クランクレーデ演奏会「Viva★MOZALT」

20211124klangrede2.jpg■21日(日)は、午前中は、滋賀県高島市朽木の椋川の秋を楽しみ、いったん車で自宅に戻り、そこから兵庫県伊丹市にJRで移動しました。大学の学部学生の頃に、大学オーケストラに所属していましたが、そのオケ時代の仲間や知り合いが演奏する市民オケ「クランクレーデ」の演奏会に行くためです。今回の演奏会のプログラムは、モーツァルト没後230年ということで、すべてモーツァルトの作品です。これって、すごいことです。

歌劇「イドメネオ」KV366より「序曲」
歌劇「イドメネオ」のためのバレエ音楽KV367
ピアノ協奏曲第24番ハ短調KV491
交響曲第39番変ホ長調KV543
交響曲第40番ト短調KV550
交響曲第41 番ハ長調KV551

■こちらの市民オケで演奏されている皆さんは、ほとんどの方が学生時代から楽器を続けてこられた方達、あるいは途中、楽器から離れても今は一生懸命楽器の演奏に取り組んでおられる方達なのではないかと思います。驚くべきことですが、このクランクレーデ以外にも、掛け持ちでいくつもの市民オケで演奏されている方達がおられます。阪神間にはたくさんの市民オケがあるからでもありますが、それだけ音楽に情熱を傾けておられる方達が集まっているのです。アマチュアとしては、相当のベテランの方達が集まっておられるような気がします。

■しかし、そのような方達でも、今回のモーツァルトの曲はかなり難しかったようです。演奏後の知り合いの方の感想ですが、「マーラー(Gustav Mahler)よりずっと疲れたとみんな言っています。モーツァルトは難しかったです」というものでした。私は、遠い昔にヴァイオリン弾いていたわけですが、モーツァルトの交響曲を、ベートーベンやブラームスの交響曲と同じようにを弾くわけにはいきません。技術的にも難しかなと思います。特に、弓の使い方とか。

■とはいえ、昨今の市民オケで、これだけたくさんのモーツァルトの曲を一度に取り上げているところは無いようにも思います。人数の多い一般の市民オケだと、団員全員が舞台で演奏できるようにプログラムを考えなければなりません。モーツァルトの作品を選択することは難しいということになります。たしか、クランクレーデは毎回、演奏会のたびに演奏したい方達が集まって演奏会をされていると聞きました。そのような運営の仕方をされていることに加えて、規模が小さめの室内オーケストラだからこそ、このような全てモーツァルトのようなプログラムが可能なのかもしれません。そのようなこともあって別の知り合いの方からは「モーツァルトは大変でしたが本当に楽しく弾けました」との感想もいただきました。なかなかこういう経験はできないですからね。

■facebookには、クランクレーデのページがあります。そこには、次のような紹介がなされています。

私達、クランクレーデは、1989年4月に、室内オーケストラとして結成されたアマチュアの演奏団体です。阪神間、主に西宮市を中心に活動しています。結成当時、演奏会は好評を博していましたが、様々な事情により惜しくも数年で一旦活動を休止。すぐに、古楽器合奏団として活動を再開し、合唱団「森の宮ライゼコール」とともにバッハの宗教曲を中心に演奏活動を続けてきました。その後、2013年より創立当時のメンバーや長年の活動で知り合った多くの友人たちの協力も得て、モダン楽器を使用した弦楽合奏による演奏会を再開。次いで2016年7月より念願だった発足当時と同じ姿、室内オーケストラとしての活動を再開しました。「クランクレーデ」(KLANGREDE)とは、ドイツ語で「音楽の話法」「音の話し方」と言うような意味です。この名は、古楽界の巨匠、ニコラウス・アーノンクール氏の著書 “ Musik als Klangrede “ (邦訳「古楽とは何か」)から取られました。そこに書かれている、要約すると ≪かつて音楽は文化の大黒柱の一つで、人生の最も重要な構成要素であり、醜美・善悪・苦楽等々、すべてを包括する、言葉ではいいあらわせぬものの生きた言葉であるがゆえに、それは同時代・同地域でのみ理解され得るものであった。しかし眼の前にある音楽の真の意味を理解するための努力を怠ってはならない。その努力は必ず実を結んで、音楽は時代と場所を超えて私たちの前に真の姿を現す。≫ といった考え方に共鳴し、そこに込められた精神を、自分たちの「銘」として演奏活動を展開していこうと言う志を込めて、自分たちのオーケストラの名として冠する事にしたものです。

