やっとホームページらしく…

■7月25日に、ホームページをリニューアルしました。リニューアルにあたっては、若い同僚の笠井賢紀先生に、細かな点にいたるまで、いろいろお世話になりしまた。ありがとうございました(「新しいホームページを開設しました! 」をご覧いただければと思います)。

■かなり以前に更新がストップして塩漬け状態になっているホームページがあり、そのコンテンツを、手作業で引っ越しさせながら(コピー&ペースト)、いろいろ手を加えてみたりもしました。その結果、やっとホームページらしくなってきました。ただし、リニューアルするときは、「すっきり」したホームページにしたいと…思っていましたが、結局は、「コテコテ」の過剰なホームページになってしまいました…(これは、性格ですね、きっと)。そのうちに、文章の「仕分け」に取り掛かります。Blogの方に分散します(はたして、可能か…)。

■メニューバーをご覧ください。「ABOUT」はいわゆるプロフィールですが、昔の「シングル盤」(ドーナツ盤)のレコードよろしく、A面(公式プロフィール)とB面(個人的な趣味等)に分けてみました。「ABOUT-A」「ABOUT-B」です。「ABOUT-B」は半分お遊びですが、「ABOUT-A」については、少し自分史的なことも含めて真面目に書いてみました。

■「ゼミナール」では、私のゼミに対する考え方や教育上のこだわりを書いてみました。卒論重視・面談重視のゼミであることがご理解いただけるかと思います。こちらも「コテコテ」ですが、学生の皆さんがゼミ選択をするさいに、いろいろ考えるための情報があれば…と思っていると、結果として、こんな感じになってしまいました。「研究」には業績リストだけでなく、「これまでの研究の経過」についても説明してあります。「卒業論文」では、卒業していったゼミ生たちの氏名とタイトルをアップしました。あと、担当している社会学部の「大津エンパワねっと」と、ゼミ活動の一環として行っている「北船路米づくり研究会」のページも用意しました。ただし、まだ、あまり何も解説していませんが…。そのうちに…と思っています。

■右側の「Categories」、ちょっと特殊なものもあります。「ゼミ面談の記録」は、ゼミ生の卒論執筆にむけての指導の記録を残すエントリーです。すくなくとも、2012年度は、このエントリーに記録を残そうと思います。「卒論カード」の書き方についても説明しています。「卒業論文のこと…」は、卒論を書き上げるまでのポイントやヒントについて私なりの解説をしようと思ってつくったカテゴリーです。「BOOK」では、卒論執筆のヒントになりそうな本や文献も含めて、気になったものを紹介していきます。「大学のお仕事…」は、学内行政の仕事について書いていきます。もちろん、具体的な内容については書くことができませんが、「地域活動・貢献」同様、大学教員としてどのような学内行政に携わっているのか、ご理解いただければと思います。「研究」は、フィールドワーク等の様子をお伝えしようと思っていますが、これからどうしていくのか、まだ決めかねています。

流域管理という研究テーマについて

■以下の文章は、『ソシオロジ』という社会学の学術雑誌に掲載されたエッセーです。『ソシオロジ』には、「Doing Sociology」というコーナーがあり、自由に社会学的なエッセーを書けることになっています。私は当時の編集部の依頼にもとづき、「『ご縁』に導かれて流域管理の道へ」という、少々風変わりなタイトルのエッセーを執筆しました。2009年5月に発行された165号(第54巻1号)に掲載されています。このエッセーは、環境社会学を専攻する私が、どうして流域管理をテーマに研究をするようになったのか…そのあたりのことを書いた「自分史的なエッセー」にもなっています。
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●DOING SOCIOLOGY

「ご縁」に導かれ流域管理への道
脇田健一

若いころからわき目も振らずに、特定の社会学的なテーマを一貫して追い続け、着実に研究成果を積み重ねているようなタイプの研究者と話しをすることがある。そんなとき、私は少し居心地が悪くなってしまう。過去を振り返ったとき、自分自身、研究者としてのキャリアを自らの力で切り開いてきたとは到底思えないからだ。博士後期課程の最後の頃から環境社会学を専攻していこうとは考えてはいたが、実際のところは、その時々の自分が置かれた状況に大きく影響を受けながら、ふらりふらりと研究者としての道を歩んできた。誤解を招く表現かもしれないが、「ご縁」に導かれてここまで生きてきたように思うのである。

琵琶湖博物館時代のこと

大学院の博士後期課程を終えたあと、数年のオーバードクターの時代を経て、なんとか就職することができた。一九九一年四月のことである。研究仲間が大学に職を得ていくなかで、私の就職先は社会学を専攻する者としては少し変わったものだった。就職先は、滋賀県庁。配属されたのは、滋賀県立琵琶湖博物館の開設作業を行う滋賀県教育委員会事務局文化施設開設準備室(一九九五年からは琵琶湖博物館開設準備室)であった。一般の行政職とは異なり、滋賀県立琵琶湖博物館(一九九六年開館)の開設準備を行う学芸スタッフ(研究職)としての採用ではあったが、それまでいた大学の世界とは異なり、すべてが戸惑うことばかりでだった。ひとつは、役所という固い組織で働くこと自体に対する戸惑いである。県庁に入った当時、稟議書・起案書ひとつ仕上げるにしても、上司からOKをもらうのに随分時間がかかってしまった。ただ、そのような戸惑いは、固い組織に慣れるにしたがって薄まっていった。しかし、なかなか解消されない戸惑いがあった。

