興味深いTVCM


■私のように還暦を超えた人たちには、懐かしいというか、ああこういう時代を生きてきたな…と、ちょっと感慨深くなるCMです。

■CMの冒頭は、学生アパートの黒電話から始まります。いやいや、画面がわざと白黒にしてあるので(昔の時代だと連想させるためにかな…)、本当は黒電話ではないかもしれません。私の記憶だと、コインを入れるピンクの電話なんですけどね。まあ、それはよしとしましょう。学生アパートの男子学生らしき人が、女子学生らしき人に電話で「お付き合いいただけませんか」と告白しています。女子学生の向こうには、怖そうなお父さん。女子学生は白いソックスを履いています。うーん、1970年代ですかね。

■その次は、デートするお店の情報をFAXで送るシーン。次のデートはイタリアンのレストランにしようという提案を付き合っている女性に送っているようです。でも、結局、デートにはいけなくなります。そのことを伝えるのがポケベル。ポケットベルですね。ポケットベルは、1980年代後半から1990年代前半にかけて使われていました。当時は、もちろん携帯電話はなく、固定電話しかありません。でも、ポケットベルを持つことで固定電話のないところでも受信だけはできたのです。ちなみに、CMでは「いけなくなった」という男性からのメッセージを女性がポケベルで受け取っています。もちろん、機嫌は最悪。おそらくバブル経済の時代かな。

■その次は、デートの約束をしていた若手社員が仕事に追いまくられて残業をしているところから。会社のコンピュータから付き合っている女性にメールを送っています。メールには「ごめん・・・仕事バタバタで」タイプされています。その男性からのメールを、女性はかなり古い携帯電話、今でいうガラ携で受け止めています。バカっと半分に折るタイプ。アンテナもついています。そして「わかった。頑張ってね」と返信します。そして「全然会えないね…」とつぶやきます。

■そして、最後はLINE電話のような感じかな。男性の方から「赴任が決まったんだ」と辛そうに話しています。おそらく、海外でしょう。すると相手の女性は、「なんでいつも勝手に決めるの」と。自分に相談なく、遠くに行ってしまうことに怒っています。

■そして、最後は未来のようです。男性は地球の外にいるようです。地球にいる女性に向かって話しています。「ほんと、ごめん」。またまた男性が女性に謝っているところは変化がありません。しかし、女性は「大丈夫」と言います。何が大丈夫かというと、テクノロジーが進歩して実際には遠く離れていても、すぐ横にいて、まるで手を握り合っているかのようにもなれる…ということのようです。

■東京エレクトロンという会社の「LOVEクロニクル」というタイトルの60秒のCMです。この動画には、以下のような説明がついています。

過去から現代、そして未来へと動き続ける時代の中で、
人と人を結びつけてきたテクノロジーの変遷を辿りながら、
それでも変わらない人の想いを描きました。
楽曲はkojikojiさんの書下ろしです。#kojikoji

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