武漢からの返信

■中国の武漢市にある大学には、親しい方たちが教員として勤務しておられます。ずっと心配になっていましたが、非常に大変な状況の中で日本からお見舞いのメールを差し上げることに少し躊躇いがありました。しかし、我慢できずにお見舞いのメールを送ったところ、翌日に返信のメールがきました。お元気そうでした。安心しました。私のメールの冒頭に、「大変うれしいメールです、心より感謝を申し上げます。本当に『山川異域、風月同天』ですね!」とありました。

■今回の新型コロナウイルスの感染拡大に対して、日本から送った支援物資を詰めた箱に書いてあった漢詩の一部です。もともとは、長屋王から鑑真和尚に贈られた袈裟にこの漢詩が刺繍されていたようですね。私の場合は、支援物資を送ったわけではありませんが、返信をいただいて安心しました。ご自宅でお元気にお過ごしのようでした。旧正月の前から武漢のご自宅で隔離生活が始まり、1ヶ月を超えたとのことでした。メールをお送りした先生によれば、私がお世話になった他の先生方も今のところお元気でお過ごしとのことでした。

■武漢が大変であることは今も変わりはありませんが、同じように、日本が大変になりつつある…そのような気がしてなりません。近隣の国々からのニュースを読むと、かなり政府の社会的対策にひらきがあるように思えます。どうでしょう。国民の生命を守るというのならば、まずは目の前の新型コロナウイルスの対策からだろうと思います。感染者数についても、きちんと検査して確認ができていないからで、本当はもっとたくさんの方達が感染しているとすると、ますます社会的不安は増していきますね。もう、自分自身が感染しているかもしれません。

■この新型コロナウイルスの感染拡大で、龍谷大学吹奏楽部が東京に遠征して演奏することになっていた、「大学ジョイントコンサート2020東京公演」の開催が中止になりました。すでにご来場くださることを予定されていた皆さま、大変ご迷惑をおかけしますこと、深くお詫び申し上げます。いろんなことが中止になっています。近畿大学は、卒業式と入学式を中止する決定をされました。他の大学の判断にも影響が及ぶことになるでしょう。

■新型コロナウイルスに関する報道では、きちんと検査をしてもらえないことに対する社会の不満が相当高まっているように感じています。朝に放送されている番組「モーニングショー」では、専門家である岡田晴恵さんが連日のように解説されています。岡田さんは、このように語っておられます。「このまま(何もしないでいると)だと3月、4月にピークがきます。(感染者数を隠せたとしても)国民に痛みが残ります。痛みは恨みに変わります。(あまり検査を行ってないのは)政治的な判断でしょう」と述べられたようです。3月以降に本格的な大流行が起きてしまう可能性が高いというのです。何を背景にした政治的判断でしょうか。5月下旬以降も流行しているようであれば、オリンピックが開催できなくなるという話もあります。穿った見方かもしれませんが、オリンピック開催のために実態を隠蔽しようとしているのかも…という見方も出てきています。政府は国民の健康と命を守ることができていないとしか思えません。「政府が何もしなくても、どうせ国民は何も反発することなどできはしない」、「国民から徴収した税金も国民の健康を守るために使いたくはない。検査ができるようになれば、実態が国際的にバレてしまう。そうはさせない」、「国民の恨みをかったとしても、それでも次の選挙も勝利する」…とでも思っているのかなと思わざるをえません。国民はもっと怒った方が良いと思います。

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