開設準備室での学芸スタッフの仕事の多くは、展示に関することであった。琵琶湖博物館のテーマは、「湖と人間」。「湖や、湖に代表される大いなる自然と人間の将来にわたるより良い共存関係を考えていく」ということが、この博物館に与えられた大テーマであった。私が担当したのは、「湖の環境と人びとのくらし」という「環境」をテーマにした展示室であった。博物館の大テーマのもと、「環境」を、どのような個別テーマと導線により表現し展示として構成していくのか、それを学芸スタッフたちと議論していくことが、準備室に入った時の最初の仕事になった。ところが問題があった。それまで大学や学会で通じる話しがまったく通用しないのである。それは当然である。他の学芸スタッフたちは、生物分類学、生態学、陸水学、地学、歴史学、考古学といった社会学とは異なる分野を専攻しているからだ。そのような彼ら・彼女らの研究には、手に取って触ることのできる「物」資料が明確に存在していた。ところが社会学を専攻する者が展示を考えると、「物」資料を直接扱うのではなく、「物」の向こう側に見える琵琶湖と人間の「関係」を展示で表現しようということになる。直接的に「物」を扱っている同僚からすれば、まわりくどくピンとこない。このように書くと、「社会的事実を『物のように』(comme des choses)客観的に観察せよというデュルケームの教えを忘れたのか」とお叱りを受けるかもしれない。しかし、「物」と「物のように」とはやはり違うのである。今でも忘れないが、ある学芸スタッフには「社会学って、明確な対象のない気の毒な学問だね」と皮肉を言われたことがあった。「社会学って、やたら間口が広くて(なんでもかんでも社会学)、抽象的で、曖昧で、理屈っぽくて…」。それが同僚たちの社会学に対する当初の印象だったのではないだろうか(私の至らなさが大きな原因だったのだが…)。戸惑いは、もうひとつあった。学芸スタッフのなかに数名の行政職の人たちがいた。彼らは、実際に政策課題を抱えて、これまで施策や事業に取り組んできた人たちだ。こんな質問を受けたことがある。「現実を相対化したり、視点をずらしたり、あるいはここが問題だと指摘はできるにしても、社会学は環境問題の解決のために何ができるのか」。もっともな意見だ。ただし、当時の私には、その質問にうまくこたえることができなかった。また、答えられるだけの経験もなかった。

文理連携

博物館とは、「物」資料を収蔵し、研究し、展示する教育研究施設である。そのような博物館の世界のなかで、私のような目に見えない「関係」を扱おうとする者は完全なマイノリティであった。もっとも、当時、学芸スタッフのなかには、もう一人社会学者がいた。現在、滋賀県知事をされている嘉田由紀子さんだ。嘉田さんは、当時、すでに独自の実践的な環境社会学を切れ開かれていた。それは、博物館の機能をフルに活用した研究でもあった。駆け出しの研究者であった私などにはとても真似のできないものであった。当時の私は、上司でもあった嘉田さんとは異なる、もっと別の道を模索するべきだと考えた。しかし、そのような別の道を自らの力で切り開いていったとは、とてもいえない。すでに述べたような「過酷な」(?)状況が、結果として、「ご縁」を生みだし、私の研究を新たな方向へと導いてくことになったように思うのである。

琵琶湖博物館では、個々の専門分野だけに閉じこもって研究をすることが許されなかった。「湖と人間」という館のテーマにふさわしい、自然科学と人文・社会科学のあいだにある壁を超えた学際的プロジェクトを進めていくことが義務付けられていた。私が参加したのは、「東アジアの中の琵琶湖-コイ科魚類の展開を軸にとした環境史に関する総合研究」であった。この学際プロジェクトの目的は、地球科学、古生物学、生物学、考古学、中世史学、民俗学、社会学といった、自然科学から人文・社会科学に至までの異なる分野の研究者たちが連携しながら、環境史という歴史的な研究方法を用いて、琵琶湖という自然環境のもつ価値を評価するための「新たな視点」を提示することにあった。この学際プロジェクトで私は、このプロジェクトのグランドデザインを考えるという機会を与えられた。そして、個々の専門分野に「何ができるのか」ということ以上に「何ができないのか」に気がつくこと、異なる分野の研究に「どのように貢献できるのか」を相互に発見していくこと、言い換えれば、相補的な関係を構築していくことが必要だと考えるようになった。また、それを明快なロジックとして表現していくことが必要だと考えるようにもなった。

このような研究プロジェクトを進めているとき、当時、京都大学生態学研究センターのセンター長をされていた和田英太郎さん(生態学・同位体生物地球化学)から、「琵琶湖を中心にアジアの流域管理に関する大規模な研究プロジェクトを始めます。学際的な、文理融合をめざす研究プロジェクトです。琵琶湖博物館からも参加してください」との依頼があった。この研究プロジェクト「地球環境情報収集の方法の確立-総合調査マニュアルの作成に向けて-」は、日本学術振興会の未来開拓学術研究推進事業として行われた「アジア地域の環境保全」のひとつとして企画されたものだ。研究プロジェクトの成果は、『流域管理のための総合調査マニュアル』(二〇〇二年)という形にまとめられている。私は、この『マニュアル』をまとめる編集ワーキンググループに参加した。

正直にいって、当初、プロジェクトはまったくうまく進んでいなかった。「アジア地域の環境保全」には、六つの研究プロジェクトがあったが、私たちのプロジェクトは、「アジア地域の環境保全」推進委員会の諸委員から、たびたびお叱りを受けていた。この研究プロジェクトは、流域の環境問題の解決に資することが求められていた。科学的研究にもとづいた分析結果を明らかにし、その分析結果にもとづいて問題提起するだけでは評価されなかった。具体的な「解決」に向けての提案や方法が求められていたのである。私たちのプロジェクトでは、この点がまったくうまくできていなかった。もうひとつ。錚々たる研究者達が参加して、自分が得意とする研究を進めたとしても、それらがバラバラであれば、プロジェクト全体としてはまったく評価されないのだ。自然科学から人文・社会科学にいたるまでの異なる分野の個々の研究を、ステープラーで綴じたような研究では、文理融合とはいえないのである。

流域管理には、多数の多元的な要因がからんでいる。このような流域管理の方法を確立するためには、ひとつの学問領域または専門分野の知識や経験だけでは不十分である。このことは流域管理に限らず、環境問題一般にもいえる。近年では、環境問題の解決のためには、これまでのような理系・文系と制度的に分かれていた学問分野を、問題解決にむけて融合していくべきだとの主張がなされるようになってきた。ただし、一足飛びにそのような融合を実現することはできない。そのため、現実的には、個別科学のこれまでの蓄積を活かしつつ、同時に、諸学問領域が自明としてきた前提、また諸学問領域間のズレを明らかにしながら、少しずつ確実に、融合に向けて諸学問分野の協働作業を進めていくことが必要になってくる。私は、その協働作業を文理融合ではなく文理連携と呼んでいる。

この文理連携の考え方にもとづいて、私たちは停滞していた研究プロジェクトをまとめていく作業に入った。私たちに与えられた課題は、「琵琶湖を中心としながらも、アジアの多様な流域を念頭におき、多様性と汎用性に配慮した、そして総合性を取り入れたマニュアルを作成しろ」という困難なものあったが、なんとか、さきほど述べた『マニュアル』にまとめることができた。このような作業にあたっては、琵琶湖博物館での経験を役立ったことはいうまでもない

