再投稿・金才賢先生と堀昭一さんの出会い
(異常が発生し、ご迷惑をおかけしております。とりあえずの対応でしのいでいます。本日投稿したエントリー「金才賢先生と堀昭一さんの出会い」ですが、私のデータ操作が悪かったためでしょうか、フリーズしてしまっています。そこで、1ページに表示できるエントリー数を減らし、問題が生じたエントリーをダミーのエントリーで次ページに移動させることにしました。このエントリーの本文、後で書きます)」
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■少し前のエントリー「金才賢先生(韓国・建国大学)の来日」にも書きましたが、これから滋賀の農産物を活かした石釜ピザの店を開店される「Ishigama」の堀昭一さんにも、金才賢先生とインタビューしていただきました。この写真は、堀さんにお許しいただき、堀さんがfacebookにアップされたものを転載させていただいています。facebookの投稿のなかで、堀さんは、次のように述べておられます。
昨日は、龍谷大学脇田先生からの、ご依頼を受けて
韓国からお越しの頂いた金教授のインタビューを受けて参りました。
『地域の中でどのような位置付けでありたいか』
『生産者との関係をどのように表現していきたいか』
普段から思い描いていることを、しっかりと言葉にすることがとても大切だと改めて気がつきました。
■「普段から思い描いていることを、しっかりと言葉にすることがとても大切だ」。私もその通りだと思います。言語化、概念化して自分たちの活動をきちんと説明できることが、「地域づくり」においてはとても大切だと思います。先日、3年生のゼミで読んでいる延藤安広先生の『まちの再生の述語集』には、冒頭の部分に、次のような4つのデザインに関する説明があります。
・状況にいかに「やたかなふくらみ」を与えるかという「戦略デザイン」
・人と人[code][code]・状況にいかに「やたかなふくらみ」を与えるかという「戦略デザイン」
・人と人のつながりをいかに仕掛けるかという「参加のデザイン」
・どんなモノを配慮しどんな親密な場所にしていくかという「空間のデザイン」
・「ヒト・モノ・コト・トキ」をいかに仕組むかの「マネジメント・デザイン」
■延藤先生が指摘されているこの4つの「デザイン」は、金才賢先生のインタビューでの堀さんに対する質問とも重なっています。ゼミの3年生にもいったのですが、自分たちがやっている「北船路米づくり研究会」の活動をこの4つのデザインの考え方に重ね合わせてみたときに、どういうふうに自己点検・評価できるのか。堀さんの言葉でいえば「しっかり言葉にする」ことをやってもらいたいと思うのです。話しを、この日のことに戻しましょう。
■金才賢先生は、堀さんにインタビューしたあと、「韓国にも、ピザ店を開店して地域の活性化の取り組む若者達がいますよ」と教えてくれました。「清風商会」というお店を古い伝統的な地域の市場のなかに開店させた若者たちの話しです。ピザ店がメインなのですが、それ以外にも、フットバスやシェアハウス・ゲストハウスの経営もされていすま。ところで、この若者たちは、ある韓国のシンクタンクで学んだ人たちです。韓国には、「希望製作所」というシンクタンクがあります。現在、ソウル特別市の市長であり、弁護士をされていた朴元淳さんが中心とり、2006年、市民が社会デザインの担い手となることを目指す市民参加型シンクタンク「希望製作所」(ヒマンチェジャクソ、The Hope Institute)を設立しました。ネーミングがいいですね。「希望製作所」です。この「希望製作所」でインターンをした若者が、自分の故郷である江華島に帰って、江華島の古い市場のなかで「清風商会」を開店したのです。「清風商会」の経営は、2人の若者がやっているわけですが、そのうちの1人、金土日さんの記事をみつけて、翻訳してみました。もちろん、「エキサイト翻訳」を駆使しての翻訳です。それを少し編集しました。ですから、必ずしも正確ではありません。しかし、大筋はわかると思います。大変興味深い活動だと私は思います。
こんにちは。 「希望製作所」뿌리センター28期インターン金土日です。「希望製作所」のインターンを修了してすでに1年が過ぎました。「希望製作所」での4ヶ月という時間は、自分自身、これから何をしていくべきかについての方向性を、はっきりと捉えることのできた非常に大切な時間でした。
私は江華島(カンファド)で幸せな学生時代を送りました。ソウルにある大学に通う間にも、常に私の胸中には、いつか自分が暮らして地域に戻って何かしてみたいという強い想いがありました。多様な活動によって地域を再生し、コミュニティを活性化していくための仕事をする、뿌리センターのお手伝いをすることになったのも、私が暮らしてきた地域で、自らの人生を育みたいという私の欲求を満足させるためでした。
江華島(カンファド)で何かをしたいという漠然とした考えだけを持っていましたが、ルーツセンターでインターン生活をして地域活動事例に接しました。実際に活動に参加して多様な経験をしました。今私たちがしていることも、このルーツセンターで研修し、研究員の方達の後を付いて回って得たアイデアを活用し、そのアイデアに接木させたのです。 それでは今からルーツセンターで学んだことを基に、私が江華島(カンファド)でどんなことをしているのか紹介し、宣伝させていただこうと思います! ^^
インターンを終えた後、 강화풍물市場に文化観光型市場育成事業団ができたことを知りました。「江華島(カンファド)で地域活性化、市場活性化活動をすることができるとは!」と、嬉しくて浮き立った気持ちになり、すぐにその事業団に参加することにしました。江華島(カンファド)を感じることができる小さい旅行を企画して、市場全体で進める面白い遊び文化を作り、地域民を伝統市場に誘導するための祭りも企画しました。
