「25年・連続赤字」の近江鉄道

■滋賀県内には、JR以外に、京阪電鉄、近江電鉄、信楽高原鉄道の3つの鉄道が走っています。先日、ネットで、近江鉄道に関するニュースをみました。「ガチャンコ鉄道」の愛称で知られる近江鉄道ですが、「日本一高い運賃」と言われるように経営は大変です。ニュースによれば、25年間赤字が続いているそうです。これは、近江鉄道が2018年12月に発表した「近江鉄道の経営状況について」という資料です。この資料を拝見する限り、「会社としてはやれることは全てやってきた…」というため息混じりの声が聞こえてきそうな感じがします。ですからこの鉄道を残すのであれば、このニュースにもある「上下分離方式」(自治体が線路などの設備を保有し、近江鉄道が運営を担う)にして沿線の自治体に負担してもらいたい…ということが本音なのかもしれません。素人考えで想像しました。私は鉄道の専門家でもなんでもありませんのが、この辺りのことを専門家の方にもお聞きしたいものです。かりに「上下分離方式」になったとしても、ニュースでは「今後各自治体の負担の割合などが課題となりそうです」とのこと。どの自治体がどれほどの費用を負担するのかで揉めそうです。

■知り合いの鉄道関連のお仕事をされている方からは、お二人の方から次のようなご指摘をいただきました。なるほどと思いました。私自身は、地域のまちづくりの活動と鉄道が、どうつながっているのかも気になっています。

●近江鉄道は大都市からのアクセスがイマイチとは言え、実は新幹線にも直結しており、東京、横浜から日帰りでも充分行くことができる。
●沿線には彦根や近江八幡(これらはJR沿線でもありますが)をはじめ、八日市、豊郷、水口など魅力的な街があるにもかかわらず、人に行きたくさせる情報発信が、鉄道会社にも自治体にも弱い。

●この鉄道がなくなってしまってから顕在化するマイナスの影響を定量化しなければならない。

■この近江鉄道のニュースを見ている限りは、なんだか元気が出てきません。しかし、日本のローカル鉄道の中には、いろいろ工夫をされている鉄道会社もあります。以下は、兵庫県の粟生から北条町まで走っている北条鉄道の例です。記事の中身をお読みいただければと思います。絶対に面白い。狭い意味での、鉄道会社の経営に直結するような話ではありませんが、このようなことを進める鉄道会社の経営姿勢や経営思想に関心が湧いてきました。

名物は駅弁ならぬ“駅パン”! 駅長自らパンを焼く「駅舎工房モン・ファボリ」【兵庫・北条鉄道】

■それから、全国の鉄道会社の中には、ユニークな経営思想のもとで、会社が復活した例もあります。こういう記事も見つけました。「えちごトキめき鉄道」と「ひたちなか海浜鉄道」のそれぞれの社長さんへのインタビューをもとにした記事です。

地方鉄道の「カリスマ社長」が新任地で挑む課題 鉄道運営の「仕組み」を変える必要がある
「瀕死のローカル線」を黒字化した男の経営手腕 ひたちなか海浜鉄道「観光列車は興味なし」

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