総合地球環境学研究所のプロジェクト

未来開拓推進事業の研究プロジェクトが終了したとき、私は琵琶湖博物館から新設大学である岩手県立大学総合政策学部に異動していた。私は地域政策講座に所属することになった。地域政策講座には、農村社会学者の細谷昂さんをはじめとして、私以外に、五名の社会学者が所属されていた。こんどは、けしてマイノリティではない。新しい職場で、これまでの経験を活かしつつ、社会学の共同研究ができればと思っていた。実際、そのようなチャンスもあった。しかし私は、再び、琵琶湖に呼び戻されることになった。

未来開拓の研究プロジェクトのリーダーであった和田英太郎さんが、京都大学生態学研究センターから、京都に新しく設立された文部省の研究機関である総合地球環境学研究所(大学共同利用機関法人人間文化研究機構)に異動された。研究所内では、和田さんをリーダーとする「琵琶湖-淀川水系における流域管理モデルの構築」(二〇〇二年~二〇〇六年)という文理連携の研究プロジェクトが組織された。和田さんからは、このプロジェクトに参加してほしいとの強い要請があった。和田さんのもとには、『マニュアル』で一緒に頑張った「戦友」たちも集まっていた。「戦友」の一人からは、「『マニュアル』のときのような苦労はさせないから、さらに踏み込んだ研究をしよう」と熱心に口説かれた。『マニュアル』で私が提案した「階層化された流域管理」という原理的な考え方を積極的に取り入れて研究プロジェクトを進めていこうともいわれた。結果として、私は、この新しい研究所のプロジェクトにコアメンバーとして参加する決心をした。

岩手と琵琶湖はかなり離れている。一週間のうち、三日間を岩手で講義をして暮らし、残りの四日を琵琶湖周辺での調査や調査にむかう移動にあてる、そんなハードな生活を三週間続けたこともあった。もっとも、研究プロジェクトの優秀な若手スタッフが、調査の準備等をきちんとしてくれたので、私は琵琶湖へと移動するだけでよかった。ただ、それからしばらくした後、琵琶に引き寄せられるように、私は滋賀県の大津市にある龍谷大学社会学部に異動することになった。

研究プロジェクトが順調に進んだわけではない。内部からの反発もあった。「苦労はさせないから」とのことだったが、やはり、そうは問屋が卸さなかったのである。コアメンバーとはいえ私は研究所の所員ではなかった。離れた場所からは、研究プロジェクトの進捗管理がうまくできなかった。特に、若手研究スタッフの皆さんには申し訳なかった。もうひとつは、ピュアサイエンスを志向するポスドクの若手研究スタッフと、公共政策の科学を志向する社会学者の私とのズレであった。「私たちの就職や将来をどう考えているのだ」と不満をぶつけられたこともあった。たしかに、そのような若手スタッフの心配は理解できる。しかし、新たな流域管理の方法は、居心地の良い専門家の「共同体」からあえて抜け出す必要がある。そして、研究プロジェクト内部で生じる専門領域間のコンフリクトを超え、相補的な関係を構築しなければ生み出すことはできないと思うのである。

『流域環境学』

紆余曲折はあったものの、研究プロジェクトはなんとか終了した。海外からの研究者を招聘しての評価委員会でも、満足のいく評価を得ることができた。そして、研究プロジェクトの成果は、二年の準備期間を経て、日本生命財団からの助成を受け、今年の三月に『流域管理環境学-流域ガバナンスの理論と実践』(京都大学学術出版会)として出版されることになった。『流域環境学』は、流域管理の現状と課題から始まり、ガバナンスに配慮した新しい流域管理の考え方=「階層化された流域管理」の考え方の提案、流域診断の技法、流域管理を進めるための社会的コミュニケーション支援、流域環境学の発展課題と続く、五部から構成されている。

時代は、行政や専門家だけによる一律的なトップダウン的環境行政から、環境政策の決定過程に、地域住民や様々な関係者が多様な利害関係者として参加・参画するべきだという考え方に不十分ながらもしだいにシフトしてきている。このような環境ガバナンスの時代においては、従来の環境政策のようなトップダウン的なアプローチだけでなく、そのようなトップダウン的なアプローチと、地域社会からのボトムアップ的なアプローチをどのように接合していくのかが問われるようになってきている。しかし、現実には、そこには大きな制約条件が存在している。階層である(ただし、社会学でいう階層研究の階層ではない)。私たちは流域には複数の階層が存在しているとものとして捉える。そして、その階層に多様な利害関係者(ステークホルダー)が分散しているために、流域管理を進めるうえでの社会的コミュニケーションが困難になり、流域管理に関する問題認識に違いが生まれてくと考えている。このような問題を乗り越えるために、私は「階層化された流域管理」*という考え方を提示した。詳しくは、第二部の「『階層化された流域管理』とは何か」や「農業濁水問題の複雑性」といった拙論をお読みいただきたい。そして、研究プロジェクトでは、この「階層化された流域管理」の考え方をベースに、水質問題(農業濁水問題)を事例として、流域の問題解決を促進するための社会的コミュニケーションをどのように豊富化していくのかという観点に立ち、流域診断・流域管理の方法論の開発を進めてきた。おそらく、今であれば、琵琶湖博物館時代に言われた「社会学は環境問題の解決のために何ができるのか」という質問に対して、それなりに答えることができるかもしれない。もっとも、かつての同僚に納得してもらえるかどうかは別問題だが…。

さて、研究プロジェクトの成果を『流域環境学』にまとめたあと、私は、より実践的な段階へどのように研究を移行させていくのかを模索をしている。さきほど述べた研究プロジェクトの「戦友」とともに、滋賀県の琵琶湖総合保全学術委員会で、琵琶湖総合保全整備計画第二期のあり方について、異なる分野の研究者たちと継続的に議論をしている。また、滋賀県の琵琶湖環境科学研究所の「琵琶湖流域管理シナリオ研究会」にも参加している。ここでも、異なる分野の研究者が集まり、琵琶湖の環境保全計画の基本となる琵琶湖の将来像を、県民参加で描きだす手法を開発しようとしている。

