猪瀬ゼミの「まわしよみ新聞」

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■瀬田キャンパスの6号館の壁に「まわしよみ新聞」に掲示されました。私のゼミでも「まわしよみ新聞」を取り組んでいますが、社会学部社会学科の猪瀬ゼミでも毎年取り組まれています。そして、こうやって6号館の壁に、「壁新聞」のように掲示されています。これから4回に分けて順番に掲示していかれるようです。どれだけの人が足を止めて眺めているのかわかりませんが、私はじっくり拝見させていただいています。

■もうひとつは、何の授業でしょうか。やはり壁新聞ですが、タイトルは「理想の宗教施設」になっています。猪瀬優理先生のご専門は宗教社会学なのです。ひとつひとつ拝見していくと、学生の皆さんの宗教観や死生観がうっすら見えてくるような気がします。おそらく、猪瀬先生のご研究にも、ヒントを提供しているのでしょうね。

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■こちらは、7年前の脇田ゼミでの「まわしよみ新聞」です。この学年は、2017年の春に卒業されています。社会人になって5年目ですか。頑張って働いているかな。

■ところで、ゼミで今年も「まわしよみ新聞」を実施していることを投稿したところ、「まわしよみ新聞」の発案者である陸奥賢さんからコメントをいただくことができました。以下は、そのコメントです。

新聞は「ガチャ」なところがあって。紙面を開くまで、どんな記事が掲載されているのか?よくわからない…という「福袋型メディア」です。
「知りたいことを知る」には非効率的ですが(それは検索型メディアのネットなどで調べたらいい)「ガチャ」「福袋」だからでこそ「予想外の記事」「想定外のニュース」「未知の世界観」に出会う可能性がでてくる。新聞の可能性と面白さはそこでしょう。セレンディップなメディアであるということ。
ネットにはネットの良さ(ダメなとこ)があり、新聞には新聞の良さ(ダメなとこ)がある。そういうメディア特性を知ることは情報化社会、情報文明の時代には非常に重要かつ必須のスキルではないかと思います。

■「ガチャ」って、カプセルトイのことですね。wikipediaの説明ですが、「小型自動販売機の一種で、硬貨を入れ回転式レバーを回すとカプセル入りの玩具などが出てくるもの、またその取り出した玩具」のことになります。開けてみるまでは、何があるのかわからないわけです。陸奥さんは、そのガチャと呼ばれるカプセルトイと新聞は似ていると言っておられます。なるほど。確かに、ネットの検索型メディアとは違って、「予想外の記事」「想定外のニュース」「未知の世界観」に出会うことになります。そこに魅力があります。そこに価値があります。これまで自分が知らなかった世界が目の前に広がっているような感じがするのです。

■新聞だけでなく、大学での「学び」についても、このような広がりがあります。陸奥さんの表現で言えば、「セレンディップ」ということになります。「セレンディップ」とは、素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見することと言われています。大学に入る前には考えていなかった、新しい知の世界に出会う、予想外の知の世界に出会う、そのことにこそ大学での「学び」の魅力があるのだと思います。それは、自動車の免許を所得するために自動車学校で勉強したり実技を身につけたりするのとは違っています。自動車学校のゴールは、免許を取得して安全運転ができるようになることの1点にありますが、大学の「学び」はその人ごとに違う「学び」があるはずです。その「学び」を積み上げていくのは、知の世界を広げていくのは自分自身でなければなりません。大学の教員は、その積み上げていくことを手助けはしてくれますが、あくまで積み上げるのは自分自身なのです。そうでないといけないと思っています。

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