「トークイベント”TREP TRIPs vol.0”『龍大OGの先輩起業家に 聞いてみよう!』」
▪️先週の金曜日、私が龍谷大学のすべての部屋の中で一番素敵だなと思っているREC深草の「創業支援ブース」で武村幸奈さんのトークイベントがあり、参加させていただきました。「トークイベント”TREP TRIPs vol.0”『龍大OGの先輩起業家に 聞いてみよう!』」です。
▪️武村さんは、龍谷大学政策学部の学生だったときに、株式会社「はたけのみかた」を起業されました。武村さんは、政策学部の深尾昌峰先生の授業から強い刺激を受け、また地域連携の活動に参加することのなかで知り合った有機農家を「笑顔にしたい」と考えるようになりました。有機農業の農産品は、市場と相性が悪いのです。安定的な販路がない…、そろそろ直売所を閉める時か…と悩んでおられた有機農家を「笑顔にするため」に、起業することにされたのです。未来に購買が続いていくもの、一時的な流行ではなく、何か文化を形成するような事業、誰かの困りごと解決するような事業に取り組もうと何度もビジネスプランを考え直されました。そして、4回生の秋に、「はたけのみかた」を起業して、赤ちゃんに有機野菜の離乳食を届ける事業に取り組まれるようになりました。
▪️自分の子どもに安心・安全な離乳食を食べさせたいけれど、それができない方達。自分自身の子どもに対する責任感を強く感じておられる方達。離乳食に手間をかけたいけれど、共働き等でそれができない方達。そのような方達を「笑顔にするため」に、通常では廃棄される規格外の有機野菜を農家から高値で買い取り、その野菜を原料に、不必要な添加物等を使わすせ、味付けはシンプルに塩だけにして、素材の味を活かした安心安全な離乳食を製造販売されたのです。武村さんは、会場の学生の皆さんに次のように語りかけました。ちっぽけな私。そんなちっぽけな私でも、たくさんの人とのつながりの中でも、目の前の困っている人たちを「笑顔にするため」に、大きな役割を担うことができるのだと言います。そのためには、心を動かし続けることが大切だとおっしゃっていました。
▪️そして、大学生だからこそできることがあるとも語っておられました。まず、大人(大学教員=周りにいる専門家)に聞くことができる。第一線で活躍する研究者が目の前にいるというのです。それが大学です。大学生には時間があります。トライ&エラーに時間を使うことができます。そして学びを即実践に活かせるのも大学生なのです。全力で遊び、いろんなところに行ってみる。素晴らしい仲間と出会える。大学は、起業するのに最高の場所なんだと。とても素敵なお話でした。
▪️私からも質問をさせていただきました。赤ちゃんは離乳食の段階をいつか終えるわけですが、その後、離乳食を食べなくなった段階で、有機農家と消費者の関係はどうなっていくのかという質問です。たくさんの有機農家と契約されているそうなので、子どもが成長した後も、市場に 出回らない、規格外の野菜を届ける事業もできるのかなと思ったのです。今は、離乳食で手一杯の様子でしたが、そのような事業にも展開されている意欲をお持ちのようでした。いろいろ武村さんの言葉が心に残りました。目の前の人のことを考える。顔を知っている人のことを考える。そこにニッチがある。誰かの困りごとをなんとかする。誰もやっていないから自分がやるしかない。
▪️政策学部からはたくさんの方達が起業されています。社会学部の学生の皆さんも、せっかく深草キャンパスで学ぶようになったのですから、こういった先輩たちから良い刺激を受け取ってほしいと思います。この日は、どういうわけか政策学部の学生さんは一人もおられませんでした。フロアから質問されたのは、文学部、経済学部といった他学部の学生さんたちでした。社会学部の学生さんについても…いなかったかな。これからですね。
▪️社会学部の瀬田キャンパスから深草キャンパスへの移転に伴い、深草キャンパスを「目まぐるしく変化する社会環境において社会科学の叡智を結集し新たな知や価値を創出するキャンパス」にしていくことが決まっています。キャンパス単位で、学部を超えた様々なレベルの交流が活発化して、創発的にさまざまな予想を超える動きが生まれてほしいです。この創業ブースは、そのような新たな展開の一翼を担うのではないかと思っています。