このような私のDOING SOCIOLOGYが、学会内部の正統派の社会学の立場からは、どのように映るのか正直よくわからない。しかし、環境政策の現場では、専門分野の壁を超えた動きが確実に進んでいる。新たな「ご縁」のなかで、私の前にどのような道が広がっていくのか、大変楽しみにしているのである。

*この「階層化された流域管理」の考え方は、鳥越皓之さんの「生活環境主義」と、舩橋晴俊さんの「環境制御システム論」の成果を、自分なりに咀嚼し摂取しつ提示したものである。「生活環境主義」に対する私なりの考え方については、拙論「琵琶湖・農業濁水問題と流域管理」(『社会学年報』No.34、東北社会学会)の冒頭で簡単に述べたが、「環境制御システム論」も含めて『流域環境学』のなかでは十分に説明できていない。これらについては、別の機会に譲ることとしたい。  (わきた けんいち・龍谷大学社会学部教授)
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【追記】■このエッセーの最後に補記のように「これらについては、別の機会に譲ることとしたい」と書いています。この論考は、『環境社会学研究』vol.15(2009年)の特集「環境ガバナンス時代の環境社会学」の巻頭論文として掲載されました。「『環境ガバナンスの社会学』の可能性-環境制御論と生活環境主義の狭間から考える-」というタイトルの論文です。以下は、この論文の和文要約です。
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本稿では、環境ガバナンスが人口に膾炙する時代における、環境社会学の課題や役割について明らかにしていく。以上を明らかにするために、まず、環境社会学の二大研究領域である<環境問題の社会学>と<環境共存の社会学>の代表的な研究として、舩橋晴俊の環境制御システム論と鳥越皓之らの生活環境主義を取り上げ、それらの理論的射程を再検討する。そして、両者の議論と関連しながらも、その狭間に埋もれた環境ガバナンスに関わる新たな研究領域が存在することを指摘する。そのような研究領域では、以下の2つが主要な課題となる。(1)多様な諸主体が行う環境に関する定義(=状況の定義)が、錯綜し、衝突しながら、時に、特定の定義が巧妙に排除ないしは隠蔽され、あるいは特定の定義に従属ないしは支配されることにより抑圧されてしまう状況を、どのように批判的に分析するのか。(2)そのような問題を回避し、実際の環境問題にどのように実践的にかかわっていくのか。以上2つの課題を中心に、政策形成をも視野に入れながら、「環境ガバナンスの社会学」の可能性について検討を行う。

キーワード:環境ガバナンス、環境制御システム論、生活環境主義、環境に関する定義、環境社会学の役割

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ゼミ生の皆さんへ、脇田の2012夏期休暇中の予定です。

夏期休暇中の予定

■卒論の面談を希望する人は、以下の脇田の日程を参考に、e-mailでアポをとってください。よろしくお願いいたします。

■すでに、いろいろ予定が入っていますが、朝のジョギングを頑張り、8月は合計100kmを走るつもりです。また、個人的な旅行も短期間ですが楽しんできます。仕事とプライベートともに頑張ります。4年生の皆さんも、「卒論のことを忘れないようにしながら」、学生生活最後の夏期休暇を楽しんでください。

■卒論に関していえば、すでに調査に取りくんでいる人もいます。また、調査の準備を進めている人もいます。様子も伝えてくれています。しばらく反応がない皆さん、まだ1回も面談をしていない皆さん、卒論の中間発表会は9月22・23日です。課題設定、調査地の概況、調査の進捗状況、おそらくは到達できる結論…といったあたりを、レジュメにまとめて報告してもらいます。基本は、卒論の構成と同じです。まだ、よくわかっていないところは、空白でもかまいません。ただし、「今後、このような点について調査をさらに進めていきます」という事を、レジュメにきちんと書くようにしてください。

■卒論の中間発表は、ゼミの公式行事です。4回生は、人数分のレジュメを用意して全員出席すること。早めに、きちんと準備を進めるようにしてください。よろしくお願いいたします。

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8月6日10:00〜15:00:研究室にいます。その後は、大学院の東アジアプロジェクトの関係で、京都の「ともいき荘」で韓国からやってきた学生(社会福祉)の皆さんの歓迎会に出席します。晩は、深草キャンパスで会議です。
8月7日〜10日:基本的に研究室で仕事をしています。朝は、10:00には研究室にいます。8月9日は、FM滋賀の番組に出演するため、11時頃に研究室に到着します。8月10日は、夕方から、韓国からの学生たちとのパーティがあります。
8月11・12日:研究会があり東京に出張します。
8月13日〜16日:まだ決定していませんが、数日だけ大学に来て講演の準備をしています。
8月18日:「北船路米づくり研究会」の「野菜市」です。頑張って野菜を販売しましょう。仕事の分担、よろしくお願いいたします。
8月19日:大津祭のボランティア団体・長柄衆の皆さんにお話しをします(講演)。
8月20日〜24日朝:個人的な旅行で海外にでかけます。
8月23日:「北船路米づくり研究会」のイベント「かかし祭」の関係で、「みつばち保育園」で案山子を作成します。「案山子班」の皆さん、よろしくお願いします。私は日本にいませんが、どうかよろしくお願いいたします。
8月24日〜26日:社会調査実習の合宿です。大津の中心市街地で活動しています。
8月27日〜:「大津エンパワねっと」の4期生の報告会に向けての指導を受け付けますので、かなりの頻度で大学にいると思います。
8月28日:「大津エンパワねっと」のチーム・きりんのイベントの関係で、町家キャンパス「龍龍」に駐在しています。
8月31日:「大津エンパワねっとを進める会・中央」の会議が、17時から町家キャンパス「龍龍」で行われますが、昼間、面談等行うことは可能です。
9月2日:「北船路米づくり研究会」のイベント「かかし祭」の当日です。頑張りましょう。
9月5日:大学院社会学研究科の執行部会議が午前中にあります。午後からは、対応可能です。
9月12日:大学院社会学研究科の執行部会議が午前中にあります。午後からは教授会で、対応できません。
9月13日:大学院博士後期課程の中間報告会があり、終日、対応できません。
9月14日:午前中は、「大津エンパワねっと」の担当者会議、また「エンパワ」報告会のリハーサルがあり、ほとんど対応できないと思います。
9月15日:大学院修士課程の入試業務があり、終日対応できません。この日は、「北船路米づくり研究会」の「野菜市」ですが、学生の皆さんで頑張ってのりきってください。
9月16日:「大津エンパワねっと」の報告会です。夕方近くからだと対応できると思います。
9月19日:深草キャンパスで9月卒業の皆さんの卒業式・修了式があります。午後も「エンパワ」の会議があり、対応できません。
9月20日:授業開始日です。
9月22日〜23日:北船路で農作業を行うとともに、卒論の中間発表会も開催します。

