生態系と豪雨防災の両立

■2月29日のことになりますが、ネット上で、共同通信社の記事を読みました。「湿地保全で天然のダムに 生態系と豪雨防災を両立、環境省」という記事です。ポイントは「雨水や川からあふれた水を一時的にため、住宅地などの浸水を防ぐ。多くの動植物が生息する湿地の保全により、豊かな生態系の維持・回復を図る狙いもある」という点にあります。少し前のことになるけれど、河川工学と生態学を専門とするお2人から小さな集まりでお話をお聞きする機会がありました。そのときの話を、大変短くまとめると、以下のようになります。

異常気象で想定を遥かに超える雨が降ると、もうこれまでの治水事業だけで河川の氾濫を防ぐことはできなくなる。特に、河川と河川が合流するような場所は、無理に洪水を抑えるのではなく、水が溢れても良いような遊水池にしていくべきだ。そのような場所は、そもそも、生物多様性のポテンシャルがとても高い場所。そのような場所は、様々な生き物にとって棲みやすい場所なのだ。

■そういうお話だったように思います。この記事は、「おいかわ丸」というアカウントの研究者らしき方のtweetで知りました。誤解を招くような表現になりますが、本来的には、河川は氾濫するものであり、長い時間の中ではその流路を変化させます。その氾濫した場所で様々な生き物が生息してきました。生物の立場からすれば、氾濫は理にかなっているのです。こういう自然の脅威を抑えつけるのではなく、受け止めることで自然の脅威と共生し、それが生き物の多様性にもプラスにつながる…そのような発想や思想で、社会の制度や土木技術が再構築されるべき時代がきているように思います。以前とは違って、今はそのことが可能な時代に移行しつつあるように思う。

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