谷口牧場を訪問しました!

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▪︎本日の午前中、知り合いの焼肉店「いこい」の経営者である竹村吉史さんにご案内いただき、竜王町にある「谷口牧場」を訪問いたしました。瀬田キャンパスのお隣の学部、農学部の古本 強先生、そして玉井鉄宗先生とご一緒いたしました。「谷口牧場」の経営者である谷口仁司さんからは、黒毛和牛のこと、黒毛和牛の飼育のことはもちろん、牧場経営のこと、畜産流通のこと、近江牛のブランド、畜産廃棄物や有機肥料のことなど、実に様々なお話しをお聞かせいただきました。本当にありがとうございました。あくまで個人的な考えですが、社会学部や農学部といった学部を超えて、瀬田キャンパスとして、地域社会と「農・商・学」連携を進めていけると良いなと思いました。もちろん課題は山ほどあることは承知していますけどね。

▪︎さて、私自身、これまで乳牛の牛舎には何度も行ったことがありました。しかし、肉牛の牛舎は今回が初めてでした。牛はとても人懐っこいといいますか、人に対して好奇心がありますね。向こうからちょっかいを出してきます。しかし、こちらから触りにいこうとすると嫌がって逃げていきます。今回、牛の角が暖かいことを初めて知りました。角にも血が通っているわけです。

▪︎「谷口牧場」の牛は、とても丁寧に育てられていました。飼育されている牛は、よく鼻輪がつけられていますが、こちらの牧場にはそのような牛はいません。牧場全体で二百数十頭の牛がいますが、経営者の谷口仁司さんは、できるだけそれらの牛にストレスを与えないように細かく気を配っておられました。これだけ大きな体をしているので、相当頑丈なんだろうと思ってはいましたが、同時に、かなりデリケートな動物であることもわかりました。谷口さんは、こうおっしゃっていました。牛舎に入るといつもいつも牛たちにみつめられ、そして語りかけられているような気持ちになる。谷口さんは、牛たちからの語りかけを深く理解し、丁寧に世話をされているのです。ある意味、飼育している人間の方が牛に試されているのですね。この谷口さんのお話し、非常に大切なことだなと思いました。

▪︎学生の皆さんのなかには、『銀の匙』という漫画を読んだことがある人もいるでしょう。この作品のなかで、主人公の八軒勇吾が自分が飼育している豚に名前をつけようとして、叱られるシーンがあったように記憶しています。飼育される豚は、食肉に、そしてベーコンやハムなどの加工品になっていく経済動物です。その経済動物に名前をつけてしまうと感情が移入してしまうので、だめだと仲間か教師から叱られるのです。たしか、そのような話しだったように思います。しかし「谷口牧場」の牛には、名前がついています。鹿児島の牧場から子牛としてこの滋賀県にやっくるときに名前がつけられているのです。谷口さんからお話しを伺いながら、畜産は非常に奥が深いことを実感しました。産業と流通といった経済的な視点だけでなく、「命の問題」もそこには含まれています。とても重くかつ重要なポイントかと思います。私たちの社会では、この重くかつ重要なポイントが見えにくくなっています。処理・加工され切り身となった肉だけが、パック化されて「商品」として商店やスーパーマーケットの陳列棚に並んでいるのです。ここには、大きな問題が存在しています。

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