2012年度ゼミ面談の記録

いつ面談したかの記録を残します

■このエントリーでは、ゼミ生との卒業論文やゼミ報告に関する簡単な面談の予約状況を記録として残していきます。面談の詳しい内容については、ここには書きません。キーワード程度です。私のこれまでの経験では、面談の回数と卒論の進捗状況とは比例しています。きちんと準備をして面談に臨んでください。また、自分のペースメーカーとしてこの記録を時々見るようにしてください(「しばらく面談に行っていないな…、これはマズい」という感じです…)。面談の予約状況のみここに書き込んでいきます。このページは、「2012年度」夏からの面談記録です。

面談の記録:2012年8月以降の記録です

【8月】
(1)2012/08/08:4回生・IY(ゆか)・調査に関する相談。、調査依頼文の作成等。面談修了。
(2)2012/08/17:4回生・SK(おすぎ)・卒論の相談。テーマ選定。面談終了。
(3)2012/08/17:4回生・KA(あまき)・卒論の相談。テーマ選定。面談終了。
(4)2012/08/30:3回生・MS(ますだ)・ゼミ報告の相談。歴史的景観保全。面談修了。
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【9月】
(5)2012/09/10:4回生・SK(さざん)・卒論テーマ確定。農地保全をめぐる協力関係。面談修了。
(6)2012/09/10:4回生・KA(あまき)・卒論テーマ確定。吹田市の市民による観光。面談修了。
(7)72012/09/11:4回生・SD(さくま)・卒論の相談。さらなる質問項目の作成を指示。面談修了。
(8)2012/09/12:4回生・KN(なっつ)・卒論の相談。テーマと調査地が決定。面談終了。
(9)2012/09/12:4回生・IY(ゆか)・調査の進捗状況確認。面談終了。
(10)2012/09/18/12:30:4回生・MA(あおい)・調査に関する相談。面談終了。
(11)2012/09/18/13:00:4回生・MT(ちほりん)・調査の進捗状況確認。面談終了。
(12)2012/09/18/13:30:4回生・KA(あまき)・調査の進捗状況確認。面談終了。
(13)2012/09/19/18:00:4回生・IM(いしい)・テーマの確定。面談終了。
(14)2012/09/20/13:30:4回生・IT(がんちゃん)・調査の進捗状況確認。面談終了。
(15)2012/09/20/14:00:4回生・MY(ゆうと)・調査の進捗状況確認。面談終了。
(16)2012/09/20/14:20:4回生・SK(F)(おすぎ)・調査の進捗状況確認。面談終了。
(17)2012/09/20/14:40:4回生・SK(M)(さざん)・調査の進捗状況確認。面談終了。
(18)2012/09/27/12:50:4回生・KA(あまき)・調査の進捗状況確認。面談終了。
(19)2012/09/27/13:20:4回生・MA(あおい)・調査の進捗状況確認。面談終了。
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【10月】
(20)2012/10/04/13:30:4回生・SA(しおちゃん)・卒論テーマの確定。面談終了。
(21)2012/10/04/14:00:4回生・KN(なっつ)・調査の進捗状況確認。面談終了。
(22)2012/10/04/14:20:4回生・UT(うえの)・調査の進捗状況確認。面談終了。
(23)2012/10/04/14:40:4回生・IY(ゆか)・調査の進捗状況確認。面談終了。
(24)2012/10/04/14:40:4回生・SY(しわく)・調査の進捗状況確認。面談終了。
(25)2012/10/06/15:00:3回生・KD(だいすけ)・ゼミ報告の相談。面談終了。
(26)2012/10/11/14:00:4回生・MY(ゆうと)・調査の進捗状況確認。面談終了。
(27)2012/10/11/14:30:4回生・NA(あきら)・ゼミ報告の相談。面談終了。
(28)2012/10/12/13:00:4回生・IY(ゆか)・調査の進捗状況確認。面談終了。
(29)2012/10/23/12:35:4回生・SK(おすぎ)・調査の進捗状況確認。面談終了。
(30)2012/10/23/12:35:4回生・KA(あまき)・調査の進捗状況確認。面談終了。
(31)2012/10/25/14:10:4回生・YT(やすひら)・ゼミ報告の相談。面談終了。
(32)2012/10/25/14:30:4回生・IS(さっち)・調査の進捗状況確認。面談終了。
(33)2012/10/25/14:30:4回生・IT(がちゃん)・調査の進捗状況確認。面談終了。
(34)2012/10/26/13:35:4回生・IY(ゆか)・調査の進捗状況確認。面談終了。
(35)2012/10/26/14:00:3回生・MS(ますだ)・ゼミ報告の相談。面談終了。
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【11月】
(36)2012/11/01/14:00:3回生・MS(ますだ)・ゼミ報告の相談。面談終了。
(37)2012/11/01/14:00:4回生・KN(なっつ)・課題設定、研究史の整理について。面談終了。
(38)2012/11/01/14:00:4回生・MC(ちほりん)・課題設定、研究史の整理について。面談終了。
(39)2012/11/01/14:00:3回生・MS(しおり)・ゼミ報告の相談。面談終了。
(40)2012/11/08/12:35:4回生・IS(さっち)・調査の進捗状況確認。面談終了。
(41)2012/11/08/14:30:4回生・KA(あまき)・調査の進捗状況確認。面談終了。
(42)2012/11/12/14:45:4回生・IY(ゆか)・調査の進捗状況確認。面談終了。
(43)2012/11/21/17:00:3回生・IM(まどか)・ゼミ報告の相談。面談終了。
(44)2012/11/15/14:30:4回生・IY(ゆか)・調査の進捗状況確認。面談終了。
(45)2012/11/21/16:50:3回生・YY(ようへい)・ゼミ報告の相談。面談終了。
(46)2012/11/28/12:45:4回生・MT(ちほりん)・調査の進捗状況確認。面談終了。
(46)2012/11/29/14:00:4回生・IM(まさし)・調査の進捗状況確認。面談終了。
(47)2012/11/29/14:00:4回生・KN(なっつ)・調査の進捗状況確認。面談終了。
(49)2012/11/29/14:50:4回生・IT(がんちゃん)・調査の進捗状況確認。面談終了。
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【12月】
(50)2012/12/04/13:40:3回生・UH(ひろくん)・ゼミ報告の相談。面談終了。
(51)2012/12/06/14:00:4回生・SA(しおちゃん)・調査の進捗状況確認。面談終了。
(52)2012/12/06/14:30:4回生・UT(うえの)・調査の進捗状況確認。面談終了。
