーナル』、『鉄道ピクトリアル』の3つが三大雑誌にあたるのだそうです。それぞれの雑誌の編集には独特の傾向や強みが存在しているようです。『鉄道ファン』は車両の外観や運用に強く、今風に言うと「撮り鉄」向けの色合いが強い雑誌なのだそうです。その背景には、カメラのCanonの存在があるのだとか。Canon以外の他社の一眼レフカメラが、絞り優先だったのに対して、Canonはシャッタースピード優先で、走るものを写すのに強かったのです。『鉄道ジャーナル』は社会派です。ローカル線の廃線問題の現地レポートなど、大都市圏の鉄道サービスなどはこの雑誌が得意とする分野とのこと。そして最後の『鉄道ピクトリアル』は、特定のテーマをすごく深く掘り下げる、特に、車両の設計とか技術的特性のようなものにフォーカスするのはこの雑誌の最大の特徴であるようです。 この臨時増刊号にも、京阪電車の社員の方が、技術的なことを詳しく解説されていました。
■この三大雑誌の他にも、さまざまな鉄道関連の雑誌が出版されています。たとえば、『旅の鉄道』なんかもそうです。この雑誌は私の鉄道に対する関心と重なるところが大きいです。多数の鉄道関連の雑誌が刊行され続けているということは、すごいことだなあと、改めて思います。それだけ鉄道に対する関心を持った人たちが多数、日本にはおられるということなのでしょう。以前は、「てっちゃん」というややネガティブな響きを持つ言葉が、鉄道ファンの人たちに貼り付けられてきました。それが嫌だからか、自ら鉄道ファンと名乗ることが憚られた時代もあったのではないかと思います。しかし、最近は、そのような傾向も次第に和らいできているようにも思います。TV番組でもよく鉄道や鉄道ファンが取り上げられます。サクソフォン奏者である上野耕平さんが鉄道ファンであることよく知られています。また、俳優さんが登場する鉄道番組もあります。「六角精児の呑み鉄本線・日本旅」もそうです。こういう「遠くへ行きたい」の鉄道版のような番組は、従来の鉄道ファンからすれば某流ということになるのかも知れませんが、私自身は、鉄道ファンにも多様性があることが大切だと思っています。鉄道ファンも、その裾野が広がっている方が良いと思っています。