20211124klangrede1.jpg■次回のクランクレーデ演奏会は、来年の7月になります。今度は全曲ブラームスの作品になります。ブラームス没後125年記念なのだそうです。次回のプログラムは2日がかりになります。とはいえ、出演者の都合で連続とはならないようです。というのも、クランクレーデは、昨年の12月に、2日連続でベートーベンの9つの交響曲を全て演奏されました。すごいことです。2日かけてベートーベンの交響曲を全て演奏する方も大変ですが、それを聴く方も相当の体力が入ります。ということで、次回は、1日目が7月23日、2日目が7月31日になります。予定されているプログラムは、以下の通りです。

●7月23日
交響曲第1番
ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲
ハイドンの主題による変奏曲
ヴァイオリン協奏曲
交響曲第2番

●7月31日
ピアノ協奏曲第1番
大学祝典序曲
交響曲第3番
ピアノ協奏曲第2番
交響曲第4番

■兵庫県の伊丹市のホールでコンサートを楽しんだ後は、阪急で梅田まで移動しました。滋賀に暮らすようになって、阪急に乗ることはほとんどなくなったので、マルーン(阪急電車の色)の鉄分を補給する(鉄道を楽しむ)良い機会になりました。梅田では、大阪に暮らす息子と合流し、独身時代によく通った炉端焼き店で遅い夕食を一緒にとりました。息子のリクエストです。40年近く前、一品280円だったように思いますが、今は300円になっていました。息子が選択したは、「大衆路線」でしたが、父親としては、もうちょっと高級志向のお店でもよかったんですけどね。息子は、その後、一緒に滋賀に帰省することになりました。 写真は、その帰りの風景です。コロナ感染拡大以降、大阪に来たのは、たった1回ではないでしょうか。ということで、この日は2回目。写真は、ひさしぶりの大阪に「大都会だな〜」と思った瞬間を撮ったものです。

椋川のノイバラのリース

20211123wreathe.jpg
■ひとつ前の投稿で、朽木の椋川(滋賀県高島市)でのイベント「第18回おっきん!椋川」に参加して楽しんできたことを書きました。写真はお土産の一部です。すごいでしょ、このリース。山から採ってきた木の実と針葉樹の葉っぱで作ってあるようです。「何の実、何の葉っぱなのか」とfacebookに書いてみたところ、植物の専門家、リース作りが好きな方が教えてくださいました。赤い実はノイバラで、緑の葉はヒバだそうです。クリスマスっぽい雰囲気ですね。我が家にキリスト教の信仰はありませんが、来月も中旬になったら自宅のドアに飾ることにします。あっ、そうそうリースの値段ですが、500円です。もっと高くても良いのにな〜。京都や大阪だと、2000円を超えても売れるような気がします。