(53)2012/12/06/14:50:4回生・MY(ゆうと)・調査の進捗状況確認。面談終了。
(54)2012/12/06/16:00:4回生・IY(ゆか)・調査の進捗状況確認。面談終了。
(55)2012/12/06/16:30:4回生・IM(まさし)・調査の進捗状況確認。面談終了。
(56)2012/12/10/11:30:4回生・MY(ゆうと)・卒論原稿の修正等。面談終了。
(57)2012/12/13/14:00:4回生・KN(なっつ)・卒論執筆に関する相談。面談終了。
(58)2012/12/13/14:30:4回生・KA(あまき)・卒論の執筆に関する相談。面談終了。
(59)2012/12/13/15:00:4回生・IY(ゆか)・卒論の執筆に関する相談。面談終了。
(60)2012/12/13/15:30:4回生・IM(まさし)・調査の進捗状況確認、卒論執筆に関する相談。面談終了。
(61)2012/12/13/16:00:4回生・SY(しわく)・調査の進捗状況確認、卒論執筆に関する相談。面談終了。
(62)2012/12/14/14:00:4回生・IT(がちゃん)・卒論の執筆に関する相談。面談終了。
(63)2012/12/14/14:30:4回生・IY(ゆか)・卒論の執筆に関する相談。面談終了。
(64)2012/12/17/16:00:4回生・MC(ちほりん)・卒論原稿の修正等。面談終了。
(65)2012/12/18/11:00:4回生・SK(おすぎ)・卒論原稿の修正等。面談終了。
(66)2012/12/18/14:00:4回生・SD(さくま)・卒論の執筆に関する相談。面談終了。
(67)2012/12/19/12:45:4回生・IS(さっち)・卒論の執筆に関する相談。面談終了。
(68)2012/12/19/13:10:4回生・SD(さくま)・卒論の執筆に関する相談。面談終了。
(69)2012/12/20/14:00:4回生・UT(うえの)・卒論の執筆に関する相談。面談予約。
(70)2012/12/20/14:50:4回生・IM(まさし)・卒論原稿の修正等。面談終了。
(71)2012/12/20/15:10:4回生・MC(ちほりん)・卒論原稿の修正等。面談予約。
(72)2012/12/20/15:40:4回生・KN(なっつ)・卒論の執筆に関する相談。面談終了。
(73)2012/12/20/16:00:4回生・KA(あまき)・卒論の執筆に関する相談。面談終了。
(74)2012/12/20/16:30:4回生・MA(あおい)・卒論の執筆に関する相談。面談終了。
(75)2012/12/21/14:00:4回生・SD(さくま)・卒論の執筆に関する相談。面談終了。
(76)2012/12/21/14:45:4回生・MY(ゆうと)・卒論の執筆に関する相談。面談終了。
(77)2012/12/21/15:15:4回生・TS(たけだ)・卒論の執筆に関する相談。面談終了。
(78)2012/12/21/15:45:4回生・SK(おすぎ)・卒論の執筆に関する相談。面談終了。
(79)2012/12/24/12:00:4回生・IT(がんちゃん)・卒論の執筆に関する相談。面談終了。
(80)2012/12/25/11:00:4回生・UT(うえの)・卒論の執筆に関する相談。面談終了。
(81)2012/12/25/11:30:4回生・IM(まさし)・卒論の執筆に関する相談。面談終了。
(82)2012/12/26/11:00:4回生・KN(なっつ)・卒論の執筆に関する相談。面談終了。
(83)2012/12/26/11:30:4回生・KA(あまき)・卒論の執筆に関する相談。面談終了。
(84)2012/12/26/12:00:4回生・MA(あおい)・卒論の執筆に関する相談。面談終了。
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■2012年の面談は、26日の3人で終了します。
■次回は、2013年1月4日の午後13時35分からにします。1月4日の面談終了時間は17時です。赤ペンを入れた卒論の原稿をもとに、修正・加筆について指示を出します。13時35分〜17時までのあいだに面談をして、必ず、受け取るようにしてください。
■只今(12月26日18時)から、1月4日の面談の予約を受付けます。1人10分程度で終わります。
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【1月】
■卒論提出直前の最終面談の予約は、メールで。最後の修正指示を出します。10程度です。隙間の時間に詰込んでいきましょう。
(85)2013/1/4/13:35・4回生・KN(なっつ)・卒論提出直前最終の修正・加筆指示。面談終了。
(86)2013/1/4/13:45・4回生・MY(ゆうと)・卒論提出直前最終の修正・加筆指示。面談終了。
(87)2013/1/4/14:00・4回生・IT(がんちゃん)・卒論提出直前最終の修正・加筆指示。面談終了。
(88)2013/1/4/14:15・4回生・SK(さざん)・卒論提出直前最終の修正・加筆指示。面談終了。
(89)2013/1/4/14:30・4回生・IY(ゆか)・卒論提出直前最終の修正・加筆指示。面談終了。
(90)2013/1/4/14:45・4回生・IS(さっち)・卒論提出直前最終の修正・加筆指示。面談終了。
(91)2013/1/4/15:00:4回生・UT(うえの)・卒論提出直前最終の修正・加筆指示。面談終了。
(92)2013/1/4/15:15:4回生・SY(しわく)・卒論提出直前最終の修正・加筆指示。面談終了。
(93)2013/1/4/15:30:4回生・MT(ちほりん)・卒論提出直前最終の修正・加筆指示。面談終了。
(94)2013/1/4/15:45:4回生・MA(あおい)・卒論提出直前最終の修正・加筆指示。面談終了。
(95)2013/1/4/16:00・4回生・SK(おすぎ)・卒論提出直前最終の修正・加筆指示。面談終了。
(96)2013/1/4/16:15:4回生・KA(あまき)・卒論提出直前最終の修正・加筆指示。面談終了。
(97)2013/1/4/16:30:4回生・IM(まさし)・卒論提出直前最終の修正・加筆指示。面談終了。
(98)2013/1/4/16:45:4回生・SD(さくま)・卒論提出直前最終の修正・加筆指示。面談終了。
(99)2013/1/7/10:00:4回生・TS(たけだ)・卒論提出直前最終の修正・加筆指示。面談終了。
(100)2013/1/7/12:15:4回生・UT(うえの)・卒論提出直前最終の質問。面談終了。
(101)2013/1/7/12:45:4回生・IT(がんちゃん)・卒論提出直前最終の質問。面談終了。
(102)2013/1/7/13:00:4回生・KN(なっつ)・卒論提出直前最終の質問。面談終了。
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■2012年度の4年生については、1月8日(火)に6号館地下にある「社会調査実習室」に午後13時35分に集合してください。必ず、提出できる完成した形にして持参してください。また、1月10日(木)の4限は、通常通りゼミを開催します。