また、青年たちの活動基盤になる青年モールを作る仕事にも参加しています。 青年たちが持続的に地域で活動をするためには青年モールと同じ基盤がなければならないと考えた末に参加しました。そこで、仁川(インチョン)で文化芸術活動をしていた友達、永らく商売をしていた友達、そして私が一緒に集まって「清風(チョンプン)商会」という名前のお店をつくり、市場で商売を始めました。 「清風(チョンプン)商会」は、現在の実行している取り組みだけでなく、計画中の事業についても色々あります。まず 강화풍물市場に「かまど食堂」を開いてかまどピザを焼いて売っています。
地域の伝統的な市場にどうしてピザなのか。私たちは、伝統な地域市場にピザ屋ができれば、地域の若者たちが市場のなかを探すだろうと考えてピザ屋を開いたのでした。4名全員、料理のできる青年ではありません。市場のお母さんたちが私たちに関心をもってくださり、彼女たちがアドバイスをくださったおかげで、ピザのメニューがひとつひとつ完成していきました。まだ数は少ないけれど、来店されるお客さんのアドバイスについても、ひとつひとつに耳を傾けて味をアップグレードしています。「かまど食堂」を再訪されたお客さんは「かまど食堂」の成長を自らのことのように喜んで応援してくださいます。「かまど食堂」は、青年たちの力だけで成長するのではなく、市場の商店の皆さんと江華島(カンファド)の市民が一緒に育てる食堂になっています。「安い価格と素敵なサービスで、市場を生き残るようにしよう!」という考えで商売をしてみると、「青年たちが他の皆さんに与えるだけでは滅びてしまう…」とたいへん心配して訪ねてくる方たちもいます。
江華島(カンファド)は他の地域に比べて、地域で活動する青年がいません。 ソウルと1時間の距離にあるため距離上で首都圏ですが、江華島(カンファド)だけを切り離して見れば、首都圏のイメージは探すことが難しく、よく言われる田舎っぽい雰囲気が漂っています。そのため、青年たちは江華島(カンファド)に留まることはなく、ソウルや仁川(インチョン)に出て行って活動をするので、他の地域に比べて青年の数がさらに少ない状況にあります。このような状況のためでしょうか、私たち青年が自発的に江華島(カンファド)で住み着いて活動していることを、江華島(カンファド)年配の方は好奇心が入り交じった良い目線で眺めて下さっています。
この前は「清風(チョンプン)商会」の2番目事業である足浴カフェ(フットバス)「足漬けて」がオープンしました。足を漬けて旅行の開始と仕上げができる空間です。バスターミナルそばにあって、旅行客が行き来しやすい 강화풍물市場で、暖かい水に足を漬けて飲み物を楽しみながら旅行の始まるを楽しみ、旅行を終えて家に帰るばあいは、その前に旅行の疲労をとって旅行をふりかえるような空間になるでしょう。もちろん旅行客だけのための空間ではありません。 市場で商売をされているかたたちと江華郡(カンファグン)の人びとのための空間でもあります。市場での仕事は神経を使いとても疲れます。商売されている方たちが、一日の仕事を終えて足をお湯に漬ける、そういった一日の日課を近隣の商店の方たちと共有すると、商売をされる方たちの間の結束力を確かめることになります。江華島(カンファド)は歴史的文化的に多くの資源を有していますが、これらの資源がうまく活用されずにいます。「清風(チョンプン)商会」はこういう豊富な資源を活用できる方法を悩んでいます。
私を除いた残り三人の青年たちは、江華島(カンファド)で暮らしたことがないのですが、今は江華邑(カンファウプ)に家を得て一緒に生活しています。今後、私どもが暮らしている空間を改造してシェアハウスとゲストハウスを運営する計画です。江華島(カンファド)は、歴史のある場所だと呼ばれる程、韓国の歴史から除くことはできない重要な地域であり、そこに自然の海と山が組み合ったとても美しいところです。
江華島(カンファド)はソウル近郊に位置しているため、観客数が多いわけですが、観光客の大部分はペンション旅行や観光地だけさっとみて戻る場合が多いのです。それで私たちは、江華島(カンファド)に住んでいる青年と観光客が交流して、地域に関して話しを交わすことができるゲストハウスを運営することにしました。ペンションが並んでいる江華島(カンファド)には、外国人が一日二日泊まって旅行しにくるでしょう?このゲストハウスを活用した外国人観光客誘致は、地域に風変わりさを提供しますし、ごちゃごちゃした町商圏を活性化させる役割をはたすでしょう。ゲストハウスは朝鮮末期の哲宗が過ごしたヨンフングンがある路地にあります。ここは、江華島(カンファド)に住んでいる学生たちもしばしばやってくる路地です。今後は、ゲストハウスの周辺路地を中心に、地域内文化芸術家らと交流して文化芸術を共有することができるような場所にしていくつもりです。
私はこの頃本当に楽しいです! 正直にいって、まだ「清風(チョンプン)商会」の私たちは余裕があるような生活をするほどの金を儲けられていませんが、楽しく生きているということが私たちにとって最も重要なことなのです。私が育った江華島(カンファド)で、楽しい仕事できることを、本当に幸せなことだと思っています。
by뿌리センター28期インターン研究員・金土日
■できれば、堀さんたちと、ぜひこの韓国の「清風商会」を訪ねてみたいものです。以下の動画は、金土日さんと一緒に「清風商会」を経営されているCho Sunghyuさんです。少し、彼らの活動が理解できるかと思います。