第18回おっきん!椋川

20211123mukugawa6.jpg
■21日(日)、滋賀県高島市朽木椋川で開催された「第18回おっきん!椋川」に参加してきました。新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込み、紅葉を楽しみながら山里を歩き、スタンプラリーをしてきました。とても気持ちが良かった〜。お土産もいっぱい買ってきました。毎年、1000人近くの方達がやってこられるようですが、今年はコロナ感染のこともあり事前に告知されなかったようです。それでも、300人の方達がこの山里にお越しになりました。
20211123mukugawa1.jpg
■現在は通信制の高校になっていますが、この高校の校庭が駐車場になります。以前は、今津西小学校の分校でした。2008年に廃校になりました。この学校の歴史については、こちらをご覧ください
20211123mukugawa2.jpg20211123mukugawa9.jpg
■スタンプラリーですが、これだけです。これで簡単にスタンプラリーができるんですね。どなたもいませんが、アルコールの消毒液と、ハンコとスタンプ台。セルフサービスです。そしてかつてこの地点から見えた風景写真と解説のパウチシートが置いてあるのです。いいですね。このような場所が、集落内に8箇所あり、散策しながら順番に巡っていきます。かつての山里の風景やそこでの暮らしに思いを馳せて、集落の中を散策するわけです。
20211123mukugawa3.jpg20211123mukugawa4.jpg
■ 燃料革命以前、この村ではたくさんの炭が生産されていました。今とは風景が違うはずです。かつてはすべてが広葉樹ですし、ホトラと呼ばれる採草地もありました。ところで、滋賀県立大学環境科学部の学生の皆さんが、お手伝いをされていました。カッコいいな〜。
20211123mukugawa5.jpg20211123mukugawa7.jpg
20211123mukugawa8.jpg20211123mukugawa10.jpg
■時々、お土産を買いながらの楽しい散策でした。漬物や干し柿を買いました。新米も買いました。あと、見事な赤い実で作ったリースが500円。それから、籾を取った稲穂で作ったミニ箒等も。栗ご飯と小鮎の塩焼きを昼食にいただきました。栗ご飯をいただいた後に訪れたお宅では、定食を提供されていました。残念ながらお腹がいっぱいで食べられませんでした。

社会共生実習「ポスター作成講座」

20211119poster.jpg■金曜日の2限は、社会共生実習で私が担当しているプロジェクト「地域エンパワねっと中央」の授業です。今日は、「地域エンパワねっと中央」以外の他のプロジェクトの皆さんも集まって、ポスター作成講座が開催されました。講師は、昨年に引き続き、京都大学情報環境機構の小野英理先生です。開催趣旨は、以下の通りです。

活動報告会等で成果報告をする際、第三者に「わかりやすいポスター」が作成できれば あなたの活動がもっと評価されるはず!! 昨年度も好評だったポスター作成講座、講師は京都大学で助教をなさっている小野英理氏です。 第30回霊長類学会大会にて最優秀ポスター賞を受賞されるなどご活躍なさっている小野氏から 「わかりやすいポスター」の作成方法を学ぶ貴重な機会です! この機会にぜひ、ポスター作成のスキルを磨いてポスターセッションやグループワークの質を 向上させましょう!

■社会共生実習では、活動報告会を開催しています。この報告会では、次年度以降に「社会共生実習」を履修してみたい学生の皆さんや、他のプロジェクトの皆さん、そして地域の皆さんを対象に、ポスターを作成して、自分たちが取り組んできた活動や、その成果を伝えることになっています。ところが、実際にポスターを作成しようとすると、多くの皆さんは戸惑ってしまうわけです。「ポスターって、どうやって作れば良いのかな」ということになります。また、我流でポスターを作成できたとしても、読む人にはうまく伝わらないことがあります。せっかく頑張って活動して成果も残してきたのに、とても残念なことですよね。「自分たちの活動について何も知らない人にも、きちんと伝わるような工夫」が必要になるのです。今日は、ポスターを作成する際に前提となる基本的な考え方をわかりやすく整理していただくとともに、具体的なポスター作成のテクニックについてご講義いただきました。

■おそらく、こういうポスターを作成する能力って、大学を卒業した後、企業等で働く際にもきっと役立つのではないかと思います。

【追記】講師の小野先生、お薦めのサイトです。基本的なデザイン手法を学ぶためにとても参考になるサイトとのことです。
伝わるデザイン 研究発表のユニバーサルデザイン

龍谷マルシェ2021

20211117marche.png■龍谷大学農学部は、龍谷大学の中では一番新しい学部です。2015年に設置されました。農学部設置の際には、委員としていろいろお手伝いをさせていただきました。そういう意味でも、他学部ではありますが、農学部の活動には強い関心を持っています。今回は、親しくさせていただいている農学部の石原健吾先生から、左ように「龍谷マルシェ2021」の開催について連絡がありました。

