2014年度脇田ゼミ「卒論発表会」

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▪︎恒例の「卒論発表会」、2月3日に無事終了しました。今年は、例年と比較して、卒論指導に苦労しました。例年も苦労していますが、さらに大変だったという気がします。信じていただけるかどうかわかりませんが、卒論指導は体力勝負のところがあります。

▪︎私のゼミは、一人一人がフィールドワークをする約束になっています。ところが、就職活動が長引いたり、知らない人に会いにいくことがかなりブレッシャーになるのか、なかなかフィールドワークにいけないのです。困りました。フィールドワークの結果を、一人一人面談をして報告してもらうことも丁寧にやってきました。そこで、いろいろ質問をしたり、アドバイスをしたりするのです。そして、またフィールドワークにむかわせるわけです。しかし、私自身が歳をとってきたこともあり、大学のいわゆる学内行政の仕事も多く、以前のように学生の指導にたくさんの時間を割くこともできません。面談の設定にも、とても苦労しました。

▪︎さらに、書き上げた原稿を添削することにも、かなり体力を使いました。もっと早く提出してくれれば、私も余裕をもって添削することができますが、年末から正月にかけて集中されると…非常に辛いものがありました(これは、例年のことではありますが…)。本当は、11月末に第一次草稿を提出する約束になっていたのに…。学外の方からは、「どうしてそんなに甘やかすのですか。そういう学生は自分が悪いのだから、留年させるべきです」というご意見もいただきますが、11月末に第一次草稿提出というのはゼミ内の約束事であり、学部で決められた締め切りには間に合っているわけですから、そういうわけにもいきません。私自身はきちんと卒業させることが、私の仕事ですから。まあ、とにかく、次のゼミ生からは、またやり方を変えなければなりません。

▪︎以下が、脇田ゼミ10期生の卒業論文の題目です。

磯部大輔:「『株式会社黒壁』のまちづくりにみるネットワーク構築-『長浜人の地の酒プロジェクト』の事例をもとに-」
上田麻央:「地域活性化事業におけるネットワーク課題-京都府向日市の『京都激辛商店街』を事例に-」
梅村実:「地方鉄道と沿線コミュニティの相互アプローチ-京阪大津線の事例をもとに-」
河野佑城:「体験型観光における地域住民の役割-『南紀州ほんまもん体験』の事例をもとに-」
齊藤翔太:「高齢者を支える地域コミュニティの取組見-滋賀県-東近江市永源寺地区『生活支援サポート絆』の事例をもとに」
坂上寛至:「総合地域スポーツクラブが果たす役割-『くさつ健・交クラブ』をもとに-」
坪井佑馬:「企業による地域貢献のあり方」
竹内健治:「平成の大合併と地域スポーツイベント-『琵琶湖ジョギングコンサート』の事例をもとに-」
靍井志帆:「大阪市旭区千林商店街『1000ピースプロジェクト』にみる商店街活性化-まちのファンを増やし、商店街の賑わいづくりへつなげる取組み-」
寺瀬誠晃:「世界農業遺産が地域の将来にもたらす可能性-世界農業遺産『能登の里山里海』を事例に-」
冨田祥代:「生活改善グループ・直売所での活動に見る農家女性のエンバワーメント-大阪府茨木市見山地区の事例をもとに-」
鳥居俊克:「草津市中心市街地における活性化への取組み」
光定大輔:「『北之庄沢を守る会』による環境保全活動について-滋賀県近江八幡市北之庄町の活動を事例に-」
柳原亮一:「農産物直売所のコミュニケーションについて」
山科成矢:「阪神尼崎駅前商店街の振興と新たな事業戦略-「株式会社TMO尼崎」の活動をもとに-」
吉永涼:「子どもの活動団体がもたらす地域への効果-滋賀県高島市の事例をもとに-」

▪︎昨年の卒論発表会のエントリーに、こういうことを書きました。

私はゼミ運営の最終的な目標を、「ここまでやったぞ!」と自分で納得のいく卒業論文を執筆し、自信をもって卒業していくことにおいています。ですから、卒論指導は時間をかけて丁寧におこないます。個別面談を重視します。また、どのようなテーマであるにしろ、フィールドワークにもとづく実証的な事例研究(ケーススタディ)により卒業論文を執筆してもらうことにしています。もちろん、個別面談を通して指導・支援しますが、基本的には、自分自身の力で調査をしなくてはいけません。必然的に、ゼミ生にとっては、卒論は「大きな壁」になります。この「大きな壁」を乗り越えてもらうことで、各自に成長してもらうことが私の卒論指導のねらいのひとつでもあります。

▪︎今年の4年生は、卒論の調査と執筆で、どこまで頑張ることができたかな…と一人一人の顔を思い浮かべています。卒論の評価は、あらかじめ提示してある基準にもとづき粛々と行いますが、成長のプロセスは人それぞれです。そつなく要領よく卒論を書き上げたとしても、本気になって取り組み「ここまでやったぞ!」という確信をもつことができていないのであれば、私としてはとても残念としか言いようがありません。学生の指導って難しいですね。

▪︎卒論の題目の多くが、地域再生、地域活性化に関するものです。全員、フィールドワークのさいには、何人もの方達に丁寧にお話しを伺わせていただています。卒論のためにやってくる学生を一人一人に対して、地域の皆さんは、どうしてそこまで丁寧に話しをしてくださるのか。丁寧に対応してくださるのか。もう一度、しっかり考えてみてほしいと思います。卒論発表会の最初と最後には、このようなことも含めて、私からの「最後の話し」をしました。次に4年生と会うのは、卒業室の日になります。卒業式の日には、ほとんど話しをしている時間がないからです。はたして、教員である私の思いが伝わったでしょうか。

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