(103)2013/3/6/11:00:3回生・YT(やすひら)・助成申請プレゼン相談。面談終了。
(104)2013/3/7/14:00:3回生・MS(しおり)・研究会パンフレット相談。予定。

生涯学習課の来学

■今朝も、朝のジョギング=朝ランで5km走ってきました。体は(特に、下半身の筋肉は)、どことなく疲れているわけですが、朝ランは脳を活性化します。朝から気持ちが高揚し、今日も元気に仕事に取り組んでいます。さて、今日は、滋賀県教育委員会生涯学習課の職員の方が3名、社会学部の「大津エンパワねっと」のヒアリングのために来学されました。「大津エンパワねっと」は、別のエントリーにも書きましたが、社会学部がある瀬田キャンバスに隣接する「瀬田東学区(小学校区)」と大津市の中心市街地にある中央学区を中心とした「中央地区」の2カ所で、学生たちが地域の皆さんと協働しながら地域の課題解決や魅力を伸ばしていく活動に取り組んでいます。活動が大津市であるということもあり、これまでは大津市役所さん(特に、都市計画部都市再生課)には、大変お世話になってきました。

■今日は、滋賀県教育委員会の生涯学習課の皆さんです。じつは、今年の春、広い意味での「地域づくり」に関連する滋賀県庁の部署に、「大津エンパワねっと」の活動報告書や関連資料をお送りしたのですが、それらの報告書や資料をお読みいただき、「大津エンパワねっと」にご関心をお持ちいただいたことが、今回の来学につながったようです。ヒアリングということもあり、基本的には、「大津エンパワねっと」の概要や取り組みのポイント、また地域との連携のあり方等についてお話しをさせていだいたのですが、生涯学習課が、今後どのような事業展開をしていきたいのかという点についてもお話しを聞かせていただきました。

■生涯学習というと、公民館のような施設での「座学」というイメージが強いわけですが、私自身は、それだけではないと思っています。少し、説明させてください。現在、企業を退職された方、あるいはこれから退職されようとしている方たち(男性が多いわけですが)が、地域社会のなかに再度、自分と社会との「つながり」をもてるような仕組みが地域社会のなかに必要とされています(中高年男性の地域デビュー)。また、地域社会のなかには、大学も含めた様々な学校、広い意味で地域づくりに関わる様々な団体、それから地域にねづいて活動をしている自治会関連の団体、これらが有機的な「つながり」を構築していくことも必要だと考えています。そのような様々な「つながり」、地域社会のなかで孤立した個人、そして「島状」になって分散する小さなネットワークをつなぎながら、さらに社会関係資本(Social Capital)を蓄積しネットワークを重層的に築いていくこと、そのためにはコーディネートする「人材」や「社会的な仕組み」が必要です。

■私は、前者の「人材」を、「呼びかけ屋さん」「つなぎ屋さん」と読んでいます。そのような「呼びかけ屋さん」や「つなぎ屋さん」は地域づくりの表舞台に出るというよりも、舞台裏で活躍する人びとです。「呼びかけ屋さん」や「つなぎ屋さん」は、自分が表舞台に立って、自分が思い描いた「青写真」を、周りの人びとをリードしながら実現していく…そのようなタイプの人ではありません。また、なんらかのカリスマ性のもとで、人びとを魅了し、人びとをまとめるようなタイプの人でもありません(一昔前のリーダーシップ像とは、そのようなものでしたが)。むしろ、様々な潜在的な力や資源をお持ちの個人や団体が、それぞれの「持ち味」を活かしあう「相補的な関係」が生まれる「場」や「チャンス」をつくっていくような人こそが求められているのかなと思っています。そのような意味で、ディレクターではなく、表舞台には出ない影のプロデューサーである必要があります。「影の」という点が重要です。

■そのような「場」や「チャンス」が一定程度、ゆるやかに制度化されていったときに、さきほどの(後者の)「社会的な仕組み」が生まれていくことになります。そのような「社会的仕組み」のなかでは、特定の個人や団体が、他の個人や団体=「他者」を自らの目的のために「手段」として使うような状況(あるいは、そのように見えてしまう状況)に陥らないことが必要です。お互いの「持ち味」を活かしあえる関係が必要なのです。「他者」を「承認」し「評価」しあうこと、と言い換えてもよいかもしれません。これまでも、よく「win-winの関係」ということが言われてきました。しかし、そのような「win-winの関係」が、単に功利主義的(自分にとって都合がよい、自分が得をする…)な関係のままでは、「社会的仕組み」には持続性が生まれません。「他者」を「承認」し「評価」しあうこと、「私(あるいは、私たちの団体)は、あなたの(あるいは、あなたたちのような団体)の存在があって、さらに光輝くことができる」という、他者への「リスペクト」が伴う関係であってほしいと思います。さらには、「他者」の様子をそれとなく伺いながら、お互いに、さりげなく「支援」を申し出ることができる関係であってほしいとも思います。少し難しい言葉になりますが、他者を自らの「エージェント」にしない、他者に自らの「ミッション」を押し付けない関係(「エージェント」化と「ミッション」化の回避)、そして他者を「包摂」しながらも同時に「排除」するような抑圧性を孕まない工夫が必要なのです。