■この中に、11月21日に「浜大津こだわり朝市」に出店することが書かれています。この「浜大津こだわり朝市」は、大角街中に賑わいを作るために、京阪浜大津駅の改札口を出たところにある「スカイサークル」で開催されている、近江のこだわり地域資源を持ち寄って交流しているアットホームな朝市です。私も依頼されてこの朝市の実行委員になっているのですが、ずいぶん長い間幽霊委員のままできちんと役割を果たせておりません。私に期待されているのは、おそらく大学や学生と朝市を繋ぐことなのだと思うのですが…。

■先日、石原先生から「ランチ一緒にしませんか」とお誘いを受けました。その際、この朝市に農学部の学生の皆さんに出店していただくことはできないだろうか…とご相談をさせていただきました。石原先生には大変前向きに捉えていただき、農学部の関係者に働きかけていただきました。結果として、今回の「龍谷マルシェ2021」の一環として出店していただけることになりました。

■学内外でいろいろ相談されることも多いですが、こうやって私の方からご相談をさせていただいたり、お願いをしたりすることもできることは、大変幸せことだなあ〜と思っています。こういうのって、とても大切なことだと思うんですよね。

野口・国境の炭焼

20211117noguchi1.jpg
20211117noguchi2.jpg20211117noguchi3.jpg
20211117noguchi4.jpg20211117noguchi5.jpg
■滋賀県高島市マキノ町野口の「国境炭焼きオヤジの会」を訪問しました。午後から炭焼による村づくり活動についてお聞きする予定でしたが、そのことに加えて、午前中は地元のマキノ西小学校4年生の校外学習の様子を見学させていただきました。国境は、高島市マキノ町野口の、3つある集落(小字)の中でも一番北にあります。ちょっと150mほど歩くと福井県に入ります。

■トップの写真は、「国境炭焼きオヤジの会」が作られた炭窯の小屋です。入り口の上には、「夢炭」と書いた看板が掲げてあります。「むーたん」と読みます。たしか、商標登録されているはずです。夢の炭…なかなかロマンチックなネーミングですね。この日は、小学生がやってくるということで、窯の中にライトが照らされていました。私たちも、窯の中に入れていただきました。2段目左の写真は窯の中から撮ったものです。3段目左は、粘土の塊です。炭窯に隙間から空気が入ると炭にならずに灰になってしまいます。そこで、その隙間をこの粘土で塞ぎます。適度な粘りが出るように色々加えてあります。粘土は硬くても柔らかくてもダメなようです。微妙ですね。
20211117noguchi6.jpg20211117noguchi7.jpg
20211117noguchi8.jpg20211117noguchi9.jpg
20211117noguchi10.jpg20211117noguchi11.jpg
■4段目左。左側の割った木材が、右側のような炭になります。重さは1/6に、サイズも少し縮見ます。5段目右、小学生のみなさんが、焼いた炭を適当な大きさにノコギリでカットしています。普通の材木とは切る際の感触が違うので、驚きの声が上がっていました。6段目は、この炭焼窯の近くにある願力寺で、昔の暮らし、特に囲炉裏のある暮らしについて、お話を伺っているところです。いろんな質問が出てきます。予想以上にいろんな知識があります。少し驚きました。
20211117noguchi12.jpg
■午後から、願力寺で「国境炭焼きオヤジの会」の活動について、指導している大学院生とともにお話を伺いました。今回は、高島市役所の職員さんも同行された。部屋の真ん中の囲炉裏には、炭が燃えていています。大変温かいです。囲炉裏には五徳が置かれています。五徳に置いた網で餅を焼いていただき、ご馳走になりました。今日も、3時間ほどお話を伺いながら、楽しい時間を過ごすことができました。

■2010年「水源の郷活性化事業補助金」の助成を受けて野口という区の事業として始まった炭焼。最初は、活性化の事業として、どのようなことに取り組むのかを議論されたようです。議論の結果、炭焼をやることになりました。炭焼は、この地域の生業の中心、現金収入の中心でした。この地域のアイデンティティと深く結びついているのです。こんな話も聞くことができました。福井県との県境に位置するこの地域は雪深く、冬の間は炭焼きができません。現金収入が途絶えきます。そこで、炭の問屋から借金をして、雪が溶けて春になってから炭を焼いて、現金ではなく炭で返したというのです。もちろん、そのような経験をされている方は、どうだろう、ご健在ならば100歳前後の方たちでしょうか。

