杉岡孝紀先生のこと

▪️土曜日の若林義人監督退職パーティーの際、来賓としてお越しになっていた入澤崇学長から、「今連絡があり、杉岡先生が亡くなられました」と小さな声で教えていただきました。杉岡先生は文学部に勤務されていますが、以前は、農学部にもご所属の時期がありました。龍谷大学では、「仏教の思想」という授業が必修になっており、それぞれの学部のこの授業を仏教を専門とされる教員が担当するのです。そのようなわけで、以前、杉岡先生は農学部に所属されていました。私は社会学部に所属しているので、杉岡先生とは深い交流はありませんでした。杉岡先生が学内で研究発表されている時にお話をお聞きした程度です。ただ、私がセンター長を務める龍谷大学世界仏教文化研究センターでは、杉岡先生に副センター長をお勤めいただいていました。センターの会議はその多くはオンラインではありますが、杉岡先生には、その会議の際にいろいろお世話になりました。

▪️昨日は杉岡先生のお通夜の日でした。葬儀場には、たくさんの僧籍を持つ方たちが集まっておられました。そのことは服装からわかりました。おそらくご同僚や後輩、大学院や学部の指導学生の方たちなのでしょう。葬儀場に入られたときには、身体の中から溢れてくるように南無阿弥陀仏とお念仏を唱えておられていました。自分の意思とは別にお念仏が口から出てくるというふうにしか感じられませんでした。葬儀の導師は、杉岡先生が住職をお勤めの岐阜県のお寺のお近くのお仲間の方でした。「正信念仏偈」を唱えました。お通夜に参列された方達の多くが僧侶であることから、場内には「正信念仏偈」を唱える声が響き渡りました。最近、通夜や葬儀に参列することが少しずつ増えてきましたが、今までこのような経験をしたことはありません。

▪️通夜は枚方で行われましたが、枚方に向かう途中、「りゅうこうブックス」という龍谷大学宗教部が発行している講演録を収めた冊子の、杉岡先生のご講演を読み直していました。ひとつは、「他者とは誰なのか」、そしてもう一つはこのYouTubeの動画にある「人間は一本の管、だが苦悩する管である」というタイトルのご講演です。私は、この杉岡先生の講演録を読んで、直接、先生がお考えになる「他者」という問題について、詳しくご教示いただきたいと思っていましたが、それは叶わないことになりました。大変残念です。「りゅうこくブックス」のバックナンバーのリンクも貼り付けておきます。

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