■影のプロデューサーである「呼びかけ屋さん」や「つなぎ屋さん」が生まれるような土壌づくり、そして「他者」を「承認」し「評価」しあうことのできる「社会的仕組みづくり」、この両方をどのように地域社会のなかに根付かせていくのか、そのあたりのことが現在の地域社会の課題になっているように思います。そして、そのような取り組みこそが、これからの時代の、広い意味での「生涯学習」ではないかとも思うのです。生涯学習課の皆さんとは、「大津エンパワねっと」の事以外にも、このようなお話しをさせていただきました。せっかく「ご縁」が生まれたのですから、これからは生涯学習課の皆さんとも、なにか新しい取り組みができればと考えています。

大学院の自己点検・評価

■最近、フルマラソン完走にむけて、朝のジョギングに取り組んでいます。今日も、朝5時半に起床し、6時過ぎから近くの「周回コース」を4周、5kmほどの距離を走りました。朝のジョギング=朝ラン、気持ちが良いですね。それに気持ちがリフレッシュして頑張って働こうとする意欲が体のなかから湧いてきます。ということで、朝ランを終えて大学に出勤。朝10時からさっそく会議に入りました。

■今日の会議は、大学院社会学研究科の執行部会議でした。社会学研究科には、社会学専攻と社会福祉学専攻の2専攻があり、それぞれに専攻主任と教務主任が1名ずつ、あわせて全体としては4名の教員が、研究科長である私を支えてくださっています。その4名の教員の皆さんと、教務課長さんと課員のCさん、そして私の7名での会議を始めました。今日の議題の中心は、龍谷大学の大学評価支援室が中心となって実施している「自己点検・評価」の結果や、社会学研究科内に設置されている制度整備検討委員会(社会学研究科執行部と両専攻の複数の教員から構成)の答申をもとに、社会学研究科の改革をどのように進めていくのかということでした。

■ふだん大学院の運営に従事していると、「ここが困った点だよね」、「ここをなんとかしないといけないよね」という事を、しばしば教員仲間で話すことになります。しかし、忙しい日常の業務に流されて、「わかってはいるけれど、なかなか取り組めない」状況に陥りがちです。大学評価支援室が実施している「自己点検・評価制度」は、そのような状況のなかでも、一端立ち止まって、改めて研究科という組織全体のことを見直し検討する(せざるを得ない)チャンスを与えてくれるものです。まさに狙いは「支援」にあるわけです。組織のもっている課題を整理し、潜在力を引き出すこと、いわば改善・改革に向けての自己組織性の活性化を側面から支援している…といってもよいのかもしれません。私たち執行部が思っていることは、この「自己点検・評価」の作業を梃に、さきほど述べた制度整備検討委員会の答申を具体化していこうというものです。

■これから夏期休暇に入りますが、執行部の先生たちには、作業を分担していただき、まずは改革にむけての「基本計画」づくりから取り組んでいただくことになりました。大凡のアウトラインは見えているので、教務課の皆さんの心強いバックアップをいただきながら、夏期休暇中に基本枠組みをつくってしまう予定です。さあ、頑張ろう!!

学生の集団としての主体性

kfz11-4.jpg ■今晩は、北船路の指導農家宅に、リーダー格のゼミ4年生と3年生の有志が集まり、9月2日に開催される「かかし祭」の話し合いを行います。計画を具体的に詰めいくためです。これまで「北船路米づくり研究会」の活動においては、私や指導農家がいろいろ指示を出して学生が動く…というパターンが多かったのですが、最近は、4年生が責任感をもって主体的に動いています。担当教員として、とても嬉しく思っています。

■グループで目標に向かって活動するさいには、メンバー間の協力・信頼関係の構築やお互いの調整能力が不可欠になります。そのような関係や能力が培われていくと、多少忙しくても、疲れていても、「なんとか活動に参加しよう」という意欲や、「仲間の期待に応えよう」と頑張る気持ちが生まれてきます。また、仲間とともに力をあわせて目標を達成したときの充実感を、また味わいたいと思うようになります。「自分たちだって、やればできる!!」という感覚が醸成されていきます。そのような感覚は、さらに関係や能力を強化していくことにもつながります。

■「北船路米づくり研究会」は、この春に卒業したゼミ生=1期生が3年生になった2010年度から始まりました。当初の取り組みは、指導農家のもとで、農業や農産物の流通について経験してみる…という点に主眼がおかれていました。まだ、活動が始まったばかりですから、仕方ありませんね。そのような中でも、積極的に農作業に通う学生があらわれました。指導農家からの呼びかけで、獣害柵の修繕などのボランティアにも出かける学生が出てきました。ただし、それは個々の学生の主体性であって、まだ集団としての主体性ではありませんでした。まだ、条件が整っていませんでした。

■そのような1期生の学生たちの活動の蓄積を基盤に、2期生は、発展的な事業に取り組み始めました。まずは、月1回街中で開催している「北船路野菜市」です。初めに提案したのは教員である私であり、指導農家のアドバイスや協力で初めて可能になったわけですが、活動を継続し経験を蓄積していくなかで、次第に活動のノウハウのようなものを身につけていきました。そして、その次は「かかし祭」です。こんなイベントを自分たちの力でやったことはないわけですが、指導農家のアドバイスもいただきながら、リーダー格の4年生有志が3年生(3期生)に呼びかけて、ミーティングを重ね、作業を分担するなど、しだいに集団としての主体性が芽生えてきたのでした。

■4年生は、学生生活最後の夏期休暇に卒業論文の調査を行いながら、この「かかし祭」の準備に取り組むことになります。他のゼミの友人からは、「夏休みにもゼミやってんのか…」と言われるようですが、このような取り組みを通して獲得した経験が、学生自身の「財産」になっていくと信じています。また、会社勤めを終えて疲れて帰宅して後、学生の相談に乗ってくださる指導農家Fさん(兼業農家)には、本当に感謝しています。

■トップの写真は、1期生が、自分たちが栽培したコシヒカリ米(龍大米)を脱穀したときに撮ったものです。2期生、3期生の学生諸君に良くいっているのですが、「北船路野菜市」や「かかし祭」に取り組むことができるのも、この1期生の活動があったからこそです。そのことを感謝してほしいと思います。また、社会人となった1期生の諸君も、後輩たちの活躍を心から喜んでくれていると思います。

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