■さて、「国境炭焼オヤジの会」の皆さん、炭を焼くだけでなく、炭を使った石鹸を商品開発して販売もされてきました。近くの道の駅だけでなく、ネットでも販売されたようです。もちろん、炭そのものの販売についても努力されてきました。そうやって盛り上げてきた炭焼きなのですが、活動を始めて10年経過すると、担い手の高齢化や担い手不足等により、炭焼きの活動自体が難しくなってきています。先行きは暗いわけです。しかし、どういうわけだか話は明るく盛り上がります。暗いけど明るい、ここは社会学的にはけっこう大切なポイントかなと思います。

■当初は区の事業として始まった事業ですが、今は野口の有志の個人による活動になっています。加えて、近くの愛知県から在原に移住されてきた方も参加されています。この方はなかなかのアイデアマンのようで、活躍されています。炭窯の煙突にセンサーを設置して、釜の温度を測定したり、窯に原料の薪を運ぶのにも、ローラーコンベアを使ったり、高齢化の中にもいろいろ工夫を提案されているのです。野口の皆さんから期待されています。今日も、リーダーのKさんに、柱を立てて窯全体をブルーシートで覆えるようにすれば、天候に左右されずに炭が焼けると話されていました。しかし、80歳目前のKさんは、「そこまでして、炭を焼きたくないわ」と笑いながら話されていました。このあたり微妙なのですが、大変興味深い点でもあります。

■当初より、野口以外の人たちにもオープンにした活動をされてきました。ただし、炭焼きの作業は、天候や様々な条件に左右されます。作業の段取りが変わるのです。遠く離れたところに住んでいる方、たとえば大津に暮らしておられる方に、急にボランティアで作業をお願いすることもなかなか難しいわけです。結局は、自分たちで作業をすることになります。オープンに活動をする上で、インターネット等での情報発信が大切になるのですが、現在はそこまで手が届いていません。

■高島市には野口の他にも炭焼で活性化に取り組む集落があります。「連携して高島市全体でブランディングしては」という発想も出てくるわけですが、集落によって炭の質が異なるため、それもなかなか難しいとのことでした。炭は工場で生産する工業製品とは異なるのです。もっとも、難しいと言ってばかりでは仕方がありません。なんとか、炭焼を事業化、企業化していきたいとも考えておられます。もう区の事業ではないので、地域外から本気で取り組む若い担い手が来てくれるのならば、技術やノウハウを伝えるという発言がありました。そういう若い担い手が参加してくれるのならば、一緒に頑張るし応援もするという発言もありました。もしそうならば、面白い展開になるのかもしれません。また、「半農半X」ならぬ「半炭焼半X」(炭焼や炭焼に関連する付加価値をつける仕事と、他の仕事(”X”)を組み合わせた働き方)が成立するのならば、実現する可能性もあるのかなと思います。あと、炭焼するには太くなり過ぎた山の広葉樹の利活用をどうするのか。これも大きな課題です。現在、炭にする薪をどうやって調達しているかといえば、別荘地で大きくなりすぎて伐採された樹、炭焼のサイズに割って使っています。山の広葉樹は太くなりすぎて、使えないのです。

■おそらく、こういう現実があることを認識するのならば、地域の支援策もこれまでとは違ったものになってくるのではないかと思います。また、役所の中で部署ごとに縦割りになった支援策をうまく組み合わせていくことも必要だろうと思います。

雲洞谷(うとだに)の炭焼き

20211117utodani2.jpg
20211117utodani1.jpg■高島市朽木の雲洞谷を訪問しました。「うとだに」と読みます。こちらの「まるくもくらぶ」の活動に関して、指導している大学院生とお話を聞かせていただきました。今回は、高島市の中山間地域の活性化について一緒に仕事をしている市役所の職員さんも同行されました。楽しかったです。お話しいただいたのは、「まるくもくらぶ」のリーダーのIさんと、ここに移住してきてIさんと一緒に活動しているFさんです。Fさん一家は、京都からここに転居されました。お2人に、いろいろ細かな質問に丁寧にお答えいただきました。ありがとうございました。

