年賀状終い

▪️もう何年も前に、何の連絡も差し上げないまま、一部の親戚関係はのぞいて「年賀状終い」をしていました。「失礼なやつだな」と思われているかもしれませんが、それで何か困ることは起こっていないし、どちらからもクレームも表立っては出てきていないので、これで良かったのかなと思っています。それでも、卒業生の方達の中には毎年きちんと年賀状を送ってくださる方たちがおられて、その方達には年賀状を送っています。

▪️「私の場合は」という限定付きの個人的な考えですが、SNSがこれだけ浸透してきて、タイプで文字を打つ方が圧倒的に普通になってきて、日常的にとまでは言わないにしても、あまり会うことのない方の様子もSNSを通して知ることになりました。以前のように、年賀状をいただいて、「そうか〜、元気にしているようだね〜、よかったな〜」とか、「そうか病気をしていたんだね。お互い年だね〜。でも健康回復できて良かったよ」…という思いを持つことはなくなってきました。

▪️そのような背景もあってか、私だけでなく、「年賀状終い」をされる方が少しずつ増えているように思います。ネットのニュースなど拝見すると、加速度がついて来ているようにも思います。日本郵政さんには気の毒な感じですが。でも、郵便代金も高くなったわけですし、仕方がありませんね。企業さんや事業主さんでも、「年賀状終い」をされるところが増えているのではないでしょうか。驚いたのですが、「年賀状終いグッズ」がよく売れているようですね。

▪️以上のような内容のことをfacebookに投稿したところ、いろいろコメントをいただきました。国家公務員されている方は、しょっちゅう、全国各地を異動することになるので、転居通知や年賀状を大切にされてきたようですが、そのような異動がなくなれば年賀状はやめると書いておられました。また、別の方は、還暦を迎え定年となる年の年賀状で「年賀状終い」をお伝えになりました。その年賀状にご家庭で運営されているホームページのURLのQRコードを印刷されたそうです。年賀状のやりとりをされていた方達の中には高齢の方も多く、その点を心配されたようですが、結果的にはまわりの若い世代の方達からQRコードのことを教わって、ホームページをご覧になることができているとのことでした。

▪️大学時代の後輩は、今年も年賀状を例年通り出したそうです。でも、年末に喪中の挨拶が少ないことに気が付かれました。おそらく喪中挨拶は出さず、来た年賀状にだけ寒中見舞いを返すのかなと推測されていました。また、そのあとはそのままフェードアウトされるのではないかとも推測されていました。それでも送られてきた年賀状に「今年で年賀状終い」との記載があった方が数人いらっしゃったようです。ご自身も、「2年連続で出した年賀状に返信がなければ翌年からは送らない」ことにされているようで、ガクッと減るのは再来年からになるとのことでした。きちんとした性格の後輩くんで、システム的に年賀状のことを管理されていることがわかります。また、SNS時代に知り合った人とは年賀状のやり取りはほぼないとのこと。ですから、年賀状をやり取りしているのは30年以上前からの知り合いになるようです。やはり、「年賀状終い」はSNSが大きく関わっていますね。

▪️しかし、その後輩くんからは、同時に「今後一生会わないだろうなと思う相手と年賀状のやり取りする意味があるのか無いのか色々な考え方はあると思いますが、200枚数弱、ハガキが値上がりしても年1回2万円しないくらいのムダというかゆとりはあっても良いかなと考えています」と意見をいただきました。こういうご意見も、素敵かなと思います。自分にゆとりがないのだなと反省もしてしまいます。

▪️別の方から、このようなご意見もいただきました。facebookのようなSNS等を全くやっていない人の場合、「人間関係のメッシュから零れ落ちていく」ことを実感されているとのことでした。自分の意思で周りの人間関係を断捨離されている方は別にして、気がついたときに、どなたとも繋がっていない、話をしたり連絡をしあったりする人がいないという状況は、社会的な孤立の問題にもつながっていくような気がします。

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