■写真は復活した炭焼窯です。炭焼は、かつての生業の柱でした。山での暮らしを象徴する生業なのです。その炭焼きを経験されている方を先生役に、「まるくもくらぶ」では炭焼窯を復活させました。活動されているのは70歳前後の人たちです。年齢は前後しますが、全員幼馴染であり、青年団も消防団も一緒に活動してきた仲間です。彼らは炭焼きの手伝いはしても、自分たちの手で炭窯を作ったり炭を焼いたことはありません。そして、親の世代とは異なり、この山村の中だけで暮らしてきたわけではなく、外の職場に通勤しながらここに住み続けてこられました。車と湖西線を使えば、住み続けることができたのです。ただし、同い年の同級生で雲洞谷に残っているのは、Iさんお1人だけです。

■Iさんが生まれたのは1949年。いわゆる団塊の世代です。Iさんが中学生の頃に、「燃料革命」の影響がこの山村にも届くことになりました。そして雲洞谷の炭焼も1960年代の後半には途絶えることになりました。Iさんの記憶では、炭焼きに必要な広葉樹を伐採した後に、杉の苗をどんどん植えていきました。その頃、政策の後押しもあり広葉樹がどんどん針葉樹に替わっていきました。「拡大造林」です。

■先程、炭焼き経験者を先生役に…と書きました。集落を代表する生業としての炭焼きは途絶えていましたが、その経験者の方だけは、身体が動く間、小さな窯で炭焼きを続けてこられていました。2019年、その方から炭焼きを教えてもらう「勉強会」を開催しました。記録を残して、自分たちでも炭焼きが継続できるようにしたのです。この「勉強会」には、多くの外部の人たちも参加されました。「勉強会」がオープンな形であることが興味深いですね。この村に住み続けるのには、外部の人たちの関わりが重要だとの考えを、活動の当初からお持ちだったのです。雲洞谷のことに関心を持ち、気になる人たち、今流行りの言葉で言えば、関係人口を増やそう、そのような考えのもとで取り組まれているのです。

■「まるくもくらぶ」のロゴは、丸の中に「雲」という漢字を書いて、その後にひらがなで「くらぶ」がついてきます。なんでも、消防団の法被の背中は、この「まる雲」が描かれているそうです。ポイントは、「まる」が完全に閉じておらず、少し切れていて、外部に対して開かれているところにあります。つまり、集落で閉じた活動ではなくて、「外部に開かれた活動ですよ、外部の方達にも参加してもらいたいのですよ」という気持ちが表現されているのです。まあ、このブログには全てを書ききれないわけですが、貴重なお話を聞かせていただくことができました。炭焼き以外にも、栃餅、鯖のへしこ、鯖のなれ寿司の話もおもしろかったですね〜。鯖のなれ寿司は食べたことがありません。食べてみたいな〜。この山深い山村の人たちにとって、琵琶湖の淡水魚よりもひと山越えた若狭の海の魚の方が手に入りやすいし重要だったのでしょう。

■本格的に寒くなる前に、再度、雲洞谷を訪問する予定です。その時は、栃餅の原料である栃の実を実らせる巨木にも逢いに行ってみたいと思います。

晩秋の琵琶湖

20211114biwako1.jpg
20211114biwako2.jpg
20211114biwako3.jpg20211114biwako4.jpg
■昨日は午前中に、zoomでゼミ生の卒論の面談(指導)を行いました。心配していましたが、自分なりに考えて工夫をしていたので、少し安心した。私があまりよくわかっていないテーマ、「引きこもり」についての研究なのですが、興味深いことをいろいろ教えてもらいました。あとは、卒論全体を貫く、1本の論理をきちんと浮かび上がらせることができるかどうか。頑張ってください。

■面談の後は、溜まっている事務仕事をして、昼食は外食ということになりました。堅田にあるイタリアンレストランで琵琶湖を眺めながらピザとパスタをいただきました。店内から琵琶湖が見えたので、食後は、渚まで出てみました。まだ、寒さを感じるような風景ではありません。それでも、冬の渡鳥がたくさん集まっていました。双眼鏡を持っていけばよかったな。琵琶湖の水位が下がっているので、はなり浜が広がっていました。今年は台風のシーズンに雨があまり降らなかったせいです。水位、ちょっと心配です。

オンラインと対面式

20211114mygarden2.jpg■昨日は、溜まっていた庭仕事を午後に3時間ほどかけて行いました。枯れたものを取り除き、落ち葉を集め、ユリの球根を鉢に植え、収穫が終わったプランターの土を処理しました。プランターの土には、たくさんミミズがいましたた。ミミズからすると、食べ応えのある土だったのかもしれません。それから水も撒く。3匹のクサガメを飼っていますが、その飼育箱の水を交換してあげました。カメたちは、気温が下がってきて、もう餌を食べることもありません。これから、冬眠に向かっていきます。

■今朝は、少し庭がましになったので、写真を撮ってみました。我が家の小さな庭サラサドウダンがオレンジ色に美しく紅葉しました。そして、サザンカが咲き始めました。晩秋ですね〜。

■今日は入試業務のある日でした。同僚の教員の皆さんが集まってきました。普段、会議はオンラインですので、実際にお会いするのは本当にひさしぶりです。ところで、朝、たまたま横に座った方のお顔を存じ上げませんでした。ご挨拶をすると、すでに昨年から社会学部で勤務されているとのこと。もちろん、あちらも私のことをご存知ないかなと思います。違う学科なので、よくわかっていなかったのです。コロナ感染拡大で、昨年度から会議は全てオンラインでteamsを使って行われるようになりました。teamsでは、普段、教授会では司会をする学部長以外の方の顔を拝見することもありませんし。まあ、仕方ないですね。

20211114mygarden1.jpg■そんなこんなで、今日は、オンライン会議でしかコミュニケーションがないと、教員集団はどんなふうに変化していくのかなと思いました。実は、うまく感じ取れていないだけで、すでに変化しているのかも知れませんね。学生の皆ささんも、教員の皆さんも、コロナ感染で授業や学内の業務がオンラインになったことを「良いことだ」と思う人と、逆に「困ったことだ」と思う人の両方がおれるように思います。私は「良いこと」とは思わないけれど、「仕方のないことだ」とは思っています。仮にコロナが収束しても、もうオンライン授業を無くして、全ての授業が再び対面式に戻ることはないと思います。加えて、どのようなことはオンラインで行うべきなのか、どのようなことは対面式で行うべきなのか、組織としてポリシーをしっかり持っていないとまずいなとも思っています。私は、地域連携型の教育プログラム等に熱心に取り組んでいる方なので、その辺りのことについては敏感にならざるを得ません。PBL(Project Based Learning)、CBL(Community Based Learning)のような実践的な学習は、オンラインでは困難だからです(できないわけではないけれど…)。もうひとつ。「困ったこと」といえば、学生さんや同僚の皆さんとの、どうでもよいおしゃべりやコミュニケーションが少なくなってしまったことかなと思います。無駄のように見えるコミュニケーションから、大切なものが生まれてくるからです。

部局長会で活動成果報告

20211111kagaikatsudohoukoku1.jpg
20211111kagaikatsudohoukoku2.jpg
20211111kagaikatsudohoukoku3.jpg
■今日の午前中、大学の執行部である「部局長会」の会議の冒頭で、硬式野球部、端艇部、バドミントン部とともに、吹奏楽部も活動成果報告を行いました。吹奏楽部からは、若林音楽監督、東幹事長、朝倉副幹事長が、先月末に開催された第69回全日本吹奏楽コンクール大学の部で金賞(全ての審査員がA評価のオールA)受賞を報告いたしました。私も、冒頭、少しだけお話しさせていただきました。

管理者用